アバン


えっと、皆さんの記憶から消えていらっしゃるかもしれませんが
「俺の歌を聴けぇぇぇ!!!」
・・・もとい
「レッツゲキガイン!!!」
なんて叫んでた暑苦しい人がいたことを覚えていらっしゃいますか?

あの人、哀れ火星の藻屑となってしまったのですが、実はこっそり生きてらっしゃったとしたら・・・皆さんどうします?

おっと、彼が生きているのはここだけの内緒です。
たとえ薄々生きてるんだろうなぁ〜〜とか思っていてもです。
それがお約束って奴ですから(笑)

ああ、これってSecond Revengeのラストとほんのちょっぴり関係があったりしますのでそのつもりで〜



???


その男はなぜか上半身裸でベットに寝かされていた。
その頭上にはまるで手術で使うようなライトが煌々と焚かれている。
男は朦朧とした意識の中、周りでかわされている会話を聞いていた。

Blue fairy「誰ですか?こんな人を助けようなんて言い出したのは!」
Snow white「だって〜〜」
Secretary「しょうがないでしょ。コイツがわざわざクロッカスに突っ込むもんだから、フクベ提督が死にそうになっちゃったんだもん。助けなきゃ歴史が変わっちゃうわ」
Actress「でも、私達歴史を変えるために来たんじゃないんですか?」
Pink fairy「歴史は常に多くの流動的な因果によって形成されている。従って不必要な歴史の修正は必ずどこかに歪みを生み出し、それはある日突然思わぬ副作用を生む・・・」
Actress「難しすぎてよくわかんないけど・・・それって本当?」
Pink fairy「ってイネスが言ってた」
Secretary「・・・まぁあの説明おばさんの意見が正しいかどうかは別にして、
 なんでコイツまで助けたの?」
Snow white「なんでって言われても・・・」
Pink fairy「実験台にちょうど良いからお願いした」
Secretary「実験台ってなんの?(汗)」
Actress「そういえばPink fairyちゃんって最近仮面○イダーに凝っているわよねぇ」
Pink fairy「うふ♪」
一同「・・・・」
Blue fairy「っていうのは冗談で、単に助けようとしたフクベ提督をこの人の空戦フレームがしっかり抱いていたので一緒に救出せざるを得なかっただけなんですけど・・・」
Snow white「でも起きないね」
Secretary「単なる打撲なんでしょ?この人」
Actress「そうなんですけど・・・なぜか目覚めないんですよね」
Pink fairy「こういう時のお約束・・・」
Snow white「なに?そのラ○ダーベルトみたいなの取り出して?」
Pink fairy「装着の後、こう告げるの。
 『目覚めよ、我が○ョッカーの怪人!!!』」

そう告げると手術台に眠っていた男はいきなりガバッと起き出した!

「こ、ここはどこだ!俺は一体・・・」

そして男は自分の体を見回した。
上半身裸、そして腰にはラ○ダーベルト。
そこで彼が導き出した結論は・・・・

謎の男「そうか!俺は改造されて仮面○イダーに生まれ変わったのか!!!」
Blue fairy「いや、単に打ち身捻挫で寝てただけだって」
Actress「聞いてないんじゃないですか?」
Secretary「なんでこんな・・・」
Pink fairy「自己中で思いこみの激しいタイプは、彼の好きなシチュエーションを与えてその設定でコントロールするのが扱いやすいってイネスが言ってた」
Snow white「確かに・・・」

そんな周りの呟きを聞いているはずもなく・・・

タタタタタ ←走り去る音
ガションガション ← はしごをよじ登る音
スック! ←その上で立ち上がる音
ブンブン ← 変身のポーズを取った音

「よし、行くぞ。○イダー変身
 とう!!!」
シュタ! ← 高いところから飛び降りた音

ヒュー ← 落下した音

ドスン!!! ← 地面に激突した音

謎の男「なぜだ〜〜なぜ変身できん〜〜」
Actress「やっぱり変わってないね」
Blue fairy「ま、それでこそヤマダ・ジロウさんですけど」
謎の男「俺の名前はダイゴウジ・ガイだぁぁぁ!!!」
Pink fairy「ヤマダ、また骨折」
Secretary「無様ね」
Snow white「ヤマダさん、ようこそユーチャリスへ」

