1/1 マニアの底ぢから「ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS」を観てくる。

 どういうわけだかしょっちゅう巨大怪獣の脅威にさらされる日本では、去年のゴジラとの戦いで傷ついた機龍の修理に追われていた。そんなある日、言語学者中條信一の前に、モスラと小美人が機龍の中枢であるゴジラの骨を海に帰してほしいと現れる。43年前のモスラの一件に深く関っていた中條は、総理大臣に事の次第を訴えるのだが、どうしても機龍を手放す決意がつかない首脳陣と自衛隊は、次の驚異に備えて修理を続けた。しかし、修理もままならないうちにゴジラが現れてしまい、東京は再び壊滅の危機を迎えてしまう。

 今小美人を出すのなら、三倉姉妹をキャスティングできなかったのか? というのはさておき、冒頭、テロップが出るたびに流れるピコピコ音にこりゃだめかと思い、ウォーキングすらぎこちなく役を作りすぎの出演者たちに学芸会じゃないんだぞと憤り、セリフや兵器設定には異常なほどマニアックで決めのくささが鼻につき舞台設定画面構成が古臭いのでただのオタクかと幻滅し、ゴジラが品川埠頭に水しぶきを高々とあげて現れるにもかかわらず水際で防衛ラインを引く自衛隊員たちに全く飛沫がかかっていない事にあきらめの色を隠せないまま眺める前半。もうこれだけお粗末なら、クライマックスはだめだろうと思っていたらさにあらず。マニアであるがゆえのこだわりが、終盤、機龍を見事に活き活きと戦わせてくれました。近代兵器を活かしたヒット&アウェイに、不要パーツを使ったフェイント、これぞ現代の怪獣プロレスといえるでしょう。その間も俳優たちの演技はトホホなのですが、そんなものどうでもいいやと思わせる仕上がりになっています。複雑な構造の手が変形するのは、まあご愛敬ということで。ただし、成虫は大活躍するモスラ、幼虫があまり活躍しないのはもったいなかったな。これじゃ何のために双子の幼虫を出したのかわからないですよ。小美人も双子に見えなかったしね。ほとんど全ての役者がトホホだったのは残念ですが、ドラマはそこそこ、アクションは十分だったので、良しとしましょう。というか、他に見所がなかったともいえますが。まあ、大真面目な戦隊ものといったところでしょうか。主人公の中條義人が悩むたびに「電話してミホ」などと思っていたのはさておき、トレールバイクで地下を走るシーン、乗ってるのはスタントマンでしょうけど妙に楽しそうな雰囲気がにじみだしていました。いやぁ、砕け散ってしまわなくてよかったよかった。でも、機竜からのメッセージは普通に読めるようにしなさいって。首を左へ100度ぐらい傾けないと、何だかわからなかったぞ。余談ながら、エンディング後にもうワンカットあるのでネタにしたい向きは席を立たないように。ただし、席を立ったら、邪魔だからさっさと出て行くように。

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