アバン


時の秘密の七不思議
ボソンジャンプで未来が過去がどうして変わるのか?
Chapter Zeroを読んでもわからないというナデシコのよい子のみんなに
教えてあげましょう!
解説しましょう!

みんなのお姉さん、イネス・フレサンジュのなぜなにナデシコ開幕です〜〜♪



元祖なぜなにナデシコ


3!
2!
1!
ドカーン!!

ユリカ「おーい、みんな集まれ!」
ルリ「(やる気なさそうに)あつまれ〜ナデシコの秘密の時間だよ」
ユリカ「は〜い♪ボク、ウサギのユリカだよ!!」
ラピス「・・・・亀のラピス・・・」
ルリ「(小声で)お姉さんの・・・・ルリ・・・だよ」
イネス「なによ、ルリちゃん、ノリが悪いわね。
 皆さん、こんにちわ、お久しぶり、初めまして
 皆さんの疑問に答える解説博士ことイネス・フレサンジュです。」
学芸会の舞台のようなところで四人がこじんまりと立っている。

ユリカ「んで今日は何のために集まったんですか?」
ルリ「(台本棒読みで)え・・・と、今回はみなさまからご意見の多かった可能性のジャンクションに関わる質問に答えてみようという趣旨です」
ユリカ「ああ、Princess of Whiteのラストの事ですね?」
ルリ「ええ、(以降小声で)いいじゃないですか、私が助かったんだからご都合主義でも・・・
ユリカ「ルリちゃん、聞こえてるよ・・・」
ラピス「私もよくわからなかった・・・」
ルリ「ということで、皆様からの様々なご質問にお答えしていきたいと思います」



Nadesico Princess of White(Auther's Remix ver.)

Appendix:Anecdote2 なぜなにナデシコ・ジャンクション編



Attention


この先Princess of Whiteのネタバレを含みますので、未見の方は全話ご覧になってから読まれることをお勧めします。

また、Princess of Whiteのラストに満足されている方、あるいは読後の余韻を楽しんでおきたい方は、このお話を読まれると思い出を破壊される可能性があるのでご注意下さい。















・・・よろしいですか?

では続きをお楽しみ下さい。



相談者:T・Aさん


ルリ「最初の方ですが、ペンネーム【闇の王子様】からいただきました。
 『テンカワ・アキトさんが活躍しないのは何故ですか?』だそうです。」
ユリカ「・・・・アキト、いきなり確信から思いっきりはずれた質問だね・・・」
ルリ「でも、アキトさんがナデシコCの艦長って可能性だってあったわけでしょ?」
ラピス「姉さん、ナイス軌道修正♪」
ユリカ「確かに・・・」
ルリ「でも私達はそんな夢を見ませんでしたね?なぜなんでしょう?」
イネス「説明しましょう!!」
一同『出たわね、説明おばさん・・・』
イネス「何か言った?」
一同「いいえ」

イネス「では簡単な例を出すけど・・・聞く覚悟は良い?」
一同「はい?」
イネス「だから心の準備は出来た?」
一同「・・・はぁ、まぁ・・・」
イネス「たとえば、もしミスマル・ユリカが闇の王子様になったとしたらどうなる?」
ユリカを除く一同「ピキーン!!」




〜〜想像開始〜〜




アマテラスを強襲する機動兵器からのなぜか挨拶・・・
ユリカ「やっほ!!私が闇の王子様のテンカワ・ユリカで〜〜す!ブイ!!」


とか


秩父山中のお墓の前で
ルリ「どうして教えてくれなかったんです?生きていること・・・」
ユリカ「君の知ってるミスマル・ユリカはもう死んだ。
 ここにいるのはアキトラブラブ一直線のテンカワ・ユリカなの♪
 あ、結婚式の案内状!アキト救い出したらもう一度やるから出席お願いね♪」


とか


火星極冠遺跡周辺での北辰との一騎打ちで
北辰「怖かろう、悔しかろう
 鎧を纏おうとも、心の弱さまでは守れないのだよ!!

