新記事&コラム - 2003/7〜12


ひとことコラム
これが2003年最後のコラムとなります。今年も携帯電話業界は話題に事欠かない一年でした。そのおかげで、私もコラムを書き続けることができました。それにしても、今年も携帯電話の進化は止まりませんでしたね。それどころか、加速している感もあります。画面はQVGAに、着信音は着うたになるといった進化がありましたが、一番進化したのはカメラ機能でしょう。去年までは30万画素だったものが、今年は200万画素になり、場合によってはデジタルカメラの代わりとして使えるレベルにまで達しました。カメラの高画質化に対するユーザーの要求も高いようですし、来年も進化が止まらない機能と言えるのではないでしょうか。キャリア別の話題では、とにかくauの強さが目立った年でした。去年からauは調子が上がってきていたのですが、今年はそれが加入者数の増加という目に見える形で表れました。着うたのヒットや個性的な端末がユーザーに受け入れられた結果といえるでしょう。それに対し、ボーダフォンは徐々に調子を落とした感があります。全国統一プランの導入と強引な移行、ブランド名の変更などが既存ユーザー軽視という印象を与えてしまったのではないでしょうか。ドコモは可もなく不可もなくという印象ですが、期待通りにFOMAへの移行が進まず、ユーザーがauに流れるという結果を招いたと思います。ツーカーはシンプル路線に活路を見いだそうと苦しんだ一年でしたね。来年はどうなるかわかりませんが、ユーザーの期待をいい意味で裏切るサービスや端末がどんどん出てくることを期待したいです。逆に無くして欲しいのは、キャリアの上層部の方がまるで子供の喧嘩のような発言をすることですね。それでは、今年もコラムを読んで頂きありがとうございました。良いお年をお迎えください。
(2003/12/31)

ドコモから900iシリーズが発表になりました。505iシリーズを超える「本気のFOMA」と言われ、機能やデザインでも今までのドコモとは違うものになるのではないかとかなり期待を持っていたのですが、いざ発表されてみたらドコモの王道をいく端末だったなあというのが正直な印象です。ちょっと意地悪な言い方をすれば、他社のいいところの真似をし、新機能に対応したコンテンツは他社以上に充実させて一気に客を奪ってしまおうという考えなのでしょう。思惑通りに進むかどうかは、来年のお楽しみというところでしょうね。個人的な意見としては、とりあえずは505i並に売れると思ってます。ただ、FOMAの基本性能にちょっと不安がありますね。FOMAが多くのユーザーの手に渡ったとき、建物内での入りの悪さ等が口コミで広がっていくと、売れ行きが失速する可能性もあると思います。900iシリーズが発売されて数ヶ月後には506iシリーズの発表があるでしょうから、そのときにやっぱり506iの方がいいやという人がどれくらい出るかでしょうね。FOMAへの移行をどう進めていくかというのは、ドコモにとってここ数年の最大のテーマと言えるでしょう。もし移行に失敗すれば、ユーザーは他社に流れていきますからね。もう既に一部は流れてますけど。(^^;) そういう意味では、やはり900iはドコモにとって王道の端末でなければならなかったのでしょう。どうも私を含め携帯電話に興味を持つ人達は事前情報に惑わされてしまったようです。しかし、惑わすようなことをするのは褒められたものではありませんね。相当焦っているということなんでしょうけど。
(2003/12/22)

