9/4 「バイオハザードII アポカリプス」を観てくる。

 アンブレラ社の秘密地下研究所、ハイブで発生したTウイルスによるバイオハザードは、地上のラクーンシティーをも飲み込みつつあった。「生ける死者」が生者に喰らいつくという地獄絵図から逃れるため、ラクーンシティーの住人たちは街のゲートへ殺到するが、ウイルスが外部に流出することによる社の存続を危惧したアンブレラ社の重役によって、行く手を阻まれてしまう。サバイバルを続ける腕利きの警官ジル・バレンタインたちは、絶体絶命のピンチの中、驚異的な身体能力を持つ女性アリスに救われた。やがて、街からの脱出を試みるため、行動を共にすることになったジルとアリスたちの元に、不可解な電話がかかってくる。それは、「娘の救出と引き替えに街から出してやろう、そのタイムリミットは4時間」というもの。Tウイルスの研究者だというアッシュフォード博士の話に乗った彼女たちだったが、その行く手を遮ろうとするのは「生ける死者」たちだけではなかった…。

 前作のラストとはストレートにつなげず、やや混乱を招く程度にひねったプロローグはお見事。もっとも、アリスが捕らえられてから目覚めるまでの間を描いただけなのですが、アリスの視点を離れたことによって、ちょっと意表をつかれました。ここから後は前作同様、アクションをメインにしたドラマが展開されるのですが、アンブレラ社の意図が見え見えなのと、あまりにも無敵すぎるアリスに少々興ざめ、アンブレラ社の戦闘員のみなさんはヘルメットが邪魔だなと思う程度で、ガンガン突っ走っていきます。アンブレラ社の無敵生体兵器ネメシスがロボコップだなぁというのはとりあえず念頭から外して、アッシュフォード博士の娘アンジーの救出劇は、たたみかけるスピード感とは裏腹に恐ろしいほどの悲壮感を演出しています。これはチャイルドゾンビーの悲劇的な恐怖だけではなく、アンジーとアッシュフォード博士と、Tウイルスの背景がきちんと描かれているからでしょう。プロローグのアンジーの一幕が立派な伏線になっているものの、この解答には思い当たりませんでした。かなり強引な展開ながら、パート3へと向けたラストもユニーク。近作では珍しい90分という短めの中にうまくまとめられ、緊張感の持続する内容の濃い逸品です。

 ところで、アンブレラ社に見捨てられた戦闘員のみなさん、東欧系の名前が多かったのには何か意図があったのかな?

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