アバン


日時と場所は深く追究しないで。
未来からやってきた自分の赤ちゃんの世話をすることになったアキさん。

とりあえずシオンちゃんお披露目で認知されたのはいいんですけど、
結局シオンちゃんのお母さんって誰なんですか?

まぁ恋する乙女達には興味ありありなので騒動の種にならないとも限らないんですが・・・

ああ、これって外伝なので黒プリ本編とは何の関係もありませんのでそのつもりで。



ナデシコ・食堂


今日もナデシコ食堂は満員御礼だ。
厨房の中ではコック達が忙しそうにオーダーを捌いていた。
ミカコ「チャーハンにレバニラ入りました」
アキ「あいよ!」
ジュンコ「麻婆豆腐に火星丼お願いします〜」
アキ「あいよ!」
ハルミ「酢豚お願いします」
アキ「あい・・・・」
「ふぎゃぁぁぁぁ!!!!!!!!」

厨房に響きわたる赤ちゃんの泣き声

「ああ、ゴメンゴメン、熱かった!?
 ゴメンね、ずっと火のそばにいて〜〜」
アキは鍋を振りながら背中に背負ったシオンをあやす。

さてさて、結局未来のアキトの子供と認知されたシオンちゃんであるが、一番懐いているアキトとアキが面倒を見るという事で落ち着いていた。
だが、二人とも食事時の厨房を切り盛りしなければいけない関係上、こうやってシオンを背中に背負って仕事をしていたりする。

でもおとなしくしていてくれないのが赤ちゃんというもの
こうやってしばらくかまってもらえないと泣き出したりするのであった。

ホウメイ「アキ坊、あんた火の周りはいいから盛りつけでも手伝ってな!」
アキ「でも、ホウメイさん一人じゃまわらないですよ・・・」
ホウメイ「何言ってるんだい。シオンちゃんに油がはねたらどうするんだよ!
 火傷だけじゃ済まないよ!」
アキ「でも・・・」
ホウメイに怒られながらも、仕事とシオンを秤に掛けて思い悩むアキ

と、そこに手を差しのべたのはアキトであった。

「あ、アキさんお守りは俺がするッスよ」
「アキト君、いいの?」
「ええ、俺、艦内の出前ですから、シオンちゃんもいろんな景色見れて楽しむでしょうし」
「んじゃ、お願いするわね」
「はい!」

背負っていたシオンをアキトに渡す。
シオンは喜々としたままアキトにしがみつく。

「んじゃシオンちゃんお願いね♪」
「任せておいて下さい♪」
「だぁ♪」
アキの励ましに胸を叩き、岡持を持って出前に出るアキトであった。

と、その光景を眺める厨房スタッフ及び食堂にて食事をとっているクルーの皆様方。
その多くの人の感想はこうであった。

ヒカル「・・・なんか幸せな新婚家庭って感じよねぇ」
イズミ「鐘が鳴ります、しんこんかんてい・・・なんちって」
ウリバタケ「相変わらずイズミちゃんのギャグはわかりにくいねぇ」
ミナト「でも本当、旦那さんを見送る若奥さんって感じ」
ゴート「ミナト、お前が望むならいつでも・・・」
ミナト「え?何か言った?」
ゴート「い、いや・・・・」
イネス「まぁある意味息が合ってるわよねぇ」
ジュン「兄弟か親子みたい」
プロス「微笑ましいですなぁ♪」

とかなんとか、当人達が聞いたら真っ赤になって否定するだろうほのぼのとした評価で盛り上がっていた。

だが・・・・
そんな光景をおもしろく思っていない少女達の一団がここにいた。

ユリカ「うう〜アキトの奥さんは私だおぅ〜」
ルリ「でもシオンがいることにはどうしようもありません」
ラピス「8歳も年下の小娘に負けてられない!」
メグミ「ラピスちゃん・・・赤ちゃん相手に小娘は・・・というかラピスちゃんが小娘・・・」
エリナ「まぁそれはそれとしても、相手は赤ちゃんなだけに買収とかも効かないしねぇ」
リョーコ「買収ってなんだよ!人間真心をぶつければ必ずなんとかなる!」
サユリ「ですから相手は赤ちゃんですってば・・・」

