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ひとことコラム |
早いもので、2002年も終わろうとしています。自分で書いた今年のコラムをちょっと読み返してみたのですが、まあ好き勝手なこと書いてますね。(^^;)
でも、それほどいい加減なことは書いてないとは思ってるんでしょうが、どうなんでしょう。ところで、実は前回のコラムで1つ嘘を書いてしまいました。それは、FOMAとJ-フォンの3G間のテレビ電話のことで、実際は接続可能ということです。J-フォンが3G開始前に「できない」と発表したのは確かなんですが、その後のネットワークの調整で可能となったようです。失礼しました。m(_
_)m さて、今年も携帯電話はいろいろな話題がありましたが、ちょっと振り返ってみたいと思います。私にとって最も予想外だったのは、ドコモの不振ですね。5月、6月あたりの落ち込みは過去に例のないもので、ドコモにもこういうことがあるんだと、ちょっと驚きました。でも、累計シェアにはそれほど影響はしませんでしたし、現在は504iSや251iのラインナップが揃い、再び万全の体制ができつつあるかな、と思ってます。auは加入者数で一時期3位転落という事態になりましたが、その後は底力を発揮し、今年1年で見てみれば最もブランドイメージを上げたキャリアではないかと思います。また、KDDIとしてカーナビの通信インフラとしての事業を開始できたのも、今後の非音声分野サービスの拡大に向けた大きな一歩になったことでしょう。J-フォンは、日に日にボーダフォン色が濃くなっていく中で、どこに向かおうとしているのか読めない印象もありますが、ボーダフォンも日本でのJ-フォンの立場を徐々に理解し、それに対応した戦略ができるようになりつつあるのではという感じがします。またカメラ付き携帯電話の牽引役であったことは特筆すべきことでしょう。ツーカーは厳しい状況が続いていますが、他のキャリアにできないサービスをやろうという姿勢が個人的には好印象でした。PHSはますますデータ通信の比重が高まる中、DDIポケットの好調さの陰でアステル九州が将来的なサービス終了を決めるという大きな動きがあり、ついに淘汰が始まるという残念な事態になってしまいました。とまあ、いろいろありましたが、総じて各キャリアとも自らの特徴を活かした展開を行うことができた年だったという印象が残った1年でした。最後に、2002年も飽きずにこのコラムを読んでくださった皆様に感謝します。では、良いお年を。 (2002/12/30) W-CDMAに関して、久々に明るい(少なくとも最初はそう思った)話題がありました。J-フォンの3Gサービス開始と、ドコモのFOMA新機種発表がそれで、両者とも社長が登場し大々的な発表となりました。ところが、その後ドコモは新機種の発売を延期、J-フォンは端末の出荷台数が百数十台と、ほとんどの店舗では予定通り発売できなかったという不手際が発覚し、結局また批判的な記事が書かれてしまうことに。(^^;) どうもW-CDMAは未だに技術的には安定しないようですね。まあいずれは技術も安定し、ドコモがFOMAへの移行を進める限り日本ではW-CDMAの普及は進むと思われますが、3G開始前に言われていたような「バラ色の未来」的なサービスの提供はどんどん遠のいている気がします。最初はW-CDMAの通信速度は2Mとか言っていたのに、いつの間にか384Kに落ち着き、CDMAやGSMの通信速度を上げた改良版と大差なくなってしまいました。唯一、従来の携帯電話との差別化になりうるのはテレビ電話ですが、必要としているユーザーが限定されている上に、ドコモとJ-フォンでは相互に接続できないようなのです。テレビ電話を普及させたいのなら、まずは互換性を考慮するのが普通ではないでしょうか?確かに今までの歴史を振り返れば、通話以外のサービスは他キャリアと互換性を持たないようにしてユーザーの囲い込みを行ってきた経緯はありますが、それは携帯電話の普及期だったからこそ意味があったものであって、飽和状態に近づいている現在の状況で同じことをやっていては、W-CDMAへの移行が遅れるだけだと思うのですが。