XFree86 3.1.2 設定概論第1

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Last Update Mar. 14, 1997
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Xサーバーの設定

Xサーバーの設定も、FreeBSD 2.1.0 ではインストール中に行なうことができる。 だが、インストールした後に変更したくなる場合もあるので、ここではインストーラに頼らない方法を紹介する。
  1. 自分のマシンのハードウェア情報を収集する。

    まずは自分のマシンのカタログやマニュアルを見てみよう。 通常はグラフィックアクセラレーターにどんなチップを使っているか書いてあるはずである。 私のマシンの場合は、IBM PS/V Master RWE なので、S3 Incorp. の Vision 864である。

    また、ディスプレイの許す水平同期信号の最大値と最小値、垂直同期信号の最大値と最小値をディスプレイのマニュアルからメモしておく。 この値を間違えると、ディスプレイを破壊することもあるようなので、注意が必要だ。

    そして、グラフィックアクセラレーターカードに用いられているRamDACの型番と、ドットクロックの最大値を調査しよう。 RamDACはDigital-Analog-Converterの略で、ビデオカードのRAM上にあるデジタル画像データをディスプレイに送る時にアナログ信号に変換するチップである。 ドットクロックの値とは、1秒間に何ドットの色がRamDACによって変換されるかの目安になるクロックということらしい。 RamDACの型番まではカタログに記載されていない場合も多いようなので、以下の方法で調査すると良かもしれない。

    X -probeonly
    
    この方法で調査すると、通常は表記されていないRamDACの名前などの情報がある程度得られる。

    PS/V Master RWEのオンボードビデオの場合は、s3_sdac、別名86C817と呼ばれているDACが使われている。 また、PS/V Master 上にセットされた s3_sdac のドットクロックは最大 135MHz であると Niftyserve のチャットで教えてもらった。

  2. xf86configを実行して、質問に答えていく。

    上記で調査したハードウェアに関する情報の他、マウスの種類は何かとか、マウスのデバイス名は何かとかビデオカードに載っているRAMはどれくらい容量があるのかとか色々英語で聞いてくるので答える。 以上の質問に答えると、xf86config というプログラムは /etc/XF86Config というファイルにデータを出力する。 以後、Xサーバーは /etc/XF86Config というファイルを見てから起動するので、いちいち質問に答えるのが面倒になったら直接 /etc/XF86Config を編集しても良いだろう。

  3. /etc/XF86Configの編集

    設定ファイル中にはコメントが書かれているので、何を設定しているのかは見えやすいだろう。 ここでは、デフォルトの解像度を変更してみる。

    Section "Screen"
    
    とあるのが、利用できる解像度などのデータが記述されている部分である。 色々なXサーバー用の指定が複数あるので、今現在使われているXサーバー(例えば、S3用アクセラレーション機能を利用したXサーバーなど)のための Section "Screen" を、コメントを頼りに探そう。 私の設定を以下に抜粋する。
    Section "Screen"
        Driver      "accel"
        Device      "S3"
        Monitor     "idek"
        Subsection "Display"
            Depth       8
            Modes       "1280x1024"
            ViewPort    0 0
            Virtual     1280 1024
        EndSubsection
        Subsection "Display"
            Depth       8
            Modes       "1024x768"
            ViewPort    0 0
            Virtual     1280 1024
        EndSubsection
        Subsection "Display"
            Depth       16
            Modes       "1024x768"
            ViewPort    0 0
            Virtual     1024 768
        EndSubsection
    EndSection
    
    Section "Screen" の下に Subsection "Display" という記述がある。 ここの内部で解像度や色数を指定する。 Depthはビット数で色数を指定するので、8は256色、16は65536色を意味する。 Modesは表示される解像度を、Virtualは表示はされないが、マウスを動かすことによってスクロール可能な仮想画面の解像度を設定する。 一番最初に記述されている Subsection "Display" がデフォルトで使われるので、自分の使いたい画面モードを一番上にカット&ペーストすると良い。

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リソースファイルについて

X Window Systemでは、アプリケーションソフト毎の設定などをリソースファイルと呼ばれるファイルで指定することが多い。 Windows 3.1で言うところの /windows/win.ini 、Windows95で言うところのレジストリみたいなものだ。 リソースファイルとして、~/.Xdefaultsか~/.Xresourcesのどちらかが利用されている。 実際には~/.xinitrcファイル中で、xrdb -merge の引数に指定されているファイルがリソースファイルとして読み込まれており、私の所では ~/.Xresourcesが読み込まれている。

