アバン


日時と場所は深く追究しないで。
まぁ猛暑とも言えるこの暑い最中、皆さんだらけきってやる気があるんだか、ないんだか。

そうはいってもこのままではダメだって事で涼しくなるようにと何故か肝試し大会をすることになりました。

でも皆さんの思惑はどうやら別の所にあるようで・・・・
さてさてどういう事になるんでしょうか?

ああ、これって外伝なので黒プリ本編とは何の関係もありませんのでそのつもりで。



事の始まりは


事の始まりはそれほど複雑じゃなかった。

アキト「あづい・・・」
アカツキ「鍛えられてないねぇ、テンカワ君」
アキト「なんだよ、そういうアカツキだってバケツに足を入れてるくせに」
アカツキ「ふふ〜ん。氷入りだぞ、リッチだろ?」
アキト「け、何言ってんだか・・・」
とか言いながら連日の猛暑にうだっていた。
ナデシコにはクーラーがあるはずなのになぜ?とお思いでしょうが、前回の戦闘で相転移エンジンが破損し、戦闘用と生命維持に電源を確保すると冷房までに電力がまわらなかったりします(苦笑)
現在節電モードで超微弱冷房中
デンコちゃん大喜び♪

ユリカ「それにしても暑いよねぇ〜」
ルリ「艦長、はしたないです」
ユリカ「え〜え、ミナトさんほどおっぴろげてないよ」
ミナト「それって私が露出狂ってことかな?」
ユリカ「そういうわけじゃありませんよぉ〜〜(汗)」
ルリ「バカばっか」
とかなんとか言っていると、メグミはふと思いついたようにアキに尋ねた。

メグミ「そう言えば、アキさんは暑くないですか?」
アキ「あ、あたし?どうして?」
メグミ「だって、上から下までアンダーウェアで固めて、素肌すら出していないし・・・」
アキ「心頭滅却火もまた涼し・・・ってね」
メグミ「凄い!どこかの武道家さんみたいですね」
アキ「そうでもないわよ。大事なのは平常心よ」
メグミ「平常心ですか・・・んじゃ、驚いたりしても取り乱したりしません?」
アキ「しないわよ。鍛えてるから」
メグミ「本当に?
 お化けとかも怖くないですか?」
アキ「怖くないわよ」
メグミ「ふう〜ん、凄いですねぇ」
アキ「そうでもないけど」

と、その会話を聞いて妙案を思いついたのがプロスペクターであった。

プロス「そうです、皆さん納涼に肝試しをやりましょう♪」
一同「肝試し?」
プロス「互いに怖がらせるのです。涼しくなりますよ」

ということであまりの暑さと所在のなさに、なし崩し的に肝試し大会を開催することに決定したのであった。

なお・・・

プロス『これはご本人には内緒ですが、アキさんを怖がらせることが出来た方は特別ボーナスを支給しますのでふるってご参加下さい』
一同『よし!!!』
みんな、アキが怖がっているところを見たいのか気合いを入れて取りかかることにした。(笑)



ナデシコ プリンセス オブ ダークネス
人気投票応援イベント特別企画
外伝 ナデシコ夏休み納涼肝試し大会



ルール説明


そこはナデシコ内部に作られた特別お化け屋敷セットである。
なぜか昔のお墓とかそういう場面設定らしい。
暗い照明と風情漂うリアルなセット、それに生暖かい空気
臨場感たっぷりである

そんな事する暇があったら、相転移エンジン直してクーラー利かせろよっていうご意見はとりあえず置いておくとして・・・

メンバーは一人ずつコインを目的地に置いて引き返してくるというオーソドックスなもので、怖くて逃げ帰ったら失格という奴である。
普通はペアで行くものだが、今回は何故かアキが一人で行くことになった(笑)



トップバッター ミスマル・ユリカ


アキがお墓の前を歩いていると、それはいきなりアキの前に躍り出た!!!