11月のキャリア別純増数で、auがダントツの1位となりました。ドコモとボーダフォンも新機種や新サービスを投入しましたが、勢いに乗ったauにはかなわなかったというところでしょうか。こうなってくると、さすがのドコモもauに対して嫌みの1つも言いたくなるようで、800MHzで3Gサービスを行うauをずるいと発言したようですね。(^^;) でも、これは2GHzでサービスを展開するFOMAが不利だということを自ら宣言してしまったようなものです。電波は周波数が高くなるほど直進性が高くなり、障害物に弱くなります。つまり同じ条件で使用する場合、2GHzの方が800MHzよりも建物内での電波は弱いことになります。実際は基地局との位置関係によるところが大きいので、建物内の通話中心ならauの方がいいとは言えませんが、元々の特性が不利というのは痛いところでしょう。それと、これは2GHzだからなのかわかりませんが、FOMAやVGSは海上エリアが存在しない(?)という話があります。本当なのかは確認していないのですが、確かにエリアマップにはPDCにはあった海上エリアが全く存在しないです。なんか、こう書いていると2GHzっていいことがないですね。(^^;) 今後FOMAでも800MHzを使用するそうなので、いったい何のための2GHzだったんだろうという思いが強くなっています。
ところで純増数の争いでは、このままauの独走を許すわけにはいかないと、12月はドコモ、ボーダフォンとも11月以上に頑張ってくるのではないでしょうか。特にボーダフォンは、純増数が低迷し始めてから様々な割引や新機種を投入してきましたから、そろそろ上向きになりそうな感じはあります。というか、これで上向かなかったら本当にやばいです。ドコモとauに置いていかれてしまいそうです。
(2003/12/8)

auから発売されたINFOBARが売れているようですね。このようなデザイン重視の端末は、過去の例では注目度は高いが売れないということが多かったです。最近ではJ-フォン(ボーダフォン)のgraphicaもそうでしたし、ドコモ等から発売されたノキアやエリクソンの端末も、デザインに優れると言われながらも売れ筋の商品にはなりませんでした。ですから、今回auのINFOBARが売れたのは個人的にはかなり驚いています。売れた理由として考えられるのは、端末の持つ機能がハイエンドに近く、デザインも機能も欲しがる層に受け入れられたということ、またストレート型の新機種が久しく発売されていなかったため、ストレートを待っていた層が飛びついた・・・というあたりでしょうか。でもそんなことよりも、今のauの勢いと発売されたタイミングが良かったというのが一番という気がしますけどね。(^^;) ところで、来年早々にも発売されるという次期FOMAでも、デザインには凝っているという話があります。それだけでなく、端末の機能や完成度でも自信満々のようなのですが、何かちょっとズレてるんじゃないかなあと心配になったりもします。なんといっても、「イケてるFOMA」などと呼んでいるのがちょっと・・・って感じです。少なくとも、この呼び名では私の買う気は下がります。(^^;) それに、機能面やデザイン面での進化を言っている割には、型番を900iシリーズというPDCと同じ法則にしてきているなど、保守的に行きたいのか革新性を売りにしたいのかよくわからなくなっているという印象を受けます。おそらく、数を売りたいのならN505iSをそのままFOMAにした端末でOKなのではと思うのですが、ドコモとしてはそれではシェアの減少傾向に歯止めがかからないという危機感を持っているのでしょう。トップ企業として、現在のシェアを維持しつつ革新的な製品を出すというのは難しいと思いますが、それに挑戦しようとしているのが次期FOMAなのかもしれません。
(2003/11/25)

前回、ナンバーポータビリティの話に触れましたが、関連した話題をもう少し書きたいと思います。ナンバーポータビリティの現状は、導入が検討されながらも実現へのスケジュールはなかなか見えてこないというところでしょうか。一番の障害になっているのは、実現のために発生する費用のようですが、他に導入に否定的な意見として、電話番号だけでなくメールアドレスも引き継げないとあまり意味がないというのがあります。確かに最近はメールの重要性は増していますから、一理あると言えるでしょう。では実際にメールアドレスのポータビリティが実現できるかというと、ドメインにdocomoやvodafoneといった会社名が入っているのでかなり難しいと思われます。そこで私が実現したらどうかと思っていることは、電話番号で送受信可能なメールサービスであるショートメールのキャリア間互換です。今となってはeメールアドレスで十分という意見が多いとは思いますが、ユーザーの利便性から考えれば、電話番号以外にメールアドレスを知らなければメールできないのは不便な点です。auユーザーやボーダフォンユーザーは、電話番号で送受信できるCメールやスカイメールの手軽さを気に入っている人も多いのではないでしょうか。ショートメールがキャリアに関係なく送受信できるようになれば、ナンバーポータビリティでのメールアドレスの問題も少しは解決するでしょう。実現性という面でも、3Gに限ればドコモとボーダフォンのSMSは互換性があるはずですし、auのCメールとの互換も、その気になればできるんじゃないかと思います。ナンバーポータビリティがきっかけになって、電話番号でのメール送受信サービスの良さが見直されてもいいんじゃないかと個人的には思うのですが。
(2003/11/17)

