4/18 平家物語「アップルシード」を観てくる。

 争い続ける人類を滅亡させ、理想的な人工人類に地球を支配させようという、おごれるものはひさしからぬ話。

 アニメキャラフィギュアによる凝った人形劇だと感じたんだけど、アニメキャラが常にゆらゆらと動き続けるのは、見終わったあとでも今ひとつ違和感が抜けません。自分で動いてみればわかりますが、相当やわらかくない限り、ちょっと顔を動かしたくらいじゃ髪の毛は揺れません。実写のアニメ化もラルフ・バクシのロトスコープを超える感動はありませんでした。決め技をアングルやスピードを変えて数回流すのはゲームそのもの、YOU WIN !とか得点が出てきそう。メカの造形はトーンを落とし、適度に使い込まれた感じが出されていて良好。聖書とギリシャ神話を引き合いに出した話しは、構成、展開共によかったんですけど、物語の根幹となるユートピアの存在意義が希薄。どうせなら人間が人間を創り、世界を支配することへのおごりにまで向けて欲しかったな。正規軍なんてこれに適役でしょうが。そもそも、人間なんていなくたって地球は困らないと思うよ。こういう根本的なところが弱いってのは「イノセンス」の時に強く感じたんだけど、本作でも引用とオリジナリティーの調和がとれず、常にどこか借り物で終わってしまっているんじゃないのかな。僕は原作にもキャラクターにも思い入れがないので、いやでも話に集中し、深読みと先読みに走ってしまいます。せっかくだから、ラストはパンドラの箱にしてしまってもおもしろかったと思うぞ。創造と破壊、火の七日間の焼き回しには飽きてますから。屁理屈をこね回す前に、ストーリーをこね回そう。

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