アバン


一件落着と思っていたのもつかの間、
何か知らないけれど、歴史の狭間にとんでもない魔王が潜んでいたみたいで。
それを私達に退治しろっていうんだから古代火星人も無責任よね

そうは言ってもアキさんの事もあるので私達が出張らないとどうしようもないんですけど。

それにしても驚きと衝撃の事実の前に私達はどうやって立ち向かいましょう?

ああ、これってSecond Revengeのラストとほんのちょっぴり関係があったりしますのでそのつもりで〜



2203年 地球・古代火星テクノロジー管理公団


ユリカとルリの二人は人払いをして今後の対策を相談しようとしていたけど・・・
ユリカ「はぁ・・・」
ルリ「ふぅ・・・」

さっきから溜息50連発中である。

ユリカ「ルリちゃん、これからどうする?」
ルリ「どうするって言われても・・・」
ユリカ「みんなに話す?」
ルリ「話すって言ってもユリカさん上手く説明できます?」
ユリカ「出来ない」
ルリ「ですよねぇ。私達ですら上手く理解できていないんですから。
 人に説明したって電波か妄想の一言で済まされますよねぇ・・・」

そう、そこが問題だったのだ。
古代火星人が封じ込めていた歴史を守らせようとする怪物を退治する。
彼は東郷に取り憑いて過去に戻り、未来の人間では因果がないので干渉できない。
過去の人間は取り憑かれた東郷には『時の記述』のせいで逆らえない。
過去に因果を持ちながら『時の記述』に左右されない人間を探し出せ。

はっきり言って普通の人が聞いたら意味不明である。

とはいえ、過去に戻ってどうにかしなければいけないのだけは確かだ。

ユリカ「・・・宇宙軍にお願いしてナデシコCで過去にボソンジャンプしようか?」
ルリ「ダメですね。たぶん誰も信じないと思いますし、よしんば信じたとしてもそんな大勢連れていっても無意味です。
 忘れたんですか?未来の人間は彼に干渉できないんですよ?」
ユリカ「そうだった・・・」
ルリ「そうでなくても過去を大幅に改変しようとすると揺り返しが激しくなって未来がどうなるかわかりません。歴史の修復機能・・・『時の記述』通りに歴史を戻そうという反発力がますます働いて敵の思うつぼです。
 逆にアキさんに迷惑がかかります」
ユリカ「あいたた・・・そうだね。
 どうしよう・・・」

二人はまたも溜息をついた。
と、そのとき。

ピロピロリン。
ルリのコミュニケに通信が入った。
彼女がコミュニケのスイッチを入れると・・・

ラピス『ルリ姉、一緒にお食事しようって言ったのにすっぽかして!!!
 閉店まで待ったのよ!!!』
ルリ「ああ、ラピスごめんなさい〜〜」
激怒状態のラピスに平謝りのルリ

ラピス「今日こそは行くからね、ルリ姉秘密のラーメン屋さん!!!」
ルリ「わかりましたから、そんなに怒鳴らないで・・・」
ラピス「んじゃ学校が終わったら迎えに来てね!」
ルリ「はいはい・・・」

コミュニケが切れてルリはがくっと脱力する。

ユリカ「ルリちゃん、ゴメン・・・」
ルリ「いいんです。緊急事態でしたから。
 ・・・とりあえずラピスをなだめてきます。
 続きは明日でいいですか?」
ユリカ「うん、いいよ。頑張ってね」
ルリ「ええ・・・」

頭を冷やす意味でも二人はとりあえず解散することにした。



ナデシコ プリンセス オブ ダークネス
第14話 「超熱血アニメ」でいこう<inverse2>



Attention!!!


この作品はプリンセス オブ ダークネスであり、Second Revengeの続編ではございません。まぁプリンセス オブ ダークネス自身はSecond Revengeの続編みたいな位置づけにいたりはしますが・・・・

えっと、ともかく!
間違ってSecond Revengeを書いているわけではありませんのでご安心して続きをご覧下さい(笑)



行列の出来るラーメン屋


ルリ「大将、チャーシュー麺大盛り」
ラピス「親父、味噌ラーメン大盛り」
店主「あいよ!」

フゥフゥフゥ
ツルツルツル・・・・

周りは驚きの瞳を向ける。
そりゃそうだろう。
こんな小汚い店に似つかわしくない美少女が二人
男でも食べないヘビーな大盛りラーメンを注文した後、お上品に音も立てずに食べ、しかもそれが猛烈な勢いで減っていくのだから。
そして・・・

ゴクゴクゴク

スープ一滴も残さず全て平らげてしまった。
しかも・・・

ルリ&ラピス「お代わり!」
店主「ええ!?」
ルリ「あと温玉追加」
ラピス「お稲荷さん、追加」
店主「・・・はい、わかりやした」

店主はこの小さい体のどこにあんなにたくさんのラーメンが入るのだろう?と悩みながら次なる一杯を作ることにした。
そして次の一杯が来る間、ルリ達はしばし取り留めのない会話をした。

ルリ「どうです?美味しかったですか?」
ラピス「うん、久々のヒット」
ルリ「そうでしょ?私もこの前見つけたんです」
ラピス「でも・・・」
ルリ「でも?」
ラピス「ハーリーとかアララギとか電子の妖精ファンクラブが見たら泣いて悲しむ」
ルリ「偶像を押しつけられても困ります」
ラピス「確かに」
店主「へい、お待ち!」

