横浜マリノス/試合観戦記/1999年


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「 背番号26の初ゴール 」 

ナビスコカップ1回戦第二試合 99.4.14 対 大宮アルディージャ 三つ沢


 ナビスコカップを観戦に行きました。ここ数年ナビスコカップではJFL勢相手に敗戦を喫したり、Jリーグ下位のチーム相手に敗戦を喫したりして、良い成績を収めていません。日産時代はカップ戦に強いというイメージがありましたが、時は流れ、今はナビスコに弱いマリノスとしての印象が強くなっています。

 それもナビスコで初対戦するチームに負け続けているのが原因です。96年の対戦ではグループリーグで京都に敗戦。97年にはJFLの札幌に敗戦という結果が残っています。昨年は初対決は有りませんでしたが、C大阪に勝った後、鹿島、福岡に連敗。最後の対戦となった柏戦は、柏が5ゴール上げればグループリーグ突破という自体で一時は0対5となって相手を喜ばせる結果に、最後は2点返して維持を見せましたが、情けない限りです。昨年のナビスコの対戦は日本代表選手がいなかったとは言え…。

 そんな事を思いながらスタジアムに向かいました。
当日は仕事があったために、定時で仕事を切り上げて三つ沢に向かいました。今期初で最後の三つ沢です(Jリーグでは(苦笑)…高校選手権では三つ沢に行っています)ホームゲームをサッカー専用スタジアムで見るのは楽しみです。…リーグ戦でも数試合使って貰いたいです。選手が近くに見えるから…。

 スタジアムに着いたのは、試合開始直前でした。まだ選手はピッチに姿を現していませんでした。ゴール裏は、けっこういっぱい人がいました。空いてるところを探してゴール裏の左端の中段に場所を取って試合開始を待ちます。と思いましたが、お腹が空いてることもあって、とりあえず売店に食料とマッチデーを買い込んできました。売店に行ってる間に選手が入場してきて試合が始まっていました(苦笑)

∞∞∞

 スタメン発表が聞けなかったので、誰が出場している確認します。土曜のセレッソ戦でいい試合を見せてくれましたが、次の磐田戦に向けて若干メンバーを買えてくるのかな〜?と思いました。サンチョルの代わりをどうするかも興味がありました、メンバーは以下のようでした。大宮側ははっきり言って知ってる選手がいなかったです(爆)

横浜

 城    永井
 俊輔
アツ  アキ  上野  一樹
神田  井原  小村

 能活

 サブ:小澤 孝行 村上
 岡山 井手口 

大宮

 

 良く解りません(苦笑)

 


 土曜のセレッソ戦から替わったメンバーは、スタメンでは累積警告の出場停止が開けた上野がボランチの位置に入り、直樹が外れました。直樹はサブにも入っていませんでした。攻撃陣は、サンチョルが抜けた穴は、永井が入りました。永井と城のツートップと言うことでしたが、実際は城、俊輔、永井が流れの中で何度もポジションが入れ替わっていました。その他のメンバーはセレッソ戦と同じメンバーでした。リーグ戦に向けて選手を休ませる手もあったとは思いますが、6得点で快勝したメンバーで、いい状態のまま試合を続けたいというのが見て取れます。
 大宮の選手は良く解りませんでした。FWに身長の高い外国籍選手のヨルンがいました。

∞∞∞

 試合が始まってから、両チームとも様子待ちの時間が続きます。かなりピッチ上は風が強くて、時折突風も舞う中でボールの行方に気を使ってるような試合展開でした。

 大宮はフラット4のディフェンスラインでハーフウェイライン辺りまで、がっ、とラインを上げて守っていて、対する横浜もラインを有る程度高く上げているために中盤にスペースがあまりなく、狭い局面での試合が続きました。

 横浜の攻撃陣はセレッソ戦での負傷のサンチョルに代えて永井を投入していましたが、俊輔、城とラインに埋め込まれていて、なかなかフリーでボールが持てずにパスミスも多くてなかなか攻撃の形が作れません。ボランチも上野、アキの二人はあまり上がらずに、スペースカバーに勤しんでいる感じでした。
 時折、カウンターから大宮ゴール前まで行きますが、決定的なチャンスは作れずにいる時間が続きました。

