4/16 「コンスタンティン」を観てくる。

 定職にもつかず、今日もメキシコの暑い日差しを荒れ果てた教会の床下で避けていたメヒコオヤジ。しかし、手なぐさみにいじっていた地面に穴があき、その中からハーケンクロイツにくるまれて出てきた古ぼけた槍の穂先を手にした途端、彼の運命は変わってしまった。秘められた槍のパワーのなせる業か、車にはねられても傷一つつかぬ体となったオヤジは、一路ロサンゼルスを目指し歩きはじめるのだった。そこではもう一人の不死身の男、悪魔狩り師コンスタンティンがいることを知ってか知らずか…。(実際の内容とは視点が異なります)

 良くも悪くも、神と悪魔のゲームに翻弄される人間界を描いたアメコミ映画。ダークヒーローから脇を固めるサブキャラクターに、アクション、ホラー、コメディーがほどよくミックスされているものの、突出した一面を見いだせなかったのが残念。1973年の「エクソシスト」に敬意を表しつつも、映像は最近のビジュアル重視のSFXそのもの。しかも、どこかで見たようなカットとガジェットの数々には少々落胆させられてしまう。もっとも、そういう斜め下から灯に透かすような目で見なければ、何の説明もない「ハーフ・ブリード」を含めた設定の矛盾も気にならず、十分に楽しめる作品。地獄の聖書に描かれたさし絵は小さく吹き出してしまうこと間違いなし、とは言い切れないか。エンドロールのあとに小さな一幕があるので、御用とお急ぎでないかたはおとなしく席に座っているべし。

 まったくもって余談ながら、コンスタンティンが使っていた腕時計、ORIS classic Modernシリーズ633 7490 40 61 LSなのでした。コンスタンティンにちなんで、マルタ十字がトレードマークのバセロン・コンスタンチンでも使っていたらこりゃすげぇだったんですが、庶民的ながら機械式時計メーカーとしては秀逸なオリスを持ってきたあたり、本編とは関係なくニヤリとさせられてしまいました。

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