一般的には、回路規模や要求性能によって、次のような回路がよく使われます。
(N チャネルをドライブする場合 / Pチャネルをドライブする場合はNPNとPNPを読み替える。)
形式 | チャージ素子 | ディスチャージ素子 | 動作速度 | 消費電力 | 備考 |
エミッタフォロア | NPN トランジスタ | ゲート-ソース間抵抗 | 遅い | ON 時に大きい | 回路が簡単 |
エミッタフォロア プッシュプル | NPN トランジスタ | PNP トランジスタ | 速い | 小さい | 負電源が必要 |
コレクタフォロア プッシュプル | PNP トランジスタ | NPN トランジスタ | 速い | 小さい | 回路が複雑 |
1.エミッタフォロア
2.エミッタファロア プッシュプル
信号をエミッタフォロアで増幅し、OFF時はゲート-ソース間抵抗で電荷を抜きます。
回路が非常に簡単なので、低速ドライブの場合は便利ですが、ON時にもゲート-ソース間抵抗に電流が流れるため、消費電力が無駄に大きくなる、等の欠点があるため、数百Hz 以下のパルスドライブか単純な ON/OFF 用途以外にはおすすめできません。
ターンOFF速度がゲート-ソース間抵抗とゲート容量の時定数に縛られる。
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3.コレクタフォロア プッシュプル
エミッタファロアでゲートに対して Push-Pull 回路を形成した場合です。
高速に動作し、消費電力も小さいのですが、基本的に電荷を抜くための負電源が必要になるため、負電源が用意できない場合は 回路が面倒になります。(ゲート閾値が高い場合は例外的に有効です)
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コレクタフォロア構成で Push-Pull 回路を形成した場合です。
高速で安定して動作し、消費電力も小さく、単一電源でも動作します。
ただし、上下段の動作タイミングにデッドタイムを入れたりしないといけないので、回路が複雑になります。
実用回路では、大電流の流れる FET を使ったパワー部と、パルス信号を作るロジック部はパワー部のノイズでロジック部が誤動作しないよう、絶縁された別電源を使用し
信号はフォトカプラなどで伝達されるようにすることが多くなります。
従って、上記のゲートドライバは、信号源としてフォトカプラの出力部が接続されます。 |
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実は、メーカも便利なものを作っているもので、このような用途用にフォトカプラの出力部を強化して、FET
のゲートドライブに必要十分な容量を持つ プッシュプル回路入りのフォトカプラが製品化されています。(東芝のTLP250/TLP251あたりが有名ですね。)
出力部のプッシュプルは、エミッタフォロアだったり上下段NPN だったりしますが、どちらにしても非常に安定して高速に動作する上、基盤面積も削減できるのでとても便利です。
たいていの用途は、このタイプのフォトカプラを使うと、ほかには安定用のコンデンサ(パスコン)、ゲート-ソース間シャンク抵抗、ゲート流入電流制限用抵抗をつなげてしまえば用が足ります。
# う〜ん。とてもお手軽な結論だな〜。 |