利 尻 島



■ 丸い利尻島はどこからでも利尻富士の姿を楽しめる

 利尻島は南北にやや長い円形の島で、周囲約63km、面積約182.8kuの大きさである。島の中心には標高1721mの利尻山がある。
島の東側を利尻富士町、西側を利尻町という。
道路は海岸線をぐるっと廻る1本道。(だから信号機が要らない。しかし、島で生まれ育つ子供たちに交通ルールを教えなければならないと、島内に2機の信号機が設置されていた)

 こんな利尻島だから島のどこを回っていても利尻山は少しずつ変化しながら姿を見せてくれる。
もちろん、礼文島からも雄姿を見ることができるし、フェリーから海上に浮かぶように見える山の姿も美しい。晴れた日には、サロベツ原野のほうからも見ることができるのだ。


■ 利尻島の観光ポイント

 鴛泊港でフェリーを降り、礼文島に続きここでも観光バスを利用した。バスの運行は東回りだった。
バスの窓から海岸に小石を敷き詰めた上に利尻昆布を干しているところを幾度となく目にすることができる。一度午後3時くらいに着いたことがあり、干した昆布を女性が回収しているところを見かけたが、あの長く肉厚な昆布を何枚も肩に掛けるようにして集めて歩いているところは、本当に大変そうだった。

 最初に姫沼に立寄った。ここは周囲約1kmほどの小さな湖で、周りがうっそうとした原生林に囲まれている。そのせいで、湖の湖面はやや暗い感じで、そこに静かに利尻山の姿を映していた。湖の周りに散策路があり、かなり林の奥深く行ける。道はわりと自然なままで、時々古い木が倒れていてそれをまたいで歩くということもあった。途中小さな川が林の間を縫うようにして流れ、その上にはつり橋が掛けられていた。

オタトマリ沼

  姫沼から18kmくらい行くと島のもう一つの湖のオタトマリ沼に着く。
 ここは姫沼よりやや大きな湖で周囲は赤エゾマツの原生林.。湖面には頂上付近の切り立った形と沢の残雪までくっきりとした利尻山が映る(6月末には残雪があった)。湖畔にはエゾカンゾウヒオウギアヤメなどが多く咲いていて、空の青、山の青緑、林の深緑、それらが映る水の色、そして鮮やかな紫と橙色の花の色・・・・。このときの風景が私が今まで見てきたものの中でもっとも印象に残っているものの一つである。

 次に利尻町に入り島の南端にあたる仙法師御崎公園に行った。
ここからは海岸の複雑な形をした岩と裾野まで姿をあらわした山を見ることができる。
 海岸には磯沿いに遊歩道がつけられ、昆布、ウニの海中での様子を見ることができる。また、ここにはアザラシも数頭いる。ウニが好きな私としては、岩に点々と着いているエゾバフンウニの姿が気になって仕方が無かった。
 この公園には売店があり、特産品の利尻昆布などを買うことができる。その売店のうちの1軒の浜田さんは、お父さんが取ってきた昆布を加工して売っているという。そのお父さんをテレビの利尻島特集番組で時々見かける。昆布漁の漁師さんということで紹介されている。

 島の西側は沓形岬だ。ここからの利尻山も遮るものの無い山の姿そのものが見られる。
海岸線には溶岩が冷えて固まった黒い岩の間に鮮やかな赤紫色のハマナスの花がたくさん咲いていた。
 利用したことはないがこの沓形にはフェリーターミナル、キャンプ場があり、またここから利尻登山沓形ルートの起点地となる見返台公園展望台までの道が出ている。

 フェリーが着いた鴛泊港には標高93mのペシ岬がある。
岬の頂上には展望台があって利尻山や鴛泊港いったいを360度見渡せるのだが、なぜか私は途中でリタイアしてしまった。

 沓形市街地と仙法師市街地では、可愛らしいリシリヒナゲシ(黄色)とリシリリンドウ(紫色)をかたどったのガラスの街灯を見ることができる。


■ 利尻島の美味しいもの

 利尻島で必ず食べるものはオタトマリ沼の売店の中で売っているエゾバフンウニの軍艦巻き(1パック3巻入り=1000円)だ。というか、これを食べるために利尻島に行っていたともいえる。ウニの甘味を満喫できる一品だと思う。
 ここでは殻を割ってもらってウニを食べることもできる(1個500円)。殻からすくって食べるウニは磯の香りが強い。
 この他に店先でホタテを殻ごと炭火で焼いて食べさせてくれるのもある(醤油かバターを指定できたと思う)。
 もしツアーなどで利尻島に行ってホテルに宿泊するのなら、こういう売店のほうがウニやホタテをストレートに味わうことができるので、立寄ったときにぜひ食べてみてほしい。

 お土産品としては、もちろん利尻昆布。昆布にも出汁を取るためのもの、煮物用のものなどあり、蜂蜜を混ぜた昆布飴といったお菓子まである。どれも、札幌や本州で買うと値段の高い利尻昆布だが、島ではとても安く手に入れることができる。
 エゾバフンウニの甘塩一夜漬も美味。家に帰ってからこれを熱々のご飯にのせて食べると、利尻島の旅を思い出させてくれる。


■ 利尻島に関する詳しい情報のお勧めサイト

 なんと言ってもお勧めは、『利尻観光情報』さん。
リンクコーナーでも紹介しているが、知らないで旅行に行くと「あらら・・・」となりそうなことに関すること( 例えば携帯やPHSは使えるの?とかATMは?等々)や、宿泊施設や交通手段についても詳しくのっている。