05/03 今度は戦争か?「X-MEN 2」を観てくる。

 マグニートーによる人類ミュータント化計画が回避された後、X-MENとミュータント学園はひとときの平和を取り戻していた。しかし、 ミュータント問題はより深刻になりつつあり、ついに大統領が襲われるという事件まで起こってしまう。襲撃犯であるミュータントの居所を突き止めたエグザビアは、事件解決と説得のためにジーンとストームを向かわせた。そんな折り、自身の失われた記憶と謎を解く鍵となるはずのアルカリ湖で、なにも得ることができなかったローガンが戻ってくる。しかしその夜、ミュータント学園はストライカー率いる軍隊に襲撃され、ローガンたちの健闘もむなしく何人かの子供たちが連れ去られてしまった。さらに、獄中にマグニートーを訪ねたエグザビアとスコットもまた、ストライカーの手中に落ちてしまう。残されたX-MENたちは、反ミュータントを掲げるストライカーの謎に迫るが、それはローガンの謎と深く関わるものだった・・・。

 今回もドイツを匂わせる部分があったので、てっきりナチス・ドイツ時代からの置きみやげだと思いきや、あっさりと覆されてしまいました。うまくドイツの亡霊を持ち出した方が深みが出たんじゃないかという勘ぐりはさておき、前作とは方向性を変え、単純にミュータント対普通の人間という図式にしてしまうことにより、ストーリーそのものがあっさりとしたものになっています。その分、小さなドラマをいくつも盛り込み、少々複雑な人物相関図に重点を置いているといえるでしょう。

 惜しむらくは、改造人間である(ネタばれっぽいけど前作を観ていればわかるのでご容赦)ローガンの謎解きにきちんとした終止符を打つわけでもなく、かといってその人体実験が突然変異であるミュータントそのものの発生要因につながるわけでもなく、ミュータントの社会問題や家庭問題が描かれているものの訴求力に欠け、積み重ねた小さなドラマが大きな結果を生み出すことなく散らかったままになってしまっています。本編を観ていればわかりますし、その背景も容易に想像できますが、結果としてローガンとストライカー、さらにはエグザビアとマグニートーの過去や背景もほとんど説明されません。さらに、一人一人の活躍を描くのは得意なようですが、集団になるとただの烏合の衆にしか見せられないようで、このあたりは脚本なのか演出なのか、どうにも力不足に思えてなりません。

  また、死亡者続出の展開も前作とは大きく異なるところ。軍隊を持ちだせば死者を避けられないであろうことは容易に想像できます。しかし、あえてこれをどうやって回避するのか楽しみでしたが、ちょっと残念ですね。キャラクターも増えたし、スケールも大きくなったし、迫力も増したし、尺ものびたのに、今ひとつ物足りないのはなぜでしょう。反ミュータントにしてもストライカー一人に押しつけられてはいないのですが、どうもすべてが中途半端のまま展開し、結末を迎えてしまったような気がするからでしょうか。 ジーン、スコット、ローガンの三角関係へのピリオドの打ち方には納得できかねるからでしょうか。途中睡魔におそわれてしまったからでしょうか。見てる最中はおもしろかったし、けっして頭空っぽの代物じゃないんですが、私自身の集中力の欠如かな?

 それにしても、ハル・ベリーはあんまり好きじゃないんだけど、ストームは妙にエキセントリックでそそられるなぁ。そういえば、マツダRX-8らしき車が出ていたけど、もう出てるの? タイアップだったりして。ところで、President(プレジデント)を大統領ではなく閣下と訳したのには、何か狙いがあるのか? これもまたあらぬ考えをめぐらせてしまいそうだな。

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