ユリカ「プンプン!!私とアキトとのラブラブパワーがあればあなたなんかケチョンケチョンなんだもん!!」


とか


アキトを救い出した後・・・
ヒカル「さようなら〜〜って行かしてもよかったの?」
サブロウタ「行くってもんを引き留められないでしょ」
リョーコ「いいわきゃないだろ!あいつアキトまで連れていきやがって!!」
ユリカ『だって新婚旅行の続きに行くんだもん♪』
ルリ「帰ってこなかったら草の根をわけても捕獲します!!(怒)」




〜想像終了〜




イネス「どう?」
ルリ「イヤすぎますね・・・・」
ラピス「イヤすぎる」
ルリ「・・・最後は私とゴールインのはずですよ?」
ラピス「私はユリカの目・・・って言うの?」
イネス「ね?いやでしょう?」
ユリカを除く一同「確かに・・・」
ユリカ「どういう意味ですか!!」

イネス「というわけでそんな可能性にジャンクションしてしまったら最後、完全に世界観が破壊されてしまうので歴史が拒絶しているわけですね」
ユリカ「ちょっと〜〜!!」
ルリ「歴史が拒絶するってこういう拒絶なんですか?好き嫌いの?」
イネス「う〜ん、ちょっと違うけど大筋そんな感じよ」
ラピス「そうなの?」
イネス「じゃぁ、あなた達はこれからそんな可能性にジャンクションしたい?」
ルリ「(フルフル)」
ラピス「(フルフル)」
ついでにT・Aさん「(フルフル)」
イネス「つまりそういうことなのよ・・・・」
ユリカを除く一同「なるほど・・・」
ユリカ「納得しないで下さい!!!!」



相談者:H.Mさん


ルリ「続きまして、大磯シティーのペンネーム【ゴルゴ13と復縁中】さんからのご質問です」
ユリカ「へぇ、ミナトさんってそうだったんだ」
ラピス「ゴート、お墓参りの後、アタックしまくったらしい」
ルリ「あの・・・・ペンネームって意味わかってます?バラしてどうするんですか・・・」
ユリカ「だってバレバレだよ?」
ラピス「バレバレ」

ルリ「バレてても黙ってるのがお約束なんですけど・・・
 まぁいいです。質問内容ですけど、『たとえばボソンジャンプで過去に戻って白鳥さんの殺害を阻止したらいきなり彼はこの世界に生き返るんですか?』とのことです。」
イネス「説明しましょう!無理です。」
ユリカ「断言しましたね。」
ラピス「断言した」
ルリ「どうして無理なんです?」
イネス「ゲキガン顔はどうあっても殺される運命にあるからよ」
一同「ええ〜〜!?」

イネス「そう、ヤマダ君しかり、九十九くんしかり、あの手のキャラは仲間に殺される運命にあるの」
ルリ「濃いキャラだからとか、そういう問題なんですか?」
イネス「そんな感じ」
ユリカ「それってちょっとひどくないですか?」
イネス「どう説明すればいいのか難しいけど・・・たとえばヤマダ君の場合、彼の死はアキト君がゲキガンガにハマるきっかけとなり、戦う事への問いを常に投げかけることになった。結果、アキト君は火星会戦において欠かせない人物になる。別の言い方をするとヤマダ君の死は後の歴史にとってかけがえのないものだったの。
 で、問題は彼の死という事象が別の事象で置き換えられるか?ということなの。」
ユリカ「う〜ん、わかるような、わからないような・・・」
イネス「じゃぁ、あそこで死んだのがヤマダ君じゃなくて、アオイ・ジュン君だったらどう?」




しばし考え中・・・



ユリカ「・・・・問題ないかなぁ」
ラピス「・・・・問題なし」
ルリ「・・・・確かに何の影響も及ぼしませんね」
ジュン「ひどい!!」
イネス「良くも悪くもアキト君に影響を与えられたという意味でヤマダ君は得難い人物だったという事ね。それを救うということは今ある私達の歴史の土台を崩すことになる。」
ユリカ「ゲキガン顔ってそういう意味があったんですか?」
イネス「まぁ、そんな感じね。
 それと同じで白鳥九十九君が殺されなかったとしたら、木連内部の和平派が力を持ち、ナデシコは遺跡を飛ばさなくて済み、そして熱血クーデターは起きなくて・・・ってな具合に歴史の土台がどんどん変わっていって元の歴史と連続性がなくなるの。」
ユリカ「え?
 白鳥さんを助けようとして過去に飛んだら、
 歴史が変わって助ける必然性がなくなるわけだから、
 助けに行こうと過去にジャンプする必要がなくなるわけだけど、
 そうなると誰も助けに行かなくなるから白鳥さんはやっぱり殺されて、
 んでもってそうすると殺されるのを止めようと過去にジャンプして・・・
 それで
 それで・・・・・」

