アバン


というわけで、今回は読者さんからの感想を元に外伝を考えてみました。
原案k-sikiさん、脚色・・・もとい演出EXZSでお送りします。

もしも劇ナデがこんなだったら・・・

というわけでお楽しみ下さい

なお、このお話は黒プリ第二十八話を未読の方には激しくネタバレしますのであらかじめご了承下さい。



ナデシコ プリンセス オブ ダークネス
勝手に外伝 例えば黒百合が九十九だったら



赤城山中・墓地


時の頃は2201年、火星の後継者が決起を起こした数日後、白鳥ユキナと遥ミナトは墓参りに来ていた。
今日は彼女達にとってもっとも大切な人の墓参りである。
二人は無言のまま彼のお墓の前に辿り着く。

するととそこには・・・

ユキナ「お…にいちゃん?」
ミナト「…今日は三回忌でしたよね…」
唖然とするミナトとユキナ。

そこには墓の前にたたずむ黒マント姿の白鳥九十九の姿があった。

九十九は彼女達を一別すると、無言で墓の前を彼女達に譲る。
それを見て無言で墓の前に行き手を合わせるユキナとミナト。

ミナト「早く気付くべきでした。」
ユキナ「えっ?」

黙祷を済ませるとミナトは顔を上げて呟いた。

ミナト「あの火星での最終決戦の時に現れたゲキガンライダー・・・。
 何者かによって持ち去られた白鳥さんの遺体・・・
 私は九十九さんに何があったか知りません。」
九十九「知らない方が良い」

真相を知っているはずなのにはぐらかせるように

ミナト「私も知りたくありません。
 でも・・・
 どうして、どうして教えてくれなかったんですか?
 生きてるって・・・」

長い沈黙。
遠くでセミの鳴く音だけが聞こえる。
一瞬だったのであろうが、数分にも感じられる沈黙の後ようやく九十九が口を開いた。

九十九「教える必要が無かったから・・・」
ミナト「そうですか・・・」

その九十九の台詞に一言だけ応えるミナト。

ぱち〜ん!!

しかしもう一人は思いっきり激怒したようで九十九の頬を平手打ちした。
誰あろう、彼の妹、白鳥ユキナその人である。

ユキナ「お兄ちゃん!何てこと言うのよ!
 それでよくあの時ミナトさんにプロポーズできたわね!!
 謝りなさいお兄ちゃん!謝って!!
 ミナトさんは今でもお兄ちゃんの事を・・・」

其処まで言ってユキナの言葉は止まる。九十九が銃を突きつけたからだ。

ユキナ「お兄ちゃん!?」(汗)

だがその銃口はすぐに別の方向へ向けられる。

その方向には北辰の姿があった。
ただし、なぜかその姿は普段の三度笠スタイルではなく黒い背広にサングラス姿であった。

北辰「お久しぶりだ、アンダーソン君」
ユキナ「アンダーソンって誰よ」
九十九「エージェント・スミス・・・」
ユキナ「え?スミスってなに!?」
ミナト「マトリックスですか・・・」

なんか、現在公開中の超有名映画の真似事をしている面々(笑)

北辰「終わりだ、アンダーソン君」
九十九「トリニティー頼む!」
イツキ「避けてみて!」

バーン!

北辰のこめかみに銃を突きつけて引き金を引くイツキことゲキガンライダー3号
変身が解けて倒れるムネタケ息子(笑)

しかし、周りの茂みから何人もの北辰が現れる!

北辰「私も北辰だ」
北辰「私も北辰だ」
北辰「私も北辰だ」
北辰「私も北辰だ」
北辰「私も北辰だ」
北辰「私も北辰だ」
北辰「私も北辰だ」

何十人もの北辰が現れる(笑)

「だがしかし!」
叫び声が聞こえる!
何十人もの北辰のその周りにさらにその何倍もの男が現れた!

「ゲキガンライダー1号!」
「量産型ゲキガンライダー5号!」
「量産型ゲキガンライダー6号!」
「量産型ゲキガンライダー7号!」
「量産型ゲキガンライダー8号!」
「量産型ゲキガンライダー9号!」
「量産型ゲキガンライダー10号!」
「量産型ゲキガンライダー11号!」
「量産型ゲキガンライダー12号!」
「量産型ゲキガンライダー以下略!」

まるで判で押したように同じ顔が並ぶ。
さすがの量産型の多さに圧倒される北辰達。

北辰's「また合おう、アンダーソン君」
1号's「待て!」
イツキ「待ちなさい!」

呆気にとられるミナト達

ユキナ「な、なんだったの、あれ?」
ミナト「深く考えない方が良いわよ・・・」
九十九「渡しておきたい物がある」
二人「え?」

九十九はようやく真実を話し始めた。



しばし後、墓地


九十九「君にこれを・・・」
ミナト「これは!!」

ミナトに手渡されたのは婚約指輪だ。
あの時、今際の際で九十九がミナトに渡した指輪のもう一対、九十九の分である。

ミナト「これはあなたが持ってるべきでしょう!
 いつか、いつか二人で・・・」
九十九「あなたの知ってる白鳥九十九は死んだ・・・」
ミナト「・・・私のこと嫌いになったの?」

ミナトの言葉に九十九はゆっくりと首を振る。

九十九「違うんだミナトさん・・・
 実は僕も・・・変身!」
そう言ってポーズを決める九十九

ボワァァァァン!

光に包まれ、そこに現れたのはゲキガンライダーだった!!!

九十九「まるで漫画だろ?あいつらに色々改造されてね・・・
 お腹のベルトのプロペラが回るんだ・・・
 しかもダブルタイフーン・・・」
ミナト「そんな・・・・。」
九十九「もうミナトさんと結婚することなんて出来ないんだ・・・」

二人の間で腰のライダーベルトがカラカラと回っていた・・・



遠くの何処か


この光景を見てる人物たちが居た。
そのうち、銀色の髪の少女がピンクの髪の少女に尋ねた。

Blue Fairy「あなた!あれはやりすぎでしょ!」
Pink Fairy「私じゃない!
 私の改造は完璧!
 結婚生活に問題なし!!」
Snow White「じゃぁ何で九十九さんは・・・」

それは彼女たちにも判らなかった…。



都内某所


その光景を見てニヤリと笑っている男達がいた。
一人はちょび髭に黒縁眼鏡
もう一人はいかつい体に見事なもみあげ
何よりも特徴的なのはへの字の眉毛であった

「良いのですか?会長がうるさいですよ」
「問題ない、計画通りだ。」

ちょっと違うキャラが入ったまま怪しく笑い続けるゴート=ホーリと、それを少し困った様子で眺めるプロスペクターの姿があった。



ポストスクリプト


という事で原案k-sikiさん、脚色EXZSでお送りしました(笑)
えっと元ネタはk-sikiさんから頂いた感想メールの一文を私が膨らませたものです。

膨らましたところはというと、マトリックスとかライダーとかゲンドウが入っていますが、大体は私の趣味が入っています(苦笑)

というわけで、k-sikiさんありがとうございました。