あの仲睦まじい三人の間に割って入ろうと色々考える乙女達であった(笑)



ナデシコ プリンセス オブ ダークネス
人気投票応援イベント特別企画
外伝 ママはプリンセス オブ ダークネス<争奪編>



緊急対策会議


ユリカ「でもでも、具体的にはどうすればいいのかなぁ?」
ルリ「それはまずシオンの子守が出来ないことにはどうにもなりません」
ラピス「子守?」
ルリ「そうです。子守さえ出来れば・・・」

ここから乙女達の妄想は始まる

■ユリカの場合
ユリカ「グラビティーブラスト発射準備!」
アキト「おい、ユリカ」
ユリカ「なに?アキト」
アキト「俺、エステで出撃してくるからシオンをよろしく」
ユリカ「わかった。じゃ、頑張ってきてね、パパ」
シオン「だぁ♪」

「パパ、行ってらっしゃい・・・・エヘエヘ」
なんかもじもじするユリカ

■ルリの場合
ルリ「今日中にこのデータを整理しないと・・・」
シオン「マー、マー」
ルリ「ああ、ごめんなさい、シオン。ミルクの時間ですね。ちょっと待ってて・・・」
アキト「ルリちゃん、はいミルク」
ルリ「アキトさん♪」
アキト「ダメだよ、根をつめちゃ。シオンは俺が寝かしつけておくから、君は休むといい」
ルリ「あ、でも・・・私も一緒に寝かしつけて欲しい・・・」
アキト「ルリちゃんは甘えん坊だなぁ」

「・・・シオンが眠ったら今度は私・・・フフ」
真っ赤になってうつむくルリ

■メグミの場合
メグミ「眠れ〜眠れ〜母の胸に〜」
シオン「すやすや・・・」
アキト「寝たみたいだね、シオン」
メグミ「ええ、寝付きのいい子だから」
アキト「そうじゃないよ」
メグミ「え?」
アキト「メグミちゃんの子守歌が上手いからだよ」

「そんなぁ〜歌が上手いなんて・・・ウフフフ」
いやんいやんしているメグミ

■サユリの場合
アキト「ただいま〜」
サユリ「アキトさん、シーーーー」
アキト「え?」
サユリ「出前ご苦労様。シオンちゃん、今寝たところです」
アキト「ゴメンゴメン」
サユリ「オッパイお腹一杯飲んだから眠たくなってだよねぇ〜♪」
アキト「あ、それ見たかったな・・・」
サユリ「え?(真っ赤)」
アキト「いや、やましい気持ちで言ったんじゃなくって、そのサユリちゃんがシオンにお乳与えてるときってなんかすごく優しそうな顔をするから」
サユリ「そんな〜(真っ赤)」

「そんな〜アキトさん・・・・(真っ赤)」
ののじを書き出すサユリ

■まとめてラピスにエリナにリョーコの場合

ラピス「今日もデータの整理が・・・」
エリナ「今日もブリッジの当直が・・・」
リョーコ「今日もエステの特訓で・・・」
一同「アキトさんが?」
ラピス&エリナ&リョーコ「ううん、アキさんが♪」
一同「っていうか、そっちかい!!!!」

なんか一部危ない方向に走っている方々もいらっしゃいますが、概ね似たような妄想にふけっているわけでして(笑)

まぁ大方の予想通り将を得んとすれば馬を射よのことわざ通り、シオンになついてもらおうとする乙女達であった・・・



ミスマル・ユリカの場合


アキト「大丈夫かよ、本当に〜」
ユリカ「大丈夫、ほらほら、見て見て♪」
シオン「マー♪」
胸にかぶりつきでご満悦のシオンちゃん(笑)