謎の男ことダイゴウジ・ガイは右足を普段曲がらないような方向に曲げながら、奥さん'sの嘲笑を受けていた。



ナデシコ プリンセス オブ ダークネス
外伝 第7.5話 いつかお前が「歌うゲキガンガー」



ユーチャリス・談話室


さてさて、ここはアマガワ・アキ(本名テンカワ・アキト)とその妻達の愛の巣、戦艦ユーチャリス。
ところはナデシコが火星を去った直後。
まぁなんで未来人の彼女達がこんな所にいたのだ?とか
クロッカスに無意味な特攻をかけて死ぬはずだったガイを救ったのだ?とか
聞きたいことは色々あると思うけど、
事の成り行き・・・って一言で語り尽くせない何かがあるわけですよ。

でも、とうの当事者達にはどうでも良いことに近いのです。
なぜなら・・・

「貴様ら何者だ!」
「Snow whiteちゃんで〜す」
「Blue fairy18歳よろしく」
「Actressお姉さんだよ♪」
「私はSecretaryよ」
「Pink fairy」
とりあえずガイに自己紹介する奥さん's
だが・・・

ガイ「なんだ、貴様ら、その怪しい風体は!」
Snow white「怪しいって・・・由緒正しい闇の王子様ルックよ♪」
Pink fairy「アキトと一緒♪」
Secretary「ちょっち恥ずかしいけど・・・」
そりゃ、いきなりマントとバイザーをかけた5人組が現れたら誰だって怪しむだろう。

ガイ「そうか、お前達はゴ○ンジャーだな!?」
Blue fairy「誰がゴ○ンジャーですか!」
ガイ「だが、赤いの!」
Snow white「わ〜い、赤○ンジャー♪」
ガイ「青いの!」
Blue fairy「ムカ!・・・でも青はクールですから(ニコ)」
ガイ「黄色いの!」
Actress「えぇ〜、私は力持ちだったり、カレーを食べたりしませんよ〜」
ガイ「桃色の!」
Pink fairy「紅一点、ウフ♪」
ガイ「緑の!」
Secretary「ちょっと待て!普通リーダーが燃える赤でしょう!」
ガイ「見ろ、五人揃ってゴ○ンジャーじゃないか」
奥さん's「違うと言っておろうがぁぁぁぁ!!!!」

ゲシゲシゲシゲシゲシ!!!!

とまぁ、まずは互いの相互理解に苦慮していたりするわけである(笑)



しばし後ユーチャリス・談話室


まぁ、その後セー○ームーンだとか、いろんな誤解が続いたわけだけど
(宿題:セー○ームーンだった時の5人の対応を考えてみましょう。
 当たったら筆者に誉められます(笑))
なんとかその行為が不毛だと気づいた5人と1匹(?)
仕方がないので奥さん'sの方が事情をばらすことに

「あんまり、この時代の人に姿をさらしたくなかったのですが、話が進まないので・・・」
ばーっとマントとバイザーをはぎ取る5人。
それを見たガイの反応はというと・・・

ガイ「貴様達、インベーダーだな!?」
Snow white「はい?」
Blue fairy「何を言ってるのですか?この人は」
ガイ「貴様達、艦長やルリっぺに化けて地球に潜伏してるんだろ!」
Actress「ああ、ゲー○キーパーですね」
Secretary「ああ、そういうこと」
Pink fairy「キャラデザが同じというつながりね」
Blue fairy「・・・この人いっぺん吊していいですか?(怒)」←ルリっぺって言われたことにご立腹中
Snow white「まぁまぁ(汗)」

Blue fairyをなだめるのに数分間経過・・・

ガイ「未来から来た?」
Snow white「平たく言うとそうです♪」
ガイ「そうか?艦長なんて変わってないぞ?」
Snow white「嬉しい♪」
Blue fairy「まぁ遺跡に取り込まれて2年の間年を取ってないですからね」
Secretary「っていうか、精神年齢が子供のままだからじゃないの?」
Actress「言えてますね」
Snow white「うわぁ、酷い!」

ガイ「ルリっぺ・・・・」
Blue fairy「ルリっぺは止めなさい!(怒)」
ガイ「気を落とすな。多分そうだろうなぁとは思っていたけど、人生捨てたもんじゃないぞ」
Blue fairy「な、なんのことですか?」
ガイ「お前より小さい奴はいっぱいいるから」
Blue fairy「って人の胸を見ながら何を言ってるんですか!!!」
Actress「さりげなく私の方も見たでしょ!!!」
Pink fairy「セクハラ!」

