DVDを見よう
〜DVDビデオ再生環境の構築〜

1999.11.23作成
1999.12.5修正

パソコン上でのDVDビデオ再生環境を構築しました。「顛末記を書いてみようか?」と雑記帳に書いたところ、一人とはいえ要望があったので書いてみました(笑)
知識不足で変なコト書いてる可能性もありますが、見つけたら突っ込み入れてください(^ ^;

・LDからDVDへ

知ってる人は知ってますが(無意味な日本語だ)私はかなりのLD持ちです。正確な枚数は把握していませんが、500枚は超えています。ちなみにほとんどがアニメですが、ソレは今回の本題じゃありません(笑)
LDに対してココ数年で立ち上がってきたのがDVDビデオ(DVD-ROMを媒体としたビデオディスク)です。昨年まではまだまだ店の片隅に置かれた感じだったDVDビデオですが、今年に入ってLD売場が急速にDVD売場に変わっています。私が手持ちのLDのほとんどを買い求めた梅田、三番街のDISC PIERも完全に DVDビデオに置き換わり、LDは新譜が少量店頭に並ぶのみとなり、その新譜も全部は並ばない感じです。というようにLDの購入はDVDビデオに較べて面倒になってきました。アナログレコードからCDに移行したのと同様、やがては DVDビデオに移行するだろうとは思っていましたが、そろそろ潮時でしょう。というわけでDVD再生環境を確保することにしました。

・再生専用機とパソコンでの再生

DVDビデオを見る方法は大きく分けて2つです。AV機器であるDVDプレイヤー(以下、コレを「再生専用機」と呼びます)とパソコン上での再生です。
DVDビデオの再生は再生専用機を使うのが王道であるとは思います。テレビと繋いで電源入れて、ディスク入れて、後は簡単な操作で見れます。パソコンのように面倒くさい「設定」等はありません。パソコンでも最初からDVDビデオ再生機能を持っているモノなら簡単ではありますが、DVDビデオ再生機としてパソコンを捉えれば高すぎます。
パソコンでの再生も専用再生機に較べ利点はあります。まずは画質です。走査線の数で言ってもパソコンの方が上ですし、テレビがインターレス表示であるのに対してパソコンはプログレッシブ表示です。プログレッシブ対応のテレビもありますが、総じて高価ですので、持っている人は少ないでしょう。最も、現在のDVDビデオ、ソレもテレビ放送を収めたアニメなどでは大した問題では無いとは言えますが。
反面、パソコン上での再生は「迫力に欠ける」と言われます。コンシューマ向けパソコン用ディスプレイの最大サイズは22吋ですし、現在最も普及しているディスプレイは17吋でしょう。テレビは大画面化が進み、家庭用でも最低クラスで25吋で、それ以下は個人用という感じです。画面サイズという点では明らかにテレビの方が有利です。まぁ、この点はテレビ出力機能を持ったビデオカードを使えば解消できます。パソコンからテレビへ出力するのは先に述べた高画質という利点を捨てるコトになりますが、テレビ「でも」見れるという点は利点にはなるでしょう。

音声面では再生専用機の方がやや有利でしょうか。DVDビデオは5.1チャンネルのDOLBY AC-3に対応しています。再生専用機はローエンドを除き、ほとんどがDOLBY AC-3に対応しています。が、パソコンではDOLBY AC-3対応のサウンドカードはまだ一般的とは言えないでしょう。最も、世の中DOLBY AC-3の環境を持っている人なんてそんなに多くは無いと思います。私もLDを見るときはテレビのスピーカー使っていますから。ウチの部屋にはコンポなんてモノは無いですし。寧ろ、パソコンの方が安価にDOLBY AC-3環境を構築できるかもしれません。最も、音質では専用AV機器にかなうはずもありませんが。ともあれ、音声は私も含め、多くの人にとっては2チャンネルで十分と言えるでしょう。2チャンネルでの音質面もしかり。

で、再生専用機とパソコンでの再生のどちらにするかですが、再生専用機は4万円くらいから買えますが、適当なクラスを選ぶと6万円台という所です(この辺は個人の価値観ですが)、ソレが「DVDビデオを見る」コトにしか使えないのはちと辛い。パソコンだと、DVD-ROMドライブもDVD-ROMが使えるようになるというメリットがあります(って、実際今ではDVDビデオを見る以外には役立たないですが)。その他のハードへの投資もしかり。また、来年発売になるPlayStation2はDVDビデオの再生が可能です。私もPS2は遅かれ早かれ買うでしょうから、PS2のDVDビデオ再生がどれだけ使いモノになるか確認してからでも遅くありません。
というわけでパソコン上での再生環境を構築するコトにしました。って、上の理由はほとんど後から考えてますね。要は「パソコンで見てみたかっただけ」です(爆)