ユーザーにとって、少しでも多くの魅力が感じられるサービスの提供をお願いしたいところです。 (2002/12/24) J-フォンがパケット対応機のメール料金を見直し、非パケット機と同様にメール受信通知が無料となりました。J-フォンといえば、もともとメール受信料が無料であることが売りであったはずですが、パケット機の登場とともにそれをあっさりと捨てる(無料キャンペーン期間はありましたが)という無謀とも思える方針転換をしました。しかし、やはりというか、パケット機は予想通りには売れなかったのでしょう。再びあっさりと以前の方針に戻したようです。パケット機でも短いメールの送信なら非パケット機よりも得になることもありますが、写メールを送る場合は高いですし、基本的に値上げという印象が強かったのは確かです。メール受信通知が無料となることでその認識が少しは変わると思いますが、相変わらず1パケットあたりの料金がドコモと同じで割引の設定もないので、どの程度効果が現れるのかは未知数でしょう。ところで、受信通知の無料化に伴って始まったCM、迷惑メールに料金を払うなんて「ありえない」とか言ってますが、つい先日まで自分たちも料金を取っていたのに、そこまで言いますかね〜(^^;) J-フォンといえば、つい先日は3Gサービスの概要を発表しましたが、J-スカイ系のサービスは一切なし、代わりに国際ローミングは充実と、こちらは割り切りの良さが感じられます。こういった戦略は、ボーダフォンが親会社になったからこそできた面もあるでしょう。順調に(?)ボーダフォン色に染まっていくJ-フォンですが、だからといってブランド名まで変えるのは得策なんでしょうか。既にブランド名変更は発表済みなんですが、お得意の変わり身の早さで、やっぱやーめたってことにならないかと期待しています。(^^;) (2002/12/9) またちょっと更新をお休みしてました。m(_ _)m その間、ドコモから新製品が色々と登場しましたが、最近のドコモの製品ラインナップは少し前とは結構変わってきましたね。製品シリーズに251iが加わってから、従来のようにシリーズごとにほぼ横並びに製品を出すというのが崩れてきました。現在の製品シリーズは、212i、251i、504iとなっているのですが、これ以外にも600番台の製品もありますし、FOMAもあります。メーカーの面では、シャープや東芝が本格的に参入してきたという変化もあります。ただし、ドコモとしては、あくまでも212iと504iが主力の機種と考えていると思います。それは、この2シリーズのみが800MHz/1.5GHzのデュアルバンドに対応しているということから推測しているのですが、212iと251iを比べたら、251iの方が売れ筋商品になるでしょうし、600番台のらくらくホンも結構売れています。つまり、ドコモが売れると思っている製品以外の製品が予想外に売れているという現実があるのではないでしょうか。ドコモの製品名の付け方は、メーカー名と世代を表す数字でわかりやすいのですが、これもドコモが主導権を持って新しい機能を追加し、それがユーザーに受け入れられてきたから成り立ってきた面もあります。現在はドコモとユーザーの間にズレが生じており、そのズレを埋めるために新たな製品が投入され、結果としてラインナップに秩序がなくなってきていると思います。他キャリアの追い上げに対抗するためには仕方のないことでしょうが、今後はFOMAにも力を入れていく必要がありますし、このままラインナップの乱立を続けるのはドコモにとってもメーカーにとっても負担が大きいと思います。今後は50Xシリーズをメインに、他のシリーズは一部のメーカーのみが製品を投入していくという風に変わっていくのではないでしょうか。 (2002/11/24) J-フォンからJ-T08とJ-SA05が発表になりましたが、両方の機種とも画面に特徴を持って登場しました。J-T08は、携帯電話では初めてQVGAと呼ばれる240×320ドットの解像度を持つ液晶を搭載しています。通常は120×160程度ですから、それから比べると4倍のドット数を持つ画面ということになります。単純に考えれば、従来の4倍の文字を一度に表示できることになりますが、画面のサイズが従来とほとんど変わっていないので、そんなことをしたら文字が小さくなりすぎて見にくくなるだけですね。