アバン


最後の戦いから早1年
物語がハッピーエンドで終わった以上、そろそろ私の寿退社というのもしたいわけで
ただ煮え切らないアキトさんや強力な恋敵をどうするか悩ましいところですが・・・

ともあれ、そんなに私とアキトさんが結婚したところを見たいですか?
・・・・勇気ある人達ですねぇ
そんなに見たいなら見せても良いですけど、ちょっぴりナンセンスギャグ風でもかまいませんか?

ああ、このSSって外伝ですので真に受けないで下さい
ってことでよろしく



プロポーズ


時はノーマルエンドから半年後、
ルリは今日の今日こそ、アキトを部屋の隅に追いつめて勇気の告白をした。

ルリ「アキトさん、結婚して下さい!」
アキト「はい?」
ルリ「今の私ならアキトさんを世界の中傷から守りきることが出来ます」
アキト「あの・・・」
ルリ「もう堪え忍ぶなんて出来ません!
 アキトさんをこの手で幸せにしたいんです!」
アキト「でも俺の手は血で染まっているし・・・」

必死に言い訳をするアキト。だがルリはそんなことモノともしない。

ルリ「大丈夫です。そんなのデータベースにアクセスして記録を改竄します。
 アキトさんの経歴はまっさらに出来ます!」
アキト「でも・・・俺まだ味覚直ってないからコックとかに戻れないし」
ルリ「大丈夫です。味なら私がみます!」
アキト「でも俺、一応ユリカと結婚してるし」
ルリ「大丈夫です。ユリカさんは責任を持って説得します!
 ほら、女房と畳は新しい方が良いって言いますし」
アキト「・・・でもラピスとかいるし」
ルリ「大丈夫です。愛の睦の時には気絶させますから!」
アキト「でもエリナとか愛人居るし・・・」
ルリ「大丈夫です。お手当なら私が払いますから」
アキト「最近メグミちゃんとも関係が・・・」
ルリ「大丈夫です。腕のいい殺し屋を知ってますから。ゴートさん似の!」

アキトの口から出任せもルリにはへっちゃらみたいだ。

アキト「・・・ルリちゃん、キャラ変わってない?」
ルリ「大丈夫です。あなた好みの女になりますから!
 そんなことよりアキトさんは私のこと好きなんですか、嫌いなんですか!」
アキト「いや、嫌いじゃないけど・・・」
ルリ「それは結婚しても良いって事ですね!?」
アキト「いや、そう一足飛びに結びつけなくても・・・」
ルリ「どっちなんですか!!!!」
アキト「あの・・・その・・・」

結局、ユリカの性格を徹底的に調べ尽くして模倣したルリにアキトが勝てるわけもなく、ルリは言質を取ることに成功した(笑)



前妻


次に突破すべき関門を籠絡すべく、ルリはユリカの元を訪れた。

ルリ「単刀直入に言います、ユリカさん」
ユリカ「なに?」
ルリ「私、アキトさんと結婚します!!!」
ユリカ「・・・・・・・・・・・・・・
 おめでとうルリちゃん♪」
ルリ「・・・・・・・・・・・
 ・・・・・・・・・・・・・
 ・・・・・・・・・・・・・
 ・・・・・・・・・・・・・
 はぁ?」

ユリカの予想外のリアクションにルリは間抜けな声を上げた。

ユリカ「そっか、結婚かぁ。ならやっぱり結婚式は壮大なのが良いよね。
 そうそう、ウェディングドレス、私の貸してあげるよ♪
 式場を選ばないといけないわね。
 あと招待状も作らないと
 それからそれから・・・」
ルリ「・・・・・・・・・・・
 ・・・・・・・・・・・・・
 ・・・・・・・・・・・・・
 ・・・・・・・・・・・・・
 あの・・・ユリカさん、私の言っている意味わかってます?」
ユリカ「わかってるよ。アキトとルリちゃんの結婚でしょ?」
ルリ「・・・祝福してくださるんですか?」
ユリカ「当たり前じゃない♪」