アキト「んじゃくれぐれも頼むぞ?」
ユリカ「任せておいて!」
と胸を叩いてシオンを預かったユリカ

だが・・・・

メグミ「敵木星蜥蜴出現です!」
ルリ「左舷距離5000です」
ミナト「艦長、どうします?」
ユリカ「取り舵30度、微速前進しつつグラビティーブラスト準備」
シオン「ブー」
ユリカ「え?」
ユリカの指示のあまりにも絶妙なタイミングでシオンがしゃべったので、まるでシオンにダメだしされたみたいに聞こえた。

ミナト「艦長、取り舵でいいの?」
ユリカ「ええ、取り舵でお願いしま・・・」
シオン「ブーブ!」
ユリカ「・・・取り舵で」
シオン「ブーブー!」
ユリカ「面舵・・・」
シオン「だぁ♪」
ユリカ「取り舵・・・」
シオン「ブーブー!」
ユリカ「面舵・・・」
シオン「だぁ♪」
メグミ「シオンちゃん、面舵が良いって言ってますね」
ルリ「そうですか?タイミングがたまたま合っただけじゃ・・・」
ミナト「どうするんですか?艦長!」
ユリカ「面舵お願いします・・・」

なんとなくシオンの発言に従ったユリカであるが、これが大当たり!!!

なんとその直後、今度はナデシコの背後に木星蜥蜴がジャンプアウトしてきたからさぁ大変!

そのまま取り舵で敵に正面から向かっていたら背後に現れた敵とで挟み撃ちにあっていたところだ。
ナデシコはその後右舷から敵の背後に回り込み、グラビティーブラストで一網打尽に出来た。

ラピス「戦術判断を赤ちゃんに教えてもらう艦長ってのもなんだかなぁ」
ユリカ「ラピスちゃんひどい〜〜」
ユリカ、自信喪失(笑)



ホシノ・ルリの場合


アキト「ルリちゃん、任せて本当に大丈夫?」
ルリ「大丈夫です。私達仲良しですから。ほら」
シオン「・・・・ぷい」
ぎこちない笑みでわざとらしく両手を広げるルリ
でもシオンはぷいとあっちを向いてしまった。

ルリ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
アキト「る、ルリちゃん?」
ルリ「だ、大丈夫です。胸ならそのうち大きくなりますから」
アキト「(そ、そういう問題なのか?)」

まぁこれ以上こじれても仕方がないのでルリに子守を任すことにした。

ルリ「シオン、ほら円周率ですよ」
ミナト「ルリルリ、今から英才教育?早すぎないかなぁ」
ルリ「大丈夫です。『私の子供』ならこのぐらいすぐ覚えますよ」

ルリは何を考えたのか、いきなり5万桁の円周率を見せ始めた。
なんでも人材育成センター時代の自分の記憶を掘り起こして試したらしい。
呆れたミナトだったが・・・

シオン「ブー」
ルリ「どうしましたか?シオン」
シオン「ブー」
ルリ「え?」
シオン「ブーブー」
ルリ「・・・・もうちょっと上ですか?」
シオン「だぁ」
ルリ「えっと・・・・ここ辺り?」
シオン「ブー」
ルリ「えっと・・・・ここ辺り?」
シオン「だぁ」
ルリ「35432桁目がどうしたっていうんですか?」
シオン「ブー」
ルリ「・・・間違ってるって?」
シオン「だぁ」
ルリ「そんなはずは・・・」
ラピス「あ、それ間違えてる」
ルリ「ウソ!?」
シオン「だぁ」
ラピス「・・・プログラムのソースリスト見せろって言ってる感じ」
ルリ「本当に?」
ラピス「たぶん」
シオン「だぁ」