ユリカ「お化けだぞぉ〜〜
 ヒューどろどろどろ〜」
躍り出たのはお化けの格好をしたユリカであった。

ユリカ自身は『決まった!』と思ってアキの悲鳴を待っていたのだが・・・

アキ「プッ!あはははは♪♪♪
 艦長、おっかしい〜〜♪♪♪」
ユリカ「あの・・・・怖くないですか?」
アキ「怖くないわよ、可愛い可愛い」
ユリカ「これって可愛いんですか?怖いんじゃなくって?」
アキ「いや、普通はそれをどう見ても可愛いでしょう」
ユリカ「そうかなぁ・・・これが日本の超有名なお化けだって聞いたから扮装したんだけど・・・」
アキ「誰から聞いたの?」
ユリカ「ヒカルちゃん」
アキ「ああ、それは担がれたね」
ユリカ「やっぱり・・・」
アキ「そう、それはお化けはお化けでもオバQだからねぇ・・・」
ユリカ「そうじゃないかなぁとは思ってたんですけど・・・」

ユリカは真っ白なお化け服を着た自分の姿を見て溜息をついた。
そりゃオバQじゃ誰も驚かないよねぇ(笑)



一発芸 マキ・イズミ


アキはなぜか古びた井戸の前を通りがかった。
なんでそんなセットがあるかは・・・秘密です(笑)

「一枚〜」
「え?」

どこからともなく聞こえるもの悲しい声
井戸から顔真下に懐中電灯で照らしてせり上がってきたのは幽霊の格好をしたイズミであった。
それはイズミのキャラクターとマッチしてとっても雰囲気を出していた。

イズミ「二枚〜」
アキ「おお、番町皿屋敷のお菊さん!?」
イズミ「三枚〜」
アキ「おお、少し怖いぞ〜」
イズミ「お終い」
アキ「え?」





しばし流れる沈黙・・・・・・・



アキ「続きは?」
イズミ「だからお終い・・・」
アキ「ギャグ?」
イズミ「ギャグ(きっぱり)」
アキ「次行こう・・・・」
イズミ「一枚〜二枚〜三枚〜お終い・・・・ククク」

一人同じギャグを繰り返して悦に浸るイズミを残してアキはさっさと次の場所に向かった。



初参戦 ゴート・ホーリー


稲妻走る洋館の前に辿り着いたアキ
なんでそんなセットまであるかは・・・これまた秘密です(笑)

「うわぁ、凝ってるわねぇ」
「フンガ」
「え?」
「フンガ」
「どっかで声が・・・」

彼女の肩にまでかかる黒く巨大な影、そしてどこからか聞こえる低く蠢くような声に思わず振り返るアキ

そこで彼女が見たものとは!!!!

アキ「ゴートさん、そんなところで何やってるの」
ゴート「フンガ」
アキ「だから一体何をやっているの?」
ゴート「フンガ」

ガォオオオー!!!って格好をするがアキはきょとんとしていた。

なぜなら、アキはゴートが何の扮装をしているのかわからなかったからだ。

アキ「ゴートさん、肝試しなんだからお化けの格好をしてこないと・・・」
ゴート「だから、フンガ・・・と言っているだろう・・・」
アキ「???」




数秒後・・・


アキ「ああ、フランケン@藤子不二雄ね♪」
ゴート「ようやくわかったか」
アキ「いやぁ、あまりにも普段と変わりなく自然だったんで気づかなかったわ(汗)」
ゴート「なるほど、俺は普段からフランケンみたいな格好をしていたという事か・・・」
あまりにも図星なので肯定も否定もできないアキであった(笑)



お菊さん再び ラピス・ラズリ


道に迷ったのか、アキはさっき来た井戸の前を通りがかった。
いつまでもイズミが「お終い」って言って喜んでいるのかと思ったがそうじゃなくって少しホッとするアキであった。