もしかしてユリカは何か勘違いしているのか?と考えて思わず聞き直したが・・・意味はわかっているようだ。
だが、話を進めようとすると・・・

ルリ「・・・・ありがとうございます!」
ユリカ「いえいえどういたしまして♪」
ルリ「つきましては、これに判子を押していただきたいんですけど」

ルリはユリカの気が変わらないうちに最終兵器を取り出す。
もちろんアキトとユリカの離婚届である。

ユリカ「・・・離婚届って誰の?」
ルリ「もちろん、ユリカさんとアキトさんのです」
ユリカ「なんで?」
ルリ「なんでって・・・」
ユリカ「なんでユリカとアキトが離婚しなきゃいけないの?」
ルリ「なんでって、アキトさんと私が結婚するためにはまずユリカさんとアキトさんが離婚しないと・・・」
ユリカ「え?私とアキトが離婚しなきゃいけないなんて・・・
 ・・・・・・・・・・・・・・
 ・・・・・・・・・・・・・・
 ・・・・・・・・・・・・・・
 ふぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇん!!!!!!!!!
 いやだぁ!アキトとお別れするなんてイヤだぁ!!!
 いやったらいやだもん!
 いやったらいやだもん!
 いやったらいやだもん!
 いやったらいやだもん!
 いやったらいやだもん!
 いやったらいやだもん!」
ルリ「ああ〜ユリカさんってば・・・・」

いまいち会話のかみ合っていない二人であった(笑)



Nadesico Second Revenge
外伝 テンカワ・ルリの幸せな結婚計画



本妻の座


泣きわめくユリカを何とかなだめるルリ。
必死にアキトがユリカを嫌いになったんじゃないことを告げて事なきを得たようだ(苦笑)
だが、本当はアキトと二人ラブラブ生活を目指していたルリはここでなし崩しに妥協を迫られることになる(笑)

ルリ「ユリカさん落ち着きましたか?」
ユリカ「うん・・・」
ルリ「えっとロビー活動して一夫多妻制法案を可決するように働きかけをしますから」
ユリカ「・・・なるべく早く?」
ルリ「なるべく早くです」
ユリカ「でもでも、ルリちゃん本妻になったらアキトを独占したりしない?」
ルリ「しないです・・・本当はしたいけど」
ユリカ「ルリちゃん何か言った?」
ルリ「なんでもないです〜〜!」
ユリカ「たまには本妻やらせてくれる?」
ルリ「ええ、もちろん♪」
ユリカ「ご飯食べに行っても良い?」
ルリ「ええ、もちろん♪」
ユリカ「アキトとの子供作っていい?」
ルリ「ええ、もちろん認知しますから」
ユリカ「ルリちゃんの前でアキトに甘えても良い?」
ルリ「ちょっとむかつきますけど・・・良いですよ♪」
ユリカ「んじゃ、毎月ジャンケンで本妻さんと二号さんを決めても良い?」
ルリ「ええ、もちろんいいです・・・え!?」
ユリカ「やった♪じゃ頑張ってジャンケンに勝って本妻に復帰するぞ♪」
ルリ「ちょっと、ユリカさんそれは・・・」
ユリカ「ジャンケンの練習しなきゃ。じゃルリちゃん結婚式には呼んでね♪」
ルリ「ゆ、ユリカさん・・・」

なんかよくわからないけど、無事ユリカとアキトは円満離婚してとりあえずルリとの結婚の運びとなりました。
まぁ実際は何も変わっていないんじゃないか?と疑問はとりあえず置いておくとして(笑)



寿退社


ルリは宇宙軍を退役してオモイカネの世話のために技術顧問をしていたネルガルに退職届を出しに行った。アカツキは少し困惑した顔でそれを受け取る。

ルリ「今までお世話になりました(ペコ)」
アカツキ「いやぁ、それは良いけど・・・・」
ルリ「なにか?」
アカツキ「後ろの連中、何とかしてから辞めてくれるとうれしい(汗)」

