平沢政輝選手
東海第一高校(静岡)
第66回全国高校サッカー選手権大会”感動ください…”
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前年、第65回大会。ブラジルからの留学生、アデミール・サントス(前清水エスパルス)を擁して(ゴール前からの左足でのフリーキックは伝説にもなっています)選手権に初出場初優勝した東海第一高校は、この大会でも優勝候補に上げられていました。その理由は彼がいたからです。そうエースストライカー”平沢政輝”がいたからです。
ツートップのもう一人2年生濁沢とのコンビで、MF沢登正朗(現清水エスパルス)からのパスを受けてゴールに突進する姿は、強いインパクトが有りました。太い四肢が記憶に残っています。
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連覇を懸けて臨む、第66回選手権の初戦、2回戦松江東との対戦、いきなり平沢は爆発しました。個人で4得点を挙げ、同じく4得点を挙げた濁沢と合計8対0で一蹴。3回戦の佐野日大戦も平沢の後半20分の1ゴールで1対0として勝利に貢献します。準々決勝この大会の一つのハイライトになる試合が有りました。磯貝洋光(前浦和レッズ)、森山泰行(前名古屋グランパスエイト)を擁する東京の帝京高校との対戦です。この試合で平沢は厳しいマークから得点を挙げられず、0対0のまま試合は80分戦ってPK戦へ、GKの攻守でなんとか準決勝へ駒を進めました。
千葉の市立船橋と対戦した準決勝。ゴール前で厳しいマークにあい何度も倒される平沢。包帯を巻いた左足は痛々しく見えましたが、この試合でも2ゴール上げました。右からの長いクロスをDFとGKに競り勝ってヘッドで叩き込んだ1点目のゴール。左からのスローインからゴール前に入っていったボールをDFが一瞬離れた瞬間、ボールを右足で合わせた2点目。2得点とも得点感覚というエースストライカーが持ち合わせている感覚を持っている選手が上げるゴールでした。
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決勝戦は、前年と同じく長崎の国見高校との対戦になりました。国見は準決勝を四日市中央工業を破って勝ち上がってきました。国見には、2年生の永井秀樹(現横浜フリューゲルス)、1年生の原田武男(現横浜フリューゲルス)がいました。
この試合平沢は、激しいマークに合いますが。中距離からのループシュート。前線でのポストプレーなど存在感十分なプレイをしますが、前半16分に喫した失点を取り返すことが出来ず、0対1で敗れ連覇はなりませんでした。
この大会に平沢が上げたゴールは、”7ゴール”。見事得点王になり強烈な印象を残して高校サッカーの舞台から卒業しました。東海第一高校は、この大会を最後に選手権の舞台に立つことが出来ないでいます。東海第一高校に、次の”平沢”が現れるのはいつになるんでしょうか?!
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東海第一高卒業後、東海大に進んだ彼は、サッカーは続けていましたが、安定した生活を求めてプロの舞台に上がることは有りませんでした。第66回大会で見せた強烈なゴールの数々が記憶の中に残っています。太い左足に巻かれた白い包帯と、黄色と黒の縦縞のユニフォームとともに…
〜fin〜