ドコモとKDDIの中間決算が発表されました。結果はこの半年の状況がそのまま数字に表れたという感じで、あまりおもしろくもないのですが、会見で両社の社長がいろいろ話した内容はなかなか興味深いものがありました。まずはドコモですが、ムーバに料金面の施策を検討中とか。いったい何でしょうね。まさかとは思いますが、ボーダフォンのパケ割内容によっては、パケット料金に手をつけることも考えているのでしょうか。ナンバーポータビリティはあまりやりたくなさそうですね。現状ではauにシェアを食われるとの判断からでしょうか。FOMAが有利な状況になるまで延期させたいというのが本音なのかもしれません。また、KDDIの社長の話では、ドコモとソニーが設立するICチップのサービス会社の件で、ドコモ側からauに使ってくれと声がかかったということです。ドコモらしからぬ対応という気がしますが、新しい会社はソニーの方が資本金を多く出すため、ソニーの意向が働いたとも考えられますね。
KDDIの方では、1X WINに誤解があるとか話していたようです。そりゃそうでしょう。そういう事態を想定できていなかったというのが不思議です。来月の明細書の封筒に、1X WINと 1Xの違いを説明した冊子でも入れておいた方が良いと思いますね。1X WINはFOMAの対抗サービスです、と書いて。(^^;) ナンバーポータビリティは、やってもいいというスタンスのようです。ドコモからシェアを奪うためには必要と考えているのではないかと思うのですが、今のauの勢いはいつまで続くことやら。でもまあ、携帯電話も成熟期になったら、高機能だからといってシェアを維持できるわけではないのも確かだと思います。個人的にもナンバーポータビリティは実現して欲しいサービスなので、ドコモの社長には是非考えを変えてもらいたいところです。
(2003/11/4)

auから、EV-DOに対応した新サービス「CDMA 1X WIN」が発表になりました。パケット料金を定額にできるサービスが登場し、これは期待できると思ったのもつかの間、世の中そんなに甘くは無いですね。(^^;) 従来のauのサービスとは別のサービスになるとは思いもしませんでした。とにかくわかりづらくなりました。まあ、WINサービスがFOMA対抗だというのはよくわかるのですが、そのために専用の料金プランまで用意する必要があったのでしょうか。この機会に全国統一プランを作りたかったというのもあるかもしれませんが、今回のプラン内容では、将来的に音声値上げ、ガク割廃止かと疑われても仕方がありません。FOMAユーザーを取り込みたいという気持ちはわかりますが、既存ユーザーを混乱させること、不安を与えるようなことはやってはいけないと思います。auは、デジタル(PDC)からcdmaOneへの移行時にそのことを身をもって実感したはずなのに、わずか半年の好調で何かを忘れてしまったのではないでしょうか。なんかこのまま書いていると文句ばかり出てきそうなので、話を変えます。(^^;) ドコモからは505iSシリーズが発表になりましたね。今回は派手な発表会もなくドコモとしてはあまり力を入れていないのかもしれませんが、端末自体は各メーカーの特徴が表れた良いものになっていると思います。505iでもNが強いという状況に変化はなかったのですが、505iSではPやSO、SHはだいぶイメージを変えてきて、再度Nにチャレンジといったところでしょうか。しかし、次のFOMAがもっと凄いことになるとしたら、いったいどんな端末が出てくるのか想像もつかないです。結局WINの話に戻りますが、端末の魅力度では、FOMAの方がWINに圧勝になりそうですね。WINはパケ代が安いだけというレッテルを貼られてしまうかもしれません。
(2003/10/27)