新しいラーメンが来たのでまたしばしすする二人
だが、ルリはふとラピスに尋ねた。

ルリ「ラピス・・・」
ラピス「ん?なに?」
ルリ「学校は楽しいですか?」
ラピス「楽しい。友達もいっぱい出来た」
ルリ「そうですか」

無表情に話すラピスであるがルリはちょっとホッとし、そして寂しさも覚える。

アキトが過去に戻った後、ラピスは結局エリナの元から学校に通うことになった。
まぁラピス争奪戦はそれはそれはおもしろおかしく、しかも壮絶な戦いがあったのだがそれを全部書くとそれこそ一本のSSになってしまうのでここでは割愛する。

ともかく、エリナがラピスを引き取ることになり、エリナはラピスに普通の生活をさせようと普通の学校に通わせることにした。
まぁ、最初の頃はラピスに普通の生活という常識が備わっていなかったからか、かなり素っ頓狂な行動をして周りを驚かせたらしい。
で、暇そうなイネス・フレサンジュを家庭教師につけて教育をすると共に、なんとか普通の学園生活を送らせるように努力したようである。

ルリ「っていうか、イネスさんを家庭教師にする時点で普通の生活させるつもりないんじゃないんですか?」
ルリさんのご意見はごもっとも

でもそんな周囲の心配をよそに、ラピスは無愛想ながら友達を作っていったようだ。
まぁ毒舌を吐くクールなロリでも根は素直なので見慣れれば可愛さも相まってたちまち友達が出来たようだ(笑)

ただ難点なのは科学部に入ったらしく、学校で妖しい実験をしているらしい。
誰の影響かは言わなくてもわかるであろう(笑)
最近ではネルガルに入り浸ってサリナを超える勢いで妖しい改造をしているようであるが・・・

ともあれ、それだけ成長したラピスをルリは微笑ましく思い、そしてちょっぴり寂しかった。
自分がいなくても自立することが出来たラピス
そして強がっていても過去に戻ってしまったアキトを想ってどこか寂しそうな表情をするラピス

ラピス「どうしたの、ルリ姉?」
ルリ「なんでもないですよ。早く食べないと冷めますよ」
ラピス「ん・・・わかった」

ルリは首をすくめる。
危ない、危ない、ラピスは聡い。
人の機敏に敏感だ。

今夢幻城から聞いた話をラピスにしたらどう言うだろう?
やっぱり過去に行ってアキトを助けたいと言うのだろうか?
たぶん言うだろう。

でも・・・

友達も出来てようやく普通の暮らしが送れるようになったラピスをまた戦いの中に連れ戻すのか?
でもアキトのいない生活に耐えているラピスは少し寂しげで・・・

ラピス「んじゃ今度はラピスの見つけたお店に案内するから」
ルリ「ええ・・・」
ラピス「んじゃお休み」
ルリ「ラピス・・・」
ラピス「なに?」
ルリ「・・・・ごめんなさい。何でもないわ」

ルリは迷いながら・・・結局は何も話さなかった。



某TV局スタジオ


「はい、OK!
 本日の収録はこれで終了です」
「ありがとうございました」
「ありがとうございました」
「ありがとうございました」
収録がやっと終わってくつろいだ雰囲気になるスタジオ内

と、一人のアイドルがそそくさとスタジオを後にしようとしていた。

「あ、メグミちゃん〜」
「ああ、プロデューサさん♪」
そんな彼女を呼び止めたのはこの番組のプロデューサであった。

「さすがメグミちゃん、今日の演技、良かったよ♪」
「まぁお上手なんですから。
 誉めたって何も出ませんよ♪」
「いやいや、本当だって。
 視聴率も上々だし、メグミちゃんのおかげで番組も活気が出てるし」
「ありがとうございます。そう言ってもらえると嬉しいです♪」
プロデューサは盛んにメグミを持ち上げる。
それは下心だけが理由という訳でもなく、事実彼女の働きには目覚ましいものがあった。

幼っぽさが抜け、大人の女優として厚みが増してきた。
週刊誌には盛んに恋の話題が出ていたが、それも影響しているのかもしれない。
そして大人の女性の役から親しみのあるコメディーな役どころも出来るキャラクターとして得難いものになっている。
また、あの一時はヒサゴプラン襲撃事件の首謀者とされているテンカワ・アキトの恋人という噂も話題を作り上げる一因になっているかもしれない。

意外かもしれないが、それが彼女の人気に拍車をかけていたりする。
一時はテンカワ・アキトは重犯罪人として世間には認識されていたが、風向きがこの前の第三次火星極冠事変の後から変わりつつあるのだ。
それは事ある毎にメグミがマスコミを通じて発言してきたのも大きいかもしれない。