ガイがボコボコにされている間、数分お待ち下さい(笑)



なぜなにナデシコ・ボソンジャンプ編


Secretary「3!」
Actress「2!」
Pink fairy「1!」
一同「どかーん♪
 なぜなにナデシコ」
Snow white「おーい、集まれ♪」
Blue fairy「集まれ・・・」
Snow white「ナデシコの秘密の時間だよ♪」
Blue fairy「だよ・・・」

ガイ「ちょっと待て、ここはユーチャリスというんじゃ・・・」
フクベ「まぁ、そっとしておこう」

ガイの不用意な一言で睨まれているのをそっと教えるフクベ

結局救出されたけど彼女達が未来人だということを納得しない様だったので、諦めた奥さん'sは仕方なくボソンジャンプの説明からすることにした。
なぜかルックスはお約束の通り、ウサギとお姉さんだったりする(笑)

Blue fairy「さて、これから皆さんにはボソンジャンプがどうやって行われているか教えちゃいましょう」
Snow white「ボソンジャンプってなんですか?」
Blue fairy「チューリップから木星蜥蜴が現れますよね?
 その際、チューリップの付近ではボース粒子・・・つまりボソンが検出されます。
 つまりボソンを介在して物質が転移してくることをボソンジャンプと総称します。」
Snow white「つまりワープみたいなものなんですね?」
Blue fairy「厳密には違います。たとえばクロッカスは地球から火星に跳ばされたけど、とばされてから1ヶ月しか経っていないはずが、クロッカス自身は6ヶ月以上火星の大地に埋まっていたみたいよね?」
Snow white「確かに・・・」
Blue fairy「ここでボソンジャンプは単なる空間移動だけではなく、時間移動も兼ね備えていると思われます」
Snow white「なるほど、なるほど」
Blue fairy「でもそうなると相対性理論も光速度不変の法則にも反しちゃう。そうするとこのままでの物理法則が成り立たなくなっちゃう。」
Snow white「ゲキガンガーじゃないものね」
Blue fairy「さてさて、この不可能と思われる現象を理論的に解説していきたいと思います。超対称性とかちょっと難しいお話がありますけど、しっかりついてきて下さいね」
Snow white「は〜〜い♪」

ガイ「ふむふむ」
フクベ「むぅ」

Blue fairy「かのジョン・ウイーラーとリチャード・ファインマンによれば一つの電磁波が発生するとき先進波と遅延波と呼ばれる二つの波が発生します。
 遅延波は時間に順行する波動ね。
 そして先進波は時間に逆行する波動ね。
 通常、先進波は遅延波にかき消されちゃうの。」
Snow white「だから過去に戻る電波がないんですね」
Blue fairy「でも、もし遅延波に干渉されない未知の物体があったら、どうかしら?」
Snow white「過去に行っちゃいますね」
Blue fairy「これを仮にレトロスペクトと呼ぶけど、我々の物質をこの未知の物質に変換できる方法があるとしたら、どう?」
Snow white「どうって・・・過去にいけますね」
Blue fairy「そう、物質を一旦過去に送った後、それを現在に送り返す。
 移動にかかる時間だけ過去に戻せば時間はプラスマイナスゼロになる
 たまに過去に行っちゃうってのは過去に戻しすぎた・・・って考えるとわかりやすいかな?」
Snow white「なるほど♪」
Blue fairy「さてさて、では本当に我々の物質をこのレトロスペクトという物質に変換できるか?っていうのが最大の争点になります。ここで出てくるのが超対称性という理論です」
Snow white「超対称性?」
Blue fairy「そう、通常我々の体を構成している陽子、電子、中性子などフェルミオンと呼ばれる素粒子で構成されます。スピン値が奇数個存在する素粒子ね。
 反対に光子、重力子、π中間子といったスピン値が偶数個存在する素粒子をボース粒子と呼ぶの」
Snow white「難しいです〜〜」
Blue fairy「もう少し頑張ってね。
 で、超対称性理論は互いにペアとなるフェルミオンとボース粒子が存在するっていう理論なの。
 たとえば光子フォトンはボース粒子だけど、ペアとなるフェルミオンとして光微子フォティーノが存在する、って具合にね」
Snow white「でもなんでペアになる粒子が存在するってことになったんですか?」
Blue fairy「今まで電磁波や重力など、どうにか体系づけようといろいろ統一理論がいろいろ模索されていたんだけど、超対称性理論を導入することにより矛盾なく説明できるようになるんですね」
Snow white「あの、熱弁中に申し訳ないんですけど・・・」
Blue fairy「なんですか?」
Snow white「あれ・・・」

