アバン


夜の暗闇は人に何をもたらすのだろう。

 

 

恐怖?

確かに人は闇を恐れる。
昼間にははっきり見えていた物が夜には判別できない。
判別できない闇に、人は魔を感じてしまう。

 

安らぎ?

人は夜眠る。
一日の疲れを癒し、明日への活力を養ってくれる眠りは夜ならではの物。
だから夜に、まるで母親の腕の中のように身をゆだね、人は眠る。

 

夜に眠れず、闇に相対したとき、人は何を見るのか。
闇に感じる魔とは、自分自身の心の奥底かもしれない。

 

ああ、この話はEXZSさんの「黒プリ」の、私が勝手に書いた外伝ですのでそのつもりで。


ナデシコ プリンセス オブ ダークネス
勝手に外伝 眠れぬ夜



渇き


隣ではいつものようにラピスが可愛らしい寝息を立てている。

 

 

いつものように静かな夜。
いつものように落ち着いた夜。

しかしアキは眠れなかった。

 

 

アキには目的がある。
この世界に来た目的が。
そして、料理という1度は諦めた自分の夢の仕事を毎日行っている。
それだけで、満たされる日々。
目的に向かい、前に進む事の出来る充実した日々。

 

 

しかし、何かが足りない。

 

 

周期でもあるかのように、忘れた頃にアキを襲う強烈な欠乏感。
満たされない、心の空隙。

 

それを満たす方法は・・・・・



夜の渇望渇望


アキには解っていた。
自分の求める物が。
しかし、それを決して認めたくはなかった。
認めるのが怖かった。

 

それでも。
アキは自分が限界に来ていることを自覚した。
だから意を決すると、ラピスを起こさぬようにベッドを抜け出し・・・・・
部屋を出ていった。

 

 

 

着いたのはある部屋の前。
その前でアキは躊躇していた。
今なら、誰にも見つかっていない。

 

 まだ引き返せる。

 

何度も逡巡し・・・・
ついに意を決したアキはドアをノックした。

 

 こんこん!

 

 

『だれだ?こんな時間に・・・・・』

 

中から若い男の声が聞こえる。

そしてドアが開き。

 

ボサボサ頭の少年が出てきた。

 

 

 

 

「・・・・・・アキさん・・・・・どうしたんすか?こんな時間に。」

 

「ごめんね、アキト君・・・・・・ちょっと、いいかな?」

 

いつもとは違う様子のアキ。
顔も真っ赤になっていて・・・・・何か思い詰めた様子だった。
アキトはそんなアキの様子にドギマギしながらも、部屋に向かい入れた。

 

「ど、どうぞ・・・・・き、汚いトコっすが。」

 

閉じられたドア。

 

 

 

やがてその奥から・・・・・・

 

 

 

 

 

・・・・・・アキの切なげな声がもれ響いた。

 

 

 

 

 

 

 



そして彼女は満たされる


 

 

 

 

 

 

アキ「ジョーが!あたしのジョーが!!(涙)」

 

アキト「・・・・・・(汗)」

 

アキ「ジョーーーーー!!!(滝涙)」

 

アキはゲキガン中毒の禁断症状に悩まされていたらしい。

 

一度ゲキガンガーにハマった者は決して抜け出すことは出来ない。

 

アキ「うう、あたしのジョーがぁ・・・・・・(感涙)」

 

アキト「・・・・・・(滝汗)」



ポストスクリプト


思わせぶりって大好きなんですが・・・・・・
さて、いかがだったでしょう?(汗)

いや、アキって「仕事(料理)が趣味」って印象ですけど、元アキトな訳ですし、ゲキガンガーには木連の聖典になるくらいの魅力があるわけですし・・・・
そんな所から思いつきました。

さあ、逃げるか(ダッシュ!!)