964は従来からの911の伝統的なメカニズムを受け継ぎながら、最新技術を投入したカエル顔
の集大成ではないかと思います。ここではそのメカニズムを紹介します。
964の中でもカレラ4ははポルシェ初の量産型全輪駆動車という栄誉?を受けて誕生しました。
リアエンジンから発生したトルクは、油圧クラッチ付きのセンターデフで、通常、フロント31%、
リア69%に分配し、それぞれの駆動輪に伝達します。このとき、前後ホイールの回点差をABS
センサーが監視していて、時速0.8キロの差が生じると油圧制御のデフが働きだし、トルクを多く
かけられる方に駆動力を伝達します。
センターデフ・ロックはコンソールにあるマニュアル・ロック・スイッチで行い、時速30キロ
以下で有効になります。ロックしたままでも時速40キロを超えると、自動的に解除されます。
964に搭載されるエンジンは形式がM64と呼ばれるものです。M64には01から04までが
あり、次のような違いがありました。
M64/01はカレラ4とカレラ2の5MT車に、M64/02はカレラ2のティプトロ車に搭載
されましたが、両者の仕様に大きな違いはありません。
M64/03はカレラRS用で排気量は01,02と同じですが、出力が10ps上がっています。
さらに、01をボア・アップで3.8リッターにして、300psの出力を出すM64/04もごく
少数ですが生産されました。04はカレラRS3.8に搭載され、また、RSR3.8等のレーシング
エンジンにも使われましたが、数々の仕様が存在し、詳細は不明です。
僕のカレラ4にはM64/01が搭載されていますが、エンジンの仕様は次の通りです。
エンジン諸元
ボア×ストローク
装排気量
圧縮比
最高出力
最大トルク
許容回転数
リッターあたり出力
最高出力時ピストンスピード
燃料供給装置
要求燃料オクタン価
オイル容量
シリンダー材質
クランクケース材質
コンロッド材質
ピストン材質
バルブ材質
バルブスプリング数
規定バルブクリアランス
点火順序
点火方式
使用プラグ数
プラグ品番
オルタネータ容量
エンジン乾燥重量
100.0×76.4mm
3600cc
11.3:1
250ps/6100rpm
31.6mkg/4800rpm
6700rpm
69.4ps
15.5m/sec
ボッシュ製 モトロニックM2.1
95RON
11.5リットル
ガリバニカリ加工軽合金
2ピース・アルミニウム合金
鍛造スチール
鍛造ライトアロイ
ソジウム封入バルブ
バルブ1本あたり2個
0.1mm
1→6→2→4→3→5
CDI非接触
一気筒あたり2本 計12本
ボッシュ製 FR5DTC
1610W
227kg
ここで、911をあまり知らない人のために
断っておきますが、911はプロトタイプから
空冷のシングルカム2バルブです。今の車みたい
に高出力・高回転のツインカム4バルブではない
んですね。
でも、運転してみると、わき上がるパワー&
トルクを感じるのは、随所に惜しみなく高品質の
パーツを使っているからでしょうね。まあ、それ
はエンジンに限ったことではないですけど(^_^)
向こう側に見える黄色のキャップはオイル関係
です。左から、エンジン・オイルゲージ、パワ
ステ・オイル給油口、エンジン・オイル給油口
です。その右側はオイル・フィルターです。
エンジンオイルは全部で11.5リットル入り
ますが、911はオイルパンがないドライサンプ
方式なので、エンジン・オイル交換の際には少し
時間がかかります。まず、エンジンの下のドレン
ボルトを抜いてエンジン内のオイルを抜きます。
次に右後輪あたりにあるオイル・タンクのドレン
ボルトを抜いて中のオイルを抜きます。
それから、エンジンオイルを8リットルくらい
入れてエンジンを掛け、油温計を見ながら残りを
足していきます。
964からはダブル・イグニッションになったので、ディストリビュータも二つあります。左右の
ディスビは中のコグ・ベルトでシンクロをとってます。でも、このベルトがくせ者でよく切れるんで
すよ。だいたい3万キロが交換時期ですね。もし、コグ・ベルトが切れても、エンジンは動くので
分かり辛いですが... ちなみに、プラグコードはシリコン製で、12本もあるので、これまた
交換が大変です(^_^)
右下に見えるブロアハウジングはマグネシウム製で17枚のフィンが付いています。
余談ですが、964系のターボ3.3のエンジンは930系のM30/69が使われています。
ターボエンジンがM64をベースにするようになったのは93年に出たターボ3.6(M64/50)
からです。
フロント リア 足まわりですが、ノーマルのコイル&ショックをH&R製コイルとビルシュタイン製ダンパーに
換えてあります。最初、コイルはアイバッハを入れてたんですが、なんと断線! こんなことがある
んだろうか? という訳で、今はH&Rです。
ブレーキは964からABSがつきました。ただでさえ、911のブレーキは強力無比で文句は
ないですが、ターボに付いている真っ赤なブレーキ・キャリパー(通称:赤キャリ)に換えるとカッコ
いいだろうなあ。
シャシー諸元
F・サスペンション
F・トレッド
F・スタビライザー
F・トーイン
F・キャンバー
F・キャスターアングル
R・サスペンション
R・トレッド
R・スタビライザー
R・トーイン
R・キャンバー
F・ブレーキ
F・ブレーキディスク径
R・ブレーキ
R・ブレーキディスク径
ABS
パーキングブレーキ
コイルオーバータイプ・マクファーソンストラット(車高調整機構付)
1380mm
20mm
+15’±5’
0°±10’
4°±15’
コイルオーバータイプ・セミ・トレーリングアーム(車高調整機構付)
1374mm
20mm
+10’±5’
−20°±10’
アルミ合金キャリパー/4ポッド・ベンチレーティッドディスク
298mm
アルミ合金キャリパー/2ポッド・ベンチレーティッドディスク
299mm
ボッシュ製 4チャンネル
ドラム