・DVDビデオ再生に必要なモノ

パソコンでDVDビデオを再生するのにはまず、DVDドライブが必要です。コレばかりは避けようがありません(笑) が、DVDビデオの再生は単にDVDドライブがあるだけではダメです。パソコン上での音楽CDの再生が CD-ROMドライブからのオーディオ出力によって行われるのに対し、DVDビデオの再生ではDVDドライブは単にDVD-ROMに格納されているMPEG2データを読み出すだけで、そのデータを映像信号に変えるには「デコード」という過程が必要です。デコードには専用カードを使ったハードウエアデコードとプログラムによってデコードを行う「ソフトウエアデコード」があります。
DVD-ROMドライブが登場した頃にはCPUパワーが十分ではなくハードウエアデコードが主流でした。が、ハードウエアデコードには欠点があります。ハードウエアデコードした画像をパソコンの画面上に表示する方法にはアナログオーバーレイとデジタルオーバーレイがありますが、アナログオーバーレイは対応できる解像度に制限があり、現在のパソコンの状況にはそぐわなくなってきています。デジタルオーバーレイはカード自体が少なく、相性問題もあって、どの環境でも使えるというモノではありません。もっともデコーダーカードの出力をテレビに表示するのならコレは問題にはなりません。少々古くなったマシンをDVDビデオ再生機にしてしまうのも一つの方法ではあります。
最近はCPUパワーが向上し、ビデオカードも最新のモノはDVDビデオ再生支援機能を有しているのが多くなってきています。ビデオカード側のDVD再生支援機能があれば、PentiumII-333MHzクラスでも再生可能というのが雑誌などでの通説のようです。現在ではパソコン上でのDVDビデオの再生はソフトウエアデコードが主流と言えます。
というわけで、必要なモノは

・DVDドライブ
・DVD再生に十分なCPUとビデオカードの組み合わせ
・ソフトウエアDVDプレイヤー

となります。

・機器選択[お出かけ前]

まずはDVDドライブ
DVDドライブにはDVD-ROMドライブとDVD-RAMドライブがあります。DVD-RAMドライブも良いですが、バックアップメディアとしては現在は640MBのMOで事足りていますし、DVD-RAMドライブは今でも6万円程度はするので、金銭的に辛いです。
DVD-ROMドライブは1倍速である第1世代のモノはCD-R/RWが読めないといったCD-ROMドライブとの互換性の問題がありましたが、現在はそういった問題はありません。速度にして6倍速以上のモノが第3世代ドライブと言われますが、このクラスが現在の主流でしょう。 10倍速を第4世代と読んだりしますが、単に読み出し速度が違うだけで別に機能に差はありません。第3世代以降には問題点もあります。国別コードである「リジョンコード」の変更回数に制限があります。DVDビデオは著作権保護の点から(例えばまだ映画が公開されていない国でその映画の DVDビデオが見られないように等)リジョンコードが設定されています。最も国内のDVDビデオソフトしか買わないのならコレは問題にはなりません。

次はCPUとビデオカード
CPUは現在PentiumIII-500MHzです。Coppermineが出荷されたとはいうモノの、コレで力不足というコトはないでしょう。
ビデオカードはMillenniumG200からMillenniumG400に交換するコトにしました。PentiumIII-500MHz とG200の組み合わせがDVDビデオの再生に不足であるかどうかは判りませんが、前々からG400は欲しいと思っていたので、良い機会でしょう。DVDビデオのテレビへ出力を考慮してDualHeadもしくは値段次第ではG400MAXという可能性もあり。
実際の所、G400はDVD再生支援機能が充実しているというわけではありません。この点で選ぶならATIのRAGE128系のチップを搭載したカードかSavage4を使ったカード等が良いようです。最新のGeForce搭載カード、もうすぐ登場するSavage2000等も当然搭載しているでしょう。まぁ、Millennium,MillenniumII,MillenniumG200と使ってきた私には他に選択肢はありません(笑) ソレにG400でもG200に較べれば動画再生機能という面では向上しています。 ソフトウエアDVDプレイヤーはWinDVDかCinemaster99辺りが良い様子。でも、単品で買うと高いので、添付されている製品を買いたい所です。