(^^;) むしろ、今まで1文字が12ドットフォントだったものを20とか24ドットフォントにできるので、より読みやすい文字を表示できるという点が利点だと思います。画像はどうなるのかわかりませんが、従来サイズの画像を4倍にして表示できるモードは備えていて欲しいところです。J-SA05の方は、ミラーディスプレイという機能を備えた画面を搭載しています。しかし、これがどういうものなのか、ニュースリリースを読んでもよくわかりません。(^^;) 最初は、カメラがメインディスプレイ側にもついていて、カメラに写った映像を反転させて鏡のように見せるのかと思ったのですが、違うみたいですね。液晶自体が鏡になるようで、どんな感じで写るのか、見てみたいです。ただ、モックでは確認できそうもないので、実物を持っている人を探さないとならないのが難点です。販売時にもモックで確認できないのはちょっとネックになる気がします。液晶ディスプレイについては、今後もシャープの3D液晶なんてものも控えてますし、まだまだ進化は止まらないようです。 (2002/11/5) ヨーロッパで、マイクロソフト社製のOSが搭載された携帯電話が発売されるそうです。マイクロソフトといえば、パソコン用のOSや表計算ソフトで圧倒的なシェアを誇る企業ですが、いよいよ携帯電話の世界にも進出してきました。私のようなコンピュータのソフトウェア業界に携わる者からすれば、パソコンに続き携帯電話でも市場を制圧しようとしていることに拒否反応を示してしまうのですが(^^;)、OSの存在自体は悪いことではありません。もし携帯電話のOSが統一されれば、メーカーによらずに操作性がほぼ統一される可能性があります。現状では、機種変更時に操作性が変わるのが嫌で今まで使っていたメーカーと同じメーカーを選ぶこともあると思いますが、操作性が統一されれば、デザインを重視した機種選びができるようになるでしょう。メーカーにとっても、複雑になる一方のソフトウェアの開発費が抑えられるメリットはあると思います。ただ、日本のようにキャリアが主導権を握って新サービスを展開している市場では、汎用的に作られたOSは馴染まないような気がします。それに、auのようにブラウザやjava実行環境、メールシステムあたりはほぼ共通のものを使っていて、ハードの面でもチップセットが統一されている等、既に基本部分の共通化が進んでいるキャリアもあります。そう考えると、日本で携帯電話用のOSが一般的になるのは難しいかなという感じですが、J-フォン(というかボーダフォン)あたりがW-CDMAで採用する可能性はあるでしょう。携帯電話のOSにはSymbian OSなどもあり、将来的にどうなるかはわかりませんが、携帯電話の機能向上は日本が先陣を切っているのですから、その優位性を活かして日本発のOSが誕生してもいいのではないかと思いますし、それを期待したいです。 (2002/10/30) 携帯電話の形状として全盛を極めている折りたたみ型ですが、このところ若干の変化が見えてきました。それはP504iなどに代表される薄型化の流れです。先日の展示会では、京セラが厚さ15mmのTK22を参考出展しました。ストレート型から折りたたみ型に機種変更すると、やはり気になるのがその厚さだと思います。特に男性は携帯電話をポケットに入れることが多いため、そう感じている人が多かったと思うのですが、実際に薄型化した製品が登場するまでには時間がかかってしまいました。その理由として、一つには機能の追加が優先された製品開発が行われたことが挙げられるでしょう。しかし、ストレート型が全盛だった頃は各社とも小型・軽量化にしのぎを削っていたはずです。折りたたみ型になっても、その考えがなくなったわけではないと思うのですが、NEC以外のメーカーは折りたたみ型を作るのに慣れていなく、小型・軽量化は実績を積んでからということになった面もあると思います。そういう意味では、NECはもっと早く薄型化に対応できたと思うのですが、保守的なデザインを続けた結果、薄型化については他社に先を越されてしまいました。元々、ストレート型では松下と京セラが小型・軽量化を競っていましたので、流れがそういう方向になれば、NECもうかうかしていられないでしょう。