最初は無視され続けてきた。
統合軍と火星の後継者の癒着が原因でマスコミに箝口令が出ていたからだ。
だが事変が終わるとその風潮も徐々に薄らぐ。
そうするとトップアイドルの恋愛ネタだ。
大きく取り上げられる。
その時メグミはこれ幸いと持ち前の演技力も織り交ぜながらアキトの身に起こったことを切々と訴え始めた。
最初はおもしろおかしく醜聞として取り上げてきたが、それと同時に徐々に漏れ伝わる情報の断片がそれを裏付け始めた。
そうなれば徐々にアキトの身に起きた悲劇の方がクローズアップされてくる。
結果、世論の大半はメグミの方に傾いたと言っていい。

というわけで、今一番注目されているアイドル女優の座を得ることになった。
最近では大きなCMも何本も手がけている。
1本のギャラも半端な金額ではない。
最近では億の契約があったという逸話もまことしやかに流れた。
ナデシコのメンバーの中で言えば間違いなく出世頭だ。

とはいえ・・・

「どう、メグミちゃん、みんなで飲みに行かない?」
「ごめんなさい。今日は先約があるんですよ♪」
「もしかして噂のテンカワ・アキトかい?」
「違いますよぉ。可愛い女の子です♪」
メグミは何かと手を触ろうとするプロデューサをやんわりと制した。

「えぇ〜最近メグミちゃん付き合い悪いってみんなからブーブーだよ」
「ごめんなさい。この埋め合わせはまたしますから♪」
「・・・わかったよ。きっとだよ?」
と、メグミの柔らかではあるが絶対的な拒絶にすごすご引き下がるプロデューサさん。
諦めたと見るとメグミはさっさとスタジオを後にした。

最近多いのだ。この手の誘いが。
スケベ根性がないとは言わない。
たぶん酔った勢いで口説かれるかもしれない。
でもそれはそれであしらい方も知っている。
だが、もっと質が悪いのはやたら天下トップアイドル、メグミ・レイナードと交友が深いことを誇示しようとする底の浅い人間が多いことだ。
こういう手合いは影で自分の権威を笠に着ていることが多い。
メグミ自身が身に覚えのない派閥争いに巻き込まれて辟易していたりする。

いい加減飽食気味だ。

『アイドル・・・辞めようかなぁ』
とちょっと心の中で考えてみる。

・・・・まぁ辞めるのはいつでも出来るか・・・

そんなことを考えてもしかたがない。
今日は本当に用事があるのだ。
ラピスと会うため。
さっきプロデューサに言ったのは半分断るための口実なのだが、ラピスに会うという用事は最初から予定していたことだ。
今度こそラピスを餌付けしてゲットする!
そしてラピスを足がかりにアキトのハートをゲットして・・・

そんなことを性懲りもなく考えているメグミ。
「さて、待っててねラピスちゃん!
 今日こそはうんって言わせてみせるから♪」
メグミは少しルンルンで待ちに出かけていった。

・・・トップアイドルなのに気楽なことで(苦笑)



古代火星テクノロジー管理公団


次の日、ユリカとルリは再び膝を付き合わせて過去に戻る算段をしていた。

ユリカ「やっぱりナデシコCは無理かなぁ」
ルリ「まぁ行って帰ってくるだけなら私とユリカさんだけでも十分でしょうけど。
 宇宙軍が右から左に貸してくれるとも思えません」
ユリカ「理由がアレだしねぇ」
ルリ「魔王を倒す勇者を捜しに過去に行っていきます・・・じゃ宇宙軍は動いてくれませんね」
ユリカ「んじゃ最悪ホワイトサレナだけで行くとしたら?
 あれならボソンジャンプ出来るじゃない」
ルリ「あの機体は出撃毎にウリバタケさんクラスのエンジニアに整備してもらわないと動きませんよ。
 第一エステバリス系の機体なんですから重力波ビームの供給を受けないと1時間でエネルギーが尽きます」
ユリカ「んじゃ体一つで・・・」
ルリ「行ってどうやって戦うんですか?」
ユリカ「だよねぇ・・・」
議論は堂々巡りに陥っていたりする。

ルリ「機動兵器を使おうとなったらやっぱり母艦が必要ですね」
ユリカ「そうなるとナデシコ級の艦が必要か・・・
 少人数で運営できて、なるべくしがらみのない艦・・・」
ルリ「そんな都合のいい艦があるわけ・・・」
ユリカ「あ!あたし好都合な艦知ってる・・・」
ルリ「・・・私も言っててやっと気づきました」
ユリカ&ルリ「ユーチャリス!!!」

そう、元々アキトが火星の後継者を追いかけるために使っていた艦である。
ネルガルが秘密裏に保有していた艦だ。
少し前まではその存在自体ネルガルが否定してきた。
そして同世代のワンマンオペレーション艦に比べ一番ワンマンオペレーションの思想に則っており、最少人数でもアキトとラピスのみで操艦及び運営が可能だ。
ブラックサレナの母艦として運用できるし、バッタ型無人兵器も80機ほど搭載できる。元はアキトが単独行動するための艦である為、ある程度の長期単独行動を可能にする。
極力メンテナンスフリーな設計も見逃せない。
なにより都合が良いのはボソンジャンプが出来て、いざとなったらシステム掌握が出来るということだ。

ルリ「確かにユーチャリスならぴったりですけど・・・」
ユリカ「ネルガルに『貸して♪』って言ったら貸してくれないかな?」
ルリ「アカツキさん、見返りがなければ貸してくれないでしょう。
 第一事情を説明してもわかってくれないか、さもなくば『時の記述』を利用しよう・・・って考え出すかもしれませんよ?」
ユリカ「・・・・・まさかぁ」
ルリ「あのアカツキさんですよ?」
ユリカ&ルリ「あはははは・・・」