だが・・・

「一枚〜」
「え?」

どこからともなく聞こえるもの悲しい声
そして井戸の中からこんにちわ
前髪で顔が隠れているせいか、とっても雰囲気が出て怖かった。

「さ、貞子!?」
「アキ、それ違う〜」
「だってCV担当の仲間さんつながりで・・・」
「私、お菊!」

井戸から出てきたのはラピスであった(笑)

ラピス「一枚、二枚〜」
アキ「おお、何となくお菊さんの雰囲気出てるぞ!?」
ラピス「三枚、四枚〜」
アキ「よし、頑張れラピスちゃん」
ラピス「五枚、六枚〜」
アキ「いいよ、いいわよラピスちゃん」
ラピス「六枚、七枚〜」
アキ「よし、もう少し!」
ラピス「八枚、九枚〜
 一枚割っちゃった〜〜どうしよう、アキ〜〜(泣)」
アキ「いいのよ、お菊さんは一枚割ったためにお化けになるんだから」
ラピス「違うの〜本当に割っちゃったの〜」
アキ「え?」
ラピス「食堂のお皿本当に割っちゃったの〜〜
 アキのお手伝いしようと思ったら〜〜
 え〜ん〜〜」
アキ「ああ、ほらほら泣かないで。
 一緒にホウメイさんに謝りに行こう、ね?」
ラピス「うん・・・」

だから演技に鬼気迫るものがあったのねぇ〜とラピスに抱きつかれて困るアキであった。(笑)



あなたの首筋に アカツキ・ナガレ


なぜかルートは洋館の中に続いていたりする。
中を進むアキ
なぜか雷鳴が轟いていたりして、かなり怪しげな雰囲気が漂う。

「っていうか、セットにいくらお金をかけてるの?」
「ふふふ、それはこういう事をする為さ!」
「なに!?」
アキが振り返ると天井窓にマントを羽織った人影が現れていた。
その人物を見てアキは呆れた。

アキ「・・・アカツキ君、そんなところで何やってるの?」
アカツキ「いやぁ、やっぱり映画と同じように現れた方が演出的にはかっこいいだろうと思っていたんだけど・・・・」
アキ「と天井窓にスタンバったはいいけれど、降りれなくなったと」
アカツキ「よく考えたら5mはあるんだよねぇ(汗)」
アキ「飛び降りりゃいいじゃない。5mぐらい良くて骨折なんだから」
アカツキ「ヒーロー物じゃないんだからそんなに上手くは・・・」
アキ「んじゃそのままそこでそうしてなさいよ」
アカツキ「そういわずに君の首筋にかみついて血を吸わせて・・・」
アキ「・・・・付き合ってらんないわ」
アカツキ「あ、そんなこと言わずにせめて助けて〜」

なんか降りられなくなっても身勝手な要求をするアカツキを見捨ててさっさと先に行くアキであった。



ちょっとやってみたかったです ウリバタケ・セイヤ


場所は同じく洋館の中をさらに進んでいました。

「でも、この洋館って良くできているわよねぇ。
 いかにもって雰囲気で・・・」
「ギシィ・・・」
「え?」
「ギシィ・・・」

アキの耳には通路の向こう側から廊下の軋みが聞こえてきた。

「なんか、覚えがあるわねぇ、この光景・・・」
アキはそう思ってそろりそろり、廊下の角を曲がってみる。
するとそこには・・・

ぐちゃぐちゃ・・・・
床に倒れている人影を貪る姿がある。
それはアキに気づいて振り返った。

アキ「げ!ぞ、ゾンビ!!!」
ウリバタケ「どうだ、怖いだろう〜〜」
振り返ったのはウリバタケであった。しかもゾンビメイクである。

アキ「うわぁ、気色悪い。すごいリアル〜」
ウリバタケ「そうだろう、そうだろう。特殊メイクによりハリウッドもびっくりだ!」
自分の技術に得意満面のウリバタケ。
すっかりゾンビになりきって両手を前に出してアキに近づいてきた。
だが、その光景を見たアキは怖がるどころか・・・