また、アンテナを内蔵したタイプが三菱に続きソニー・エリクソンからも発売になるそうで、折りたたみ型の画一的なデザインが徐々に変わっていきそうな状況になってきました。 (2002/10/21) ここのところ契約者数の減少が続いているツーカーですが、TCAの発表によると9月度も純減となってしまいました。現在のツーカーは、他のキャリアと比べると基本料金が安い(ただし2年契約)というメリットはあるし、funstyleやツーカーメッセンジャー、その他にも独自のサービスを展開していて、決して悪いキャリアではないとは思います。しかし、他キャリアのjavaや動画メール、次世代携帯などの展開に押され、また新機種が少ないこともあって他キャリアに流れるユーザーを止めるところまではできていないのでしょう。結局、先に挙げたツーカーのメリットや独自サービスの中で大当たりしているものがないため、「進むべき道」が見つかっていないのが問題点なのではないかと思います。 ところで、ツーカーはグループとしては減少が続いていますが、それぞれの地域で見ると、関西だけはずっと増加を続けています。では、関西と同じサービスを他の2地域(東京、東海)でも提供すれば減少をくい止めることができるのかというと、話はそんなに簡単ではないでしょう。実際、現在の3社のサービスに大きな違いはないです。考えられるとすれば、新サービスの投入タイミングでしょうか。2年契約の低料金プランや、プリケーのサービス追加などは、まず関西が先行しています。その投入タイミングが適切でユーザーのニーズと一致していたから、関西は減少することなく来れたのかもしれません。他にはエリアの問題が考えられます。関西は他の2社と比べると、エリアの拡充に以前から積極的という印象があります。 先日、TT22を発表し、新たにシンプル携帯に活路を見いだそうという考えがありそうですが、早く「進むべき道」を見つけて、関西以外でも元気のいいツーカーを見せて欲しいものです。 (2002/10/15) 今回は、先日まで開催されていたCEATECという展示会でのKDDIの社長の講演を取り上げてみたいと思います。というのは、最近のKDDIのトップの発言は結構当を得ていると感じているからです。今回の講演の中では、W-CDMAがなぜ足踏みしているのかについての発言があったようですが、理由として挙げた「規格自体の古さ」「2Gとの連続性のなさ」はまさに納得です。特に2Gとの連続性では、ドコモを選ぶ最大の理由としてエリアの広さがあるのに、PDCとの互換性なしでW-CDMAのエリアをゼロから構築して徐々に拡げていくという方法でユーザーが乗り換えると本当に思ったのでしょうか。技術的な問題はあるにせよ、1台の端末でPDCとW-CDMAを切り替えて使用できるデュアルネットワーク端末は必須だと思います。KDDIも他人のことはよくわかっているんだなあと妙に感心しました。(^^;) ところで、自らの3Gについては、テレビ電話を手がけない理由についての発言があったようです。そこでは、以前私がコラムでも書いたことがある(といっても、私が言い出したことでもないですが)受け手がどういう状態で受けるかわからないということを挙げていたようですが、これは半分嘘だなと思いました。cdma2000 1xの場合、回線交換では14.4kbpsの速度しか出ないので、テレビ電話をやろうとするとパケット通信上で実現する必要が出てきます。これは、いわばIP電話のテレビ電話版を実現しなければならないということで、パケット通信で安定して60kbpsくらいの速度が出るようにネットワークを整備しなくてはならないし、速度が落ちた場合を考慮した通信方式にしなくてはなりません。つまりテレビ電話を実現するのは技術的な問題があるということです。でも、時代がそれほどテレビ電話を必要としていない。KDDIにとっては、今はとてもラッキーな状況にあると思います。 (2002/10/7) 携帯電話のjavaで動くゲームがますます充実してきています。先日のjavaの技術系イベントでは、504iでゲームボーイのソフトを動かすエミュレータが発表されました。こうして携帯電話がゲームのプラットホームの1つとなりつつありますが、私は何か足りないものを感じています。