二人ともあまりにも容易に想像できたので苦笑いをする。

ユリカ「やっぱりネルガルに掛け合って買っちゃう・・・ってのが一番かなぁ」
ルリ「売ってくれますか?
 ・・・という問題もあるのですが、何よりも先立つものがあるかどうかですねぇ・・・・」
ユリカ「戦艦って高いの?」
ルリ「高いですよ(キッパリ)
 とにかく専用部品の固まりですしね。第一ユーチャリスなんてワンメイク同然ですし、採算度外視で作っているところもありますから」
ユリカ「うじゅぅ〜〜」
ルリ「ユリカさん、どのぐらい蓄えあります?」
ユリカ「えっと、このぐらい・・・」

そう言ってユリカは机の上にドン!とブタさんの貯金箱を取り出す。

ルリ「・・・・わかりました。ユーチャリスのアンテナ一本買えるかどうかって事ですねぇ・・・」
ユリカ「ルリちゃん、酷い!
 割ってみないとどのぐらい入っているかわからないでしょ!!!」
ルリ「いや、だから・・・いくらこの貯金箱に硬貨が一杯でも・・・」
ユリカ「見てなさい!いっぱい入ってるんだから!!!」

と、ユリカはどこからかトンカチを取り出して・・・

ガシャン!!!

景気よく割ったのは良いのだけれど・・・

ルリ「ひぃふぅみぃ・・・凄い!2630円もありますよ♪」
ユリカ「ルリちゃんの意地悪〜〜(泣)」
ルリ「っていうか、大佐や准将の時の給料もそこそこだったでしょうに、何に浪費してたんですか?」
情けない貯金状況にちょっぴりお叱りモードのルリ

ユリカ「いやぁ、おやつとかをつい・・・」
ルリ「ついって、一体どんなおやつを・・・」
とそこまで言ってルリは気づいた。

ルリ「ユリカさん・・・何か隠しているでしょ?」
ユリカ「隠してないですじょ・・・」
ルリ「ですじょって・・・いいから出して下さい!」
ユリカ「る、ルリちゃん、ダメだって〜〜」
ユリカの持ち物から机の引き出しまで家捜しするルリ




しばし後・・・


出てきたのは通帳が3つ
テンカワ・アキト名義の通帳
ホシノ・ルリ名義の通帳
この二つは2198年、つまりナデシコAを降りた頃に作られていた。

そして最後がラピス・ラズリ名義の通帳
これは2201年とつい最近のものだ。

ルリ「ユリカさん、これ・・・」
ユリカ「だから〜これは〜」
ユリカは俯いてモジモジしている。
通帳の裏にはそれぞれ、
「アキトの開店資金の為♪」
「ルリちゃんの結婚資金のため♪」
「ラピスちゃんの入学資金のため♪」
とこっそり書かれている。
額を見て少しびっくり。
結構な額である。真面目に貯金をしていた証拠だ。
生活費以外の金額をこの通帳に振り込みしていたのだ。

ルリ「ユリカさん、なんで・・・」
ユリカ「いや、ほらさぁ。
 アキトはああいう性格だからお金を受け取ってくれないけど、いつか必要になるだろうし、その時助けてあげるのが妻の努めじゃない?
 それにルリちゃんにはちゃんとした結婚式あげて欲しいし、ほら私達ほとんど何もしなかったから・・・
 ラピスちゃんはエリナさんがいるからアレだけど、やっぱり他人の気がしないし・・・」
ルリはモジモジするユリカをちょっぴり見直したのだった。

とはいえ

ユリカ「でもさぁ、正直このお金は手を付けたくないのよねぇ」
ルリ「確かに。でも全部使ったとしても箸にも棒にもかからないですよ」
ユリカ「う、大佐や准将っていっても儲からないのよ。
 所詮は公務員だし、宇宙軍は落ち目だし・・・」
ルリ「まぁ私の結婚資金は使いましょう。」
ユリカ「ルリちゃん・・・」
ルリ「いいじゃないですか。
 それに私の闇資金に手を付けましょう。元々はこういう時の為にプールしておいたものですし」
ユリカ「それってどのぐらいあるの?」
ルリ「もう少し値上がりする銘柄とかあるんですけど・・・・
 時価でいくとこのぐらいでしょうか?」

ルリは電卓を叩いて金額を見せる。
額を見てびっくり

ユリカ「げ!
 ・・・・ルリちゃんお金持ち〜」
ルリ「まぁいきなり売っちゃうと暴落する銘柄とかあるのですぐには換金できないですよ。とはいえ、これですとユーチャリスとホワイトサレナを買って終わりですね」
ユリカ「なんとかギリギリ足りそうだねぇ」
ルリ「足りないですよ、全然!」
ユリカ「え?」

