4/11 田舎芝居「ディボース・ショウ」を観てくる。

 離婚慰謝料目当てに金持ちの男との結婚と離婚を繰り返す女と、離婚訴訟に長けた弁護士の、裁判での争いとその後を描いた、裁判物ロマンティック・コメディー。

 なんともまとまりに欠け、あわただしくとっちらかりすぎて、方向性を見失ってしまった裁判ロマコメでした。シチュエーションとパーツごとにはそう悪くないんですが、先を見越しすぎた演出ではねぇ。顛末を暗示する伏線があまりにも明白すぎて、伏線ではなく予告になってしまった。そもそも、キャサリン・ゼタ=ジョーンズが最初から弱気なところを見せてどうする。クライマックスまで愛より金よって意気込ませておかないから、ラストがちっとも引き立たないじゃなですか。行き詰まった主人公と事務所が暗殺者を送り込むというやりすぎも、トンチキなキャラクターに頼ったせいでちっともコメディーになっていないし。真面目で深い部分が不足しているけど、とりあえずギャグで構成しておけば成り立つだろうぐらいでやっつけちゃったのかな。それにしても訴訟大国アメリカ、結婚する時に浮気や離婚時の保証や財産分与を契約しちゃうのね。なんだか弁護士事務所の保険紹介映画みたいだったぞ。そういうシステムを皮肉ったわけでもなく、そのせいで愛も空回りしているし。サイモン&ガーファンクルの名曲をアレンジした劇判も、ただ田舎臭いだけになってしまった。もっとおもしろいかもっとつまらないかに振ってくれないから、レビューはこれだけでも十分だ。

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