言われるがまま、ルリ謹製の円周率計算ソフトのリストを見せると、シオンは一別して間違っているところを「ブー」と言って指摘した。

ラピス「あ、本当に式間違えている」
ルリ「・・・」
シオン「だぁだぁだぁ!」
ラピス「ここはこうした方が効率的だって」
ルリ「・・・・・負けました」

ルリ敗北(笑)



メグミ・レイナードの場合


アキト「メグミちゃん、任せてもいいの?」
メグミ「大丈夫ですよ♪
 これでも昔、子供番組に出ていたことがあるんですから。ほら♪」
シオン「・・・・ぷい」
とびっきりの営業スマイルを浮かべて両手を広げるメグミ
でもシオンはぷいとあっちを向いてしまった。

アキト「・・・・メグミちゃん、怒ってない?」
メグミ「大丈夫ですよ、こんなのシオンちゃんなりのお約束ですから」
アキト「本当に?青筋たってるけど・・・」
メグミ「気のせいですよ。アハハハハ・・・」

これ以上突っついてやぶ蛇になっても怖いのでメグミに子守を任すことにした。

「じゃ、眠れ〜眠れ〜母の胸に♪」
シオンを寝かしつけるために歌い出すメグミ
声優をやってるのでちょっぴり自信があったりする。

だが・・・・

シオン「ふみゃぁぁ〜〜」
メグミ「あれぇ?どうして泣き出しちゃったりするの〜〜」
シオン「ふみゃぁぁぁぁ〜〜」
メグミ「ほらほら、坊や、良い子だネンネしな〜♪」
シオン「ふみゃぁぁぁぁぁぁ〜〜」
メグミ「あなたは段々眠くなる〜〜〜」
シオン「ふみゃぁぁぁぁぁぁぁぁ〜〜」
メグミ「逆効果だったみたい〜〜」

どうも歌はダメなようだ。
仕方がないのでメグミは別の方法を採ることにした。

メグミ「シオンちゃん、ほらほらロン○ールームのお姉さんですよぉ」
シオン「ふみゃぁぁぁぁぁぁぁぁ〜〜」
メグミ「シオンちゃんほらほら、うさたんですよぉ」
シオン「ふみゃぁぁぁぁぁぁぁぁ〜〜」
メグミ「シオンちゃん、ほらほらナチュラルライチですよぉ」
シオン「ふみゃぁぁぁぁぁぁぁぁ〜〜」
メグミ「シオンちゃん、ほらほらボクド○えもん」
シオン「だぁ♪」

しばし後・・・

ヒカル「どうしたの?メグミちゃん」
リョーコ「なんだ?新しいコスプレか?」
メグミ「そうじゃないんですけど、ことのほかこの着ぐるみをシオンちゃんに気に入られて・・・」
イズミ「タヌキの扮装が似合ってるってことか・・・」
メグミ「猫です!!!」

メグミ再起不能



テラサキ・サユリの場合


アキト「サユリちゃん、手間かけてゴメンね〜」
サユリ「心配入りません。ほら♪」
シオン「マー♪」
胸にかぶりつきでご満悦のシオンちゃん(笑)

アキト「じゃお願いね」
シオン「だぁ」
サユリ「行ってらっしゃい〜(ポッ)」

少し旦那さんを送り出す新妻気分を味わうサユリであった。

だが・・・

シオン「マー」
サユリ「どうしたのシオンちゃん?」
シオン「マー」
サユリ「ちょ、ちょっとどうしたの〜〜」
シオン「マーマー」
サユリ「み、ミルクなのね?ちょ、ちょっと待ってて・・・」
シオン「マーマー」
サユリ「だから待ってって、すぐに作るから」
シオン「マーマー」
サユリ「だから・・・・私のは出ないから・・・そ、そこは・・・」
シオン「マーマー♪」