ユリカはユーチャリスとホワイトサレナを買えた時点で目標クリアかと思っていたのだが、ルリはそれを否定する。

ルリ「全然足りないですよ。
 他にお金が必要なものはいくらでもあります。
 長期間単独行動するための補給物資、メンテナンス用の資材
 武器、弾薬、機動兵器のスペアパーツや消耗品
 港などの停泊費、技術者などのお給料、食費、光熱費、税金等々・・・
 見えない経費はいくらでも発生します。
 第一この艦でなにも生産しないのですから私達の生活費だって捻出できません。
 過去に戻ったらほとんど働けなくなるのですから収入だって無くなるわけですし、
 無一文になってユーチャリスだけ抱えても野垂れ死にですよ。」
ユリカ「う〜ん・・・・・
 まぁそっち方面は後で考えるとしてとりあえずネルガルに交渉しよう?
 エリナさんに頼んだらディスカウントしてくれるかも・・・」
ルリ「どうなんでしょうか?」

とりあえず、あまり気は進まないが二人はエリナに相談してみることにした。



隣の部屋


ラピス「・・・メグミ、どう?」
メグミ「無一文になって野垂れ死ぬとか・・・」
ラピス「はぁ?」

なぜかトップアイドルと女子学生は隣の部屋でユリカ達の会話を盗み聞きしていたりする(苦笑)

事の発端はとっても単純で、昨日ラーメンを食べに行った際、ルリの様子がおかしいのにラピスは気づいた。
とそこに、いつものように忙しい合間を縫ってメグミ・レイナードがラピスの元を訪ねたのだ。
彼女、まだラピスを引き取ってアキトと一緒に暮らすという野望を捨てていないらしく、暇を見つけてはまめに餌付けを行っていたのだ。
そこでラピスの一言
「ルリ姉が怪しい・・・」
の一言を聞いたメグミが
「盗聴しましょう♪」
と言って事ここに至るわけである。

メグミ「これも昔取った杵柄ってね。実はアマ無も持ってたりするの♪」
ラピス「通信士が盗聴上手いって聞いたことがない。
 っていうか盗聴は犯罪・・・」
メグミ「まぁまぁ身内が気遣ってする分には合法だから♪」
ラピス「全然合法じゃない気がする・・・」
メグミ「こうなったらとことん暴き出してやる!」
ラピス「っていうか、あんたトップアイドルなのにこんな事している暇あるの?」
メグミ「お仕事なんてポイポイよ!
 こんなに抜け駆けくさそうな事されていてお仕事なんてしてられますか。
 フフフフフ・・・・」

ラピスはうっかりメグミに愚痴をこぼしたことを後悔していた。



ネルガル・応接室


エリナは二人の突然の訪問を受け、しかもその第一声を聞いてとても驚いていた。
エリナ「ユーチャリスを売ってくれ?」
ルリ「ええ」
ユリカ「出来れば格安で。25年ローンなんかあると嬉しいんですけど♪」

突然の申し出にそりゃ驚くわなぁ、って感じなのだが、しばらく熟慮した後、エリナはキッパリと答えた。
エリナ「いいわよ」
ルリ「本当ですか!?」
ユリカ「ありがとう、エリナさん♪」
ルリ「で、お値段はいかほど・・・」
エリナ「お金はいらないわ」
ユリカ「いらないって・・・ラッキー♪」
ルリ「ラッキーじゃないでしょう、ユリカさん!」
思わぬ申し出に喜ぶユリカであるがルリが窘める。

ルリ「エリナさん、理由も聞かずにユーチャリスをタダで売るなんて、取引条件はなんですか?」
エリナ「う〜ん。アキト君とラピスから手を引く・・・ってのはどう?」
ユリカ&ルリ「!!!」
エリナ「もしくはミスマル・ユリカのネルガル入社。」
ユリカ&ルリ「!!!」
エリナ「もしくはホシノ・ルリのネルガル入社」
ユリカ&ルリ「!!!」
エリナ「そうじゃなければこれだけ即金で払って」

絶句する二人に電卓の金額を見せるエリナ。
それは当初ルリが目算していた金額よりもかなり高かった。

・・・足元を見られている。二人は敗北感を感じていた。
アキトから手を引く、ユリカかルリがネルガルに入社する
それはつまりネルガルがユリカ達に対して絶対服従しろ言っているようなものだ。
そうなればボソンジャンプの全てを牛耳ったも同然である。

ルリ「エリナさん、そこまでして・・・・」
ルリは蒼白になりながらも少し怒りで震えていた。

と、そこで・・・

エリナ「あはははははは!!!!」
エリナは笑い出した。
勝ち誇った笑い・・・と言うよりは爆笑の類のものである。
あまりにも思っていた笑いと違うので呆気にとられキョトンとするユリカとルリ

エリナ「あはは・・・ちょっとお仕置きがすぎたかしら」
ユリカ「・・・エリナさん?」
エリナ「まったく、あんた達ねぇ、何の理由も言わず『ユーチャリスを売って下さい』って私を信用してないの?」
ユリカ「いや、その・・・」
エリナ「まったく、東郷の件もあって胡散臭くなって来ているとは思っていたけど、ユーチャリス使って自分たちだけで事件解決しようなんて水臭すぎるわよ。
 ほら、何が起こっているのか私にも説明しなさい」
ルリ「でも・・・たぶん説明しても理解してもらえないし、第一ネルガルには何の利益も・・・」
エリナ「あ、まだ言うかなぁこの口は!
 本当にユーチャリスふっかけてやろうかしら」
ルリ「あ〜〜言います。言います。でも信じて下さいます?」
エリナ「信じるわよ。私の人を見る目、なめてるの?
 冗談言うかどうかなんてわからないとでも思ってるの?」
ルリ「・・・わかりました。」

