横浜マリノス/試合観戦記/1999年


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「 選手交代の妙技 」

Jリーグセカンドステージ第三節 99.8.18 対 浦和レッズ 横浜国際


 99年のセカンドステージを2連勝で迎えた3節のレッズ戦。前節の鹿島戦から4日後の水曜日に横浜国際で行われました。前節は95年以来勝っていないカシマスタジアムでの勝利、それも2点のビハインドを跳ね退けての逆転勝利という事で波に乗ってきた我がマリノス。今日の試合も連敗でもがいていて、J2落ちの恐怖と戦っているレッズを迎えてのゲームになりました。  

 私は、会社を早々に抜け出して、自宅に戻って早めに横浜国際へ向かいました。新横浜駅で友人と待ち合わせして、オフィシャルショップのトリコポイントへ少し寄った後に、スタジアムへ向かいました。開門して少しした時間に到着。いつものようにホーム側1階席の上段に位置をとります。前の磐田戦の時は、中にはいるのが遅くなっていつもの位置より外側だったので、この場所を取れなかったので、同じ場所を取れてほっとしました。

 少し時間を潰して、早く来たお目当てだったホームゲームホストの所に足を運びます。今回は、前節にイエロー2枚で退場し今節は出場停止の波戸君がゲストでした。その場所に行ってみると、結構な人だかりでサインを貰う列がずっと延びていました。並ぼうかどうか少しだけ迷いましたが、サインを貰うだけなら練習場でも貰えると思って、その場で写真を撮りながら見ていました。波戸君はセカンドステージの前に髪型を変えて、茶髪の髪が大きく膨らんでいます。色んな人にサインをしながら、子供と写真を撮るときは膝を曲げて肩を抱いて写ったり、女の子と同じピースをしながら写真に収まったりと、非常に好感が持てる対応で、今回サインを貰ったり写真を撮ったりした人は、波戸君に好印象を持ったと思いました。通りすがりのレッズサポが、誰か知らないとかって言っていましたが、ファーストステージの対戦で、駒場でVゴールを上げたのが波戸君だと言うことを忘れているようでした。しばらくそこにいましたが、後から来た友人が到着したとの電話があって席に戻りました。

 席では気にしていた、SBSカップの模様が載ってる新聞の切り抜きなどを見ながら試合開始を待ちます。選手はもうピッチに出てきてアップを始めています。選手登録メンバーの発表を見ていなかったので、誰がいるか確認しましたが、レギュラーはやはり前節試合の流れを変えた、バウベルがサンチョルに代わって先発。3バックには井原、松田、小村が入ってるようでした。アップが終わって選手が引き上げていきます。

 マッチデープログラムの特集は俊輔でした。俊輔の好きな果物は”梨”と判明。これから持ってくる人が増えるんじゃないでしょうか?

∞∞∞

 先発メンバーが発表されます。レッズは伸二がいない穴をどう埋めてくるのか興味がありましたが、雄一郎が中盤に下がり、福田と大柴のツートップでマリノスと同じ布陣の3−5−2のフォーメーションでした。マリノスは、城とバウベルのツートップに、井原が左のストッパーに入り、中央を直樹が仕切る形になりました。井原の件は色々と言われていますが、まだまだ読みのすばらしさと1対1での対応は日本ではトップクラスのものを持っていますし、ロングフィードも抜群なものを持っています。今シーズンは戦術的なこともあってロングフィードはあまりしていませんが…。メンバーは以下の通りです。

横浜

 城  バウベル
 俊輔  
 アツ           オニク
アキ 良治
 井原  直樹  小村  

能活 

サブ サンチョル、孝行、神田、一樹、小澤  

浦和

 福田  大柴
 雄一郎
 路木  ペトロ        山田
 石井
 ロボ   ザップ  

 田北 

サブ:広瀬、岡野、福永

 

∞∞∞

 選手が19時少し前に入場してきます。セカンドステージは何故か入場曲が変更になり、インディジョーンズのテーマ曲がかかります。個人的にはヨコハマファイトオンが好きなので、そのままにしてほしかったです。マリノスサポータの応援はいつもより気合いが入ってるようでした。レッズボールでキックオフです。

 9時を回って選手達がピッチに出てきます。花火の怒号が鳴り開幕を盛り上げます。スタンドからも紙吹雪や色とりどりの紙テープが投げられていました。マリノスは上野がキャプテン。磐田は俊哉がキャプテンマークを巻きます。ピッチに選手が散りましたが、テレビ局の生放送の関係でいつもより長い時間がキックオフ前にとられました。この短い時間ですが、選手達が集中を切らさないで欲しいと少し感じます。