しばらくお待ち下さい




アキト「どうしたの?サユリちゃん。真っ赤な顔をして」
サユリ「ごめんなさい、アキトさん。私には耐えられませんでした・・・」
アキト「えっと・・・シオンちゃんがなにか酷いことしちゃった?」
サユリ「その反対です・・・」
アキト「え?」
サユリ「ごめんなさい、アキトさん。
 いけないことだとわかっているのにもう一度されたいって思う自分がいるんです。
 私汚れてしまったんです。
 こんな私、アキトさんに相応しくありませんよね・・・
 さようなら(泣)」
アキト「さ、サユリちゃん!?」

泣いて走り去ったサユリ
彼女の身に何が起きたかはシオンちゃんだけが知っている・・・

「だぁ♪」
サユリ陥落



ラピス・ラズリの場合


アキ「ラピスちゃん、任せてもいいの?」
ラピス「大丈夫、アキの代わりに子守する」
シオン「・・・・ぷい」
ラピス「・・・・・・・・・・・・・・・・・・ピキン!!!」
アキ「ラピスちゃん、無理しなくていいのよ?」
ラピス「売られた喧嘩は買う!」
アキ「誰も喧嘩は売ってないと思うけど・・・」

これ以上こじれても仕方がないので、ラピスに任せることにした。

ふたりっきりになるラピスとシオン・・・

ラピス「・・・・・・・シオン」
シオン「だぁ?」
ラピス「いい?私はアキの目、アキの耳、アキの手なの。
 アキの添い寝は私だけのものなの。
 それをぽっと出のあなたが易々と奪っていいものじゃないの!」
シオン「だぁ・・・」
ラピス「でもみんなあなたに夢中。
 アキの添い寝どころかナデシコのマスコット担当からも引きずり降ろされかねない始末・・・」
シオン「だぁ?」
ラピス「つまり今ここであなたを亡き者にすれば・・・」
シオン「ブーブー」
ラピス「恨むなら、私のアキに近づいた自分を恨みなさい!」

と、たかが生後半年の赤ん坊にライバル心をむき出しにするラピス。
でも冗談ではない。子供だって嫉妬はするのだ。
上の子が下の子をいじめるという事はよくある。
それも今まで一身に受けていた母親の愛情を途端に全て奪われたと錯覚するところに原因がある。

とはいえ、ラピスが取り出したのは・・・

ラピス「いでよ!我がゴ○ディオンハンマー!!!」
ウソです。ただの金色に塗装したピコピコハンマーです(笑)

ラピス「あなたに恨みはないけれど、アキの添い寝のために原子の塵に戻りなさい!!!」
いや、原子になんて分解されないけれど、ピコピコハンマーをシオン目掛けて振り下ろした!!!

シオン「だぁ♪」
だが、シオンがそう声を上げると・・・

ボワ〜ン
スカ!!

ラピス「あれ?」
ラピスちゃん、空振りです。
それもそのはず、手にあったはずのピコピコハンマーがなくなっていたからだ。
ラピス「あれ?ハンマーどこに・・・」

ボワ〜ン
ピコ!!!
ラピス「あた!!!」
ボソンジャンプして消えたピコピコハンマーはラピスのすぐ頭上にジャンプアウトし、そのままラピスの頭を殴ったのだ。

ラピス「たたた・・・シオン、あなたの仕業ね!?」
シオン「だぁ♪」
ラピス「もう許さない。最終兵器を繰り出すからね!
 食らってから後悔したって遅いんだから!」
シオン「だぁ?」
ラピス「すぅ・・・・」
そう宣言するとラピスは大きく息を吸い込んだ。

そして・・・・

ラピス「お前のかぁちゃんでべそ!!!
 もひとつおまけにでべそ!
 ぺちゃぱいで三段腹で一重瞼!」
シオン「・・・・ブー!」
子供じみた悪口であるがさすがにこれにはシオンも気を悪くしたようである。

シオン「だぁだぁだぁ!!!」
シオンはなにやら叫ぶ。

すると・・・

ボワ〜ン
ドシィィィン!!!!!

