11/03 貞子渡米する「ザ・リング」を観てくる。

 舞台とキャストを置き換え、それなりに手を加えてあるものの、ほんとにただのリメイクでした。日本版「リング(1998)」をかけたかったけど、そのままじゃ芸がないし東洋の小国じゃイメージがわかないから、身近な舞台で作り直したんじゃないのかな。その割にはリングビデオがしょぼかったな。本来サマラ(貞子)が見ている映像なのだから、画面にハエがたかるのは不自然だし、そのハエにもあまり意味がなかった。映像から出てくるのはサマラだけで十分。1週間後が迫ってくる緊迫感もさほど感じられなかったし、救いのないラストに愛がなかったのも残念。何よりも親から子へ伝わってしまう、生い立ちや特殊な能力といった不幸が描かれておらず、全部親の都合じゃねぇかに終始してしまうのがいただけない。かわいくない子役が妙にヒネててよかったんだけど、ママに怒鳴られて部屋から追い出されるときは本気でビビっていたぞありゃ。ところで、メイクにリック・ベイカーを起用しているんだけど、それほど特殊メイクの必要はない上にその真価も発揮されているとは言い難い。恐怖の死に顔は「リング2(1999)」の深田恭子を越えてないし、サマラも「エクソシスト(1973)」で取り憑かれたときのリーガンそのまんまでした。それにしても、ブルーで統一した映像が実に寒々しかったなぁ。ところで、天然痘ウイルスってどこへ行っちゃったの?

12/13追記 劇中で66回流産したと字幕されますが、あれは66年に流産したの間違いなんだそうです。そりゃぁいくらバカでも66回流産するような脚本を書くわけがありませんわなぁ。明らかな邦訳のミスで、悪い意味で話題騒然の戸田奈津子の手になるもです。悪いことは言わないから、手がけるのはラヴロマンスだけにしなさい。

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