後ろを振り返るとそこには半泣きになりそうな男達がガラス戸に顔を押しつけながら殺到していた。

ハーリー「ルリさ〜ん〜〜〜(泣)」
サブロウタ「泣くな、ハーリー。お前にはラピスちゃんがいるじゃないか・・・」
ハーリー「イヤだぁ〜!!!ラピスは最近イネスさんに感化されてなんか変な注射ばかりしようとするんですよ〜!!!」
ケン「ルリ君、僕をコトネ君から救い出してくれないんだね・・・」
コトネ「あんな人のことは忘れて私と愛し合いましょう♪」
ケン「ルリ君〜〜」
アララギ「我らの妖精が・・・」
会員その1「会長!我らは悲しいであります!」
会員その2「残念です!あんな天下のスケコマシに妖精が汚されるなんて!」
アララギ「我慢するんだ!妖精の幸せのためだ!
 そう、彼女さえ幸せなら・・・・・幸せ・・・ううぅ!!!」

アカツキ「・・・お願いだから」
ルリ「わかりました」

ルリはつかつかと彼らに近寄るとニッコリ笑って・・・

ルリ「これ、結婚式の招待状です。
 皆さんも祝福して下さい♪」
ハーリー「い、イヤだぁぁぁぁ!!!」
ケン「ルリ君・・・もうダメなんだね・・・」
アララギ「ううぅ・・・男なら愛した女性の幸せを願うべきなんだ。
 願うべき・・・・ううぅ」

それでもまだ受け取ろうとしない男達に向かって、ルリは一言

ルリ「うざい・・・(ボソ)」
男達「ひぃ!!!!」

と、少し能面のような顔をしたのもつかの間、ルリはニッコリと微笑みを取り戻してこう言った。

ルリ「祝福して下さいますよね?」
男達「・・・・はい」

まぁ『アキト以上に幸せにしてみせます!!!』と言い切るだけの勇気があったのなら少しはルリの心を動かせたのだろうが・・・・
こうやって彼女は無事退社することが出来た。



結婚式の打ち合わせ


結婚式の打ち合わせになぜか新郎のアキトではなく、ユリカと一緒に式場に来てしまったルリ。

ユリカ「え〜どうしてルリちゃんは洋式でやらないの?」
ルリ「和式好きですよ。お嫁に行くって感じで」
ユリカ「でもでも、ウェディングドレス姿のルリちゃんって可愛いと思うんだけどなぁ」
ルリ「それって私に文金高島田と白無垢は似合わないって事ですか?」
ユリカ「いや、ルリちゃんなら何でも似合うと思うけど・・・」
ルリ「ならいいじゃないですか」
ユリカ「・・・・じゃ、お色直しでウェディングドレス着よう?」
ルリ「いえ、そんなに派手にしても仕方ないので」
ユリカ「え〜〜残念だな・・・」

ルリが頑なにウェディングドレス姿を拒んだ理由・・
それがユリカのウェディングドレスを着なければいけないからということは秘密の話です(笑)

ルリ「そう、ユリカさんのを着たら胸のところが・・・って何を言わせるんですか!!!」

それはともかく・・・

ユリカ「ウェディングケーキはどうする?
 やっぱり全部本物が良いよね。」
ルリ「でもそれは贅沢ですよ」
ユリカ「でも入刀するところは2箇所は欲しいよ」
ルリ「・・・・なぜ二箇所?」

怪訝に思ったルリが聞くと、ユリカは静かに自分とルリを指さした。

ルリ「・・・ユリカさん、ひょっとしてケーキ入刀したいですか?」
ユリカ「したい♪」
ルリ「・・・ひょっとしてジュンさんと?」
ユリカ「ルリちゃ〜ん、冗談はよしてよ。アキトとに決まっているじゃない♪」