Snow whiteが指さした先には・・・

ガイ「グ〜〜グ〜〜グ〜〜」
フクベ「ZZZzzz・・・」

Secretary「寝てるわねぇ」
Pink fairy「馬の耳に念仏」
Actress「私も眠いです〜」
Snow white「実は私も・・・」
Blue fairy「誰の為にこんな恥ずかしい格好をして説明していると・・・」

・・・しばし後、

ガイ「小難しいことはわからないが、要するにタイムワープって奴だな?」
Blue fairy「その一言で済ますぐらいなら、最初っから納得して欲しかったです。
 私の小一時間かけて説明した努力はいったいなんだったんですか?(泣)」
脱力して床に手をつくBlue fairyであった(笑)



ユーチャリス・ゲストルーム


まぁなんとか状況を理解した二人
で、用事もあったのでしばらくゲストルームに押し込んでおいたのであるが・・・

Blue fairy「あれ?ヤマダさんとフクベ提督は?」
Snow white「ゲストルームでおとなしくしてるんじゃないですか?」
Blue fairy「あの人達がですか?」

あの騒がしいガイがゲストルームなんかでおとなしくしているのが信じられないけれど・・・

Blue fairyとSnow whiteは二人が何をしているのかこっそり様子を見に行くことにした。
すると・・・

夢が明日を呼んでいる〜♪

Blue fairy「・・・なんか変な音しません?」
Snow white「・・・するねぇ(汗)」
ドアの前でこっそり部屋の中の様子を探る二人だが、彼女達の耳にはなにやら聞き覚えのあるイヤ〜な音楽が聞こえてきていた。

プシュー

Blue fairy「何をやってるんですか!」
バッとドアを開けて部屋の中に突入するBlue fairyが見たものは・・・

『ゲキガンフレアーだ!』
『じゃが、ジョー、お前の体は・・・』
『ケン!コイツらを東京にやるわけにはいかん!俺にかまわずやるんだ!』
『く!わかった。ゲキガンフレアー!』
『ぎゃぁぁぁぁぁ!!!』
『やったぞ、ジョー♪
 ・・・ジョー?』
『済まない、ナナコさん。
 海には行けそうにない・・・』
『ジョー!!!!』

フクベ「ワシの、ワシのジョーが死んでしまった〜〜(泣)」
ガイ「わかるか?爺さんにもわかるんだな!
 これが友情、これが熱血なんだ!!!」
フクベ「ジョーーーーー!」
ガイ「レッツゲキガイン!!!」

男達は世代を越えて分かり合い、共に肩を抱き合って男泣きしていた(笑)

Blue fairy「・・・ヤマダさん一人でも暑苦しいのに、暑苦しい人間がまた増えてしまいました・・・」
Snow white「まぁいいんじゃない?」
Blue fairy「良くないですよ!」
Snow white「でもアキトも昔はあんなだったよ?」
Blue fairy「うっ・・・」
Snow white「そっか、Blue fairyちゃんはゲキガンガー好きなアキトは嫌いなのかぁ〜〜
 Blue fairyちゃんも結局はアキトの外見だけを好きだったのね」
Blue fairy「・・・・負けました(泣)」

好きな人のことを盾に取られては反論できないBlue fairyであった(笑)



ユーチャリス・廊下


さてさて、騒がしい人間が二人になったある日のこと、
Pink fairyはきょろきょろ当たりを探していた。ちょうどそこに通りかかったBlue fairyちゃん

Pink fairy「ねえねえ」
Blue fairy「なんですか?Pink fairy」
Pink fairy「お裁縫できる?」
Blue fairy「出来ないけど・・・それがなにか?」
Pink fairy「ならいい」
そういうとPink fairyはテテテとBlue fairyの元を走り去ってしまった。

Blue fairy「???」
Snow white「ねぇ、Blue fairyちゃんも聞かれたの?」
Blue fairy「Snow whiteさんも聞かれたんですか?」
Snow white「・・・気になる?」
Blue fairy「ええ、後をつけましょう」

