横浜マリノス/試合観戦記/1999年


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「 やる気有るのか? 」

ナビスコカップ準々決勝第一試合 99.7.20 対 FC東京 横浜国際


 久々にマリノスの試合を見ました。Jリーグファーストステージが終了して2ヶ月。フル代表はキリンカップを通してパラグアイへコパアメリカへ、オリンピック代表は、一次予選を戦い抜いていました。代表に選ばれた選手(能活、井原、アツ、俊輔)は、それぞれの舞台で貴重な経験を積んで、マリノスのために活かしていってくれると思います。代表に選ばれなかった選手達は、東戸塚で、そして夕張合宿で、力を溜めてきていたと思います。
 そんな選手達があつまった久々の戦いを見に横浜国際のスタジアムへ向かいました。

 横浜国際へは、今回初めて家から歩いていきました。といってもただ歩いたわけではなく、”5号球”と書かれたサッカーボールと一緒でした。最近フットサルに目覚めて週末にコートを借りてボールを蹴っていますが、友人達との遊びの中では楽しくやっていたんですが、先日初の大会に臨み、自身の実力のなさを痛感し、横浜国際までは歩いても30分くらいだし、ボールをドリブルして行くには丁度良い、車が通らない鶴見川の土手が自宅近くからスタジアム近くまで延びている為、そこをボールと一緒にスタジアムへ向かいました。帰りも同じくドリブルしながら帰宅の途につきました。

 話はそれましたが、そうしてスタジアムに着きました。13時少し前に付きましたが、開門直前で列が並んでいたので、少しショップに寄ってグッズを物色しましたがいいものは無かったです。ショップの前で着ていたプラクティスシャツに付いて、女の子から何処に売っていましたか?なんて聞かれて答えたりしていました。その時着ていたのは、今夏のアディダスの新作で、マリノスが夕張合宿の時に着ていたシャツと同じデザインのシャツでした。

 そんなやり取りがあって、スタンドへ入ります。場所はいつものように1階席の上段に陣取ってピッチ全体を見渡します。やはりこの位置が一番見易いです。代表試合とは違ってゆったり試合が観戦できます。友人が来るまでマッチデープログラムを買って時間を潰します。表紙と特集はナビスコの2回戦でゴールを決めた吉田孝行選手でした。中を読んで目に留まったのは、高校時代の滝川第二サッカー部監督の言葉で、”在校生は林君(ジェフの)じゃなく孝行君を応援してますよ”の言葉でした(^^)。

 試合開始一時間前に、両チーム登録メンバーの発表がありました。先にFC東京のメンバー発表ですが、正GKの堀池、佐藤由紀彦、加賀見は怪我のため出場できません。このメンバーには勝たないと…と思いました。個人的には清水商業で能活の1年後輩の由紀彦のプレイが見たかったんですが、仕方ないです。怪我では。そしてマリノスのメンバー紹介です。怪我の直樹を除いてベストメンバーです。4バックでやるのは本当なんだろうか?なんて思いながらメンバー発表を聞きます。
 少しして友人達が到着して、談笑しながら試合開始を待ちます。

 そして少し経って、”おや?”と思いました。ファーストステージではやらなかった試合前の練習をピッチで始めたからです。FC東京にも当然練習を行なわさせて、ホームなんだから試合前にピッチに慣れさせなくても良いのに、なんて感じを持ちました。ここでマリノス選手のスタメンが解りました。能活、オニク、井原、オム、波戸、アツ、シュン、サンチョル、良治、城、孝行。
 4バックだとすると両サイドは、オニクと波戸?波戸君は左サイドバックなんて出来るんだろうか?なんて考えを持ってしまいました。ピッチでサブの選手もアップを行い引き上げていきました。
 アップの間にマリサポからの応援が飛ぶんですが、再び新しい唄を作ったみたいで盛んにやっていました。しかし”Fマリ”という言葉を使いすぎてる感じで、地元である”横浜”というコールが全然ないのが今シーズンは応援をつまらなくしている要因でも有ると思っています。去年までの”横浜の唄”はこれから試合が始まるんだというワクワク感をいっぱいにさせてくれたんですが、今期は応援でそういう感じにさせてくれたことは一度もないですね。