ルリは背筋がぞっとなった。
ユリカは本気だ。
本気でルリとアキトと自分とでダブル結婚式をするつもりなのだ。

どうしよう。どうしよう。どうしよう。どうしよう。どうしよう。どうしよう。どうしよう。どうしよう。どうしよう。どうしよう。どうしよう。どうしよう。どうしよう。どうしよう。どうしよう。どうしよう。どうしよう。

ルリは必死にかわす方法を考えた。

そして・・・

ルリ「それだと結婚式の予算が足りません。
 アキトさんの貯金はそんなにありません。」
ユリカ「そのぐらい私が出すよ〜」
ルリ「ダメです。アキトさんにも面子があります!」
ユリカ「え〜〜でも・・・」
ルリ「そういう結婚式をやりたいなら今度ユリカさんが本妻になった時でいいじゃないですか!」
ユリカ「・・・そう?ならそうする♪」
ルリ「ふぅ・・・」

ルリは何とかアキトとのラブラブ結婚式を死守することが出来た(苦笑)



披露宴


その日、ルリとアキトの結婚式はつつがなく行われた。

まぁ本人達のラブラブ具合は想像できるから置いておくとして、その回りの人達の悲喜交々を見てみましょう(笑)

コウイチロウ「ユリくわぁ〜〜〜!
 うちの娘を離縁するなんてテンカワのやつ、見損なったぞ!!!」
ユリカ「まぁまぁ、お父様。そのうち本妻に復帰しますから♪」
コウイチロウ「・・・・・・・・・・・・・・・本妻?」
ユリカ「ええ、ジャンケンで」
コウイチロウ「じゃ、ジャンケン・・・・・・・・?」
ユリカ「ええ♪」

ここでは一人の父親が娘のふれてはならない愛の形を垣間見たりとか。

ユキナ「ルリルリ白無垢可愛いなぁ〜」
ジュン「まぁあの長い髪がどこに収まっているかというのは疑問だけど。
 個人的にはウェディングドレスの方があの奇麗な髪が目立って良かったんじゃないか?と思うけど・・・」
ユキナ「ジュンちゃんってもしかしてルリコン?」
ジュン「ば、バカ!なにを・・・」
ユキナ「んじゃ私達も結婚しよ?」
ジュン「お前は・・・早くても高校卒業してからだ!」
ユキナ「ぶ〜〜つまんない」

相変わらずのカップルがいたりとか。

ミナト「ルリルリ可愛い♪」
ゴート「まさに角隠しだな」
ミナト「あ〜〜、それ後でルリルリに告げ口しちゃおうかなぁ〜♪」
ゴート「止めてくれ・・・」
ミナト「九十九、あなたも大きくなったらあんな風なお嫁さんをもらうんですよ♪」
九十九「だぁ♪」←ゴート夫妻のご令息
ゴート「いや、俺はもう少し平凡な女の子を嫁さんにして欲しい・・・」

ゴート夫妻は和気あいあいだったり。

ハーリー「ルリさ〜〜〜ん〜〜〜」
サブロウタ「おいおい、いくらやけ酒だからって甘酒のがぶ飲みは・・・」
ハーリー「ほっといて下さい!!!」
サブロウタ「でもさぁ、お前が結婚式の披露宴に呼ばれるとは正直思っていなかったんだけど・・・」
ハーリー「そういう意味ですか?」
サブロウタ「普通は新婦側って昔関係あったっぽい男って呼ばないだろ?
 つまり・・・」
ハーリー「つまり、それって・・・」
サブロウタ「男としては全く認識されていなかったわけだ」
ハーリー「グサ!!!!」
サブロウタ「良かったじゃん、人畜無害だったから結婚式に呼ばれたんだし♪」
ハーリー「サブロウタさん、それ慰めになってない〜〜!!!!!」