ラピス「ふぎゃぁぁぁ!」
振って落ちてきたのは巨大な熊のぬいぐるみ。
その名を「プティー・グラン・ジャ○ポール」だったりする(笑)

ラピス「こら、シオン!これをどけなさい!」
シオン「ブーブー」
ぬいぐるみの下敷きになって身動きできなくなったラピスを『しばらく反省しなさい』ってな目で眺めるシオンちゃんであった。

ラピス惨敗



エリナ・キンジョウ・ウォンの場合


アキ「エリナさん、本当にお願いしてもいいの?」
エリナ「大丈夫、ほらこの通り懐いてるし」
シオン「マー♪」
エリナ「・・・・・・・」
アキ「ほらほら、胸触られて気を悪くしてるんじゃ・・・」
エリナ「大丈夫よ、大丈夫・・・」
アキ「赤ちゃんって大変ですよ?」
エリナ「わかってるから!そのかわり貸しだからね」
アキ「・・・わかりました」

別に借りまで作って預ける必要はこれっぽっちもないんだけど、あまりくどいとエリナが逆ギレするかもしれないので仕方なく任せることにした。

エリナ「さぁ、シオンちゃん、私を母と呼ばせてみせるわよ。
 そうすれば、ボソンジャンプの秘密は私のもの・・・」
やっぱり下心があったのか(笑)

エリナは早速懐柔作戦に入ることにした。
もちろん物による買収行為である。

エリナ「ほらほらシオンちゃん、奇麗なお洋服でしょ?」
と、一流デザイナーによるブランド物のベビー服をシオンに見せびらかすエリナ

だが・・・

エリナ「・・・ってなに手をヨダレでベトベトにしてるの
 って、なに、その手を伸ばすリアクションは!
 まさかそんなベトベトの手でこのブランドベビー服を触ろうっていうんじゃ
 や、やめなさい〜!!!」
シオン「だぁ♪」
エリナ「ああああああ、ヨダレがベッタリ付いちゃった〜〜!!!!
 シミになったらどうするつもりよ!高かったのよ、これ!!!!」
悲鳴を上げるエリナ。

・・・っていうか、ベビー服ってはじめから汚れることが前提では?

しばしお待ち下さい・・・

エリナ「う〜ん、ペンペンの着ぐるみが気に入ったのか・・・」
シオン「だぁ♪」
色々着せ替えしてようやくシオンが気に入ったのがペンギンさんルックである。

エリナ「さぁ、これで私のことをお母様と呼ぶのよ!」
シオン「ブー」
エリナ「・・・手強いわね。んじゃこれはどう?
 最高級品のガラガラよ!」
ドラえもんがポケットからアイテムを取り出すがごとくどこからともなく現れたガラガラ(笑)
だが・・・

シオン「・・・・・ぷい」
エリナ「あら?気に入らない?じゃ、鈴は?」
シオン「・・・・・ぷい」
エリナ「ボールよ、ボール♪」
シオン「・・・・・ぷい」
エリナ「ブロックは?積み木よ積み木♪」
シオン「・・・・・ぷい」
エリナ「車のおもちゃよ、ブーブーよ♪」
シオン「・・・・・ぷい」
エリナ「ほらほらピ○チューよ。可愛いでしょ♪」
シオン「・・・・・ぷい」

いろいろ赤ちゃんの玩具を取り出すエリナだが、どれもシオンの気に入る物ではなかった。

エリナ「・・・いい加減、おもちゃが底をついてきたけど・・・
 リカちゃん人形はまだ早いわよね・・・」
シオン「・・・・・ぷい」
エリナ「じゃ、これで最後だけど、押すと言葉をしゃべる『トーキングマシーン』でどうだ!」
シオン「だぁ♪」
エリナ「よかった〜〜」
お気に召した物があったようだ。

さっそくそれを与えるエリナ

エリナ「いい?これを与えたからには私をお母さんと呼ぶの・・・」
トーキングマシーン『エリオット』
エリナ「え?」
トーキングマシーン『エリオット、君の頬は野薔薇のようだ』
エリナ「・・・ってなに?なんなの?」

