サクラ大戦4その1

はじめに

サクラ大戦4は既にDCの生産中止が決まった後に制作が決定されたゲームです。
このため制作条件が厳しく、内容もTVアニメの様な1クール分ではなく、映画やTVスペシャルの感じになると当初からアナウンスされていました。

ちなみに攻略は今回もよそ様でされているので省略しますが(私の攻略の元ネタはサーファーズパラダイス内のサクラ情報局です)、結構本家(セガのBBSやレッドのBBS)で噴出している「ストーリーが短い」「クオリティーが低い」「値段が高い」という不満が噴出しております。
今回はたぶんそれに関する私の意見に近い形で書かして頂きます。
なお、まだ一人しかクリアしていませんのでプレーを重ねたら若干意見が変わるかもしれません。

なお、これ以降はネタバレを含みますので、その点をご留意の上お読みください。


所感

このゲームはプレイヤーをかなり選ぶゲームであることは確かです。
まず、このサクラ4から始める人はかなり不満が大きいでしょう。
それに何も知らずサクラ3のクオリティーとボリュームを同じ値段だからという理由だけで買い求めてしまう人もやはり不満でしょう。
いや、それなりにサクラが好きな人でもあるキャラクター一人をクリアして満足する人でもやはりストーリーの短さは不満が残るかもしれません。

でも私は好きですし、この作り方はありだと思います。
まず、このゲームは繰り返し遊ぶことを前提にしていると思います。
その上で、クリアするキャラクターを組み合わせたとき、互いがどういう反応をするのだろう?
ということを想像し出すと逆にニヤリとさせられるような作りなのです。

帝都の恋人一筋なのか?
巴里の恋人一筋なのか?
はたまたどちらにも恋人を作ってしまっていたのか?
これを8×5とするとどうなるか?・・・まぁ実際には8パターンぐらいで十分なのでしょうが、見ていくとかなりがらりとストーリーの味付けが変わってくる・・・そんなゲームになっていると思います。

そう考えて行くと、ムービーが少ないとか、戦闘が3回しかないとか、大体今までのサクラの3話分ぐらいのストーリーだとかはあまり関係なく、そういうことを自分なりに楽しむのがこのゲームの正しいスタイルじゃないかな?と思います。
そう言う意味では多少唐突なストーリーでも私的にはOKです。


世の不満に対する私の意見

ムービーが短い

個人的にはかっこいいムービーはみたいですが、別にストーリーがおもしろければそれでいいのでは?と思うのが私の考えです。

大体、少し前ではムービーってなかったのに、なんでこんなにムービーがないのをヒステリックに叫ぶのだ?
って気がします。
たとえポリゴンによる演技でも全然苦にならないです。
そう言えば、FFからでしたっけ?やたら沢山ムービーが付いているのは?
そんなにすごいムービーをばしばし付けないといけないのだろうか?

そりゃ、かっこいいムービーはみたいですよ。
でもネオCGのアニメ部分もCG部分もそれなりのクオリティーで仕上げるにはどれだけの予算と時間がかかるのか考えてみたことがあるのでしょうか、皆さん。
大体FFクラスのムービーなんて、あれだけの本数が見込めるから人手をかけて、きっちりした分業制をとって、機材に投資して作れるのであって、1年という制作期間でどれだけ作れるというのでしょうか?

低質なアニメを沢山作ればそりゃムービーは長時間作れるでしょう。
けど、みんなそんな低クオリティーのムービーなんていまさら見たくないでしょう?
全員分のエンディングムービーがあったって、中身が伴わなきゃ。
今更サクラ1の頃のレベルのムービーをだらだら見せられても仕方がない気がします。

ストーリーの短さ

個人的にはあと2話程度のボリューム(大体4〜5幕)程度欲しかった気もしますが、あんなモノかもしれません。
巴里花組の面々があまり長期間帝都にいれるわけもありませんし、たぶんやる方も作る方も13人分の好感度の上げ下げをやってたら気が狂うと思います(汗)

その上で・・・出てきた敵が骨太すぎたのかもしれません。
あれがサタンとか京極とかが復活したぐらいなら、さぁ倒して終わり!で済んだのでしょうが、
新たな敵が現れて、正体を調べて、ラスボスらしきものを倒して、安心したら真の敵が現れた・・・ってストーリーをやるのはあと1幕ぐらい欲しかった気がします。

たぶん短い印象を受けるのはそのためかもしれません(汗)

制作期間を延長してでもクオリティーを!

さてさて、このご意見ですが、これはプレイヤーからみればもっともなご意見かもしれません。
でもそれを制作側に求めるのは酷な気がします。

まずDCが既に生産中止になっていることです。
これはメーカー側にとって発売時期にどれだけDCが稼働しているかが重要になってきます。
今回、3月21日をデッドラインとしたセガの判断がどれだけ妥当かはわかりませんが、日に日にゲームの発売本数の減っているDCで作品を出すということはそれだけコアユーザー以外の購入層の減少を意味します。
じゃぁユーザーが納得するだけの素材(いわゆる多くの人が不満に思っているムービー、ストーリー、新規CG、音楽などなど)を用意するのにどれだけのばせばいいのだろう?
たぶん、半年延ばしたとしてもサクラ3に見落とししないだけの素材ができあがるわけでもないだろうに・・・

そして、それらの素材を作る費用も相対的に増えていきます。
それに対して制作期間が伸びれば相対的に売り上げが落ちるのは目に見えています。
そんな中でどこかに分水嶺を引くのはそれを商売として成立させるためには必要なことでしょう。
その結果、3月21日というラインが提示されたと考えます。

もちろん、こんな論理はユーザーとしては全然関係のない話です。
でも考えてみましょう。
じゃぁ、制作期間を伸ばしていたら?
・・・DCでの制作にGOはかからなかったでしょう。
じゃぁ、PS2などのハードにしていたら?
・・・サクラ4という内容そのものがなかったかもしれません。
もう一回PS2用にサクラ1〜3までを移植し直してもう一回ユーザーにやらせますか?
DCユーザーはもう勘弁というでしょう。
その上でサクラ1〜3をやっていなければ意味の通じないサクラ4を作る意味がありますか?
たぶん、新規ユーザーが入ってきても全く問題のない(新しいキャラクターと言われている)サクラ5だけがぽつんと現れます。サクラ1〜3のストーリーに決着も付けずに。

つまり、サクラ4は出すか、出さないかの2択なのです。
出さなければサクラ4のストーリーを楽しむことすら出来ません。
出すとなったら許されるギリギリのクオリティーの中で納めて無理矢理出すしかありません。

そういう制作側の判断で作られた作品です。
サクラ4は
だから制作者曰く「DCで出ること自体がすごい」という作品なのです。
もちろん、そんな論理はユーザーとして全然関係のない話です。

でも、その制作側の判断がなければ楽しめなかった作品です。
このストーリーがなかったら本当に良かったですか?
私は短くても「サクラ大戦4」が見れて良かったです。


取り敢えず今回はここまで。
なんか批判めいた内容が多いですが、ストーリー他はまた今度(汗)