こっちはこっちで後輩いたぶって楽しんでるし

コトネ「って事らしいですよ、テンクウ艦長♪」
ケン「あはははは・・・・・はぁ・・・・」

とか、

メグミ「まだまだこれからですよね!」
エリナ「・・・これって挑戦状よね?」
ラピス「余裕ってヤツ?」
メグミ「どうします?」
エリナ「もちろん」
ラピス「売られた喧嘩は買う!」

とか盛り上がっていたり、

ヒカル「ルリルリ可愛い♪」
イズミ「白いムック・・・白ムックなんちって(笑)」
リョーコ「相変わらず笑えないギャグ」
ヒカル「でもでもそろそろいい人欲しいよねぇ」
イズミ「リーチかかっているのが一人・・・」
ヒカル「そういえば・・・」
リョーコ「な、何だよ・・・」
ヒカル「サブちゃんとはいつ頃?」
リョーコ「い、いつ頃って・・・」
ヒカル「サブちゃんは白無垢、ウェディングドレスのどっちを着るの?」
リョーコ「なんで野郎がドレス着るんだよ!!!」
ヒカル「だってリョーコの方がタキシードとか似合いそうだもん♪」
リョーコ「ヒ・カ・ル!!!」
イズミ「その前に新郎妊婦・・・なんちって」
リョーコ「!!!!!!!!!(真赤)」
ヒカル「図星なんだ。お盛ん♪」
リョーコ「てめぇら!!!!」

とか暴れたり、

ウリバタケ「え〜本日はお日柄も良く・・・」
オリエ「あなた、落ち着いて」
ウリバタケ「俺は落ち着いてる!だがなぁ・・・・」
オリエ「仲人頼まれたぐらいでそんなに緊張しなくても・・・」
ウリバタケ「で、でもなんて言えばいいんだ?
 新郎のテンカワ・アキト君は大学を優秀な成績で・・・って言えんぞ!」
オリエ「まぁいいんじゃないですか?ありのままを言えば・・・」
ウリバタケ「そうだけど・・・数ヶ月後に本妻交換、って事になったら今度はどう言い繕うんだ?」
オリエ「まぁその時はその時で考えましょう♪」

どうやら堅いのは男のウリバタケの方だったりとか

まぁ回りはどうあれ当人達が幸せなら良いのではないでしょうか?
例え新郎の首に首輪がついていたとしても

ルリ「アキトさんの紋付き羽織袴姿、かっこいいですよ♪」
アキト「ルリちゃんの白無垢も可愛いよ・・・」
司会者「祝電を頂いております。
 『結婚は人生の墓場だよ、テンカワ君』ネルガル会長アカツキ・ナガレ様からです」
ルリ「アカツキさん・・・後でお仕置きです」
アキト『素直に頷けたらどんなに気が楽になるか・・・』

っていうか、そんな電報読むなよ、式場側(笑)



新婚生活・朝


新居は小さなお家
小さい庭だけどパンジーが植えてあって子犬の犬小屋もある。
なんか歌の文句みたいな家だけど、狭くても愛する人がいればルリには何も文句なかった。

なかったのだが・・・・

「せ、狭い・・・」

ルリは思わず呟く。
狭いことは織り込み済みだ。アキトと二人ならちょうど良い大きさのはずだったから。
でも、普通の二人組のお布団に川の字で寝ていれば寝苦しいだろう。

そう、二の字ではなく、川の字である。

ユリカ「アキト・・・・ムニャムニャ♪」
アキト「・・・・・・くぅ(汗)」
ルリ「・・・・・・・・」
アキトを挟んでルリとユリカが狭いお布団に寝ていた。

昨日ユリカがご飯をお呼ばれに来てからそのまま泊まっていったのである。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

全然アキトとユリカが結婚していた頃と変わらない生活だったりする(爆)
たまに「私とアキトさんは新婚さんなんですから自粛して下さい!!!」
とユリカに向かって叫びたい気もしたけど、最近はもう諦めていたりする(苦笑)

