永遠のビデオライブラリ

ビデオタイトル

ローマの休日

ジャンル

ラブコメディー

原題

Roman Holiday

制作国

アメリカ

制作年

1953年

出演

オードリー・ヘプバーン
グレゴリー・ペック
エディー・アルバート

制作社

パラマウント

監督

ウイリアム・ワイラー

制作・総指揮

ウイリアム・ワイラー

原作・原案

脚本

ジョン・ダイトン

映像情報

モノクロ/118分

ビデオ情報

CICビクター

DVD情報

Paramount/リージョンコード1/デジタル・リストアバージョン/ドキュメンタリー、フォトギャラリー、予告編、パラマウント小史など収録

 単調な激務に耐えかねていたアン王女は、ローマを訪問中、ダンスパーティーの音色に誘われて街へ飛び出してしまう。そしてジョーとアーヴィングに出会い、心に残る1日だけの休日を過ごすのだが・・・。

 恐怖と怪奇に満ちたライブラリーに並べるのは気が引けますが、おとぎ話のような物語ということでご容赦を。とはいえこの映画、というよりもアン王女=オードリー・ヘプバーンは独り占めしておきたいんですけどね。

 初めてこの作品を観たのは子供のころなんですがまあそれはさておき、ショートカットにしたアン王女がはにかむシーンは、いつしか私の心をとらえてはなさなくなってしまいました。ラストの涙を浮かべながらの満面の笑みも忘れがたいのですが、実は床屋のシーンが私の女性の好みを決定づけてしまったところでもあったり。「麗しのサブリナ」でもショートカットですし、もちろん他の出演作でも魅力的ですが、どういうわけかオードリーはアン王女のまま焼きついちゃったんですね。手のとどかないプリンセスってのも惹かれる由縁かな。やることなすことちょっぴりちぐはぐだし、もうどのシーンも可愛いのなんのって。

 さらに、ジョーとアーヴィングだけでなく、床屋のマリオをはじめとしてイタリアの人々の小粋なところも印象的です。アーニャ=アン王女がスクーターでお騒がせした人々、ついでに警察までもが結婚式に急いでいたって理由で、許すどころか祝福してくれるなんて、こんな愉快なことはありません。ちなみに、この取り調べのシーンはセリフが入れられてないので、けっこうどきどきする小粋な演出になってます。あ、もちろん一輪だけわけてくれる花屋のオヤジも忘れちゃいけませんね。

 女優としてのオードリーは私の生まれる1967年までにそのほとんどを終えてしまい、リアルタイムで見ることができたのは晩年のただ一作「オールウェイズ」だけ、しかも1993年に他界されたのは悲しいことですが、私にとっても永遠の妖精でいてくれる、映画って本当にいいものですね。でも、できれば遠く去ってしまうアン王女ではなく、身近にいてくれるアーニャに出会いたいものです。

 2002年に北米でリリースされたDVDは、映像がデジタルリストアされ、美しくなってよみがえりました。もっとも、完全なモノクロームに調色されたため、おそらく環境によっては赤っぽい疑似色が出てしまうのが少々残念。私としてはややセピア調のほうが馴染みがあって好きですね。それらはまあ好みの問題として、新たに作られた「REMEMBERING ROMAN HOLIDAY(ローマの休日の思い出)」と題されたドキュメンタリーが秀逸。赤狩りという時代背景とそれに関わるエピソードやキャスティングの舞台裏、テストフィルムなどが、当時の関係者やその子供たちによって語られます。カメラマンのアーヴィングを演じたエディー・アルバートのご子息が出演されているのですが、当時のエディーそっくりなのがなんともいえぬ暖かさというか懐かしさを感じさせますね。

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