確かに往年のアーケードゲームが携帯電話でできるのは感動するところもあるのですが、小さい画面と押しにくいボタンはどうしようもなく、性能面でゲーム機に追いついたとしても、同じゲームをやるなら携帯ゲーム機の方がいいというのは今も将来も変わらないでしょう。このままでは、携帯電話でのゲームはそれなりの地位を占めるにしても所詮携帯電話の機能の1つという捉え方しかされないと思います。まあ、それはそれで別に私は困らないんですが(^^;)、個人的には、携帯電話の通信機能をもっと活かしたゲームが出てくれば、新たな展開が期待できると思うのです。携帯電話でのゲームの場合、サーバと通信することによりデータの入れ替えが可能ですから、常に新しい情報をゲーム内に取り込むことができる訳です。例えば、最新の時事ネタが反映されるゲームなんてのは今までないと思います。だたし、これでいったいどんなジャンルのゲームができるのかまではわかりませんが・・・(^^;) 通信を行うゲームなら通信料でキャリアも儲かるので、どこかのゲームメーカーがキャリアと共同で新しいタイプのゲーム作りに挑戦しないかなあと期待しています。 (2002/9/30) ドコモから、新しいらくらくホンが発売になりました。らくらくホンは中高年の方を中心に人気があり、ヒット商品になっています。他キャリアでも同じようなコンセプトの商品はありますが、それほど注目されているとはいえません。そのような中でらくらくホンがヒットしているのは、「3つの専用ボタン」「大きく見やすい文字」「音声機能」を備えているからでしょう。確かにこれらの装備により、機械操作に弱い人や小さい文字が見にくい人に使いやすい端末になっていると思いますが、らくらくホンはいかにも高齢者向きというイメージがあるために敬遠する人がいるのも事実です。しかしその一方、通常のボタン類が大きめになっているため、メールが打ちやすいと若い人が買っていくこともあるという話を聞きました。本来、使いやすさというのは全てのユーザーが求めている機能だと思います。デザインの考え方としては、らくらくホンはバリアフリー的な発想で開発されたと思うのですが、これだけ普及している携帯電話ですから、ユニバーサルデザインの考えに沿って、らくらくホンの使いやすさを50X系や20X系の端末にも活かすような製品の開発を行って欲しいと思います。 (2002/9/23) ドコモが、FOMAの加入者数目標を下方修正するようです。やっと現実を見る気になったかというのが正直な感想ですが、今後の巻き返しもそう簡単ではないでしょう。最近、ドコモの圧倒的な強さというものが感じられなくなっています。今までは何をやるにもドコモが最初で、一番のシェアを獲得していましたが、パケット通信の高速化やカメラ搭載機種の発売は最後発でしたし、auには次世代携帯で、J-フォンにはカメラ付き携帯でナンバーワンの座を許し、宣伝材料にされています。もちろん、総加入者数ではドコモが6割近いシェアを維持しているのですが、今FOMAへの移行を進めると、ユーザーが他キャリアに流れかねない状況だと思います。そんな中、これから年末にかけてFOMAの新機種が発売される予定になっていますが、新しい端末で個人的に一番注目したいのは、待ち受け時間がどれくらい延びるかです。現在発売されているFOMA端末は、カタログ値でも50時間程度です。これでは、実際の使用では1日持つか持たないかといったところでしょう。今後発売されるFOMA端末は、最低でも150時間を目標にしているという記事を読みましたが、これもカタログ値であるという点が心配です。実際は良くてこの半分、使用状況によってはもっと短くなるはずです。特にFOMAで問題なのは、まだエリアが未整備で、マップ上でエリア内になっていてもスポット的に圏外なところが多いと予想されることです。待ち受け時に圏外となることが多いと、電力を余計に消費します。よって、エリアの充実が実質的な待ち受け時間の向上につながるはずです。ユーザーにとっては、実使用での待ち受け時間が一番重要ですから、そこをいかに延ばすかを考えて欲しいです。 (2002/9/16) メモリカードに対応した端末が増えてきました。