 大宮の攻撃は長身のFWを生かすために両サイドをどんどん突いてくる攻撃を見せていましたが、小村がきっちりマークについてなかなか自由にプレイ出来ないように押さえていました。

 そんな前半24分に横浜に先制点が入ります。大宮の高いディフェンスラインの裏へ俊輔から永井へスルーパス。永井はGKの動きをよく見てゴール左へボールを流し込み先制します。

 先制したことで流れが良くなるかと思いましたが、中盤でのミスパスも多くて、短いパスが繋げない時間が有ります。それでも少ないチャンスから得点期を迎えます。前半28分には城のシュートがDFに当たって、右に外れて右CKを得ます。俊輔がが蹴ったボールは弧を描いて直接ゴールに入りそうでしたが、GKパンチングでクリア。逆の左CKを得ますが、アツの蹴ったFKは曲がりすぎてゴールエリアを越えてしまいます。

 前半33分には、上野がミドルシュートを放ちますがゴール左へ外れます。

 前半37分、今度は中盤でアキがボール奪ってカウンターから、永井に預けます。永井はドリブルで進出して左に開いた城にパス、城はDFを引きつけて、後ろから上がってきていたアキにパス。アキはシュートを放ちますが、これもゴールの枠をとらえ切れません。

 前半39分には、永井がフリーでゴール前までドリブルで進出するチャンスがありますが、相手DFに囲まれてボールを奪われてしまいます。

 前半43分、アキからのスルーパスが俊輔に渡り、俊輔のシュートはGK弾いて左CKを得ます。アツの蹴ったボールは、上野を経由して再びアツの所へ、上野へ短く出して、上野は浮き玉で城へパスしましたが、ボールがやや浮いてしまいました。そのボールを城がオーバーヘッドでゴールを狙いますが、クロスバーに当たり惜しくもノーゴール、ボールはGKが押さえます。

 少しして前半が終了しました。

∞∞∞

 前半は、大宮ディフェンスラインの裏を突こうとロングパスも多かったんですが、風の影響もあってかなかなかボールが繋げない時間が続きました。繋ごうとしてもスペースがないので、難しいスルーパスを狙う展開になっていました。

 大宮の攻撃はあまりよく見ていなかったんですが、長身のFWに合わせる攻撃が多かったんですが、右サイドの突破が結構活発でした、しかし最近好調の神田が右サイドはがっちりマークして突破を許さない形が出来ていました。ゴール前の一瞬危ないシーンも井原のカバーリングで事無きを得ていました。

 風があまり弱まらない中、後半が始まります。

∞∞∞

 後半になっても似たような展開で、中盤がコンパクトな戦いが続きます。横浜は、中盤を作れずに城がサイドに開いて、中央を俊輔と永井がボールを待つ形になってきて、ロングボールから永井が何度かゴール前までドリブルで進出してチャンスになりますが、後半3分のシュートはクロスバーの上。

 後半6分にはカウンターからアツがドリブルで左サイド進出。後ろから駆け込んだ俊輔にニアサイドでパス。俊輔はそのスピードのまま左足でシュートを放ちますが当たり所が悪くボールは枠の外へ。

 後半8分、今度はハーフライン当たりで、城のスルーパスが走り込んだ永井に渡り、永井はドリブルでGKも交わしてゴールに蹴り込み2点目を上げます。

 2点目を奪ったことで、大宮のディフェンスラインが崩れかけて、何度かカウンターからゴール前で横浜のチャンスが有りましたが、永井がドリブルからパスを出すときに相手にカットされることも多くて、徐々に大宮のペースになっていきます。横浜は中盤でボールを繋げなくなり、ロングパスが再び多くなりますが次ぐことが出来ません。

 後半11分大宮のミドルシュートは能活がはじき出します。
 後半12分の左からのセンタリングからのシュートはゴール右上へ外れます。大宮の攻撃が徐々に活発になってきました。

 横浜も中盤でのカットからカウンターを繰り出しますが、シュートまで行かないことも多くて、2点差を付けていますが、追加点を奪えません。

 後半30分。前回の大宮戦でスタメン出場した、井手口が神田と交代してピッチに登場。そのまま左DFの位置に入ります。…ようやくピッチで試合する姿が見ることが出来ました。ルーキーシーズン昨年1年間のリハビリお疲れさまでした。