 選手が戻ってから、先発メンバーの発表がありました。選手紹介の時に気になったのは、選手名の下に代表選手の試合歴でもある国際Aマッチの試合出場回数が出るんですが、アツの名前の下に”国際Aマッチ出場4”の文字があってなんか凄く嬉しかったです。

横浜

 城  孝行
 俊輔  
 アツ   サンチョル 
良治
 波戸 井原 小村 オニク 

能活 

サブ バウベル 井手口 永井 一樹 エノ  

東京

 良く解りません(苦笑)


 東京のメンバーは良く解りませんでした。サンドロ、アウミール、アマラオの3人は注意しなくてはと思いました。それと国士舘出身のルーキーFW鏑木君も。

∞∞∞

 16時を回りピッチに選手が出てきます。試合前に少しだけぱらついていた雨もやんで、ちょっと蒸し暑い中試合が始まります。

 コイントスで、エンドが変わり。前半はマリノスがマリサポへ向かっての攻撃になります。キックオフから、まずは攻撃を仕掛けたのはマリノス。東京ゴール前までボールを運びますが、東京の激しいファウルまがいのディフェンスでボールを取られます。ファウル?とマリサポが思ったんですが、主審:北村は流します。ボールを奪った東京が攻め込みます。ハーフラインからゴールまで半分進んだ左サイドで、ドリブルで進む、東京の選手に対して肩口からの軽いショルダーで、笛が吹かれて、東京にフリーキックが与えられます。マリノスの選手から、”それで笛はないんじゃないの?”なんて空気が一瞬流れます。その間隙を付いて東京がボールをそのまま素早いフリーキックを行い、ゴール右サイドにフリーになっていた鏑木に通し、鏑木はGKの動きをよく見てゴールに流し込み、開始1分で失点してしまいます。

唖然

 ファウルの基準が良く解らないまま失点して、マリノスイレブンに動揺が見て取れます。その動揺のまま、2分後の3分にマリノスの右サイドから崩されて、ゴール前混戦になり、東京のシュートを一度は能活は胸に当てますがキャッチできず小林に押し込まれて2展目を失います。
 ゴールがネットを揺らした後、主審が両手を大きく交差させて、取り消しみたいな動きをしたんですが、センターサークルからマリノスのキックオフで再開されたところを見ると、あれはなんだったんだろう??

呆然

 試合開始3分で2失点した事から、ようやく目を覚ますかと思われたマリノスですが、城やサンチョルのシュートはことごとくディフェンスの網に掛かって、コーナーに逃げられたり、クリアされてしまいます。4バックという形ながら、右サイドバックのオニクが高い位置に張る形で、サンチョルが菱形の中盤の右を行い、左はアツが行って、底に良治の形を取り、菱形のトップに俊輔という形を取っていました。対する東京は、俊輔にh密着マークが付いて、城に対しても肩口を後ろから掴んで(完璧にファウルなんですが、ほとんど主審は取らない)体を自由にしないディフェンスをしていました。攻撃にはいると中盤の両サイドは大きく開いて、マリノスの空いてる方のサイドへボールを出し、それを中盤からの押し上げで早く逆サイドへ展開しながらゴール前へボールを持っていく戦い方を徹底していました。マリノスを良く研究した戦い方をしていると感じました。

 試合前半は、中央の守備を固める東京に対して、中央からの突破を試みますが、ディフェンスの網に掛かって突破できません。右サイドバックに入った波戸が上がって、左足でゴール前に上げるシーンもありましたが、弱いボールはディフェンスにクリアされてしまいます。右サイドバックのオニクも上がり目からどんどんサイドへ上がっては来るものの、後ろからのフォローが遅く結局は潰されるシーンが目立ちました。サンチョルやアツは上がり過ぎで守備に回ったときの人数が少なく、バランスを崩していました。