ウリバタケ「どうだ、怖いだろう」
アキ「ねぇ・・・・・撃っていい?」
ウリバタケ「え?いや怖いだろうって・・・」
アキ「だから撃っていい?」
ウリバタケ「えっと・・・もしかして・・・」
アキ「だってバイ○ハザードみたいじゃん♪」
アキはうれしそうに懐からリボルバーを取り出す(笑)

ウリバタケ「あの・・・アキちゃん?」
アキ「いいよね?一度撃ちたかったんだ♪」
ウリバタケ「・・・・冗談でしょ?」
アキ「マジ♪」
ウリバタケ「わぁぁぁぁぁぁ!!!!助けて!!!!!」

ウリバタケ泣いて逃げ去る(笑)



存在感って奴ですか? アオイ・ジュン


アキはまだ洋館の中を歩いていた。
するとそこにどこからか声が聞こえてきた。

「塗り壁・・・」
「?」
「塗り壁・・・」
「何か聞こえてきたけど、何だろう・・・」
「塗り壁・・・」
「・・・まぁいいか。たぶん気のせいでしょう♪」
「だから塗り壁・・・」

そんなどこからともなく聞こえる声を気にすることもなく、アキはその場を去っていった。後に残されたのは声の主だけ。

「だから塗り壁なんだってば・・・」
あまりにも壁と同化してしまっていたので気づいてもらえなかったアオイ・ジュンであった(苦笑)

ジュン「いくら影が薄いからってこの扱いはあんまりだぁ〜!!!」
しかし彼の叫び声を聞く者は誰もいなかった。



リベンジ 再びアカツキ・ナガレ


今度は洋館を出て闇夜の街角に出てきたアキ。
と、そこにいたのは・・・・

アカツキ「やぁアキさん」
アキ「あら、アカツキ君、ちゃんと降りられたのね」
アカツキ「あの・・・それは言わないでね」
アキ「でも、扮装はなしなのね。怖がらせてくれないの?」
アカツキ「いや、扮装はしますよ。これから・・・」

と言ってニヤッと笑うとアカツキは夜空を眺める。
風が吹いて雲が流れた。
すると闇夜だったはずの夜空が次第に明るくなってきた。
分厚い雲で隠れていた月が姿を現したのだ。

そう、その月は・・・・満月だったのだ!!!

するとアカツキの体からは体毛が生えだし、口は裂け牙が生え出した。

アキ「おお、すごいSFX!」
アカツキ「ふふふ、実は僕は狼・・・」
アキ「狼男ってわけ?」
アカツキ「そ、そうですけど・・・」
本当は怖がるシーンなのに少し怒っているみたいなアキに気圧されるアカツキ
それもそのはず・・・

アキ「で、男は狼なのよ〜♪って感じに襲いかかろうって?」
アカツキ「ギク!(図星)」
アキ「ふぅ〜〜ん、そんな邪なこと考えてるのね・・・
 スチャ!」←リボルバーを取り出した音
アカツキ「アキさん・・・話せばわかります。話せば・・・」
アキ「問答無用!滅殺!!!!」

拳銃ぶっ放したアキに追いかけられるアカツキであった(笑)



本気で行きます ハルカ・ミナト


ミナトはお墓の影で準備を整えていた。
白装束がすごく似合っている。
まぁ和服に大きい胸は少しミスマッチかもしれないが、それはそれで色っぽいからいいかも(笑)

もとい、顔の右側が醜く焼けただれたメークをし、髪の毛を顔に垂らしてその一房を口にくわえる。そして手を前に出して「うらめしや〜〜」と言ってみる。

ぞぉぉぉぉぉぉ!!!!