まぁユリカに本妻を譲ってもらった疚しさもあるので強くは言えない。
そこに無邪気で鈍感なユリカが新婚ラブラブしたいルリの気持ちを察するわけもなく・・・ずるずる来ていたりするのである(笑)



新婚さんいらっしゃい


真美「新婚さん♪」
四枝「いらっしゃい♪」

今日はTV局にやってきて新婚さん用の番組に出演することになった。
この番組にアキトとともに出演することがルリの密かな夢であった(笑)

真美「本日のゲストはなんとあの電子の妖精地球連合宇宙軍元大佐、テンカワ・ルリさんと♪」
四枝「その旦那さん、テンカワ・アキトさんです!」
ルリ「よろしく」
アキト「・・・」

とここで台詞が止まる。
それはそうだろう。アキトは元の闇の王子様ルックで全くの無言。
なにせ元テロリストである。
威圧感さえある。
『誰だ、いくら電子の妖精だからって番組に呼んだのは!』と責任者を恨むMC達。
だが、そこはプロ。
女性MCはインタビューを続けようとする。

真美「では自己紹介をお願いします。」
ルリ「さっきあなたが電子の妖精って・・・」
真美「・・・・・・・(汗)
 お二人のお住まいとお名前お仕事をお願いします」
アキト「カワサキから来た。
 テンカワ・アキト・・・・
 コック」
ルリ「同じく妻ルリ・・・・・・(ホロリ)」

念願の台詞を言えたことに感慨でむせび泣くルリであった。

真美「あの・・・・どうかなさいましたか?」
ルリ「済みません。
 今は宇宙軍とネルガルを退職して夫の料理店を手伝っています♪」
真美「・・・・・・・ありがとうございます(汗)」

しばし白い空気が流れる。
今度は男性MCの方が果敢に挑戦した。

四枝「えっとお二人の馴れ初めをお聞きしたいんですけど」
ルリ「出会いは職場です」
四枝「ああ、あのナデシコAですね」
ルリ「ええ。そこで愛を育みました」
四枝「でも、その後旦那さんは別の女性と結婚したと聞きましたが?」
ルリ「・・・・・ギロ!」
四枝「ひぃ!!!」

向こうでディレクターが『空気を察しろよ!!!』と悲痛の声を上げている。
やむなく方針転換

真美「プロポーズの言葉は?」
ルリ「『あなたを世界から守ります』です♪」
真美「・・・・・ルリさんの方から?」
ルリ「ええ♪」
真美「・・・で、旦那さんの方はなんとお返事を?」
アキト「よろしく・・・と」
真美「それだけですか?」
アキト「ああ・・・」

女性MCもアキトの行間に込めた思いに思わずもらい泣きした。

ちなみにこの日の収録が放映された日、一部で暴徒が発生し、逮捕者まで出る騒ぎになった。その先頭に立ったのが少年Hという話だが、知る人はそれが誰か言わなくてもわかったようだ(苦笑)



テンカワ食堂


テンカワ食堂は今日も盛況だ。
なにせ可愛い可愛いウェイトレスたちがお出迎えしてくれるのだから。
まぁコックが真っ黒クロスケでバイザーをかけているというのは難点だが、可愛いウェイトレス達はそんなデメリットを打ち消してあまりあるモノがあった(笑)

ユリカ「いらっしゃいませ♪」
客その1「・・・なんだ、電子の妖精がウェイトレスしているって聞いてきたのに」
ユリカ「いますよ。奥に♪」
ルリ「いらっしゃいませ」

そういって客を店に案内する二人。

本当はアキトとルリで運営するはずだったテンカワ食堂
そう、文字通り愛の巣になるはずであったその店でなぜユリカがいるかというと・・・

ユリカ「でもでもやっぱり毎日ただでご飯食べさせてもらうのも悪いし」

ルリは『って毎日ご飯食べに来るつもりなんですか!?』と心から叫びたかったが、そんなこと通用するわけもない。
しかも逆にこの押し掛けウェイトレスでテンカワ食堂が助かっているのも確かなのだ。
意外と思うでしょうが事実である。