ユリカとルリはエリナに感謝し、そして理解している事情を可能な限りわかりやすく話すつもりでいた。




1時間後・・・


エリナ「・・・・・・・・・」
ユリカ「あの・・・エリナさん?」
ルリ「やっぱり頭スポンジ状態ですね」
思考停止状態に陥っているエリナを見守るユリカ達

エリナ「・・・・っていうか、それマジ?」
ユリカ「マジです」
ルリ「思いっきり」
エリナ「っていうかそれって大事じゃない!!!」

どこをどう理解したかわからないけど、エリナは大筋であの難解な内容を把握したようだ。さすがは元会長秘書!

ユリカ「大事なんです」
ルリ「でも迂闊に誰にも話せなくって・・・っていうか話しても理解してもらえない可能性が高くて・・・」
二人の言葉を聞くエリナ。
ちょっと冷静になって熟慮した後・・・・・

エリナ「私も行くわ!」
ユリカ「え?」
ルリ「ちょっと、エリナさん正気ですか!?」
エリナ「当たり前よ!あんた達にアキト君を独占させてたまるもんですか!!!」
ユリカ「あの・・・エリナさん。私達別にアキトに会いに行くわけじゃ・・・」
ルリ「そうです。どちらかというとあまりアキトさんにバレないように行動しないと・・・」
エリナ「冗談に決まってるでしょ!
 第一そんな奴がいたら私は永遠に妾にしかなれないじゃない!!!」

ちょっと待て、エリナ
あなたは一体どういう風に現状を理解しているのだ?
ひょっとして歴史を変えて一発逆転を狙っているのでは・・・

ユリカとルリは心の中で密かに思って冷汗をかいた。

その疑惑の視線に気づいたのか、エリナは咳払いの後に言い直した。
エリナ「コホン!
 ともかくアキト君のピンチなんでしょ?
 彼には無事返ってきてもらわないと、私も困るの。
 だから私もユーチャリスに乗るわ!!!」
ルリ「乗るわって・・・危険なのわかってんですか?」
エリナ「それじゃ聞くけど!!!
 あんた達二人で何日も生活できるの?」
ユリカ&ルリ「え?」
エリナ「料理は?掃除洗濯は?
 過去に戻って必要な物資を調達できる?
 会計経理は出来る?お金の計算は大変よ!」
ユリカ&ルリ「・・・」

・・・・確かに、ユリカ達は戦争をさせたら天下一だけど、それ以外のことはからっきしだ。

ユリカ「本当にいいんですか?エリナさん・・・」
エリナ「くどい!第一私を連れていかなかったら本当にさっきの金額ふっかけるわよ」
ルリ「エリナさん、ありがとうございます・・・・」

と、そこで三人仲良く過去に戻ることにまとまりかかったそのとき!

メグミ「ちょっと待ったぁぁぁぁ!!!」
ラピス「待ったぁぁぁ!!!」

部屋の片隅のミカン箱を蹴破って現れたのはメグミとラピスであった。

ユリカ「あなた達どうやってそんなところに・・・」
ルリ「っていうか、なんでこんなところにミカン箱が!?」
メグミ「んな細かいことはどうでもいいんです!
 それよりあなた達だけで過去に戻ってアキトさんに内助の功をしようなんて許しませんよ!!!」
ラピス「ルリ姉、抜け駆けしようとした」
ルリ「い、いや抜け駆けじゃなくって・・・
 私達戦いに行くんですよ?危険なんですよ?」
ユリカ「そうそう、魔王と戦うのよ!」
エリナ「魔王じゃないって・・・」
メグミとラピスを必死に説得しようとするユリカ達

だが・・・

メグミ「あなた達、お金足りないんでしょ?」
ユリカ「それは足りないけど・・・」
メグミ「使って下さい」

とメグミは通帳を差し出す。
中の金額を見てびっくり

ルリ「アイドルって儲かるんですねぇ〜〜」
ユリカ「ほえぇ・・・私も提督辞めてアイドルになれば良かった」
エリナ「アイドルになったら恋愛も御法度だけど」
ユリカ「やっぱり私提督さんでいいです〜〜」

いくらあったかはご想像にお任せしますが、とりあえずユリカ達が喉から手が出るほどの額だと言うことだけは確かだ。

ユリカ「でも・・・」
メグミ「それに通信士、必要でしょ?」
ユリカ「でも・・・」
メグミ「看護婦も必要ですよね?」
ユリカ「ううう・・・」
メグミ「必要ですよね?」
ユリカ「・・・・うん」
あっさり丸め込まれるユリカであった。

そして・・・

ラピス「ラピスも行く!」
ルリ「あなたは学校があるじゃないですか・・・」
ラピス「ラピスも行く!」
ルリ「オペレータは私一人でも十分なんです」
ラピス「・・・メカニック必要でしょ?」
ルリ「え?」
ラピス「私ならホワイトサレナ直せる。ブラックサレナ直せる。
 今ならサリナより上!」
ルリ「ラピス・・・」
ラピス「それにルリ姉がホワイトサレナで出撃したら誰がユーチャリス操縦するの?
 第一ユーチャリス操縦するなら私の方がよく知っている!
 ユーチャリスは私とアキトが乗っていたの!!!」

