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鴛泊港でフェリーを降り、礼文島に続きここでも観光バスを利用した。バスの運行は東回りだった。
バスの窓から海岸に小石を敷き詰めた上に利尻昆布を干しているところを幾度となく目にすることができる。一度午後3時くらいに着いたことがあり、干した昆布を女性が回収しているところを見かけたが、あの長く肉厚な昆布を何枚も肩に掛けるようにして集めて歩いているところは、本当に大変そうだった。
最初に姫沼に立寄った。ここは周囲約1kmほどの小さな湖で、周りがうっそうとした原生林に囲まれている。そのせいで、湖の湖面はやや暗い感じで、そこに静かに利尻山の姿を映していた。湖の周りに散策路があり、かなり林の奥深く行ける。道はわりと自然なままで、時々古い木が倒れていてそれをまたいで歩くということもあった。途中小さな川が林の間を縫うようにして流れ、その上にはつり橋が掛けられていた。 |
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オタトマリ沼 |
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姫沼から18kmくらい行くと島のもう一つの湖のオタトマリ沼に着く。
ここは姫沼よりやや大きな湖で周囲は赤エゾマツの原生林.。湖面には頂上付近の切り立った形と沢の残雪までくっきりとした利尻山が映る(6月末には残雪があった)。湖畔にはエゾカンゾウやヒオウギアヤメなどが多く咲いていて、空の青、山の青緑、林の深緑、それらが映る水の色、そして鮮やかな紫と橙色の花の色・・・・。このときの風景が私が今まで見てきたものの中でもっとも印象に残っているものの一つである。
次に利尻町に入り島の南端にあたる仙法師御崎公園に行った。
ここからは海岸の複雑な形をした岩と裾野まで姿をあらわした山を見ることができる。
海岸には磯沿いに遊歩道がつけられ、昆布、ウニの海中での様子を見ることができる。また、ここにはアザラシも数頭いる。ウニが好きな私としては、岩に点々と着いているエゾバフンウニの姿が気になって仕方が無かった。
この公園には売店があり、特産品の利尻昆布などを買うことができる。その売店のうちの1軒の浜田さんは、お父さんが取ってきた昆布を加工して売っているという。そのお父さんをテレビの利尻島特集番組で時々見かける。昆布漁の漁師さんということで紹介されている。
島の西側は沓形岬だ。ここからの利尻山も遮るものの無い山の姿そのものが見られる。
海岸線には溶岩が冷えて固まった黒い岩の間に鮮やかな赤紫色のハマナスの花がたくさん咲いていた。
利用したことはないがこの沓形にはフェリーターミナル、キャンプ場があり、またここから利尻登山沓形ルートの起点地となる見返台公園展望台までの道が出ている。
フェリーが着いた鴛泊港には標高93mのペシ岬がある。
岬の頂上には展望台があって利尻山や鴛泊港いったいを360度見渡せるのだが、なぜか私は途中でリタイアしてしまった。
沓形市街地と仙法師市街地では、可愛らしいリシリヒナゲシ(黄色)とリシリリンドウ(紫色)をかたどったのガラスの街灯を見ることができる。 |
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