前回はauの新機種の話でしたが、ボーダフォンからもいろいろと発表になってます。auとは違ってバラバラと発表されていて、いつのまにか結構な数になっているですが、注目はやはりV601SHでしょうね。J-SH53の後継機ですが、型番の法則が変わったのでそんな気がしなくて困ります。(^^;) もちろん、機能面ではさすがにJ-SH53の後継だけあって、全部入り路線を継承しています。さらに今回、2メガピクセルカメラやテレビ出力機能なども搭載しており、機能の最強度はauのどの機種よりも上でしょう。ボーダフォンユーザーにとっては、他キャリアに自慢できる機種ということになるのでしょうね。
ところで、ボーダフォン(J-フォン)では、ここ数年シャープの機種が売り上げの多くを占めています。それは、シャープが頑張って全部入り路線の機種を作り、それがユーザーに受け入れられたからと言っていいでしょう。しかし、最近ではデメリットが表面化しているのも事実だと思います。というのは、シャープの機種ばかりが注目され他のメーカーが目立たなくなってしまうことにより、ドコモやauに比べてラインナップが少ないという印象を持たれるということです。新機種の発表をバラバラと行うのも、一斉に発表したらシャープの機種にばかり注目が集まってしまうから、という面もあるのではないでしょうか。ボーダフォンとしては、テレビ付きのV601Nや3G(VGS)のV801SAも売れて欲しいんでしょうけど、V601SHを見ると、やっぱりボーダフォン=シャープだな、と思ってしまいます。3Gでも、V801SHというシャープ製の機種が予定されていますし、J-フォンがボーダフォンになっても、端末がシャープ頼みというところはなかなか変えることができないのでしょうか。
(2003/10/20)

auから、秋から冬にかけて発売される新端末のラインナップが発表されました。一番の売りは、マンナビを実現した「EZナビウォーク」でしょうが、それ以外にも200万画素のカメラを搭載した機種や、FMチューナー内蔵機種など、バラエティに富んでいます。よく言えば選び甲斐があるんでしょうが、携帯電話にあまり興味のない人から見たら「どれを買って良いのかわからない」となってしまいそうです。(^^;) 今回、ここまでバラエティに富んだラインナップになったのは、開発メーカーの意向を取り入れた面があるようですね。逆にドコモでは、シリーズごとに統一された機能があって、各メーカーはまずその機能を取り入れることを考えなければならないんだと思います。ユーザーから見れば、ドコモのようなラインナップの方がわかりやすいと思いますが、auがそのような方向性を外してきたのは、この半年の好調さによる自信の表れなのかもしれません。それにauとしてはドコモと同じことをやっていくのではなく、より個性を重視した端末を出していきたいという考えがあるのではないでしょうか。デザイン面から見ても、INFOBARはもちろんのこと、その他の端末もメーカーの個性が溢れるものになっています。それともう一つ、今回から東芝とサンヨーもメーカーのオリジナルロゴが入り、これでauの端末はほとんどが各メーカーロゴとauロゴのダブルネーム(と言っていいんでしょうか)になりました。このあたりからも、メーカーの個性を生かす方向というものを感じることができます。ところで、auの新端末はこれだけではなく、まもなくEV-DOに対応した機種の発表も控えています。はたして今度はどんな端末、サービスが出てくるのでしょうか。今回のラインナップを見ていると、EV-DO機もかなり期待してしまいます。
(2003/10/14)

前回取り上げた「ボーダフォンハッピータイム」はJ-フォン独自のサービスですが、他キャリアにも独自サービスがあります。今回はそのあたりの話です。
まず、ドコモではメロディーコールというサービスが始まっています。他キャリアでも実現は可能なサービスだとは思いますが、実際に追随するかどうかは、ドコモでヒットするかどうかによると思います。また、独自サービスではないですが、ドコモが今最も定着させたいサービスはテレビ電話でしょう。これはVGSでも可能ですが、auはシステム上難しいです。とはいえ韓国ではEV-DOネットワークでテレビ電話サービスを行っているようですし、今後テレビ電話が定着するようなら対応を考えてくると思います。
auでは着うたとGPSが独自サービスと言って良いでしょう。着うたに関しては、他キャリアはシステムの関係で参入は難しかったのですが、FOMAやVGSのサービスとして今後導入される可能性はあると思います。GPSは、今のところFOMAやVGSでも対応の可能性は低そうです。別にやればできるはずですが、あまりその気はないようですね。逆にauはGPSが進化し、まもなくマンナビが可能な機種が登場する予定です。それと、auではFMラジオ搭載端末についての発表も行いました。単に端末にラジオを付けるだけでなく、放送と連動したサービスが受けられるとのことなので、これもau独自のサービスになるでしょう。他キャリアの動向として、J-フォンではテレビ放送の受信が可能な端末を開発中とのことですが、ドコモはあまり興味がないようです。
以前は独自サービスを始めても追随されてしまうことが多かったのですが、最近は事情が変わってきている気がします。携帯電話に搭載可能な機能が増えたおかげで、キャリアごとの特色が出るようになってきたということでしょうか。
(2003/9/29)