その声はトーキングマシーンから発せられている。
操作しているのはシオンちゃんである。
普通、この手のマシーンは押されたボタンに応じて定型句をしゃべったりするものだ。
そしてシオンはこれらのボタンを適当に押したりしている。
でもそれで立派な文章になっているから不思議だ。

そしてもっと驚いているのはエリナである。

トーキングマシーン『エリオット、君の声はまるで小鳥のさえずりのようだ。
 君がしゃべる度に小鳥は歌う
 花は咲き誇り、蝶たちは踊り舞う
 エリオット、なんて可愛いんだ。
 僕は君の細い体を折れるまで抱き、唇を奪い・・・・』
エリナ「こ、こら!止めなさい〜〜#$%&?*!!!!!」
シオンがトーキングマシーンのボタンを押すのを必死になって止めようとするエリナ

それもそのはず、トーキングマシーンがしゃべっていたのはエリナが昔書いた『牧場のエリオット』というポエムなのだ(笑)
こんな耽美なものを今のナデシコクルーに聞かれたらエリナのイメージガタ落ちである(笑)

エリナ「わぁぁぁぁ、や、止めなさい!!!!」
シオン「だぁ」
エリナ「あ、あなたこれをどこで・・・
 って言葉わかってるの?」
シオン「だぁ?」
エリナ「単なる偶然・・・かしら?」
トーキングマシーン『エリオット、君の白魚のような胸に唇を這わせると・・・』
エリナ「わぁぁぁぁぁ!!!!
 お願い、止めて〜〜〜〜!」
シオン「だぁ?」
エリナ「わかったから、言うこと聞くから・・・・(泣)」
シオン「だぁ♪」

エリナ弱み握られる



スバル・リョーコの場合


アキ「リョーコちゃん、本当に大丈夫?」
リョーコ「おうよ、任せとけってんだ!」
シオン「マー♪」
リョーコ「ほら、なついてるし」
アキ「・・・わかったわ、お願いするわね・・・」
リョーコ「おう、あたいはこれでも女なんだ。心配しなくても大丈夫だよ。」
アキ「じゃ、任せたからね」

と、言っては見たものの・・・・

リョーコ「・・・・・・・・・さてどうしたらいいんだ?」
シオン「だぁ?」
早速シオンを持て余すリョーコ
全てがおおざっぱな彼女に赤ちゃんの子守をしろって言うのは難しい。
まぁ子供が好きなのは唯一の幸いだ。

リョーコ「・・・よし、決めた。高い高いだ!」
シオン「だぁ♪」
リョーコ「高い高い!」
シオン「キャッキャ♪」

試しにやってみたらシオンちゃんに大ウケだったので調子に乗るリョーコ

リョーコ「高い高い!」
シオン「キャッキャ♪」
リョーコ「高い高い高い!」
シオン「キャッキャッキャ♪」
リョーコ「高い高い高い高い!」
シオン「キャッキャッキャッキャ♪」
リョーコ「高い高い高い高い高い!」
シオン「キャッキャッキャッキャッキャ♪」
リョーコ「高い高い高い高い高い高い!」
シオン「キャッキャッキャッキャッキャッキャ♪」
リョーコ「高い高い高い高い高い高い高い!」
シオン「キャッキャッキャッキャッキャッキャッキャ♪」
リョーコ「高い高い高い高い高い高い高い高い!」
シオン「キャッキャッキャッキャッキャッキャッキャッキャ♪」
リョーコ「高い高い高い高い高い高い高い高い高い!」
シオン「キャッ・・・・ベシィ!!!」
リョーコ「ベシ?」

ちょっと力を入れすぎたみたい。
ナデシコの天井の高さを考慮に入れていなかったらしく・・・
恐る恐る上を見るリョーコ

しばし後・・・・

リョーコ「ゴメンゴメンゴメンゴメンゴメンゴメン」
シオン「びぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!」
リョーコ「ゴメン、わざとじゃないんだってば〜〜」
シオン「びぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!」
リョーコ「謝るから泣きやんでくれよぉ」
シオン「びぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!」

