10/15 テーマパークアトラクション「スパイキッズ3-D:ゲームオーバー」を観てくる。

 謎のプログラマー、トイメーカによって売り出されたコンピューター・ネット・ゲーム「ゲーム・オーバー」は、最終ステージにたどり着いたゲーマーたちを洗脳してしまうというものだった。システムを止めるために一人ゲームの中に飛び込んだOSSの一員カルメンは、逆に囚われの身となってしまう。OSSを引退して私立探偵になっていたジュニは、カルメン救出とシステム停止のためにOSSの任務に復帰する。しかし、ジュニがお助けマンに選んだおじいちゃんとトイメーカの間には、過去に確執があったりするのだった。

 本編となるゲームの世界、ストーリーそのものは単純なもの。ジュニとゲームの中で出会った仲間たちのわりとのんびりなアクション・アドベンチャー・CGゲームでしかありません。といっても、青赤メガネによる3Dシステムなので、複雑なストーリーや素早いアクションにはとても頭と目が追いつかないので、これで正解でしょう。惜しむらくは、長すぎる3Dパートのおかげで話としてのおもしろさを出せなかったことに加え、すべてCGIによる映像なので飛び出してきてもあまり感動がありませんでした。それでも、映画というよりも遊園地のアトラクションとして作られたと思われるくらい、映像としては楽しませてくれます。

 というわけで全編84分のうち60分ぐらいはあるんじゃないかという本編はさておき、前作から上手く引き継いだジュニの転職で始まるプロローグはちょっとユニーク。一件5ドル弱で仕事を引き受けるってあたりが、妙にリアルで笑わせてくれます。ラストでは、バーチャルがリアルに飛び出してきて、これまでのキャラクター全員集合の豪華さ、というか同窓会のありさまですね。まあ、ゲームの世界が現実世界に実体化してしまうことになんの説明もなかったのはどうかと思いますが、まあ面白けりゃそれでいいって事でしょう。正直言って、3Dのパートで結構疲れるので、細かいことはどうでもいいやでした。それでいて、トイメーカーとの決着に暴力を持ってこなかったところがまた、いい話に落としています。もっとも、北米における子供向けの基準に合わせるにはこれがベストのなのでしょうけどね。さらに、一人数役のシルベスタ・スタローンも、美味しいちょい役のイライジャ・ウッドも、嬉々としてコメディー・リリーフを演じています。映画としてはもの足りませんが、娯楽としてアトラクションとしてはそれなりに楽しめました。映画も娯楽ですが、細かいことは気にしないように。何しろ、青赤メガネ3Dで頭クラクラなんですから。ですから、字幕なんてとても読んでいられそうも無いので、吹き替え版をお薦めします。いや、私が青赤メガネのシステムが苦手だからってわけではありません。

 さて、この作品にもエンディング後におまけがあるので、ネタにしたい向きは席を立たないように。エンドロールのNG集じゃありませんことよ。ジュニ役のダリル・サバラもそうだけど、カルメン役のアレクサ・ヴェガが育ったなと・・・。

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