テレビ電話の話をもう少し続けようかと思ったのですが、J-フォンから新たな割引サービスが発表されたのでそちらの話題にします。(^^;) 今回発表の目玉は、土日祝日のJ-フォン同士の通話料が1分5円となる「ボーダフォンハッピータイム」ですね。料金プランに関係なく、全てのJ-フォンユーザーが対象ということで、これは相当なインパクトを与えることができるのではないでしょうか。J-フォンと言えば、やはりメールというイメージが強いと思うのですが、これも他キャリアの追撃でメリットがかなり薄れてきていたのが現実だと思います。そこに新たに「土日祝日の通話と言えばボーダフォン」というイメージを植え付けることができれば、かつてのJ-フォンのような飛躍をもう一度取り返すことも可能なのではないでしょうか。それに、私としては電話の基本サービスである通話料金で勝負してきたことが嬉しいです。最近、J-フォンってゲーム機メーカーになったのかと思ってしまうくらい的外れなCMがあったので、もうJ-フォンは真っ向勝負できないキャリアになってしまったのかなあと思っていました。ただ、1つ心配なのは、このサービスはJ-フォン同士の通話に限るということです。それ自体は仕方のないことだと思いますが、全ての通話が1分5円になると誤解して購入するユーザーが現れたら、逆にイメージを落とすことにもなりかねません。1分5円になる条件はCMなどでしっかりと伝える必要があるでしょう。
ところで、このサービスによりダメージを受ける他キャリアはどこなのでしょう。私の予想では、特にauとツーカーへのダメージが大きいのではないかと思います。auは何らかの対抗策を講じることによりダメージは一時的なものになりそうな気がするのですが、ツーカーはやばそうですね。(^^;) プリペイドも1分5円ですし、これでユーザーを大幅に奪われることになったら、ツーカーの未来に影響を与えることになるのかもしれません。
(2003/9/22)

3Gで気になるところ(前回の続き・・・のつもりです)ということで、今回はテレビ電話について書いてみたいと思います。テレビ電話は3Gならではのサービスであり、ドコモやJ-フォンでも力を入れ始めてきました。しかし、よくわからないのがユーザーがテレビ電話を使いたいと思っているかどうかです。既にテレビ電話を使用したことのあるユーザーからは、テレビ電話に肯定的な意見が出てくることが多いのですが、まだユーザーの絶対数が少なく、これを鵜呑みにするのはちょっと危険でしょう。でも、使わないうちからテレビ電話に否定的であってもいけないと思います。「テレビ電話が役に立つ」「テレビ電話が楽しい」という状況は必ずあると思いますし、そういうときのためにテレビ電話機能がついていることは良いことだと思います。ただ、今後すべての通話がテレビ電話になるということは考えられませんし、今まで以上に受ける側の状況を考慮してかける必要が出てきます。それに、リアルタイムに映像を送信できる機器と考えると、新たな犯罪や問題を引き起こす原因になる可能性も高く、そのあたりも考慮しながら普及させていくのがキャリア側の使命と考えられます。ドコモでは、プライバシーに考慮した機能を導入し、またマナーの向上について啓蒙していくようなので、期待したいところです。また、ドコモは先日、阪神の試合の模様をテレビ電話で中継したそうですが、こういった映像配信系のサービスをテレビ電話で行なえることをもっとアピールすべきでしょう。テレビ電話と言えばお互いの顔を見ながら話すためのもの、というイメージを変えることができれば、案外受け入れられていくのではないでしょうか。
(2003/9/16)

