CDタイトル |
CHICAGO |
ジャンル |
サウンドトラック |
制作年 |
2002年 |
制作国 |
アメリカ |
制作社 |
ミラマックス |
出演 |
レニー・ゼルウィガー |
監督 |
ロブ・マーシャル |
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制作・総指揮 |
マーティー・リチャーズ |
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原作・原案 |
ボブ・フォッシー |
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脚本 |
ビル・コンドン |
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音楽・映像情報 |
本編:カラー/113分/ |
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CD/DVD情報 |
Epic/SONY/DVDリージョンコードなし/サウンドトラック18曲・DVDにはダイジェストとメイキング、1975年版オリジナルスコア3曲を収録 |
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DVD情報 |
Miramax/リージョンコード1/メイキング、カットシーン、コメンタリーなど収録 |
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CD収録曲 |
1 OVERTURE/AND ALL THAT JAZZ |
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煙草と銃の紫煙に煙る、1920年代のシカゴ。キャバレーというショービジネスのトップスター、ヴェルマ・ケリーは、夫と妹を射殺し、逮捕された。そんな彼女のステージに憧れ、自身もまたスターを夢見るロキシー・ハートもまた、浮気相手を射殺し、投獄される。名声を得ていたケリーは、有名な”汚れた”敏腕弁護士ビリー・フリンを雇い、獄中にあっても紙面を賑わせていた。しかし、ロキシーの弁護をそのビリーが引き受けたことから、ケリーとロキシーの立場が逆転してしまう。名声を求める女たちとビリーの欲望と確執と葛藤は、裁判というステージで最高潮を迎える。 ストーリーだけを抜き出すと、ショービジネスをめぐるロマンティック・サスペンスのように思えますが、ところがどっこい、この作品そのものがショービジネス、キャバレーのステージで演じられる物語なのです。派手なステージとパフォーマンスは映画ならでは。かといって全編がミュージカルというわけではなく、ほどよくドラマが織り交ぜられており、これによってブロードウェイミュージカルは見事に映像化されているといえるでしょう。とはいえ、唐突に始まるミュージカルには、最初は何が起こっておるのだと、とまどいましたが。 「ブリジット・ジョーンズの日記」でチチを売り物にしたレニー・ゼルウィガーのチチがないのは何故かなんてことはさておき、確かに可愛いセックスシンボルを好演していますが、童顔であることを抜きにして何かが足りないという印象が正直なところ。キャサリン・ゼタ=ジョーンズと並ぶと、そのパワフルさにどうしてもかすんでしまいます。個人的にはクイーン・ラティファにもうちょっとブルージーな、たとえていえばアレサ・フランクリンばりのステージを与えて欲しかったかな。もちろん、リチャード・ギアも変なおっちゃん・・・いやいや、派手で汚い弁護士を熱演。そんな中、ジョン・C・ライリー演じる、真面目でちょっと抜けたエイモスが、派手ではなくあまり見栄えのしないもののいい味を出しています。しかし、残念ながらどのキャラクターにも感情移入できなかったのでした。いやまあ、好みの女優がいなかったといえばまあそれまでなんですが。 きらびやかで猥雑でコミカル、真面目で真摯なものを求めようとはしていないのですが、ショーのひとつにしているものの悲劇を盛り込んで流れを引き締め、心変わりの激しいマスコミと世相がそれなりの重さを感じさせています。まあ、ここで行われる裁判そのものがとんだ茶番なのだし、成り上がりサクセスストーリーなのでそんな細かいことは抜きに、セクシーで下品で見事なステージと、(おそらく誰の目にも予想通りの?)ドラマティックな展開を楽しみましょう。歌もダンスも見応えあり、特に女囚たちのステージが「クレイジー・ホース」っぽくてよかったね。くさくさした世の中、たまにはこういった作品で肩の力を抜くのもいいよ。 特典DVDがついたスペシャルエディションCDは輸入盤のみの仕様です。サウンドトラックなので、すべての曲が劇中で収録された尺しかありませんが、一度でも本編を観ていれば十分に雰囲気は伝わってきます。ただし、終盤のオーディションでロキシーが歌う「NOWDAYS」はフルコーラスで聞きたいところ。また、特典映像に収録された「ALL THAT JAZZ」は、本編のダイジェスト仕様となっており、短いながらも見ごたえあり。さらに、本編と撮影風景を交えて見所を押さえたメイキングは秀逸。惜しむらくは、1975年版のオリジナルスコアが収録されているのですが、これにつけられた画像が映画版から作られたスチルが各曲1枚きりなこと。本来ならムービーをつけてほしいところなのですが、せめて複数のスチルで動きを出してほしかったですね。それでも、本編のビデオがリリースされるまでは十二分に楽しむことができます。 DVD(輸入盤)については取り立てて評するところがありませんが、スクリーンで観たときよりも色がきつく、スポットライトの青とカクテルライトの赤がちょっと滲んだ感じ。といっても、これはおそらく気のせい。スクリーンほどの迫力はとうてい得られませんが、面白さは全く変わりません。カットされたキャサリン・ゼタ=ジョーンズとクイーン・ラティファのハーモニーも見事な「Class」が収録されていますが、妄想のパートをミュージカルで表現した本編とはちょっと不釣り合い。ただし、聞き応えは十分なのでお楽しみに。メイキングはサウンドトラックのスペシャルバージョンのほうが秀逸。 |