鏡に映った姿を見ると自分で自分が怖くなった。

「うんうん、これで特別ボーナスはいただきだねぇ」
ミナトはうんうんうなずく。

さぁ準備は万端
後はターゲットが何も知らずにやってきたところを驚かせばいい。
これでボーナス間違いなし!
そう思ってしばし待っていると・・・・

ぷぃ〜〜ん
クンクン、いい匂いだ。

「なんか美味しそうな匂い〜」
食いしん坊のミナトにはたまらない匂いだった。

「何かなぁ、なんだろう?この食欲をそそる匂いは・・・」
なんだかもじもじするミナト
いつアキが来るかわからないので隠れているのだが、その匂いが気になって気になって仕方がなかった。

で、どうしても我慢できなくなってそぉ〜っとお墓のスキマからあたりを覗くと、そこには・・・

アキ「さぁここいらでおやつを頂きましょう♪」
そこにはまさに袋から食べ物を取り出そうとしているアキの姿があった。

アキ「本日のおやつはアキ特製豚まん〜♪」
隠れているミナト「・・・・・・」
アキ「いただきま〜す♪」
隠れているミナト「・・・・・・ゴクン」
アキ「はふ!我ながら美味しい〜〜♪」
ミナト「・・・・・・」
アキ「ん?ミナトさん?」
いつの間にかアキの豚まんをヨダレを流して眺めているミナト
その姿は先ほどの怖い幽霊の面影はどこにもなかった。

アキ「・・・・・あの、ミナトさん?」
ミナト「・・・・(ヨダレだらだら)」
アキ「・・・・・一つ食べます?」
ミナト「食べるぅ〜〜♪」

ミナトはアキからお裾分けをいただき、美味しくいただきましたとさ

・・・・ボーナスはもういいの?



これってホラー? テンカワ・アキト


アキがしばらくお墓の近くを歩いていると・・・・

アキト「アキサン〜」
アキ「あら、アキト君」
後ろから近づいてきたのはアキトであった。
別に何の扮装もしていない。

アキ「なに?アキト君は脅かされる側?」
アキト「ソウナンデス。驚カサレッパナシデ困ッテマス」
アキ「・・・アキト君、なんかおかしくない?」
アキト「オカシイデスカ?」
アキ「おかしいよ。言葉がカタカナだし」
アキト「アア、サッキソコデ首ヲ刈ラレマシタカラ」
アキ「刈られた?」
と、アキが聞き返した瞬間・・・

ごとり・・・

アキトの首は胴体を離れて床に落ちてしまった!!!

アキ「ア、アキト君!?」
アキト「ア、落チチャッタ。ゴ飯粒デ付ケタンデスケド落チチャウンデスヨネェ〜」
と言いながら首の無くなったアキトの体は自分の首を探してさまよった。
そして自分の首を拾ったアキトは自分の首を前後逆に付けてアキに振り返った。

ニタァ〜〜
首が180度曲がったアキトが笑うと十分怖かった。
だが・・・・

アキ「・・・・・・背中にスイッチみっけ♪」
アキト「エ?」
アキ「オフにするとどうなるかな?」
アキト「止メテ〜〜」

プチン!
するとアキトはまるで電池が切れたロボットのように動きを停止した。

アキ「出ておいで、アキト君」
アキト「バレました?」
アキ「惜しかったねぇ。ロボットの完成度がもう少し上がっていればだまされたかもしれないけれど、言葉が全てカタカナな時点でわかるわよ」
アキト「やっぱり?」
近くの草むらから現れたアキト(本物)が頭をかいて出てきた。

アキ「あれ、誰が作ったの?」
アキト「ウリバタケさんが作ってた奴です。スーパーアキト君1号とか言って。
 首が落ちやすかったのが難点なんですけどね」
アキ「あの人も暇だねぇ」
アキト「俺のはリモコン操作なんで使いづらかったんですけど、他人のを使うのはさすがに気が引けて・・・」
リアルな機体に感心するアキであるが、アキトの言葉を聞いてふと何かに気づいた。

アキ「アキト君、今『俺のは』って言ったわよね?」
アキト「ええ、それが何か?」
アキ「・・・それは他の人のもあるって事よねぇ」
アキト「ええ・・・・・アキさんのとかルリちゃんのとか。アキさんのは遠くからマイクでしゃべらなくてもいろいろしゃべるみたいなんですけど・・・」
アキ「それって『セイヤさん素敵♪』とか私の声でしゃべったりする?」
アキト「えっと・・・・・コクコク」
アキ「・・・・セイヤさんもしょうがないわねぇ(怒)」