ラピスの真摯な瞳を見せつけられて、ルリは観念した。

メグミ「はい、決定!」
エリナ「結局アキト君を争った五人組になっちゃったわねぇ」
ユリカ「じゃ名前を決めましょう♪」
ルリ「名前ですか?」
ラピス「五人揃ってゴ○ンジャー・・・」
一同「違う!!!」

『始まりの人』からアキトを守り、彼を倒すことの出来る勇者を捜す為に過去の世界に戻ることにした乙女達「奥さん's」はこうして誕生したのであった(苦笑)



2197年・ユーチャリス格納庫


ユーチャリスについたイツキ・カザマは到着した5人にかのような奥さん'sの馴れ初めを聞かされていたりする。

Secretary「ということで、私達5人はユーチャリスに乗って過去へやってきたというわけなの」
イツキ「なるほど。つまり逃げた旦那さんの後を追ってきたというわけですね」
Secretary「おんどりゃ!!!喧嘩売っとんのかぁぁぁぁぁ!!!!」
イツキ「ひぃぃぃぃ、冗談です〜〜」
Pink Fairy「っていうか、冗談ってわかってて言ったのか、この人は・・・」

イツキさん、真面目かと思っていたら結構「いい性格」かもしれない。

イツキ「でも、未来からアキトさんに認知をしてもらいに来るなんて涙ぐましいですねぇ・・・」
Secretary「だからあんたはどういう風に今までの説明を聞いていたの!!!」
イツキ「だから、誰も選んでもらえなかった女性5人が今度こそ逃げた男の真意を問いつめるべく・・・」
Bule Fairy「あの、この人このまま叩き落としていいですか?」
Pink Fairy「上空5千メートルだけど許す」
Actress「仕方ないですよねぇ・・・」
Snow White「さすがのSnow Whiteちゃんもプンプン!」
Secretary「んじゃ放り出しましょうか♪」
一同「ええ♪」
イツキ「済みません!私が悪かったです!!!
 もう言いません!!!」

・・・・結構気にしているんだから、本当のこと言い過ぎちゃダメだよイツキ君。

Bule Fairy「何か言いましたか?」

いえ、何でもありません・・・

イツキ「それはともかく何で私なんですか?」
Bule Fairy「いや、何でって・・・」
イツキ「別に死ぬはずだった人間を助けちゃえば誰だって勇者になるんじゃないですか?」
Bule Fairy「いえ、そういうわけにも・・・」
イツキ「別に私でなくても別の人を拐かしてくれば・・・」
Secretary「あんた・・・私達は誘拐犯か?」
Actress「行動だけ見てるとそれっぽいですよねぇ〜」
Bule Fairy「Actressさん!!!」
Snow White「まぁ論より証拠ね。
 とりあえずこれを持って♪」

Snow WhiteはイツキにCCを手渡した。

イツキ「何ですか?これは」
Snow White「ジャンプフィールドの起動は私がするからあなたはイメージングをしてみて」
イツキ「イメージング?」
Snow White「とりあえずあそこら辺に行きたいって念じてみて」
イツキ「念じるんですか?」

そう言ってイツキは倉庫の隅っこの方を見つめながら念じたのを見計らってユリカは彼女の手の中のCCをそっと撫でる。

すると・・・

ボワ〜ン♪

イツキ「え?いつの間に倉庫の隅っこに!?」
Snow White「つまり、今のが・・・」
イツキ「いつの間に加速装置を!?」
Bule Fairy「違います!!!」
Snow White「えっと・・・つまり今のがボソンジャンプね。
 瞬間移動の一種だけど、使い方によっては時間も転移できます。
 そしてあなたにはそれを行う能力があるの」
Actress「ええ〜!!!そうだったんですか!?」
Bule Fairy「っていうか、何であなたが驚くんですか!!!」
Secretary「あ〜〜実は私も驚いていたりして・・・」
Bule Fairy「Secretaryさんまで・・・」
Pink Fairy「適当に選んだかと思っていた」
Bule Fairy「あなた達、私達の使命を一体なんだと・・・」
イツキ「ボロボロですね・・・」
Snow White「面目ないっす(苦笑)」

えっと、だからテツジンのジャンプに巻き込まれた際にSnow Whiteと一緒にジャンプしても平気だったんですねぇ。

イツキ「っていうか、オフィシャルな設定なんですか?それ」
Snow White「えっとThe blank of 3yearsでもそんな設定があるので大丈夫でしょう」
Actress「でもでも、火星に住んでいた人だけしかA級ジャンパーになれないんじゃなかったでしたっけ?」
Pink Fairy「確かそっちはオフィシャルなはず」
Bule Fairy「忘れたんですか?地球人には古代火星人達の遺伝子が混じっているって」
一同「あ・・・」
Bule Fairy「ケンさんの例もあります。確率はほとんど無きに等しいものの希にジャンパーの耐性を持って生まれてくる人もいるんですよ。」
Snow White「というか、そういう人達じゃないと『始まりの人』に対抗できないのよねぇ〜〜」
イツキ「それってどういう意味ですか?」
Snow White「ジャンパーじゃなければ可能性のジャンクションはいじれないでしょ?」
奥さん's一同「おお、なるほど」