烈火のごとく泣き出したシオンを必死になだめようとするリョーコ

注意:いくらお子さんが喜んだとしても高い高いは注意してやりましょう
 普通の赤ちゃんはまず間違いなく怪我をします
 っていうか危険なのでマネをしないで下さい(苦笑)



で、結局どうなったかというと


ユリカ「私の子供です」
ルリ「私です」
メグミ「私ですって」
サユリ「たぶん私の子供だと・・・」
ラピス「私の子」
エリナ「絶対私が母親よ!」
リョーコ「いいや俺の子だ!」
ユリカ「だってだって見事な艦隊指揮は私譲りだよ!」
ルリ「この年で円周率を言えるのは私の子供の証拠です」
メグミ「この子は芸能人としての資質があります!」
サユリ「私の・・・じるところ知ってるし(ポッ)」
ラピス「私の永遠のライバル!」←意味不明
エリナ「エリ・・・・だから私の子なんだってば!(真っ赤)」
リョーコ「丈夫なのは俺譲りだ!」

とかなんとか言って互いにシオンの未来の母親を譲らなかったりする。

だが・・・・

シオン「マー・・・・・」
一同「え?」
シオン「マ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!(泣)」
ユリカ「え?え?え?」
ルリ「どうしたんですか、シオン」
シオン「マ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!(泣)」
メグミ「ミルク?」
エリナ「それともおしめ?」
サユリ「どれとも違うみたいです」
シオン「マ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!(泣)」
リョーコ「ほら高い高いだ!」
シオン「びぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!」
ラピス「リョーコ、逆効果」
リョーコ「済まない、済まない〜〜(汗)」
シオン「マ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!(泣)」
一同「どうしよう、泣きやまない〜〜」

一度むずがったらもう止まらない。
乙女達が泣き叫ぶシオンをなんとかあやそうとするが上手く行かない。

と、そこへ・・・

アキ「シオンちゃん、いい子にしてた?」
アキト「皆さん、子守済みませんでした〜」
部屋に入ってきたのはアキとアキトであった。

シオン「マー♪」
アキ「シオンちゃん〜♪」
アキト「どうしたんだ?泣いてたのか?」
シオン「ブー」
アキ「はいはい、もう、鼻水でグチャグチャにしちゃって・・・えい♪」
シオン「だぁ〜〜♪」
さっき泣いていたカラスがなんとやら、アキト達が迎えに来たらあっさりとご機嫌を取り戻したシオンであった。

アキト「お姉ちゃん達にいっぱい遊んでもらったかい?」
シオン「だぁ♪」
アキ「みんなありがとうね。おかげで今日は一日ゆっくり出来ました。
 さぁシオンちゃんもお姉ちゃん達にお礼を言って」
シオン「だぁ♪」
アキト「それじゃ」

そう言って和気藹々と部屋を去っていく三人

後に残された乙女達はしばらく放心状態でいたことは言うまでもなかった(笑)



ポストスプリクト


ということで人気投票用応援イベント用の黒プリ外伝その4をお届けしました。

えっと子守に役立ちそうな、そうでないような、そんな内容でしたがいかがでしょうか?
乙女達には少し酷いことをしたかなぁって気がしますが、赤ちゃんに振り回されるってのはその通りなのでまぁいいかなぁとか思いますがどうでしょうか?(笑)

まぁシオンちゃんが色々やってますが全て偶然の産物です(笑)
赤ちゃんの行動は時折何か意味があるように見えてなにもない・・・って事にしておいて下さい。
特に深い設定などありませんから、気楽に楽しんでいただけるとありがたいです。

ってことでおもしろかったなら感想をいただけると幸いです。

では!

Special Thanks!!
・静馬 様
・ray 様
・あめつち 様