と言っているアキの姿がマジでシャレにならないぐらい怒りのオーラが出ていたのでさっさと退散するアキトであった(笑)



これってホラー?その2 北辰


アキがしばらく進むと、そこにはなぜか下駄箱と黒電話があった。
「???
 なにゆえこんなものがここに?」
そう思ってアキは恐る恐る下駄箱を開けると・・・中から手紙が一つ

手紙を開けると中にはこんな文章が書いてあった。

『汝のことなら何でも知っている』
それを見た瞬間、アキはぞわぁぁぁぁ!!!と背筋が寒くなった。

と、その瞬間、ジリリリリーーーンと黒電話が鳴った。
あまりのタイミングの良さに怯えるアキであるが、放っておいても黒電話は鳴り止まないので恐る恐る電話に出るアキ。
すると電話口からは・・・

アキ「もしもし・・・」
北辰『手紙、読んでくれたか?』
アキ「あの・・・読んだけど・・・」
北辰『我の気持ちがわかったか?』
アキ「気持ちって一体・・・・」
北辰『短い文面秘められた我の想いの全てを表し尽くす名文だと思うが』
アキ「思うがって・・・・」
北辰「どうだ、我と付き合う気になったか?」
アキ「・・・・・思わない」
北辰『そんなこと言うな。我は汝のことを何でも知ってるぞ。
 例えば好きな食べ物から好きな花の名前とか、寝るときはパジャマ派だとかそれからそれから・・・・』

アキはいつまでもしゃべる北辰を放っておいてガチャリと受話器を置いた。
するとまたジリリリリーンと黒電話が鳴ったので懐からリボルバーを抜くと問答無用で黒電話に発砲して破壊した。

そしてそこら辺に潜んでいそうな草むらを目掛けて拳銃をひたすらぶち込む!!!





数秒後・・・・



アキ「はぁはぁはぁ・・・・
 確かにこれは怖かったけど・・・・
 ストーカーは肝試しじゃないだろう・・・」
あたりのセットを破壊し尽くして、どこかで北辰がお陀仏になっていることを祈るアキであった(苦笑)



私可愛い? エリナ・キンジョウ・ウォン


エリナは今まで連戦連勝であった。
必ず彼女の顔を見ればみんな驚いて逃げていく。
ホウメイガールズなんかは泣いて謝った。
そのぐらい怖い。

不本意だが、怖いことには変わりなかった。

「フフフ、アマガワ・アキ、来るなら来なさい!
 必ず怖がらせてあげるから!!!」
エリナは拳を握って決意した。

コツコツコツ・・・
足音が聞こえる。順番から行けばアキだ。

「あの・・・エリナさん、そこで何を?」
『よし、怖がらせてあげるわよ!!!』
声をかけてきたアキにエリナはタイミングを見計らって振り返る。
そして決めの台詞!!!

