原題 |
BELPHEGOR |
ジャンル |
ホラー |
邦題 |
ルーヴルの怪人 |
制作国 |
フランス |
制作年 |
2000年 |
出演 |
ミシェル・セロー |
制作社 |
LES FILMS ALAIN SARDE |
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監督 |
ジャン・ポール・サロメ |
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制作・総指揮 |
アラン・サルド |
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原作・原案 |
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脚本 |
ジェローム・トネール |
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映像情報 |
カラー/93分 |
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DVD情報 |
STUDIO CANAL/リージョンコード2(PAL)/メイキング、インタビュー、未公開シーンほか収録 |
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エジプトで発掘されたミイラが、洋上で起きた悲劇は誰にも語られることなく、フランスはルーヴル美術館に運び込まれた。そしてミイラの調査が始まると同時に、ルーヴル美術館に怪奇現象が起こりはじめる。そのころ、美術館のそばのペントハウスに住むリザ母子の部屋では突然ヒューズが飛び修理屋を呼ぶが、修理が終った途端にリザの母親が急死してしまう。母の葬儀もすませたある日、リザの住むアパートに、地下工事のトラブルからルーヴル美術館に続く穴があいてしまった。リザは親しくなった修理工マーティンと共に美術館に忍び込むのだが、ミイラの魂に魅入られたリザの本当の恐怖、本当のミステリーはここから始まるのだった。 最近のミイラ映画は「ハムナプトラ」に見られるようにSFXアクションの傾向が強いのですが、フランス版ミイラの怪異は、アクションと視覚効果を抑えて落ちついた仕上がり。確かに盛り上がりに欠けていますが、シックなホラーとしてまずまず。ミイラの怪異と人間ドラマが、いかにもフランスらしい落ちついた美しい映像の中にバランスよく描かれています。とはいえ、脈絡のないストーリーや無茶な展開も多く、CGに頼り切ったミイラの幽霊がコミカルになってしまいました。いやCGはいいんですが、今時おもいっきりのガイコツはなかろうかと。ミイラとはいえ魂ぐらいは生前の姿にしたほうが、ミイラそのものの悲哀が生きてくるものです。そもそも、ミイラの背景や目的がどうにも希薄になってしまったのが残念。もっとミイラよりの脚本だったらと悔やまれますが、この作品で描きたかったのは二つのラブロマンスなんでしょうね。いや一つだと思っていたらなんじゃこりゃだったんですが、ラジオから流れる「カリフォルニア・ドリーミング」が懐かしかったな。それでも際立った見せ場が少ないことや、一部とはいえ本物のルーヴル美術館の景観に助けられて、お手上げってほどにはなっていません。ミイラに取り憑かれる前から不思議ちゃんの雰囲気漂うリザにも救われているかな。もっとも、これが小品にとどまるばかりでなく、評価の低い要因でもあるんですが。 ヒロインのソフィー・マルソー、この作品では妙にやつれていて、年齢的にも一人でヒロインを張るには少々無理がありますが、「ラ・ブーム」にときめいた私としては今でもかわいい女優の一人です。さすがにあの頃の面影はタレ目に残るぐらいですけどね。ま、もうすっかりお母さんのソフィーちゃんなのでした。 |