あと1ヶ月ほどでVGSの新サービスが始まる予定ですが、それに前後してドコモやauでも3Gのサービスが充実し、いよいよ3Gが注目される時期に来たなと感じます。ただ、まだPDCのような感覚だと問題もあり、そのあたり気になるところをいくつか書いてみたいと思います。まずはエリアについてです。FOMAでは、人口カバー率が99%とか100%なんて地域が出始めていますが、これをそのまま信じるととんでもないことになります。(^^;) そもそも、人口カバー率に厳密な定義などないので、キャリアが100%だと言ってしまえばそれで通ってしまうというかなりいい加減なものです。まあ、それでもある程度の根拠はあるのですが、それは各市町村の役所がエリア内になっているかどうか、というのが1つの基準のようです。ですから、郊外や観光地はまだまだカバーできていないところが多いです。それと、ドコモは今まで主に800MHz帯の電波でサービスをしてきましたが、FOMAは2GHz帯なので、電波特性のノウハウなどが今までのものをそのまま生かせない面があり、エリアの穴も多いと思います。これらを考えると、FOMAがある程度満足できるエリアになるには、まだ半年から1年はかかるのではないかと思います。VGSの方は、ものすごい勢いでエリアを拡げているという話も聞きますが、その一方で収容能力の低い基地局が多いという話もあり、実際のところどうなのか、ユーザーが増えてみないとわかりません。こちらも、しばらく様子を見る必要がありそうです。このような状況ですから、キャリアは3Gの普及を進めたいと思っているのなら、ユーザーが使いたいところで電波が入るのか、契約前にチェックできるサービスを行って欲しいです。
(2003/9/8)

J-フォンからVGSの新しいサービスと端末が発表になりました。J-フォンユーザーにとっては久々の(?)明るい話題って感じですが、発表された内容はちょっと中途半端でしたね。(^^;) 他キャリアにユーザーが流れないように早めに発表したというところでしょうか。で、肝心のサービスと端末についてですが・・・自分としては、期待以上でも以下でもないという印象です。サービスでは、テレビ電話と海外での通信(メール・ウェブ)を売りにしたいようですが、今のところW-CDMAとしての優位点がテレビ電話で、ボーダフォンとしての優位点が海外ローミングなのでこれらを売りにするしかないんでしょう。でも、メールシステムがPDCのものとほぼ同様な形でサービスされるのは頑張ったところだと思います。J-フォンといえば使いやすいメールシステムというイメージは未だに健在だと思いますし、これをVGSでもアピールしていって欲しいですね。ただ、SMSと今回発表のメールシステムとの関係がどうなるのかが気になるところです。スカイメールとスーパーメールの関係と同じになってくれればベストなんですが。それから、スカイメールって名称は・・・なくなってしまうんでしょうねえ。端末の方は、既に展示会で発表されていたものと同じでしたのでインパクトはなかったのですが、本当にこれ出すんだというちょっとした驚きはありました。また、GSMでトライバンド対応なのは良いですね。これでアメリカでもそのまま使えるようになります。でも、機種ラインナップがスライド型1機種のみというのは寂しいです。最初に書いたように、ちょっと中途半端な発表になってしまっている感があるので、サービス開始までには、もう少しVGSに対する本気度を見せてもらいたいです。
(2003/8/25)

最近読んだ記事によると、機種変更時の端末の回収率が落ちているそうです。端末のメモリに残っている画像やメールを失いたくないから、というのが理由らしいですが、回収を進めたいキャリア側としては頭の痛い話のようです。頭の痛い話と言えば、カメラ付き携帯電話を最初から即解約するつもりで購入し、解約した後はデジカメとして使うというユーザーが少なからず存在するという記事もありました。どちらの話題も、携帯電話が高機能化したことによる問題でしょうが、問題をより大きくしているのは、後先のことを考えずに高機能化が進んでいるという状況があるからではないでしょうか。例えば、メガピクセルカメラで撮影した画像は、そのままではメールで送れませんよね。携帯電話である以上、メガピクセルサイズの画像を送信できる通信インフラを整備してからメガピクセルカメラを搭載するのが本来の姿だと思います。また、機種変更時に端末内のメモリを全て新しい端末に移すサービスが整備されていれば、回収率が下がることもなかったと思いますし、回線契約がされていない端末には機能制限をかけることもできるはずです。キャリア側としても、本当ならそういったことを考慮した上で高機能化できたら良かったんでしょうけど、ユーザー獲得競争の中で、とにかく高機能化に走っている面もあるのではないでしょうか。しかし、このままだったら記事になったような問題はますます増えていくでしょうね。ドコモがメモリカードを搭載するようになってきたのは、回収率の問題絡みの面もあるのかもしれません。今後、キャリアはどのような対策を取っていくのでしょうか。
(2003/8/18)

