12/31 砕け散ってしまった「ゴジラXメカゴジラ」を観てくる。

 不思議な呪文を唱えた日から、ハム太郎は助けを求める謎の美女の夢を見るようになる。そして、帰省する人間にならい、仲間とともにハムスター誕生の地ハムージャ王国へと旅立つのだが、そこには何とかいう猫の魔法使いが待ち構えていたのだった。モーニング娘。たちを含めた無駄に多いキャラクターをいちいち生かそうとすることなく、お気楽ミュージカルファンタジーに仕上げられたため、観ていてばかばかしくなることはありませんでした。ただし、半分くらいは寝ていたことをお断りしておきます。これは「とっとこハム太郎・ハムハムハムージャ!幻のプリンセス」。

 自衛隊という人間ドラマの坩堝みたいな職に就いたのが不思議に思えるほどに自分の生涯を悲観する家城茜が、メカゴジラを使って自分を貶めた人間たちに復讐する物語・・・ではなく、日本の敵ゴジラを素に作られた上に、システムが暴走して世間から疎まれたメカゴジラこと機竜に自分を反映させつつも、物語上おまえ要らないだろうと思われる少女に助けられて成長してしまう物語。

 無駄に多いキャラクターをいちいち生かそうとしたため、結局どのキャラクターも生かし切ることが出来ず、短くまとめられた上映時間を少なからず無駄に使ってしまいました。特別や友情出演なんぞで見せかけだけの豪華キャストを気取る必要は全くなく、実際のテレビ番組とキャスターを起用して逆にリアリティーをぶちこわしていることに、いい加減気付くべきではないでしょうか。釈由美子演じる家城茜のドラマをメインに据えたことは評価できますが、残念ながらドラマとしてうまく構築されたとはいえません。おまけに孤独を気取るにはキャラクターの背景が弱すぎ、対立するキャラクターのセリフでさえ空虚でしかありません。

 とまあ弱いドラマを怪獣プロレスで補ってくれればまだよかったのですが、なんとまあ動きのないこと。特に、攻撃を受けてもぴくりとも動かない(動じないのではない)ゴジラ&メカゴジラ、画面切替のわずかな時間ではありますが、これにはがっかり。旧ゴジラの骨髄から作らなければならない必然性とか、水中作業のミニチュアがちゃちすぎるとか、メカゴジラが推力を後ろに向けているのに後ろに飛んでいるとか、家城が機竜に話しかけるセリフには失笑だとか、メカゴジラが雄叫びをあげるとかには目をつぶりますが、怪獣映画なのに怪獣の動きが小さいのはリアルとかリアリティー以前の問題だぞ。あ、最終兵器がメカゴジラにしか搭載されていないのも相当な疑問、メカゴジラそのものが切り札じゃなくなっちゃうぞ。ストーリーの流れも簡単で見え見えなんだから、もっと着ぐるみでもCGでも頑張ろうよ。

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