 エンドはいつものように前半はマリノスが手前から向こうに攻めるといった形でした
 ホイッスルが鳴り、ジュビロボールのキックオフで試合が始まります。ジュビロはいきなり川口のスピードを活かそうと、ボールを前へ蹴ってきましたが、落ち着いて直樹がヘッドで処理して、能活に返します。
 前半3分、この試合のキーポイントになる出来事が起きました。ジュビロの右CK俊哉が蹴ったボールは1度目はDFがタッチに逃げます。再度蹴り直しの2度目のCK。アジウソンに小村が競り勝ってこぼれたボールに、秀人と直樹が競りに行きます。浮いたボールを前の秀人がキープしようとしたところ、直樹が後ろからヘッドでタッチに出します。このプレイで主審のホイッスルが鳴り、秀人が足を押さえてうずくまります。秀人はタンカで外に出されていきます。数分後、治療して秀人はピッチに戻りましたが、結局駄目と言うことで前田に交代しました。
 これで得たジュビロのFKは俊哉が蹴りますが、DFがクリアして事なきを得ます。

 前半5分に最初のチャンスがマリノスにきました。アツが左サイドを駆け上がり、タッチラインぎりぎりを久藤との駆け引きに買って、マークを外してゴール前にセンタリング。ニアに飛びこんだ城にマークが集中する中、ファーでサンチョルがフリーになります。胸で1トラップして右足のシュート。ボールは惜しくもゴール右に外れました。送れて飛び込んできたハットが気になったのかも知れません。でもこういった決定期は必ず決めて欲しいです。

 前半8分には、ジュビロが決定期を迎えます。右サイドでボールを繋いでいき、俊哉がペナルティエリア外から能活のポジショニングを見て、ループシュートを放ちます。ふわっと上がったボールは、能活の頭を越えていきますが、左ポストに当たります。前にこぼれたボールは、福西が猛然と飛び込んできますが、左手にボールを当ててホイッスルが鳴りました。完全に故意の手を出したプレイなんだから主審はきっちりイエロー提示して欲しいです。腕が伸びきった状態でハンドなど普通ないです。
 このプレイの後、秀人が前田に交代します。

 前半11分。ハットとサンチョルのヘッドの競り合いから、マリノスにFKが与えられます。ゴールからは少し遠い位置でしたが、俊輔が狙います。が、ボールは大きく左上に外れるミスキックでした。

 この後は両チームとも細かなパスミスやトラップミスが増えてきてどうもボールを繋げない時間帯が続きます。交代で入ったジュビロも前田が気合いの入ったプレイで城やサンチョルにぶつかっていきます。(ほとんどファウルだった様な気が…?)俊輔もボールを持つと中盤だろうがなんだろうが奥や福西が寄ってきて身体ごと潰しにきます。奥は相変わらず汚いプレイが目に付きます。何人の選手壊せば気が済むんだろうか?クラッシャーはフィールドにはいて欲しくないです。

 前半20分にマリノスゴール前で、アキが清水を倒して磐田にFKが与えられます。アジウソンが狙ったシュートは壁を抜けますが能活がキャッチします。

 前半22分にようやく奥にイエローが出ました。アキのドリブルを中盤で潰したプレイでしたが、足首にタックルに行った危険なプレイでした。ようやくアキも復帰してきたんだからこんなプレイでいなくなってほしくないです。少し足首押さえて立てなかったので心配でした。奥は早くフィールドからいなくなって欲しいです。

 前半26分磐田が左サイドから突破を試みます。川口がオニクを交わしてペナルティエリアへ進出。抜かれたオニクが後ろからボールへトライをしたところ、川口が両足を揃えて前へ倒れます。主審のベルコーラさんは何事もなかったかのようにプレイを流します。両足揃えてるんじゃダイブと判定しても良いプレイだと感じました、昨年の山形での対戦で同じ様なプレイでPKを貰ってるから、再びやったんでしょうけど、主審が今回は上川じゃないから笛は吹いて貰えませんでした。残念でした川口君。もっと足技を練習しましょうね。

 この後は若干磐田がボールを繋いでくる展開になりますが、ボランチの上野、アキのカバーリングと3バックが安定して決定期を作らせません。

 そして前半36分ついに均衡が破れます。左サイドアツのスローインから、俊輔が右サイドスペースへパスを送ります。オニクが余裕を持って、右サイドからセンタリング。ニアに飛び込んだサンチョルの上を越えて、ファーサイドへ飛んだ城の所へ、城はDFに寄せられがらもGKとは逆サイドへヘッドを叩き込み。マリノスが先制します。城が一番好きな右サイドからのセンタリングにヘッドで合わすという形でした。

 続いて37分。マリノスに追加点が入ります。磐田のボールで再開した試合ですが、マリノス自軍右サイドでボールを奪って、小村が前線へフィードします。磐田のDFとGKの間に通ったパスは、GK尾崎の不必要な飛び出しの前で城がボールをカット。右サイドの角度の薄いところから無人のゴールへ流し込み、DFが追いつけず、2点目が入ります。城のボールを取ってからのシュートの正確性が見事でした。

 2点を連続で奪ったマリノス、攻撃への積極性が出てきて前線でのサポートが良くなり出します。磐田の中途半端な3バックの両サイドを突いていきます。
 しかし、前半はこのままタイムアップ2対0で試合は後半に入ります。