 後半31分に大宮の攻撃からシュートを放ちますが、ボールはポストに当たります。この試合一番大きなため息だったかも知れません。

 後半35分に、城に代えて孝行登場。孝行は1トップで前線に入ります。しかし短い時間ではゴール前まで行ってシュートという場面はなかったように思います。

 後半38分に横浜のカウンターから、孝行が左サイドボールを持って駆け上がります、中央に永井と俊輔がフォローに入っていましたが、ボールはその二人を超えて逆サイドへ走り込んできていた一樹に渡ります。トップスピードに乗ったままボールを受けてゴール方向へシュートしますが、ボールは惜しくもクロスバーの上へ。追加点を奪えません。

 後半42分、俊輔に代えてルーキーでJリーグ初出場の村上が入ります。村上はボランチとして横浜入団しましたが、サテライトの試合や練習試合では視野の広さと的確なコーチング買われてセンターバックをやったり、中盤をやったりして色々なポジションを経験しています。この試合は俊輔と同じ位置に入っていました。

 後半43分、その交代出場した村上の足から3点目のゴールが生まれます。ハーフライン付近から上野のスルーパス。前線のオフサイドの位置に孝行がいましたが、ボールに関与していないとばかりそのまま戻ります。中央のディフェンスが空いていたところを、村上が猛然と奪取でボールを取りに走り、GKより先にボールを取って、少し右サイドにドリブルして豪快にゴールに蹴り込みました。村上はジャンプ一番ガッツポーズで喜びを表していました。…今年の新人では名が知れていませんが、一番のお買い得だったと練習などで見ていて思っています。早い出場もあるとは思っていましたが、初出場で初ゴールという素晴らしい結果を出してくれました。

 後半は少しロスタイムを取ってそのまま試合終了。3対0と勝利し、初戦が引き分けがったため1勝1分でナビスコカップは2回戦に駒を進めました。

∞∞∞

 この試合全体を通して、セレッソ戦で出来ていた短いパスを繋いで、時折サイドを代える長めのパスを交えての攻撃はなくなっていました。大宮の浅いディフェンスラインでパスが回せなかった感じはありますが、永井のポジショニングと上野&アキのボランチコンビの影響が出ていたように感じました。
 永井はどうしても運動量が少ない感じを受けています。城がサイドに開いて、俊輔も運動量多く動き回ってるんですが、永井はボールが来たときは動くんですがその前のボールを引き出す動きが余りない印象を持っています。この試合2ゴール上げましたが、チームとして機能している得点ではなかったのが気になります。
 ボランチの二人ですが、セレッソ戦で直樹とアキのコンビで、直樹が前線まで飛び出して相手の守備陣を混乱に陥れていましたが、この試合では、上野が3試合ぶりの出場だったこともあってあまり前に上がらずに、中盤での守備をきっちり行っていました、アキも前線にはあまり上がらずにいましたので、ボランチの位置からのビルドアップがあまり出来ていなかったように感じました。時折上がってのミドルシュートなども有りましたが、物足りない感じです。大宮のコンパクトな戦い方では上がるのは難しいとは思いますが…。

∞∞∞

 ナビスコの次の対戦相手は、サンフレッチェに決まりました。6/19に対戦がありますが、ホームゲームの試合は四国の丸亀競技場で行われます。地方での対戦も大事だと思いますが、横浜で見たかったです。2回戦を勝ち上がり、再び横浜へ戻ってくるのを期待します。

 リーグ戦は、次の土曜日に大事な磐田戦が控えています。相手は現在首位に立っています。この試合は優勝するには落とせない試合になりそうですので、選手の皆は頑張って欲しいです。

 試合後のヒーローインタビューは永井が受けていました、初ゴールを上げた村上の声を聞きたいと思ったのは私だけじゃないはず。試合後の挨拶でも村上は満面の笑みとは行かず淡々とした表情でゴール裏に挨拶に来ていました。サポータからは、永井の次に大きな声援が送られていました。風が全然収まらない寒いスタンドから、選手の声を聞いてスタンドを後にしました。

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 「26番の初ゴール」これからも何度も出場のチャンスはあると思いますし、数年後は横浜の中心選手になっていく資質は村上にはあると感じています。初出場初ゴール。この事実を忘れずにこれからの村上の活躍に期待したいと思います。

〜fin〜