06/15 漢は力だ!「スコーピオン・キング」を観てくる。

 今をさかのぼる五千年前の古代エジプト、ゴモラの都に君臨するメムノンは力と恐怖によって周辺の国々と民族を支配していった。しかしアカディアン族最後の戦士マサイアスはメムノンに使える予言者カサンドラを開放し、生き残った部族たちと協力してメムノンに挑むのであった。

 てなわけでザ・ロック様扮するマサイアスが奮闘する時代地域ごちゃまぜ民族大合戦は、裏切り、友情、暴君、筋肉、アマゾネスといった古典的なヒロイック・ファンタジー踏襲した、実にストレートな展開。先が読めちゃうとかステレオタイプとかいったレベルで語るべきではなく、素直にヒーロー(とヒロイン)の活躍に手に汗握ればいいのだ。何しろアクションシーンのほとんどが肉弾戦、しかもほとんどCGIに頼らない本物の熱い戦いはリアルそのもの。スタイリッシュな優男のアクションに押し流されて忘れかけていたものがここにはあるのだ。

 おまけに熱い砂漠で繰り広げられる物語なのに、冒頭はなんと雪山。これには結構びっくりだけど、気を持たせることなく最初からアクションが楽しめます。とはいえ、アクションばかりが見どころじゃなく、ちゃんとドラマチックな展開が待っているんだなぁ。CGIといえば、「ハムナプトラ」ではフンコロガシ大量発生だったけど、今回はアリンコ大発生。アリンコVSロック様は笑えます。首だけ出して土に埋められたロック様の運命やいかにっ!

 脇を固めるキャラもやっぱりこうこなくちゃといったところ。マサイアスと友情で結ばれる同じ筋肉男ヌビア人の王ベルサタルに、エキゾチックな美貌の予言者カサンドラ、狂言回しの馬泥棒と盗賊の子供に、科学者のジジイといった面々、もちろん闘う美女軍団も登場。おまけに展開からしてお約束なんだけどベルサタルが女装なんかしちゃったりして。なんだけど、肝心の暴君メムノンが情けない相貌でちとしょぼい。ザ・ロックの前では明らかに見劣りしているぞ。

 ところで、マサイアスが「ハムナプトラ2」で見せた怪人サソリ男になるか否かは劇場にて・・・と言いたいところなんだけど、CGIに頼らないということから推して知るべし。どんなオチを付けるかと結構期待していたんだがなぁ、サソリ男。

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