ぴゅー

ラピス「ユリカ、頭から湯気が出てる」
ルリ「つまりそういう無限循環する歴史自身の自己矛盾に陥るからそもそも発生しないというわけですね?」
イネス「そういう事よ。まぁ実際には『誰も過去を変える発想すらしなかった』ってなあたりに落ち着くんだけどね。」
ルリ「歴史に仕組まれた意図的な必然って奴ですね。」
イネス「そういうこと」
ユリカ「・・・・って単に筆者がストーリーを変えるのを面倒くさがっているだけのような気がするんですが・・・」



相談者:S.Yさん


ルリ「続きまして、同じく大磯シティーのペンネーム【私の彼は影薄い】さんからのご質問です」
ユリカ「え?ジュン君とユキナちゃんって付き合ってたの?」
ラピス「うん」
ルリ「・・・・だからペンネームですってば。っていうか何で影薄いだけでジュンさんと?」
ユリカ「いやぁ、ジュン君浮いた噂一つないから心配してたけど安心したわ♪」
ジュン「喜んでいいのやら・・・悲しんだらいいのやら・・・」

ルリ「・・・質問内容行きます。
 『んじゃ、何の影響も及ぼさない人を過去で殺しちゃうと、今目の前にいる人はいきなり消えちゃうんですか?』というご質問です。」
ユリカ「ユキナちゃん!ジュン君を殺そうと思っちゃだめだよ!!」
ラピス「そうそう、あんなでも高給取りだから、悲観しちゃダメ」
ジュン「みんな・・・・ひどい・・・」
ルリ「まぁ、ユキナさんがジュンさんを殺したいかどうかは置いとくとして・・・どうなるんでしょうか?」
ユリカ「実験してみましょうか?」
ラピス「賛成。ちょうど歴史に影響を及ぼさない良いサンプルもいるし」
ジュン「・・・それってひょっとして僕のこと?」
ユリカ&ラピス「他に誰かいる?」
ジュン「素直に同意するなぁぁぁぁ!!!」
ラピス「はい。CC」
ユリカ「んじゃ、ひとっ走り行ってくるね♪」
ラピス「お土産よろしく」
ジュン「頼むからやめてくれ!!!!!!!!!!」
ジュンの心からの絶叫が辺りに響いた。

ルリ「・・・ってなたわいのない冗談は置いておくとして」
ジュン「十分ブラックだった気がするが・・・」
ルリ「でも本当にいきなり消えちゃんったりでしょうか?」
イネス「説明しましょう!!」
一同「はいはい」
イネス「結論からいうと消えたりはしないわ。」
ルリ「でも、私の場合はいきなり白百合からホシノ少佐に切り替わりましたけど・・・」
ユリカ「だよね。私もナデシコCの艦長さんから白雪姫に変わったし・・・」
ラピス「私も『私はルリの目』から『アキトの目』に変わったし」
イネス「それは私達が遺跡とリンクするジャンパーだからよ。
 普通の人にとってあくまでもその人は死んだことになってるの。」
ユリカ「???」