Pink fairyの後をつけはじめた二人。
しばらくするとPink fairyはActressを捕まえた。

Pink fairy「お裁縫できる?」
Actress「出来るわよ♪」
Pink fairy「ガビーン!!!」
Actress「なによぉ、聞いておいてあからさまに驚くその態度は・・・」
Pink fairy「すごく意外」
Actress「こう見えても昔ヒカルちゃん程じゃないけど、ちょっとコスプレにハマってた事があるんだ♪」
Pink fairy「ナースプレイ?」
Actress「そう、彼ったらすごく喜んじゃって・・・ってなに言わせるの!」
Pink fairy「いや、勝手に言ってた・・・」
Actress「で、お裁縫がどうしたの?」
Pink fairy「こんなの作れる?」
Actress「ゲ!・・・つ、作れなくはないけど・・・」
Pink fairy「じゃ、作って」
Actress「・・・どうしても?」
Pink fairy「どうしても!」

そういって二人は通路の奥に消えていくのであった。

Blue fairy「すっごくイヤな予感がするのは私だけですか?」
Snow white「いや、私もそんな気がしてきた・・・」

数日後・・・

ガイ「レッツ!!!」
フクベ「ゲキガイン!!!」
Pink fairy「似合う似合う♪」
Actress「そりゃ、私の渾身の作だもの♪」

その様子を柱の影で見ていたBlue fairyたちはアゴを外していた。

そりゃそうだろう。
ガイとフクベがゲキガンガーのパイロットスーツのコスプレをしてりゃ(笑)

ガイ「おう、博士。サイズも着心地もバッチリだぜ!
 サンキュー♪」
Actress「博士?」
Pink fairy「わたしわたし♪」
Actress「・・・そう呼ばせてるの?」
Pink fairy「うん♪」

やたらゲキガンなポーズを取りまくるガイとフクベを見ながらほくそ笑むラピス。

Actress「それはいいとして・・・海燕ジョーの衣装まで作っちゃったけど、誰が着るの?」
ガイ「おう、心当たりがあるぞ!」
Actress「え?」
Pink fairy「ヒント
 髪の毛が長い
 熱血な人
 今まで作中に出た人
 途中で消える予定の人
 さて、誰でしょう?」
Actress「う〜ん・・・・誰だろう?」

『もしかして・・・』
その会話を柱の影で聞いていたBlue fairyとSnow whiteはとても心当たりがあった。
そしてその三人で
「レッツゲキガイン!!!」
ってやっている姿を想像すると、北辰のプロポーズやゴートの子守以上の飛び道具のような気がしてさすがにヤバイ気がしてきた(笑)



ユーチャリス・通路


その日、朝起きてブリッジに向かう途中、二人はとんでもないものを目の当たりにした。
Blue fairy「なんですか?これは!!!」
Snow white「二の字が転々としてるねぇ・・・」

そう、廊下には二の字をしたへこみが端から端まで続いていた。
金属製の床なのにどう考えたってこんな形のへこみなどつきはしない。

Blue fairy「一体何が・・・」
Snow white「ねぇ、変な音しない?」
そんな彼女達に聞こえてくるのは・・・

ピッピー♪
ガション!ガション!
ピッピー♪
ガション!ガション!
ピッピー♪
ガション!ガション!

ホイッスルのリズムに合わせて後ろから金属が打ち響くような音がしてくる。

慌てて後ろを振り向くと・・・

Pink fairy「ピッピー♪」
ガイ「は、博士、限界だ〜〜」
フクベ「ろ、老体にはきついぞい」
Pink fairy「無駄口叩かない、あなた達の熱血はその程度?」
ガイ「ば、バカヤロ!熱血は無限なんだぁぁぁぁ!!!」
フクベ「そうじゃぁぁぁ!!!」
その檄に奮い立ったのか、男達は再びやる気を取り戻した。

ちゃりんちゃり〜ん♪
ラピスが自転車のベルを鳴らしながら通路を通ることを促すと二人は慌ててよけた。
その横を自転車に乗ったラピスと、『鉄下駄』を履いたガイとフクベがランニング姿で駆けていった。
そしてただそれを呆然と眺める二人

