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松浦佐用姫
まつらさよひめ

2003.9.10
松浦…佐賀県唐津 松浦潟

佐用姫
宣化天皇二年(537)、大伴狭手彦は朝廷の命を受けて、隣国の新羅に侵略されていた 朝鮮半島の任那、百済を救援するための兵を率いて、松浦へとやってきた。 しばらくの間滞在した篠原長者には、佐用姫と言うとても美しい娘がいて、二人は引かれ合い恋仲となり、 夫婦の契りを結んだ。 やがて軍船は出来上がり、いよいよ狭手彦の船出の日となった。

鏡の渡し
別れのとき、狭手彦は佐用姫に 「これを私と思って待っていてくれ」 と言って立派な銅の鏡を手渡し、 松浦の港を出航した。 佐用姫は鏡山に駆け登り、頂上から沖の船に向かって狭手彦の名を声のかぎり呼び、 領巾(ひれ)を振った。 (この山は領巾振山と呼ばれるようになった)  次第に船が遠ざかるにつれ、佐用姫は狂ったように船を追って鏡山を駆け下り、栗川を一気に飛び渡った。  そのとき、大切に持っていた銅の鏡を落としてしまった。 (この川は鏡川と呼ばれるようになった)

石化伝説
栗川を渡って、海沿いに北へと船を追い、加部島の天童岳に駆け登ると、 はるか遠くへ走り去る船を声の限りに呼んだ。 やがて、地平線に船影が消えてしまうと、 佐用姫は恋しさ、苦しさのあまり七日七晩泣き続け、力尽きてとうとう石と化してしまった。 (肥前風土記、万葉集など)

 ◆ 海原や 沖ゆく舟をかへれとか ひれふらしけん 松浦佐代姫 (萬葉集)
 ◆ 沈めけん 鏡の影やこれならん 松浦川の 秋の夜の月 (紫式部)
 ◆ 蝉の羽の 衣に風を松浦潟 ひれふり山の 夕べ涼しも (細川幽斎)
箕被
みかづき
2002.2.17
夫 「いまだ見ぬ 二十日の宵の三日月(箕被)は」
妻 「今宵ぞ出づる 身(箕)こそつらけれ」  


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