05/12 社会問題よりも家庭問題「スパイダーマン」を観てくる。

 ひ弱で影の薄い高校生ピーター・パーカーは、ある日大学研究室の見学で遺伝子操作されたスーパー・スパイダーに咬まれてしまった。しかし翌日、彼の体に驚異的な異変が起きる。そして時を同じくしてオズスコープ社の経営者ノーマンの身にも、自らが新薬の実験体となり恐ろしい異変が起こってしまった。強靱なクモの力を得たピーターはその能力を我欲のために使おうとするが、それが身近な人の悲劇を呼ぶきっかけを作ってしまい、正義のために力を使うことを誓う。一方ノーマンは異変で得た力によって傾きかけたオズスコープ社を立て直すが、他の経営者たちによって幹部の座を追われてしまい、悪の道へと突き進む。やがて、マンハッタンは二人の怪人の戦場と化すのであった・・・みたいよ。

 サム・ライミ版のスパイダーマン、思いのほかしっかりしたストーリーになっていて、まあ普通におもしろかった。ただし、アクションシーンはほとんどCGアクターに取って代わられてしまい、本物の躍動感が感じられなかったのは残念。なによりもヤンママにしか見えないヒロイン、メリージェーンは好きになれん。見た目でつりあいがとれそうなのはノーマンだよなと思えるほどに老け顔だぞ。ハイティーンにはとても見えないけど、場末のバーガーショップでうらぶれてる姿はお似合いだったな。まあこんな個人的趣味はさておき、オズスコープ社が開発したグライダーと変なスーツ、肉体増強剤なんかよりもよっぽどすごいじゃねぇかよ。対立する企業のスペーススーツなんて、どう見ても最近飛行実験に成功しましたぐらいの使い物にならなそうな代物なのに、なんで軍隊はグライダーのほうをお払い箱にしようとしたんだろう。この矛盾に制作スタッフは誰も気がつかなかったんだろうか、バカじゃん。

 まあ、アメコミのいかにもなポーズや設定は失われていないし、何よりもいろいろと悩みを抱えているヒーローの姿がそのままに描かれているのは評価できるかな。エンディング・ロールの最後にかかる曲が、アメコミ・アニメそのままの雰囲気でグーでした。でも、やっぱりあのキスシーンはいらねぇ。すでに続編が決定しているけど、期待は小さいなぁ。「アメリカン・ゴシック」でノリと勢いを失ってるんじゃないか、サム・ライミ。

 そうそう、リングアナはブルース・キャンベルだったんだって。すっかりポチャッてて気がつかなかったよ、というか、誰だこのえせプレスリーはと思ってしまったごめんなさい。

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