7月の純増者数が発表されましたが、J-フォンの落ち込みが激しいですね。505iシリーズがほぼ出揃ったドコモが好調だったことを考えると、やはりユーザーはハイエンド指向が強いのでしょうか。でも、自分の周りや携帯ショップでの話を聞く限り、ハイエンドだけでなく型落ちで手頃な値段になった機種も結構人気があるように思います。そうなると、J-フォンの落ち込みの原因はやはり(?)ボーダフォンへのブランド変更による漠然とした不安なんでしょうかね。一般ユーザーも、あれだけ宣伝を流されたらボーダフォンというものを理解し始めていると思うのですが、それと同時に最近のJ-フォンの数々の改悪(と多くの人が感じている)についても浸透しつつあるのだと思います。最近はメールアドレスの変更が発表されましたが、変更自体は仕方がないとしても新しいドメイン名が長すぎます。変更しようとしていることの1つ1つが、既存のJ-フォンユーザーの反感を買うようなことばかりです。新規に購入するユーザーだって周りの人の話を聞いてどのキャリアにするか決める人も多いでしょうから、既存のJ-フォンユーザーがJ-フォンのことを良く言わなければ、J-フォンを選ぶ気にはならないでしょう。今のJ-フォンは一時期のauのような状況になってきている感じがします。このままだと、J-フォン離れは加速していくのではないでしょうか。ただ、純増者数というのはキャリアの経営陣に対して最も伝わりやすいメッセージだと思うのです。純増者数の減少が現状のJ-フォンに対するユーザーからの「NO」の意志として経営陣に伝わる可能性はあります。auがそうであったように、不調な時期があった方が結果的には良いサービスを得られるようになるのかもしれません。
(2003/8/11)

国際ローミングの話の続きです。J-フォンのW-CDMA/GSM対応機の落とし穴ですが、実はこの端末はアメリカと韓国では使うことができないのです。アメリカと韓国といえば、日本人の渡航先の1位と2位の国です。J-フォンのVGSは国際ローミングに対応している国が多いのが特徴ですが、いくら多くの国で端末がそのまま使えたとしても、これら2つの国で使えないのでは魅力が半減と言っていいと思います。もちろん、USIMカードを差し替えればこれら2つの国でも使えますし、ヨーロッパに行く機会が多い人にはW-CDMA/GSM対応機は重宝するでしょう。国際ローミングが目的でVGSを購入する人は、主な渡航先を考慮して端末を選ぶ必要があります。ただ、今のところ選ぶほどの端末がないっていう悲しい現実がありますが・・・10月以降のVGS本格展開に期待したいところです。
ところで、なぜアメリカと韓国がダメなのかというと、これら2つの国と日本が世界的に見て特殊な携帯電話システムを持つ国だからです。しかし、この3カ国で共通して使えるシステムがあります。それがCDMA(W-CDMAとは違います)です。よってauのグローバルパスポートは、使える国自体は少ないのですがアメリカ・韓国といった日本人の渡航先上位の国で使えるというメリットがあります、その代わり、CDMAが導入されていないヨーロッパでは全く使えません。ヨーロッパではGSM方式が使われているので、もしGSMとCDMAが一台で使える端末があれば、世界中を網羅できます。近い将来、GSM/CDMA対応機が実現する可能性は高いので、数年後には世界中で使えるグローバルパスポート機も夢ではないかもしれません。あまり注目されない国際ローミング機能ですが、ふと気がついたらとても進化していた、なんてことになりそうです。
(2003/8/4)