Blue fairy「誰か解説プリーズ・・・」
Snow white「私にだって何がなにやら・・・」
Secretary「失敗したわ・・・」
Snow white「うわぁっと、Secretaryさん、いつの間に!?」
Blue fairy「Secretaryさんのせいだったんですか?この騒ぎの原因は」
Secretary「私のせいじゃないけど、きっかけを作ったのは私ね」
Blue fairy「やっぱりSecretaryさんのせいじゃ・・・」
Secretary「何を言うの!そりゃ私は確かに『あの無駄に元気な彼らをどうにかして!』って言ったわよ?
 でも、それがなんで鉄下駄で『○ースをねらえ』ゴッコをし出すと思うのよ」
Blue fairy「コーチとひ○みってやつですか・・・」
Snow white「いや私は『○ップをねらえ』って気がするけど・・・」
Blue fairy「どっちにしてもなんでまた・・・」
Secretary「まぁ無駄に有り余ってる体力を使わせたら少しはおとなしくなるだろう・・・って発想なんだと思うんだけど・・・
 誰の入れ知恵なんだか・・・」
Blue fairy「どうせハーリー君の影響でも受けたんじゃないの?」
Snow white「それはいいけど、あの二人、なんで素直に地獄の特訓を受けてるの?」
Blue fairy&Secretary「さぁ・・・」

と三人が首を傾げている頃、艦内をランニングしているラピス達はというと・・・

ガイ「でも博士!鉄下駄でランニングとゲキガンガーを操縦するのになんの関係が・・・」
Pink fairy「反抗するとゲキガンガーに乗せてあげないよ?」
フクベ「反抗ではない。論理的説明を求めているだけじゃ・・・」
Pink fairy「ふっ!古来より巨大ロボットは根性と気合いとガッツで操縦するものだと決まっているの。」
ガイ「いや、根性も気合いもガッツもほとんど同じ意味・・・」
Pink fairy「つまりあなた達には根性が足りないの!
 その根性を鍛えるには鉄下駄ランニングが一番なの!
 この聖典『○ップをねらえ』でそう謳われているのを知らないの!」
ガイ「済みません!勉強不足でした、博士!!!」
フクベ「わしは今猛烈に感動してるぞ!!!」
Pink fairy「さぁみんな、あの夕日に向かって走るのよ!」
ガイ&フクベ「はい!!!」

『どこに夕日があるんだ?』という素朴な疑問を置き去りにして二人は元気いっぱいに走り出した。
Pink fairyちゃんはかすかにほくそ笑むのであるが、それは暑苦しい人達の習性を利用してしてやったりと思ったからなのか、それとも何か遠大な野望が計画的に進んでいることを喜んでいるからなのか定かではなかった(汗)



ユーチャリス・格納庫


その日、一同はあんぐりと口を開けながらその光景を眺めていた。
Pink fairyは自慢げに胸を反らし、ガイとフクベは目をキラキラさせながら喜んでいた。
Pink fairy「ついにゲキガンガー1/1リミテッドモデルが完成した」
ガイ&フクベ「うぉぉぉぉぉ!!!」

そう、格納庫には実物大のゲキガンガーがずもも〜んと鎮座していたのだ。
いや、木連のマジンではない。あんなメカメカしいものではない。
『巨大ロボットにはリアルなメカ描写よりも少々のパースの狂いなんかものともしないダイナミズムだろう!!!』と叫びだしそうなアニメそのままのライン構成である(笑)

Blue fairy「い、いつの間に・・・」
Pink fairy「秋山に手を回して木連からマジンを一台チョロまかしてきた。」
Secretary「こらこら(苦笑)」
ガイ「動くのか?」
Pink fairy「もちろん♪」

Actress「でも、関節とか曲がるんですか?どう考えても曲がりそうにないんですけど・・・」
Snow white「確かに関節らしき○がないよねぇ。腕なんてただ円い筒が二つ繋がっただけのような感じだし・・・」
Pink fairy「甘い。関節部分の表面はナノマシーンコーティングして隠してるの。巨大ロボに○なんて関節があったらダメでしょう」
一同「・・・・」

気を取り直してガイが聞く

ガイ「ゲキガンソードはあるのか?」
Pink fairy「あるわよ」
ガイ「熱血切り出来るのか?」
Pink fairy「出来るわ」
ガイ「おお〜♪」
Blue fairy「マジで出来るんですか?」
Pink fairy「出来るというか、ただのフィールドランサーだし」
Blue fairy「・・・考えることはアキトさんと一緒って事ですね」
一同「そうね・・・」