イツキが選ばれたのはそれなりに理由があったのだ。
だが、当のイツキ本人はというと・・・

イツキ「・・・・つまり・・・・・
 私は選ばれし伝説の勇者だったって事ですね?」
Bule Fairy「違いますって!!!」
イツキ「いやいや、導かれし者たちというべきでしょうか・・・」
Bule Fairy「だから違いますって!!!」
イツキ「わかりました。魔王退治は私にお任せ下さい!
 粉骨砕身の決意で望ませていただきます!!!」
Bule Fairy「だから・・・」
Snow White「まぁまぁBule Fairyちゃん。
 とりあえずやる気になってくれたことだし、認識も大きく間違っていないんだから良しとしましょう?」
Bule Fairy「ううう・・・」

早速相互理解に苦しむ奥さん'sたちであった。

で、とりあえず皆さん事情を理解したところでイツキが改めて質問した。

イツキ「で、選ばれし勇者は今のところ私だけですか?」
Bule Fairy「勇者じゃないけど・・・一応もう別のは見つけてある・・・」
イツキ「いらっしゃるんですか♪
 紹介して下さい!!!」
Bule Fairy「いや、正直紹介したくないんですけど・・・」
???「あはははは、ルリっぺ。それはないだろう♪」
一同「そ、その声は!?」

一同が謎の声に振り返るとそこには・・・

キラリ〜ン☆ミ

高いコンテナの上に逆光を浴びながら仁王立ちする二人!!!
そして二人は力一杯決めゼリフを放った!

???「天が呼ぶ、地が呼ぶ、人が呼ぶ!
 悪を倒せと俺を呼ぶ!!!
 熱血の炎を瞳に宿し、唸る拳が悪を撃つ!
 勇気と熱血の人、ヤ○ターマン1号!!!」
???「天が知る、地が知る、人が知る!
 悪を裁けとワシを知る!!!
 辛抱と忍耐を心に秘め、老獪な知識で悪を切る!
 知恵と人情の人、ヤ○ターマン2号!!!」
???×2「「とう!!!!」」

高いコンテナから飛び降りる二人!!!

グキ!!!
グキ!!!

???「あ、足が・・・古傷を痛めた・・・」
???「こ、腰が・・・ギックリ腰じゃ・・・」
勝手に飛び降りて、勝手に捻挫して、ギックリ腰を起こしてのたうちまわる賑やかしを呆気にとられて眺める奥さん'sとイツキ

そして、足を痛めた方が顔を上げるとイツキの表情が変わった。

イツキ「隊・・・長?
 ひょっとしてガイ隊長ですか?」
ガイ「おう、お竜、久しぶりだな♪」
イツキ「隊長〜〜〜〜」
ガイ「お竜〜〜〜〜」

ヒシ!!!
懐かしの再会に互いを抱きしめ会う二人であった。

フクベ「感動のシーンじゃのぉ・・・」
Pink Fairy「っていうか、フクベ、あなたギックリ腰は?」
フクベ「そうじゃった〜痛たたたたた!!!!」
Secretary「なんか暑苦しいメンバーが増えただけ・・・って気がするんだけど」
Actress「そうですよねぇ。この二人が勇者なんて、すごい不安ですね」
Snow White「まぁ何とかなるなる♪」
Bule Fairy「私はこんな事をするために過去に戻ってきたのでは・・・」

一部の人達に不安と、一部の人達に再会の喜びを与えて、ユーチャリスはにぎやかになったのでした(笑)

inverse3へ続きます



ポストスプリクト


今回は特別に奥さん'sへのインタビューって事にさせていただきたいと思います。

Bule Fairy「あの〜これまでのシリアスな雰囲気はどうなったんですか!」

−んなもんあるわけないって薄々感づいていたくせに

Bule Fairy「感づくとか感づかないとかそういう問題じゃないでしょう!!!」
Snow White「Bule Fairyちゃん、血管切れかけてるよ」
Actress「っていうか、この時代の私達ならいざ知らず、inverseサイドって基本的にギャグですものね」
Pink Fairy「今までの外伝見ていたら自明の理だと思うけど」

−ですよねぇ(苦笑)

Bule Fairy「あんたが言うな!!!」
Snow White「どうどう〜」
Actress「あぁ〜前半は帰らない旦那様を待つけなげな奥さん♪って感じで結構良かったのになぁ・・・」

−あ、もうそう言うのないかもしれませんよ

Snow White「えぇ〜!そんなのずるい!」

−ずるいって言われても、そろそろサブタイトル通りしないといけませんから

Bule Fairy「サブタイトル通りって?」

−だから「超熱血アニメ」でいこう・・・です(笑)

Secretary「ひょっとして、まさか・・・」
ガイ&イツキ「レッツ!ゲキガイン!!!」
一同「やっぱり!!!!!!」

−ってことでinverse3をどうぞ

※上記は微妙にinverse3の内容と異なりますので本気にしないで下さい(笑)

Special Thanks!!
・アキラ 様
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