 そして前半32分。オニクが上がったサイドをつかれて、そこに中央のディフェンスが寄って空いた逆サイドを付かれて鏑木に決められ、3展目を失います。

愕然

 その後、前半は俊輔からの大きなサイドチェンジのボールがオニクに繋がり、中央の孝行から、サンチョルのシュート言った流れるようなシーンが続きますが、GKキャッチ。同じ様な形から最後はオニクがシュートを放ちますがクロスバーの上。
 試合はそのままで前半終了。後半の巻き返しを期待します。

∞∞∞

 後半に入り、マリノスはメンバーを代えてきました。前半ほとんど消えていて、城とのコンビも俊輔とのコンビもあっていなかった孝行に代えてバウベルを投入します。

 後半も前半と同じ様な感じで、マリノスがボールを支配して攻め込みますが、中央を固められたディフェンスをなかなかこじ開けることが出来ず、ディフェンダーにクリアされてしまいます。

 前半13分には、東京ゴール前で交錯したアツが手を踏まれてピッチの外で治療を受けるシーンもありました。
 アマラオを倒した小村がイエローを貰いますが、あれでイエローだったら今までの東京のプレイは何?というような判定でした。試合自体は、主審のあいまいな判定基準もあって徐々に荒れてきました。後ろから飛び込もうが身体ごと潰そうが、ボールに少しまでいっていれば、すべて流すといった形で、ボールの奪い合いが続きます。一定しない判定に俊輔がクレームを付けると、イエローを提示される始末でした。マリノスがボールを持ってから2,3人の選手に囲まれるまでボールを出せ無いのを後目に、東京は奪ったボールを簡単に繋いでゴール前まで来ます。カウンターから何度も危ないシーンがありました。冗談抜きで後半も2失点位するんじゃないかという雰囲気はありました。

 東京ディフェンスがクリアする度に、マリノスにCKが与えられますが、右CKは何度もあったんですが、俊輔の蹴ったボールはニアサイドへ力無いボールが飛ぶだけで力強い早いボールはついに一度も見られませんでした。ゴール前の空中戦ではサンドロに事ごとく跳ね返され続けました。左CKのアツもゴールに結びつくチャンスを作れませんでした。

 いらいらする試合展開の中、後半も終わりにさしかかって、東京は二人の選手を交代させ、確実に時間を使ってきます。ロスタイムは4分ありましたが、同じ様な攻撃が続く中。能活だけが声をからして、ハーフライン近くのボールまで取りに行って、不甲斐ない選手達に檄を入れます。しかし、そのままタイムアップ。

 ホームゲームでありながら、J2相手に、0対3という大敗という結果が残りました。

∞∞∞

 試合終了後の挨拶に選手達が来ます。バックスタンドでも珍しくブーイングが聞こえました。能活はペットボトルを叩きつけて悔しさを露わにしています。ゴール裏に来ると更に大きなブーイングが聞かれました。”一度J2に落ちろ!”なんて声も聞かれるくらいでした。

∞∞∞

 今日の試合は、サポータも浴衣姿の人が多かったように、マリノスを応援するより、試合後の横浜港で行われる花火大会に先に心惹かれていた人が多いように感じました。サポートもまとまっていなくて、選手にやる気を起こさせるようなサポートは出来ていたかと思うと疑問です。リズムのない攻撃はリズムのないサポートにも通じてると思っています。

 これで次戦の第二戦は、アウェーの江戸川でマリノスは4対0で勝たないと次へ進めなくなってしまいます。
 選手達から、”勝ちたい”という思いを感じられないのが非常に歯がゆいです。もっと選手はピッチで声を出して、選手の指示を送り、全員一丸となって戦って欲しいです。能活とサンチョルには感じられましたが、それ以外の選手からは感じることは出来ませんでした。
 コパアメリカを見てると解ったように、技術の差以上に、選手個々の気持ち、”勝ちたい””負けたくない”という気持ちが大切だと思います。

∞∞∞

 このまま落ちて行くだけなのか?気概気迫をサポータに解らせる戦いが出来るのか?24日は注目して試合を見たいと思います。戦術以前に負けたくない気持ちを前面に出して戦って欲しいと切に願います。

〜fin〜