現在は内蔵メモリでは足りない場合の保存領域としての使用が一般的ですが、カードのフォーマット仕様が統一されれば、機種変更時に以前の端末のデータを移すことができ便利になるでしょう。しかし、今後メモリカードが一気に普及するかどうかについては、ちょっと複雑な面があると思います。それは、メモリカードにより自由にデータ交換が可能になると、通信を使わずに情報のやりとりをする場面が増えてくるからです。このとき、ユーザーはキャリアに料金を払うことはありません。キャリアとしては、写メールのように撮影したものをメール(通信)を通して他のユーザーに送るという方向にもっていかないと、いくら端末が高機能化してもキャリアの本業である通信で儲けることはできなくなります。しかし状況が複雑なのは、通信環境のスペックを超えた機能を搭載した機種が今後どんどん出てきそうなことです。既にJ-N05やJ-SH09などのように動画を撮影する機能があるのにメールで送ることができない機種が登場しています。将来的には高精細な写真が撮れたり、分単位の動画が撮れる機種も出てくるでしょう。しかし現在の通信環境でこれらの情報を送信しようとすると、ファイルのサイズが大きすぎて送れなかったり、送るのに時間がかかる、送信料が高いなど問題がでてきます。そうなるとメモリカードでのやりとりをユーザーは望むと思うのですが、キャリアの儲けにはつながりません。もちろん、離れた相手とのやりとりはメモリカードではなくメールになるはずですから、メモリカードが普及するとキャリアの儲けが減るとは言い切れませんが、そういった恐れがあることは確かです。キャリアとしてはメモリカードがあっても通信を使わせるサービスを如何に考え出すかがポイントになってくると思います。 (2002/9/2) ドコモがパケット料金の割引制度を発表しました。しかし、対象となるのは月にパケット代だけで3万円以上使っている人のみと、普通のユーザーには全く縁のないものになっています。ドコモとしては、パケットの割引を開始したということ自体がニュースになればいいと思ったのかもしれませんが、期待はずれだと感じた人は多いと思います。 ところで、パケット料金ではauが最も安いということは携帯電話にちょっと詳しい人なら知っていると思います。基本的な1パケットの料金がドコモやJ-フォンに比べて1割安いですし、割り引きオプションで7〜8割引まで安くすることができます。更にこの秋からは、新たに「パケット割」が導入され、1200円のオプション料金で無料パケット代800円が付き、1パケットの料金が0.1円になります。またauではEZwebmultiの高速パケットオプションも無料化されます。携帯電話で、ここまで安くて早い通信環境は他キャリアにはありません。恐らく、早さと安さを同時に提供することで、ユーザーが使用するパケット料を増やし、auにとっての収入があまり減ることのないように考えているのでしょう。 それに対し、ドコモやJ-フォンはパケットの割引制度がほとんどありません。これはキャリアごとの戦略の違いなのでしょうが、特に今後のW-CDMAへの移行時にパケットの安さを1つの切り札にしたいというのがあるのではと予想しています。W-CDMAのパケット料金を安く設定すれば、移行にあまりメリットを感じていないユーザーにとってはパケット料金の安さが大きなメリットとして感じられるでしょう。第3世代への移行をスムーズに行っているauとの違いがここにも表れているんだと思います。 (2002/8/26) カメラ付き携帯の勢いがますます増していますね。各キャリアとも、今後発売する機種にはほとんどカメラが付くことになるのでしょう。このような状況の中、カメラがついているだけでは差別化はできないということで、今後はカメラ部分の高機能化が進むのでしょうが、私が期待したい機能について書いてみたいと思います。まず、画素数の面では既に100万画素まで視野に入れた開発が行われているようですが、画素数が増えたからといって大きなサイズの写真が撮れるようになっても、携帯電話のユーザーにはあまりメリットがないでしょう。それよりも、増えた画素数分を活用して手ぶれ防止機能や画質劣化のないデジタルズームを実現して欲しいです。