なぜ~/.Xdefaultsと~/.Xresourcesの二つのファイル名があるのかというと、X11R5までは~/.Xdefaultsというファイル名を使っていたのだが、X11R6からリソースという名前にしようということで~/.Xresourcesというファイル名に変更になったらしい。

リソースファイル内部は普通のテキストファイルで、一般には

アプリケーション名*変数名:   値
と記述する。 例えば、ktermというアプリケーションの設定は以下のようになる。
KTerm*scrollBar:        true
KTerm*international:    True
KTerm*inputMethod:      kinput2
KTerm*preeditType:      OverTheSpot
アプリケーション名の先頭は大文字にする約束になっているらしい。 アプリケーション名を省略すると、すべてのアプリケーションで変数名が有効になるようだ。

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106キーボード対応

FreeBSDが前提としているキー配列は、アメリカのいわゆるASCIIキーボード(101キーボード)である。 だが、今まで日本のJIS配列(106キーボード、最近のWindowsキーボードは109キーボード)に慣れ親しんでいると、記号文字の配置が異なるので、慣れるまで結構大変である。 まずは、 106 キーボードの設定 に記述してある設定を行おう。 X Window System上でも、上述の106キーボードの設定が有効になるのだが、'|'と'\'のキーが入力できないので、さらに設定を行なう必要がある。

  1. 下記の内容で .Xmodmap というファイルを作成する。
    keycode 123 = backslash underscore
    keycode 133 = backslash bar
    
  2. .Xmodmapを各自のホームディレクトリにコピーする。
  3. X Window System上で作業している場合は、一度 X Window Systemを再起動する
以上の操作で、FreeBSDを106キーボード対応にすることができる。 ちなみに、XFree-86 3.1.2D以降はキー定義ファイルを自前で持っているため、上記の変更をしても、キー配列が変わらないようだ。

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106キーボード対応(XFree86 3.1.2D以降)

XFree86 3.1.2D以降のバージョンのX Window System上では、キーマップを独自に持っている為、コンソール上で設定したキーバインドは無視されてしまう。 このバージョンの X Window System を 106キーボードに対応させるには、以下の様にする。

  1. /etc/XF86Config の Section "Keyboard" に
      XkbKeymap   "xfree86(jp106)"
    	
    という1行を追加する。
  2. 他のXkbKeymapはコメントにする(行の先頭に#を加える)。
以上の作業で、X Window Systemを106キーボード対応にすることができるようだ。

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106キーボード対応(XFree86 3.2)

XFree86 3.2や、XFree86 3.1.2G以降のバージョンのX Window System上では、キーマップを独自に持っている為、コンソール上で設定したキーバインドは無視されてしまう。 このバージョンの X Window System を 106キーボードに対応させるには、以下の様にする。

  1. /etc/XF86Config の Section "Keyboard" に
    	XkbModel	"jp106"
    	XkbLayout	"jp"
    	
    という記述を追加する。
以上の作業で、X Window Systemを106キーボード対応にすることができるようだ。

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X Window System 使用テクニックのあれこれ

X Window System のちょっと便利な技を紹介する。
便利なキーバインド (twm)
ウィンドウマネージャとしてtwmを使っている場合にちょっと便利なキーバインドを紹介する。 Metaキーはこの場合、左のAltキーを指す。
Ctrl+Meta+(テンキーの)+ 解像度切替え
Ctrl+Meta+(テンキーの)- 解像度切替え
Ctrl+Meta+BackSpace	Xの強制終了
Ctrl+Meta+F1〜F3	コンソール画面1〜3へ切替え
↑この状態でCtrl+F4	Xに戻る
	
便利なキーバインド (fvwm95-2)
ウィンドウマネージャーとしてfvwm95を利用している時のちょっと便利なキーバインドを紹介する。
Alt+TAB                 Windows95ライクなフォーカスウィンドウ切替え
Ctrl+→                 仮想デスクトップ画面切替え
Ctrl+←                 仮想デスクトップ画面切替え
Ctrl+↑                 仮想デスクトップ画面切替え
Ctrl+↓                 仮想デスクトップ画面切替え
Alt+→                  仮想デスクトップ画面スクロール
Alt+←                  仮想デスクトップ画面スクロール
Alt+↑                  仮想デスクトップ画面スクロール
Alt+↓                  仮想デスクトップ画面スクロール
	

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