「私きれい?」
その台詞と振り返ったタイミングはバッチリだ!
これで怖がらなかった女性は誰もいない!
そう思ってエリナが見たものは・・・・

「く、口裂け女!!!」
叫んだのはアキではない。エリナだ。
アキはエリナの目の前に鏡を突きつけていたのだ。
そのためにエリナは改めて自分の顔を見ることになった。

やっぱりその姿は自分で見ても怖かったようだ。
自分の姿を見て失神するエリナ。

アキ「あ、危なかった。メデューサの例に倣って鏡を持ってきて良かった」
なんでそんなものを持っているのかはよくわからないが、アキは何とか助かったようだ。



香港映画で攻めます アマノ・ヒカル


次なるセットは中国のお寺風なセットである。

アキ「で、今度は何?」
すると闇の奥の方からぴょんぴょん跳ねる音が聞こえてきた。

アキ「あのその姿は・・・・」
ヒカル「キョンシーのレイレイで〜す♪」
中国のお化けキョンシーにコスプレしたヒカルである。

ヒカル「どうです?怖いですか?」
アキ「怖いというか・・・可愛いわよねぇ」
ヒカル「じゃ、手合わせお願いします〜」
アキ「え?」
とアキが疑問に思う間もなく

ブン!!!!
ピンと伸ばした腕を振りかぶって攻撃してきた。

アキ「ひ、ヒカルちゃん、なにを!?」
ヒカル「キョンシーといえば香港映画、香港映画と言えばカンフーじゃないですか♪」
アキ「だからっていって攻撃してこなくても・・・」
ヒカル「怖いって言って下さい。そうすればボーナスは私のものです!」
アキ「ほう、そういう理由なのねぇ〜今までの騒動は・・・」
ヒカル「え?」

アキのその言葉にヒカルは悪寒を感じた。
それもそのはず
アキは割り切ったのか、武術の構えをとったからだ。
しかもその構えはブルース・リーのものである。

アキ「さぁブルース・リーvs.キョンシー・・・行ってみようか?」
ヒカル「あの・・・マジになってます?」
アキ「マジです♪」
ヒカル「あ〜ん、お手柔らかに〜〜(泣)」

その後、さんざんやられてヘロヘロになったヒカルが取り残されたとさ(笑)



真打ち ホシノ・ルリ


ルリ「ひゅぅ〜ドロドロドロ・・・・」
エリ「ひぇぇぇぇぇぇ!!!!!」
ミカコ「怖い怖い!!!!」

パーフェクトである。
たいした扮装もしていない。
白装束に髪をほどき、一房くわえてうらめしや〜と言うだけである。
それだけでもみんなは恐ろしげに逃げていった。

「・・・・そんなに怖いですか?」
ルリは不満げにちょっとそういった。
「まぁ確かにそうかもしれませんが、11歳の少女を捕まえてそういうことを言うのは少しエチケット不足なんじゃないでしょうか・・・・」
と、怖がらせたいのか怖がらせたくないのかよくわからない意見を述べながら次のターゲットを待つ多感な年頃の少女であった。

コツコツ・・・

次のターゲット、アキがやってきた足音だ。

「・・・不本意ですが、これも勝負です、アキさん!」
ルリは意を決してアキの前に躍り出た。

ルリ「うらめしや〜〜」
アキ「うわぁ、驚いた。ルリちゃん?」
ルリ「うらめしや〜〜です。怖いですか?」
アキ「うん、ちょっときちゃったけどなんとか耐えたわ」
ルリ「そうですか、怖いですか・・・・
 なんか複雑です。でもやるからには本気で行きます!」
アキ「来なさい!耐えてみせるわ!!!」

ここからルリとアキとのガチンコ勝負が始まった!!!

ルリ「雪女です。ヒュルルルルゥゥゥゥ〜〜」
アキ「なんの!アンダーウェアで冬もヌクヌク!!!」
ルリ「首が伸びます。轆轤首です〜〜」
アキ「私なんか借金で首が回らないのよ!参ったか!!」
ルリ「猫娘です!ニャァ!!!」
アキ「やっぱり猫が好き!!!」
ルリ「砂かけ婆です!」
アキ「当たるものか!」
ルリ「九尾の狐です、鬼火攻撃!」
アキ「えい、消化器!!!」





などなど、『ルリちゃん、あんた本当に人間か?』というツッコミを禁じ得ないのだが・・・
それはともかく死力を尽くすこと30分・・・



ルリ「なかなかやりますね・・・」
アキ「ルリちゃんもね。でもまだまだだわ!」
ルリ「まだまだって何がです?」
アキ「あなたはまだやっていないものがある!」
ルリ「まだやってないものって何ですか?」
アキ「妖怪といえば吸血鬼、女の吸血鬼といえばモリガン!」
ルリ「ガーーーーーン!!!!!」

