試合観戦記


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「 暗中模索 」

2001Jリーグファーストステージ第一節
2001.03.10
横浜Fマリノス対ヴィッセル神戸 横浜国際
16時キックオフ

   
横浜Fマリノス ヴィッセル神戸
スターティングフォーメーション。(数字は背番号。)
城11
アキ8 俊輔10 ハユ20
キジ17    良治6    ナオ18
波戸4 直樹3 オム5

能活1

カズ 布部
松尾    ダニエル   吉村
サントス 望月
土屋  シジクレイ 鈴木健

掛川

後半開始  
城11  トノ19
俊輔10
アキ8  良治6  ハユ20  キジ17
波戸4 直樹3 オム5

能活1

 
後半40分 後半34分
ユタ23  トノ19
俊輔10
アキ8  良治6  ハユ20  勇樹22
波戸4 直樹3 オム5

能活1

カズ 布部
松尾    ダニエル   茂原
サントス 望月
土屋  シジクレイ 鈴木健

掛川

交代
後半0分 ナオ18 → トノ19
後半35分 キジ17 → 勇樹22
後半40分 城11 → ユタ23
後半34分 吉村 → 茂原

試合結果

 横浜 0 対 1 神戸
 (前半 0対0 後半 0対0 延長前半 0対1)


試合展開 

 1週間前のハレルヤ戦で機能した、1トップの布陣にて試合が始まりました。前半から早いパス回しで中盤を作っていくマリノスにヴィッセルは手も足も出ない状態。徳にルーキーでスタメン出場のハユの運動量が多くて、しばしばFW飛び越して、DFやGKにプレッシャーをかけ続けてボールを奪いに行きます。左サイドのキジの所にボールが集まり、突破からのチャンスを作っていきます。
 しかし、ゴールは正面にそびえ立つシジクレイの所で城が負け続けて、いいボールがいってもシュートまでもって行くことが出来ません。右サイドのナオは、逆にボールが集まらなくて、裏をうかがうんですが、ボールが出てこないから前に行けないと行った感じで、ボールキープはしつつも攻撃のバランスが悪いなーと思っていました。

 前半30分を過ぎると、マリノスの運動量が落ちたのか?神戸が巻き返したのか?ゲームが落ち着くようになります。そうすると神戸が徐々に出てきてチャンスを作っていきます。そこを能活を中心としたDFで守ります。

 そんな感じで前半終了。後半は、ナオの位置をもう少し前に出していけば、攻撃は良くなるなーと思ってみていたら、そのナオに代えて、トノを投入。キジを左から右に移してアキが左に入り、なんと2トップの形に代えます。ハレルヤ戦の前半にまったく機能してなかったフォーメーションに戻すのはまったく理解できなかったんですが、そのフォーメーションで後半が始まります。

 しかし,後半にチャンスが有ったのは、俊輔が右サイドを個人技で抜いてループで逆サイドを狙ったシーンのみ、この時は惜しくも左ポストに弾かれましたが、詰める選手がいなくてクリアされてしまいます。アキはサイドで奮闘するも、ハユの位置取りが迷いがあるように感じられてしまい、どうもボールがうまく回せなくなります。サントス、望月といった経験ある選手の網に中盤が引っかかってしまうようになります。キジが右に来ましたが、あまりスピードも生かすことが出来ず、終盤に勇樹と交代。しかし勇樹もサイドを活性化することが出来ず。やや神戸のダニエルの単独ドリブル突破に振り回される感が有って、後手に回るシーンが多くなります。城とトノのコンビも相変わらずお互いの考えが一致せずにボールを失ってばかりいます。

 後半40分にユタが城に変わって登場。大きな拍手を受けますが、最初のシジクレイとヘッドの競り合いは互角。その後の、土屋との競り合いは土屋をタンカ送りにして存在感を見せ付けますが、ボールがうまく繋がらずに、90分終わって延長に入ります。

 今期から延長に入ると4人目の交代が出来ますが、ベンチにいるのは、DF数馬円とGK下川のみ、当然交代はなく、ユタのスタミナが少し心配だったのですが、そのまま延長が試合が始まります。延長前半2分にビッグチャンスが訪れます。DFラインからの長いボールをオフサイドラインの裏でユタがボールを受けて左サイドを疾走。チェックに来たシジクレイを体でふっ飛ばして、GKと1対1を迎えます。GK掛川は前に出てきてシュートコースを狭くします。ユタにはちょっと時間がありすぎたのか、狙って蹴ったシュートは、GKの股間を狙ったようでしたが、掛川が足を閉じてブロックし、決定期を逃します。
 その直後のプレイで、DFラインからマリノスがビルドアップしていったボールを波戸の前で望月がカットし、前線へ右サイドをドリブルしてきます。望月が初めて上がって来たシーンでした。望月が開いてボールを受ける位置にいた布部にパス。横浜DFはオフサイドを主張しましたが取られず、角度の薄いところで放ったシュートは能活も届かず、左サイド内側にころころと飛び込み、開幕戦の敗戦が決まりました。

 がっくりと倒れこむ横浜の選手達。ハユは涙を浮かべて、能活にうながされて整列に向かいました。この日にかけていただけに痛い敗戦になってしまいました。

 16時キックオフの試合は、試合当初は太陽が出ていて明るく暖かく試合が始まりましたが、日が暮れると共に横浜の勢いが無くなっていき、夜のとばりが完全に覆った頃に、涙を浮かべて試合が終わりました。
 15試合の中の1試合とはいえ、開幕を勝って次に迎えるのと負けて次に迎えるのでは、まったく違います。繋ぐサッカーの神戸に繋がせなくさせた上での敗戦は、凄く痛いです。

 試合後のオシーのインタビューでフロント批判が出たのですが、始めから解っていたことを今から蒸し返すのはプロのやることでは無いし、スマートなやり方では無いと思います。発言する場が無かったというのは、解らなくも無いのですが、後半に3−5−2にしたのは完全に戦術ミスだと思っています。自分の戦術ミスを隠すために、あえてフロント批判をしたと取られても仕方が無いと思います。今後の暗雲を予感させる結果になりましたが、選手はオムを中心にまとまってくれると信じていますので、次のガンバ戦にはやってくれると信じています。

2001.3.13write by Rick