気を取り直してガイが再び尋ねる。

ガイ「ゲキガンビームは使えるのか?」
Pink fairy「使えるよ。実際はグラビティーブラストだけど」
Secretary「まぁ元がマジンだからグラビティーブラストと相転移エンジンぐらいついていて当たり前か・・・」
フクベ「ゲキガンパンチは?」
Pink fairy「使える。腕にはバッタの制御回路を組み込んでおいた。オートで急所に命中した後、勝手に戻ってくる」
Actress「何もそこまで・・・」
一同「確かに・・・」

最後にガイが期待を込めて聞く。

ガイ「んじゃ、んじゃ、3機のガンガーマシーンに分離、合体もできるんだな?」
Pink fairy「さすがにそれは出来ない」
ガイ「え〜〜」
フクベ「つまらんのぉ」
一同「ホッ♪」
ガイ「博士の科学力もっその程度だったのかぁ・・・」
Pink fairy「何を言ってるの!
 私にかかれば変形なんて造作もない。
 それこそ河森メカぐらいに造作もないこと。
 でもこのゲキガンガーはプロポーション重視!
 変形機能を持たせてプロポーションが台無しになったガンプラがどれだけあったと思っているの!」
ガイ&フクベ「ガーーーーン!!!」
Blue fairy「いや、最近のMGはだいぶマシだけど・・・」
ガイ&フクベ「済みません!我々が間違ってましたぁぁぁ!!!」

Blue fairyのツッコミにも動じず、二人は感涙の涙を流していた。

Pink fairy「代わりといえばなんだけど、コックピットはアサルトピットにしているから『パイルダーオン!』は出来るよ」
ガイ&フクベ「おおぉぉぉぉ!!!」
一同「何もそこまで・・・・」
至れり尽くせり、大人の趣味にしてもやりすぎの代物であろう。
このゲキガンガー1/1リミテッドモデルは(苦笑)

ガイ「よっし!んじゃ今から木星に向かって蜥蜴どもを成敗してくれよう♪」
一同「え?」
ガイ「ゲキガンガーの力さえあれば鬼に金棒!」
フクベ「そうじゃ、そうじゃ」
Blue fairy「ちょっとそれはまだ無理じゃないかと・・・」
ガイ「何をいう!博士の作ったゲキガンガーにケチを付ける気なのか?」
Blue fairy「そういう問題じゃないと・・・
 Pink fairyからもなんとか言いなさい」
Pink fairy「そう、無理よ」
ガイ「博士、そんな〜〜」
Pink fairy「今のあなた達には欠けているものがある!」
ガイ「熱血ならあるぞ!」
フクベ「努力もしたぞ!」
Pink fairy「でも友情がない!」
ガイ&フクベ「しまった!!!」
Pink fairy「三人揃ったゲキガンガーは無敵。
 でもあなた達はまだ二人。
 三人が揃うそのときまで待つのです」
ガイ&フクベ「わかりました、博士!!!」

Blue fairy「これって大団円ってことですか?」
Secretary「っていうか、私はこれ以上付き合いたくない」
Actress「確かに」
Snow white「私はちょっぴり羨ましいかな?」
一同「Snow whiteさん!!!」
Snow white「冗談です〜〜!」

なんかよくわからない所ですがお後がよろしいようで(笑)



おまけ


Blue fairy「いいですか、ちゃんと月の裏側で漂流しているアキさんを助けて下さいね」
ガイ「おう、任しといてくれ!ナナコさん♪」
Blue fairy「誰がナナコさんですかぁぁぁぁぁ!!!」

その1時間後、ナデシコがゲキガンガーらしき機動兵器を見たという報告があったが、なぜか記録はおろか乗員達の記憶からも消えていたので詳細は明らかにはされていない・・・。



ポストスプリクト


このお話はギャグです。真に受けないでください(爆)

ってことで今更の感もしますが、黒プリ外伝をお送りしました。
一応話し的には7話と8話の間に火星で何があったのか?ってなお話です(笑)
8話のラストに出てきた謎のパイロットの正体は彼だったんですねぇ。
(え?バレバレだったって?(笑))

一応、Pink fairyちゃんは壊れていません。それだけは言っておきます。
・・・・・ファンの方々ごめんなさい。
ついでに3人目のゲキガンパイロットのファンの方々にもあらかじめ謝っておきます。
ごめんなさい(苦笑)

ってことで改めて黒プリ本編でお会いしましょう!

では!

Special Thanks!!
・yuu 様