モリガン:某格闘ゲームのキャラクター
 女バンパイアで露出度の高いコスチュームで人気度高し!
 もちろんプロポーションは抜群

ルリ「そ、それだけは出来ません・・・ルルル〜〜(泣)」
アキ「ふふふ、そうでしょう♪私なら出来るわよ♪」
ルリ「ロリなキャラで出来る妖怪はこれが限度なんです。ルルルゥゥゥ・・・」

自分の幼児体系が心底恨めしいと思うルリであった(苦笑)



一発逆転? メグミ・レイナード


「そろそろ出口かな?」
無事に驚かずに出口付近までたどり着いたアキであった。
だが、出口の目の前でしゃがんでうずくまっている人物がいた。
メグミである。

アキ「メグミちゃん、どうしたの」
メグミ「持病の癪が・・・」
アキ「癪がって時代劇じゃあるまいし」
メグミ「あははは、そうですよねぇ」
といって顔を上げるメグミだが・・・

アキ「!!!!」
そう、メグミの顔には目や口がないのだ。
いわゆるのっぺらぼうって奴である。
だが、アキはすんでの所で耐えた。

メグミ「アキさん、驚きました?」
アキ「危ない危ない、もう少しで驚くところだった(汗)」
メグミ「ああん〜出口で気が緩んだところって思ったのに〜〜」
アキ「いやぁ、メグミちゃんののっぺらぼうも結構驚いたよ。
 でもさぁ、それって辛くない?」
メグミ「辛いですよ。前は見えないし、息はし難いし
 ああ、この場でメイク落としちゃっていいですか?」
アキ「辛いなら早く落としちゃえば?」
メグミ「じゃ、遠慮なく」

とアキに断ってからメグミはメイクを落とし始めた。
メイクを落としながらアキと会話を続けるメグミ

メグミ「それにしてもここまでちっとも驚かないなんてアキさんすごいですねぇ」
アキ「いやぁそれほどでも♪」
メグミ「すごいですよ。私なら絶対悲鳴上げちゃいますよ」
アキ「そうかなぁ。みんなあんまし驚かせるつもりなかったんじゃないの?」
メグミ「そんなことないですよ。ボーナスかかってましたから必死でしたよ」
アキ「やっぱり?妙にみんな肩に力が入って空回りしていたような・・・」
メグミ「そりゃ・・・あのアキさん、タオルとって下さい」
アキ「あ、はいはい」

とかなんとかいいながら、メイクを落とし終えてタオルでごしごし顔を拭くメグミ。

メグミ「ああ、さっぱりした。やっぱりのっぺらぼうはダメですねぇ」
アキ「そんなことな・・・・・」
顔を拭き終えてタオルを降ろしたメグミの顔を見た瞬間、アキは・・・

アキ「キャァァァァァァ!!!お化け!!!!!!」
メグミ「え?あ、アキさん、ちょっとどうしたんですか・・・」
アキは恐怖の声を上げて出口目掛けて逃げ去ってしまった。

後に残されたのはすっぴんのメグミの姿だけであった。



結果発表


プロス「優勝者、メグミ・レイナードさんです♪」
メグミ「なんかうれしくないです〜〜」

本人はメイクだと言い張っているけれど、メグミのすっぴんはこの世のものとは思えないという噂がまことしやかに流れた。
その噂を裏付けるかのようにアキが2、3日寝込んでいたのは言うまでもなかった。



ポストスプリクト


ということで人気投票用応援イベント用の黒プリ外伝をお届けしました。

これはおもしろいのか?
肝試しというか、お化けを使ったパロディって気がします(苦笑)
さてさて、こんなのもありのような気がしますが、どんなもん何でしょうか?

えっと・・・メグミファンの方はごめんなさい。
まぁすっぴんって怖いですよねぇ(というのはフィクションです(爆))

ってことでおもしろかったなら感想をいただけると幸いです。

では!

Special Thanks!
・北の国から 様
・やりたか 様
・dekia 様
・b83yr 様
・AKF-11 様