ユリカ「ユリカってばウェイトレスさんのプロフェッショナルなんだよ」
ルリ「本当ですか?」
客その1「味噌ラーメン」
客その2「定食」
客その3「ニラレバ」
客その4「チャーシューメン」
客その1「あ、俺大盛り」
客その4「あ、俺ネギ抜きにしてね」
ユリカ「復唱します。味噌大盛り、定食、ニラレバ、チャーシューネギ抜きですね」
一同「おお〜〜」

ユリカ「どう、すごいでしょ?」
ルリ「そのぐらい私だって!」
アキト「・・・料理あがったよ」
ルリ「はい、ただいま!」

ルリは出来た料理を運ぶが、ルリが1膳運ぶ間にユリカは器用にも3膳も運んでいた。
しかもユリカの動きは意外に機敏だ。
伊達に士官学校を首席で卒業していない。
それに比べてルリは・・・

コテ!

ガッシャン!!!

客「うわぁ!」
ルリ「済みません、済みません!」
客「もう、気をつけてよ!」
ルリ「済みません!」
元来運動神経がいい方ではないルリ。
しかも恋する乙女特有のドジっ子萌え萌え症候群にかかっているのだからお約束の粗相の一つや二つは当たり前であった(笑)

そんなこんなでコック一人、店員一人だったテンカワ食堂がどうにか回り始めたのは強力なウェイトレスの才能を持ったユリカのおかげでもあったりする。

ユリカ「ルリちゃん、アキトのお店一緒に大きくしましょうね♪」
ルリ「ええ・・・」

ルリはちょっぴり目尻に涙をためながら同意するのであった(笑)



新婚生活・夜


ユリカ「ご飯、ご飯、アキトのご飯♪」
メグミ「ご飯、ご飯、アキトさんのご飯♪」
ラピス「ご飯、ご飯、アキトのご飯♪」
エリナ「ご飯、ご飯、アキト君のご飯♪」
ルリ「・・・・・・・・・
 ユリカさんはまぁいいとして・・・・・
 何であなた達までいるんですか!!!」

食卓を囲みながら餌を待つ雛鳥のように騒ぐ女4人

メグミ「お呼ばれされました♪」
ラピス「同上」
エリナ「右に同じ」
ユリカ「呼んじゃいました♪」
ルリ「何で呼ぶんですか!!!!」

あっさり答える女性達に怒る本妻のルリ

ユリカ「いいじゃない、ルリちゃん。お食事ぐらい」
ルリ「ユリカさんってば・・・」
ユリカ「アキトが帰ってきてくれたのはみんなのおかげだよ。
 『私達』だけで独占しちゃ悪いじゃない」
ルリ「『私達』ですか・・・」

ルリはユリカの言葉に少し疲れを感じる。
どうもユリカにはそういう関係の境界線は薄いようだ。
っていうか、今は私が本妻のはずなのに・・・

アキト「っていうか、お前ら、俺の気持ちはどうでもいいのか・・・」
料理を持ってきたアキトが諦め半分で呟いたが、女性陣はどうでも良いように騒ぎ立てていたりする(笑)



新婚生活・深夜


やっぱり夜も川の字で眠る三人(笑)
でもユリカはお子様のように寝付きが良いのかさっさと眠ってしまった。

ルリはちょっぴりアキトにしがみつく。
そして上目遣いにアキトに尋ねた。
ここまで突っ走ってきたがやっぱり気になる

そう、アキトの本当の気持ち・・・

ルリ「アキトさん、起きてます?」
アキト「・・・・・・・」
ルリ「アキトさん・・・やっぱり迷惑でしたか?」
アキト「・・・・・・・」
アキトはしばらく無言であった。