・機器選択[日本橋]
さて、日本橋でお買いモノ。
まずはMillenniumG400です。G400MAXは品薄感はなさそうですが、値段は下がった様子は無し。DualHeadとの価格差は16000円程度。さすがに買う気にはなれず、Dualheadを購入。モノはInfoMagicから販売されている日本語ドライバ版です。英語版との値段差は無かったですし、どうせなら日本語版でしょう。英語版のドライバが使えないわけでもないですし。が、G400はおまけに乏しい。
次はDVD-ROMドライブ。ソフトウエアDVDプレイヤーが付いているDVD-ROMドライブを買わないといけません。売場を見渡すと、Cinemaster98が付いているDVD-ROMドライブは幾つかありましたが、Cinemaster99 が出ているので旧製品感は否めません。唯一WinDVDが付属していたSONY製のDVD6倍速/CD32倍速のドライブDDU220Eを購入。最新のモノはDVD10倍速/CD40倍速とかになってますが、DVDビデオの再生は 1倍速でも可能です。6倍速なら全く問題はありません。 この二つを購入して、帰宅。

・セットアップ
ビデオカードの交換なんてのはもう儀式にもなりません(笑) ドライバは添付のモノより、infoMagicのサイトに在る方が新しかったので、ソレをインストール。
DVD-ROMドライブはWindows98が標準対応してるので、取り付けて電源を入れるだけですね。 DVD-ROMドライブからCD-ROMの読み込みをしてみて、正常動作を確認。最後にWinDVDをインストールして終了。

・再生
栄えある(?)1枚目の再生ソフトはToHeart第5巻。LDを1巻から購入してるのに何故かDVDは5巻だけ持ってます(笑)



ToHeart第5巻

画質は・・・こんなモノかな?という感じです。テレビで再生するLDの画像とそんなに差があるとは思いません。同時にテレビでLDを再生してみれば差を感じるのかもしれませんが。ただ、フル画面表示にするとちょっと寝ぼけた感じがします。ウインドウ表示の方が良いかも。で、ウインドウ表示の横でシステムモニタを起動して、CPUパワーの使用率を見てみます。常時90%オーバー!? PentiumIII-500MHzとG400と言えば現在のハイエンドに近いクラスです。ソレでコレとは・・・が、コレにはオチがありまして、DVD-ROMドライブのDMA転送をONにしていませんでした(爆) 改めて再生してみると、10%台!? コレまた大きく下がったモノです。でもコレは起動直後に再生した時だけで、1度止めてから再生したり、WinDVDを再起動してからだと 60%台になります。10%台ってのはどう考えてもおかしいので、60%台が本当でしょう。

・テレビに出力
さてテレビに出力してみましょう。
G400のDualHead機能の一つにDVD MAXというのがあり、コレを使用するコトでセカンダリモニタとして接続したテレビにDVDの画像を出力できます。テレビとの接続にはG400DUalHに付属しているTVアダプタを使いますG400DualHeadの写真は雑誌にも良く載っていますが、TVアダプタの写真は見たコトがないように思うので、載せておきます。


G400DualHead TVアダプタ

コンポジットとS端子があります。Sビデオケーブルもどこかにあったと思うのですが、見つけようも無いので(爆) コンポジットで接続します。ちなみに音声は勿論サウンドカードから取るのですが、サウンドカードの出力は2系統もありません。私はサウンドカードとスピーカーの間にミキサーを繋いでいて、そのミキサーには出力が2系統あるので、ソコからテレビに繋ぎましたが、人によってはこのあたり少々面倒かもしれません。
で、テレビ出力時の画像です。21吋のテレビなのですが、17吋モニタのフル画面表示のような寝ぼけた感じはありません。一般的にパソコンに劣ると言われるテレビ表示ですが、ソレを感じるにはソースの質が低すぎるのかも(ぉが、少々難点がありました。学生服の背中の辺りにモザイク状のムラが見えます。本来セルでは単色べた塗りである箇所ですが、撮影により若干のムラがあるようです。こういう微妙な色の違いというのはMpegが苦手とするところなのでしょうか?でも、同時に表示されているパソコン状の画像ではソレは見られないので、DVD MAXの画像に少々難ありというトコなのでしょう。 ちなみにDVD MAXを使うとパソコン状だけに表示するより10数%CPUパワーを消費します。ソレとテレビに表示するからといって、パソコン側のウインドウを最小化するとテレビ側にも画像が表示されなくなります。まぁ、コレはWinDVDの問題ですが、DVD MAXなんていう状態は想定されていないでしょうし、仕方のないトコですが、CPUパワーを無駄遣いしてるように思えます。

ともあれ、コレでDVDが見れるようになりました。今後はLDに変わってDVDをメインに買うようになりそうです。

P.S.
後から気づいたのですが、G400にもDVDプレイヤーが付いていました。英語版のドライバCDに入っていたのですが、日本語版しか使わなかったので築かなかったんです(^ ^; さすがに専用(?)のプレイヤーらしくDVD MAXでのテレビ出力時にパソコン側のウインドウを最小化してもテレビ側にちゃんと画像が表示されます。

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