それと、これはJ-SH09では実現されていますが、マクロ撮影機能を搭載して欲しいです。これにより、カメラをイメージセンサ的に使うことが可能になりますので、新たな活用方法が生まれることになると思います。もちろん、より綺麗に撮影できるようにして欲しいという希望も当然あります。 ところで、カメラ部分の高機能化が進むと、企業を中心に新たな問題が浮上するはずです。それは社外秘情報の漏洩に携帯電話が使われるという懸念です。既に厳しいところではカメラ付き携帯電話が持ち込み禁止のところもあるのでしょうが、今後発売される携帯電話がほとんどカメラ付きになってしまったら、持ち込み禁止の企業に勤める人が使用できる携帯電話の選択肢は非常に少なくなってしまいます。こういった事情も考慮すれば、カメラ付きの機種からカメラ部分を取り除いた製品も必要になってくるのではないでしょうか。 (2002/8/19) ここ数年、携帯電話の陰で苦戦を強いられていたというイメージのあるPHSですが、DDIポケットに限って言えば、最近は利益を見込めるほど好調になっているようです。その原因として挙げられるのは、やはり料金定額制のデータ通信サービス(つまりAirH")が人気を集めているからでしょう。携帯電話のように月々の回線契約者数はあまり増えませんが、ユーザー層が音声からデータ通信に、また個人から企業に変わり、利益を生み出しやすい構造に変化しているのだと思います。一時はKDDIから売却されるという噂もありましたが、この調子ならばそういった話も耳にすることもなくなるでしょう。そこでDDIポケットには、KDDIとの連携によって新たなサービスを模索して欲しいところです。まずはauとの割引サービス。まあ、こう書きながらも実際これをやりすぎると利益を減らすだけなので、実現性はどうかとも思いますが。(^^;) グループ企業としてお互い効果が見込めるなら実現して欲しい程度ですかね。もう一つ、これは是非実現して欲しいのがPHSでのIP電話サービス。もともとPHSは音質が良いのが売りなので、音質がいまいちというイメージのあるIP電話と組み合わせるのはメリットを奪う心配もありますが、それ以上に対固定電話の通話料金が格安になれば、企業ユーザーを中心に新たな需要を生み出せるのではないかと思います。データ通信が好調といっても、元々音声で携帯電話よりもメリットのあるのがPHSなんですし、データ通信へのシフトで力を蓄えて、再度音声サービスで反撃するなんて計画があってもいいんじゃないでしょうか。 (2002/8/12) J-フォンから、デザインを重視して開発したという端末、J-D06が発売になっています。確かに、携帯電話のデザイン面での不満はよく聞きますが、J-D06がその不満に答えているかというと、ちょっと首をかしげたくなるところもあります。まず、デザインは進歩したのに中身(ソフトウェア)はJ-D05からあまり変わってなくアンバランスなようですし、サイズ的にもちょっと大きいのが気になります。また、黒い光沢面は指紋や脂が目立ちやすく、ぱっと見た目はいいのですが、普段使用する際には汚れを気にすることが多くなるのではないかと思います。もちろん、デザインの好みは人それぞれですから、J-D06のデザインを気に入って購入する人も少なからずいるでしょう。ただ、J-D06は懲りすぎで、これからの携帯電話のデザインを変えるきっかけになるとは考えにくいです。私が思うに、多くのユーザーが求めているものは見た目が全く異なるデザインではなく、基本的な部分にこだわりを感じさせるようなものなのではないでしょうか。例えば、押しやすいボタンだとか、見やすい画面、折りたたみでも薄いボディ、持ったときの安定感など、広い意味でのデザインをもっと煮詰めることが必要だと思います。また、メーカーによってもデザインの凝り方に差がでてきて当然だと思います。ソニー・エリクソンは他のメーカーより凝ったデザインを期待されているでしょうし、NECは保守的なデザインが支持されています。今後、キャリアとメーカーがそれぞれの立場を認識し、うまく連係していくことで1機種だけでなく全体のデザインが向上してくれることを期待したいです。 (2002/8/5) ドコモがiショット送信時の不具合を知りながらも251iの販売を続けていたことが問題となっています。