リレーは、電磁石で開閉できるスイッチのことです。(フォトMOSリレーなど、固体半導体のものもありますが此処では除外)
古い歴史のある部品で、徐々に半導体に置き換わっていますが、利点も多いのでまだまだ使われています。
リレーの利点としては
逆にリレーでなく、半導体スイッチを選択する場合は、以下の理由が挙げられます。
以上のような利点、欠点はありますが、ここではリレーを使う場合の注意点を主に取り上げます。
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製品の選択
製品選択には以下のような部分をみます。
耐電圧
/ 許容電流
/ 動作電圧
/ スイッチ構成
/ 切り替え極数
/ 寸法、重量
/ 入手性
スイッチ部の耐電圧。パワー用ならば、だいたいのものは AC100V 以上は耐えられるので、
ロボコンで使う上ではあまり気にしなくていいと思います。
接点が耐えられる電流量。通常の選択では、これが最も重要になります。動作電圧
この値を超える電流をスイッチすると、接点間にアークが飛んで焼き付く可能性が非常に高くなります。
ただし、半導体部品と違って、有る程度の余裕があるようです。
また、モータ制御の正逆転にリレーを使う場合などは、調速用にFET を使って、リレー切り替え時は電流を流さないように制御すれば、切り替え時に焼き付く可能性はかなり低くなります。ただし、連続電流がこの制限を大きく越えると、リレー内部が温度上昇で壊れてしまうため、なるべく制限内で使うようにしましょう。
駆動コイルを動作させるための電圧です。スイッチ構成
たいていのメーカでは、同一のリレーで動作電圧が異なるものをラインアップしているので、設計にあったものを選びます。
ON-OFF 切り替えのもの(a接点)、NO/NC 切り替えのもの(c接点)などがあります。切り替え極数
用途によって、使いやすいものを選びます。
一つのリレーの中で、切り替えられる独立した極のものが多数のものがあります。寸法、重量
一般に手に入れやすいのは、1極〜4極程度だと思います。
"必要な容量のものを買ってきたら思いの外大きかった"、ということが結構あります。入手性
特に小型のロボットに積む必要がある場合は注意しましょう。
同一メーカの同一型番のものでも、駆動電圧によって入手性が異なります。to top
製品自体が普及品で、駆動電圧も在庫品になっていれば入手しやすくなります。
いくつか、周辺回路の設計をするときに注意することがあります。
# 一応、ロボコン向け回路なので、電源は DC と仮定して話を進めます。(AC の場合、設計が変わります。)
誘導起電圧に対する対処
制御端子は、コイルを駆動するので、誘導性負荷のスイッチング回路を作ります。駆動電源について
誘導性負荷は、電流が OFF になるときに、スイッチング時間に反比例した逆電圧を発生するので、コイル周りが電子回路に接続されていると、サージ電圧で壊れてしまいます。一般的な対策は、リレーコイルと逆並列にダイオードを接続することです。
これで、OFF 時に発生する逆起電圧はダイオードでバイパスされ、周辺回路への影響が軽減されます。
このダイオードは、耐圧がコイル駆動電圧の 3〜5倍以上、電流容量はリレー駆動電流と同等以上のものを選びましょう。
DCリレーを使う場合で電源電圧が極端に脈動する場合は注意が必要です。
DCリレーの駆動コイルは、通常、単なる鉄心やフェライトコアを使っているので、脈動電流が流れると鉄損が発生し、異常発熱します。
このような環境の場合、駆動電圧を適当に安定化して置いた方がよいときがあります。また、特にバッテリー駆動でリレー駆動電源とモータ電源を共用している場合、モータの起動時などに大電流が流れると、バッテリーが電圧降下を起こして電源電圧が低下し、リレー駆動に必要な電圧が確保できなくなって誤動作する場合があります。
一応、リレーの動作電圧はだいぶ余裕があって、一般的なリレーでは定格の70〜80%以上の電圧があれば動作しますが、ロボコンの場合元々無茶な使い方をすることが多いので、気をつけなければいけません。このような場合の対策として、別電源を使う、DDC を使って駆動電圧を安定化する、電源電圧よりも低い電圧で駆動するリレーを使い、レギュレータなどで規定電圧まで落として使う、などがあります。