イネス「んじゃ、少しわかりやすい例を出しましょうか?
 例えばルリちゃんがドラマのビデオを見ていたとします。」
ルリ「ビデオ・・・ですか?」
イネス「そう、ビデオね。
 ルリちゃんは録画してあったドラマ1の開始10分から20分まで見ていました。
 ここで質問、ビデオテープには何が録画されていますか?」
ルリ「ドラマ1、少なくとも開始10分から20分までの内容」
イネス「その通り♪
 ではルリちゃんが20分のところを見た時点でお客さんが来ました。
 この役はラピスちゃん」
ラピス「こんにちわ」
イネス「そこで悪戯ウサギのユリカちゃんが登場♪」
ユリカ「ヤッホー♪」
イネス「ルリちゃんがラピスと話しているうちにユリカちゃんはなんとテープを開始10分のところまで巻き戻してドラマ2を写し始めました」
ユリカ「だって見たかったんだもん♪」
イネス「んで、ユリカちゃんは録画しっぱなしで逃げ去り、ルリちゃんは開始20分のところで帰ってきて続きを見ました。
 さて21分後の続きに写るべきビデオの内容は?」
ルリ「ドラマ2の21分目・・・」
イネス「ご明察。ではルリちゃんはどういう配分でビデオを見ました?」
ルリ「ドラマ1の開始10分から20分とドラマ2の開始21分以降・・・」
イネス「ではビデオテープに写っているのは?」
ルリ「ドラマ2の開始10分から21分まで・・・」
イネス「ではでは、もう一つ質問です。
 ドラマ1の開始10分〜20分の間、ジュン君は生きてました。
 ドラマ2の開始10分〜20分の間、ジュン君は死んでいました。
 それではドラマ2の登場人物達はジュン君がいきなり死んだように見えますか?」
ルリ「・・・・見えません」

イネス「エクセレント!!
 このことを現実に当てはめると、歴史がビデオテープに写った内容で、ルリちゃんがちょうどビデオから目を離した事は、ジャンクションポイントで夢を見た事に相当します。んでユリカちゃんがテープを巻き戻して別のドラマを録画したことは過去へボソンジャンプしたことに相当します
ユリカ「おお!なるほど!!」
ラピス「なるほど」
ルリ「・・・・何か詐欺に引っかかったような気がするんですけど・・・」
イネス「まぁ、そうね。一般の人達はビデオの中の登場人物で外の世界は見えないの。
 でも私達ジャンパーは歴史に介入できるのでビデオの中の登場人物であると同時に視聴者でもある。だからビデオの登場人物がドラマ2の記憶を持っているのにプラスしてドラマ1の記憶も持っているの。
 だから私達から見ればいきなり人がいなくなったように見えても、普通の人にはずっと前から死んでいた当たり前の光景なの。
 どう?私が消えないって言った意味がわかった?」
ルリ「・・・わかりました。でもなんか悔しい・・・」
ユリカ「おお、ルリちゃんが初めてイネスさんに言い含められた!?」
イネス「・・・・って、そんな驚くほどおおごとかい・・・」

ユリカ「って事は・・・・結局ジュン君を殺したって別にユキナちゃんが悲しむことにはならないんだ。」
ラピス「悲しまない」
ジュン「・・・・こら、ちょっと待て。今、何か腹黒いこと考えてるだろう!!」
ユリカ「ううん、そんなことないよ」
ラピス「そんなことない」
ジュン「とかいって、後ろ手にCCのやりとりをしているのは何だ!!!!!」

ルリ「そんなたわいのないオチがついたところで今回のなぜなにナデシコは終わりにさせていただきたいと思います〜」
ユリカ、ラピス、イネス「さようなら〜〜」
ジュン「たわいないことない!!!!」

おわり



ポストスプリクト


というわけで、EXZS風のタイムパラドックスに対する考察(あるいは言い訳)をこじつけてみました。Princess of White の感想メールでいまいち釈然とされなかった皆さんが多かったようなので、何とかわかりやすく思い、考えていくうちに斯様なギャグ調になってしまいました(笑)。

Chapter Zeroで時間の流れがややこしいのでわかりづらいですが、少しはわかりやすくなったでしょうか?
例えばChapter Zeroのラストにアバンが移動しているのはあそこから劇ナデの冒頭につながっていますよ、という意味です。
ルリにはいきなり世界がPrincess of WhiteからPrince of Darknessに移ったように見えたので、結果だけが得られたように見えるけれど、そうじゃない。
ちゃんと劇ナデの世界を人々は生きて歴史を創りました。
過去にジャンクションしただけで結果が得られるわけじゃない。
あの後、今度はアキトが苦しみ、ユリカが苦しみます。そしてそれがわかっててもなお、彼らは最愛のルリを救うためにもう一つの世界を選択した。
そういう意味が込められています。

ですからタイトルは「再び逢う貴女の為に」なのです。

・・・・まぁ、あのラストに関しては思い入れがあるのでいろいろ饒舌になってしまいましたが、そんなこととは関係なく、この物語を楽しんでいただけたなら幸いです。

では!