∞∞∞

 後半開始早々の1分に、アツが右サイドドリブルで駆け上がり、DFが薄いのを見ると、中央へドリブルして右足を降り抜きます。GKが伸ばした手の先を抜けていきますが、惜しくも右ポストに当たってしまいます。跳ね返りを城が押し込みに行きますが、ゴール右へ外れてしまいます。決定的なチャンスでした。チャンピオンシップを睨むと、ここで大量得点して磐田への印象を良くしていきたいところでした。

 磐田も単発な攻撃を出してきていますが、後半4分の右からのセンタリングから高原のシュートは、波戸がコースに入ってゴールラインへクリアします。磐田は俊哉の縦横無尽な頑張りが目立ちますが、他の選手が目立たずに攻撃が形になりません。

 前半10分には、磐田ゴール前で俊哉がサンチョルを体ごと倒しに行ってマリノスにFKが与えられます。ゴール正面より左サイドでのFKでした。アツの右足から蹴られたボールは、壁より手前のコースを辿ってゴール前へ、DFに寄せられながらも小村がニアサイドで合わせてヘッドでゴールを叩き込み3点目を上げます。得点後得意の看板キックのパフォーマンスを見せて喜びを露わにします。小村にとっては今シーズン初ゴールでした、喜びもひとしおでしょう。ゴール後、普段の生活から仲のよい波戸君と喜びのポーズをしていたのが印象に残りました。

 後半13分磐田は川口を金沢に代えてフォーメーションを少し代えてきます。清水を前に出したようでした。

 3点リードしたマリノスですが、攻撃を何度もしかけていきます。後半21分には城のドリブルから俊輔へパスし、俊輔はループを狙いますが、GKにキャッチされてしまいます。更に後半22分には、ゴール前の細かなボールの繋ぎからゴールを狙いますが、磐田の選手に行く手を阻まれて倒れたのを、ダイビングと取られて、俊輔にイエローが提示されてしまいます。更に塚点を狙う姿勢はいいんですが、イエローは貰わないで欲しいです。

 マリノスの攻撃ですが、サンチョルが左サイドタッチライン際でオフサイドラインを見ながらいるので、カウンターから確実にそこへ繋いでチャンスを作っていきます。27分にはカウンターから右サイドフリーになったサンチョルへパスが出て、低いセンタリングがゴール前へ入ります、俊輔がシュートを打ちますが、ゴール右へ外れます。

 後半31分には、サンチョルに代えて孝行がピッチに入ります。

 後半32分にマリノスゴール前で、奥がドリブルで進出。小村が応対しますが、ほとんど何もしていないのに奥がかってに倒れてホイッスル。磐田にFKが与えられます。奥は倒れながら何事もなかったように足を伸ばしながら小村の足を蹴りますが、小村は相手にせず。相変わらず汚い奴が奥。アジウソンが蹴ったFKはゴールの上へ外れます。

 後半33分磐田、久藤から山西に交代します。

 後半36分波戸にイエローが出されます。磐田の早いフリーキックを止めようとして、提示されてしまいました。毎回思いますが、ホイッスル後のボールの蹴るリスタートの位置は主審はちゃんと直して欲しいです試合がスピーディというのは解りますが、磐田はあまりにもリスタートの位置が違いすぎます。5メートルほど離れたところから再開したこともありました。後半43分にはアツにもイエローが提示されてしまいます、少し遊んだボールを俊哉に取られて後ろからいった行為に対してイエローを提示されてしまいました。勝ってる試合に無駄なイエローだと思いました。
 能活も一度ゴールキックの遅さを注意受けていましたから、危ないと思っていましたが、大丈夫でした。

 試合の方は、ロスタイムを2分取ってこのままタイムアップ。セカンドステージ開幕戦を3対0で勝利を飾りました。

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 試合終了後の挨拶に選手達が来ます。城はヒーローインタビューで連れて行かれました。バックスタンドで挨拶してから、ゴール裏へきますが、どの選手もいい笑顔です。ゴール裏ではいつもは看板の手前で挨拶を行うですが、この日は看板を越えて、スタッフが人垣を作ってる手前まで来て選手が挨拶してくれました。
 能活はサポータに向かって何度も手を振っていました。
 孝行は何を思ったのか?ゴール裏に挨拶に行ってから早々に控え室に戻ろうとしたのを、他の選手からメインスタンドのお客さんに挨拶しなきゃという事で呼び返されていました。何か約束でもあったんだろうか?

 城はインタビュー後、ゴール裏近くまで挨拶に来ていました。今回からHP社とスポンサー契約をしたらしく、マンオブザマッチとして賞金10万円とHP社のノートPCが選手に手渡されるそうです。マリノスにもPC使いが増えてくれることを祈ります(^^)

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 セカンドステージを、ディフェンディングチャンピオン相手に勝利を収めたことで、次節から乗って行けそうです。次節から鹿島、浦和、名古屋と続いていきますが、確実に勝ち点3を取る試合を期待したいです。43000人入った横浜国際から人混みと一緒に気持ちよく帰宅の途につきました。

〜fin〜