ドコモといえば、かつてiモードの不具合が多発した際に情報をあまり公開せず、かなりの反感を買ったことがありました。その後、ホームページにiモードのネットワーク状況を知らせるページができたりして、かなり反省したんだなと思っていたのですが、また同じようなことを繰り返してしまいましたね。結局、ドコモ社内での意識はあまり変わっていなかったということでしょうか。何かしらの問題が発生することは企業なら必ず起こることですが、ドコモの場合、その対応の仕方が一般的な考えとはずれている気がしてなりません。例えばやはり最近判明したauのWAP2.0ブラウザでの情報漏洩問題では、逆に事実の公開を進めると悪意のあるサイトが増えるだけという側面があり、情報を出さなかったのもわかる面もあります。しかしiショットの件では、送信に失敗したらユーザーが損をすることはわかっていたのに、そのことを公開せずに後から料金を返せばいいという対応で本当にいいのでしょうか。まあ、良くないから問題になっているんでしょうが・・・ 恐らく、今回の件はそれほど大事にならずに済むとは思いますが、対応のまずさについてはドコモにはしっかりと反省してもらいたいです。 (2002/7/29) ちょっと遅くなってしまいましたが、504iの2機種、PとSOの感想を書きたいと思います。私にとっては、この2つのメーカーの504iは非常に対照的に写りました。Pはハード面/ソフト面とも、総力を結集して開発したという意気込みが感じられます。Nに奪われた人気機種の座を再び奪い返そうというという気持ちが強いのでしょう。値段は高くても買いたくなる気持ちを起こさせる機種だと思います。ただ、販売面ではNが504iシリーズの中で値段を安くしていることもあり、Nに勝つところまではいっていないところが残念です。それに対し、SOは無難にまとめ上げただけという印象です。ソニーは元々、ドコモのムーバメーカーではなく、502iでドコモに本格的に参入してきたときはかなり話題にもなりました。続く503iもソニーらしいデザインで個人的には印象が良かったのですが、504iは何故か普通のデザイン、機能的にも特筆すべきところもありません。別に悪い機種だとは思いませんが、ソニー(今回からソニー・エリクソンですが)なのになんで?と思ってしまいます。503iSからの熟成を進め、より万人受けを狙ったということでしょうか。個人的には、やはりSOはドコモの中で特徴的なデザインを持ったメーカーでいて欲しいです。折りたたみの機種が全盛の時代ですから、どの機種も同じような見た目になったら、いろいろなメーカーの機種が存在する意味がなくなってくると思います。 (2002/7/22) 最近この話題ばかりの気がしますが、6月の契約者数、ドコモが復調していつも通りの数字となりました。4月、5月の不調は買い控えによるところが大きかったということでしょうが、逆に、たとえドコモでも新機種投入のタイミングを誤れば他キャリアに負けることもあるということがはっきりしたとも言えます。504iはサクサクショックとか言ってますが、ドコモ以外のキャリアは既に高速化は実施済み、カメラもドコモが最後発な訳で、ドコモユーザーはその現実に別の意味でショックを受けていないか心配です。(^^;) ではなぜドコモが最後発になってしまったかといえば、単にサボっていたわけではなくFOMAに力を入れていたからです。が、そのFOMAは加入者数では6月は絶不調でした。504iや251iの登場で、FOMAの端末の魅力が相対的に下がったので当然の結果でしょうが、この先何の手も打たなければ純減なんてこともあるのでは?とも思えるほどの勢いのなさです。幸いにも、7月からはデュアルネットワークサービスが開始になり、普段の行動範囲がFOMAのサービスエリア内という人には、ちょっとは興味を持ってもらえそうな気はしますが、新機種が出るまではFOMAの低空飛行は続くでしょうね。でも、もしその新機種も期待はずれだったら・・・というのは、今は考えないでおきましょう。(^^;) (2002/7/8) |
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