ビデオタイトル |
Premature Brial |
ジャンル |
ホラー |
原題 |
Premature Brial |
制作国 |
アメリカ |
邦題 |
姦婦の生き埋葬 |
出演 |
レイ・ミランド |
制作年 |
1962年 |
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制作社 |
AIP |
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監督 |
ロジャー・コーマン |
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制作・総指揮 |
ロジャー・コーマン |
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原作・原案 |
E.A.ポー |
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脚本 |
チャールズ・ボーモント |
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映像情報 |
カラー/81分 |
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ビデオ情報 |
ORION |
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人は一見死んだように見えて、実は埋葬後にひっそりと息を吹き返していることが少なからずあるのだ。掘り起こされた棺の蓋に残された 真っ赤な爪あとが、真の恐怖を物語っていることがあるからだ。心臓に持病をもったガイは、埋葬された後に息を吹き返すことに脅え、自分の墓所に自力で抜け 出せるように細工を施していたが、発作をおこして埋葬されたのは共同墓地であった。しかし医学用の死体売りに掘り起こされた彼はそこで息を吹き返し、遺産 を目当てに彼を死に落としいれた新婚の妻エミリーと仲間のドクターに復讐を誓う。だが、その結末は自身も含めて命を落としてしまう全くもって誰も報われぬ ものなのであった。 というわけでポーの傑作の一つ「早まった埋葬」は、ロジャー・コーマンの元に「失われた週末」でアカデミー主演賞を獲得した名優レ イ・ミランドを迎えて映画化されました。これは、コーマンのポーといえばヴィンセント・プライスの主演が定着しかかっていたため、これを打破するつもり だったといわれています。とても優しくて好い人にしか見えないレイ・ミランドですが、そのイメージが功を奏して、埋葬後に息を吹き返す妄想やラストの復讐 譚ではその人当たりのよさが一転暗転、このうえない恐怖がかもし出されることになりました。これが当時どう評価されたかは定かではありませんが、残念なが らレイ・ミランドの主演はこの一作、というよりもAIPのポー・シリーズではヴィンセント・プライスの出演していない唯一の作品となっています。 ストーリーは、基本プロットは原作に忠実かつ読者の(私の)観たいポイントを見事に押さえながらも、原作の船舶の狭い寝台で目を覚ま しほっとするラストから復讐譚へと大幅に変更されました。このためサスペンス色の強いストーリーになり、さらに墓地に響き渡る墓掘り人夫の口笛が謎めいた 雰囲気に拍車をかけています。邪推ながら、この何かが起こりそうでなかなか何も起こらないのが恐ろしい口笛は「M」にインスパイアされたのだろうと思うの でした。 ちなみに私が映像で見たかったシーンは、墓所で蘇生しながらもその扉が開かずに恐怖するところ、ガルバニ電池で蘇生を試みるところ、 それと墓掘り人夫が死体売りのために棺を掘り返すところなんか。それにしても、ガイが埋葬されるシーン、あれだけ棺の小窓から目を見開いてきょろきょろし ていれば誰か一人ぐらい気がつきそうなのに。あと、ヘイゼル・コートは確かに美人だと思うけど、あんまり好みじゃなかったかな。 |