ユーザーの注目度は低いと思われますが、キャリア側では国際ローミングの戦いが地味に行われているようです。(^^;) ちょっと前まではauがアメリカや韓国とのローミングを実現していただけでしたが、現在はJ-フォンとドコモも3Gのサービスとして対応しています。そのおかげかどうかわかりませんが、auの通話料もかなり値下げされることが発表されました。ただ、同じ国際ローミングといってもauとJ-フォン/ドコモではいろいろと違いがあります。auの場合、「普段使っている端末をそのまま海外で使う」という考えで、国際ローミングサービスを受けたい場合は、サービスに対応した機種(グローバルパスポート対応機種)を購入しなければなりません。これに対してJ-フォン/ドコモは、「普段使っている携帯の番号を海外でも使える」という考えで、端末はそれぞれの海外の方式にあったものを別に用意し、USIMカードの差し替えで対応しています。これをチップローミングとかプラスチックローミングといいますが、日本では3GからUSIMカードが導入されたので、やっと実現できることになりました。USIMカードの差し替え方式ですと、普段は自分の気に入った端末を使い、たまに出かける海外旅行の時だけ専用の端末をレンタルすればよいので、ほとんどの人はこれで十分という気がします。auのように普段の端末がそのまま使えるというのは、海外に行く機会が多い人には便利でしょうが、端末の選択肢が非常に狭くなってしまいます。また、J-フォンでもW-CDMA/GSM対応機を購入すればauのようにそのまま海外でも使えるのですが、実は大きな落とし穴があります。国際ローミングといっても、キャリアや端末により対応できる国が限られているのです。ちょっと長くなりましたので、続きは次回に。
(2003/7/28)

各キャリアが夏までに発売を予定していた機種がだいたい揃ってきました。どの新機種もそれなりに売れているとは思いますが、量販店での売り上げランキングを見るとやはりドコモの機種が強いです。また、J-フォンのJ-SH53も顔を出している場合が多いです。しかし、その売り上げランキングと純増数とが一致していないのがおもしろいところです。4月から6月の間、純増数でトップなのはauでした。しかし、この間も売り上げランキングはドコモの機種が強い状況に変わりはありませんでした。この理由は、一つには「キャリアショップ」という存在がかなり大きいということが言えると思います。携帯電話は、普通の電化製品と同じように量販店でも売っていますが、「携帯電話専門店」「キャリアショップ」でも売っています。ユーザーがどこで携帯電話を購入するのかは人それぞれでしょうが、購入するキャリアが決まっている場合、キャリアショップに向かう人は少なくないと思います。売り上げランキングにはキャリアショップ分は含まれていないでしょうから、ここで多少のズレが生じるのでしょう。そして携帯電話の場合、1台売ったとしてもそれが新規か機種変更かにより、純増に直接つながるわけではないということもあります。たとえ新規で購入したとしても、今まで使っていたものを解約して実質的な機種変更の人も少なからずいるはずです。以上のことを4月から6月の間に当てはめると、ドコモは量販店で機種変更した人が多く、auはキャリアショップで新規購入した人が多いということになるのでしょうか。かなり強引な推測ではありますが。(^^;) 7月の売り上げランキングを見ると、今まで以上にドコモが強い感じですが、純増数にどう表れてくるのか楽しみです。
(2003/7/21)

このところ、ドコモ端末の不具合が続いています。505シリーズのソフトウェアバグや、充電器の発熱、またPHSカードの場合は発売前に不具合が発覚し発売延期になりました。なぜドコモに不具合が集中しているのか、はっきりしたことはわかりませんが、おそらく、どのキャリアの端末にも不具合はあって、たまたまドコモの不具合が表面化しているだけだと思います。不具合を完全になくすことは不可能でしょうから、不具合が起きること自体は仕方がないにしても、それに対するドコモの対応には疑問が残ります。たぶん、不具合と言ってしまうと影響が大きいのでなるべくそう言わないようにしているんだと思うのですが、6割近いシェアを誇る企業の対応としては、感心できるものではありません。たとえauやJ-フォンができていないことでも、しっかりやることがトップ企業の使命だと思うのですが、そういうことを本気で考えているのかよくわからないのがドコモです。ドコモのホームページに、「ドコモからの手紙」というコーナーができました。その「手紙」を読んでみると、ドコモは「果たすべき責任」について考えているそうです。この手紙が単なる宣伝のためではなく、少しでも本音の部分を書くつもりがあるのなら、不具合に対するドコモの考え方について語ってもらいたいです。
(2003/7/7)




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