ホラー映画史Vol.1
クラシックホラー

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ゾーイトロープから動画の発明、トリック映画の黎明期まで。
逆さまにしなくちゃ、浮いてしまう(イギリス)
現代魔術師(フランス/ジョルジュ・メリエス)
大飲み(1898/イギリス/G.A.スミス)
気のふれた警察官(1903/C.ヘプワース)
面白物語(1906/J.ウィリアムソン)
ゴム頭の男(1902/フランス/ジョルジュ・メリエス)
悪魔のトリック(1897-1898?/ジョルジュ・メリエス)
(オーケストラ物)
レアビット狂の夢(1906/エドウィン・ポーター)

月世界旅行(1902/ジョルジュ・メリエス)

巨大な砲弾に乗って月に行くというジュール・ヴェルヌの小説をもとに、実際に月へ行ってしまい大騒動になるという脚色をした作品。トリックが数多く盛り込まれた、メリエスの作品ではおそらくもっとも有名なもの。当時としてはシーン数、撮影期間、フィルムの長さ、予算など、全てが記録的なものだった。

極地征服(1912/ジョルジュ・メリエス)

アメリカのピアリーが北極に到達し、アムンゼンとスコットが南極を目指していたことをヒントに作られた作品。頭だけでも2メートルはあったという雪男の機会仕掛け人形は、当時の人々にはショッキングであった。また、まだヘリコプターがなかった当時に、「マブロフ・シャラントン博士の北極行きエアバス」という垂直離陸機を、冗談のつもりながら作品中に使っていた。

フランケンシュタイン(1910/エジソン社)

この作品は完全な形では現存しておらず、アメリカのコレクターの遺品から部分的に発見されたものが、1988年発売「シネマ・クラシックス」収録されたもの。モンスターの創造が死体を継ぎ合わせるものではなく、薬品の調合によって産み出されるというホムンクルスのようなもの。モンスター役はチャールズ・オーグル、監督はJ.S.ダウリイ。

Dr.Jekyll & Mr. Hyde(1912)
ジキル博士とハイド氏

ジェームズ・クルーズとハリー・ベンハムが、ジキル博士とハイド氏を演じるという、一般的な一人二役ではない作品。一人が演じ分けるのではないが、その分ジキルとハイドの落差が激しく、なかなか面白い。

Dr.Jekyll & Mr. Hyde (1920)
狂へる悪魔

偉大なる横顔といわれた美形男優、ジョン・バリモアによるジキルとハイドは、その演技力によるインパクトが非常に強い。ジキル&ハイド作品でも、傑作中の傑作。

Phantom of the Opera(1925)
オペラ座の怪人

ガストン・ルルーの原作を、“千の顔を持つ男”ロン・チャニーが演じた作品。怪人エリックがつけているびっくり顔の仮面はちょっと笑えるが、それを外したときのメイクは強烈。しかし、メイクというよりは変形である。

ロン・チャニー出演の西部劇。Outside the Law(法の外/1921)かな。

The Light of Faith(1922/アメリカ)
暗中の光

伝説の聖杯を手に入れて、女の病気を治してやろうという話。といえば聞こえはいいが、発見者を殴りたおしてかっぱらってくる。ちなみに、聖杯もどこかの火事場に埋もれていたのをいともたやすく発見しているようにしかみえないが、これはこれでチープさが面白い作品。ロン・チャニー主演。

Witchcraft Through the Ages(1922)
全ての時代を通じての妖術

魔女のサバトを描いた、戯画的作品。いかにも魔女、いかにも悪魔、いかにも地獄といった映像に、ただただ唖然としてしまう。

La Chute De Maison Usher(1928)
アッシャー家の末裔

アッシャー家の当主ロデリックは妻マデリーンの肖像を描いているが、筆が進むごとにマデリーンは衰弱し、完成とともに死んでしまう。しかし、マデリーンが棺から現れ出て、ロデリックが彼女と会ったときに館が燃え落ちてしまう。ひらひらと踊るカーテン、ひたすら星が輝いている背景が妙な作品。