ルリ「アキトさん・・・私のこと嫌いですか?」
アキト「・・・・そんなことない」
ようやくアキトは口を開いた。

ルリ「こんな風にアキトさんの心を無理矢理こじ開けるようなマネをして・・・」
アキト「ん・・・・」
ルリ「アキトさんとユリカさんを無理矢理離婚させるようなことして・・・」
アキト「・・・」
ルリ「でも一度見つめ直して欲しかったんです。
 ユリカさんと夫婦じゃなくなってそれでもアキトさんは平気なのか。
 昔のように三人で暮らしてもまだ帰りたくないのか
 そして・・・・・」

ルリは少し俯いて、そして勇気を出して続きを言った。

ルリ「アキトさんの心に私の入る余地はないのかなぁ・・・って」
アキト「ルリちゃん・・・」
ルリ「やっぱり迷惑ですか?
 それだった今から離婚してユリカさんと・・・」
アキト「・・・本当に迷惑なら意地でも逃げる」
ルリ「それって・・・期待を持って良いって事ですか?」

ルリの言葉を聞いて、アキトは無言でルリを自分の胸元に引き寄せた。

アキト「心配するな。ユリカもルリちゃんも守ってみせる」
ルリ「・・・やっぱりあなたの一番にはなれないんですね」
アキト「いや、そういうつもりでは・・・(汗)」
ルリ「クスクス、良いですよ。今は新婚ラブラブなんですから。
 それで・・・」

ルリはアキトに甘える。
アキトはルリの髪をくしゃくしゃと撫でて、ルリの唇を自分の方に近づけた。
うっとりとアキトの顔を見つめるルリ

そして二人の唇が密着しようとしたその瞬間・・・

ユリカ「アキトぉ♪」

寝ぼけたユリカは無理矢理アキトの顔をむんずと掴むとキスをかました。
そしてディープキスをかまして満足するとまたそのまま眠ってしまった。

ルリ「・・・ひょっとしてユリカさん、わざと?」
アキト「それはないと思うけど・・・」
ルリ「私達、いつになったら本当の夫婦になれるんでしょうねぇ」
アキト「さぁ(苦笑)」

二人の子供が出来るのはもうちょっと先っぽかった。



シミュレーション結果


ルリ「オモイカネ、本当にこの結果正しいんですか?」
オモイカネ「ええ、ほぼ80%以上の確率で」
ルリ「ユリカさんと一緒ですか・・・」
オモイカネ「ええ、ルリさんがユリカさんを突っぱねるだけの非情さがあれば別ですけど(苦笑)」
ルリ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 なるほど、だからこのシミュレーション結果ですか」
オモイカネ「そうです。
 それでも計画を実行しますか?」
ルリ「そうですねぇ・・・・」

さてさて、質問です。
あなたはこんな感じのルリ×アキトですけど、実現して欲しいですか?

Yes/No



ポストスプリクト


ってことでリベ2外伝をお送りしました。
この前某人気投票掲示板(ってどこかはわかるって!)で話題になったのでちょっぴり書いてみました。ルリがアキトとひっついたらどうなるだろうって。
あくまでもノーマルエンドからの継続ですが、これ自体がIFモノになっているという(笑)

っていうかねぇ、私にとってのルリ×アキトものってこんな感じなんですよね。
どうやってもルリとアキトだけ幸せになるなんて思えなくって、ユリカがどうしても絡んじゃうと言う(笑)
そしてルリもそんなユリカを排除できるほど酷い子じゃないだろうという

気がついたらとんでもない電波になりかけてますけど(苦笑)

もしも・・・・
もしもですよ?
続きがみたいって方は、もうちょっとぐらいなら書いても良いかなぁ
とか思いますけど、こんな電波で良ければ(爆)

ってことで面白かったら感想を下さるとうれしいです
では!

Special Thanks!!
・kakikaki 様
・SOUYA 様