11/03 終末は楽しく「エボリューション」を観てくる。

 底抜けに脳天気な地球外生命体版ゴースト・バスターズは、いかにもハリウッド流のスケールはでかいが話は小さいおもしろバカ映画。

 大学の科学者も、軍の科学者も、やってることは小学生の昆虫採集観察。顕微鏡をのぞいて喜んでいる程度のレベル。どんどん適応進化、というよりも適応変態するエイリアンはほとんど野ざらし。手に負えなくなったら焼き払ってしまえときたもんだ。

 そんな人類の危機だというのに、いやなことは大騒ぎして忘れようといわんばかりに始まるゴーゴーパーティーに、もう危機感も何もあったもんじゃない。ここから先の怒濤のラストは観てのお楽しみ。ちょっとネタばれすると、マッチ一本火事のもと、気分は「マックイーンの絶対の危機」。

 あんなでかい隕石が落ちてきたらそれだけで被害が出るんじゃないかとか、ちょっと大きく進化したエイリアンになると個体数が少なすぎで迫力がないとか、類人猿止まりじゃなくてもっと知性を持つところまで進化させてほしかったとか、かわいいヒロインが不在だとか、ジュリアン・ムーアは不気味ちゃんだと思うぞとか、まあ今回はボケがいっぱいでまずまずだったとか、オーランド・ジョーンズは軽妙でいいぞとか、ドゥカプニーはケツをしまえだとか、性と暴力描写には神経質なのに下品なことはお構いなしを正そうとか、軍隊よりも民間人のほうが強いのは毎度ながら困ったもんだとか、グランド・キャニオンをグレン・キャニオンと訳したのは気に入らんとか、いいたいことはいっぱいあるけど頭の中が空っぽになってしまうほどおもしろい作品でした。空っぽにするんじゃなくて、空っぽにされて思わず笑っちゃうところがミソね。

 ところで、三つ目のスマイルマークって、いったい何だったんだろう。ダン・エイクロイドも出したことだし、もしかしてエイリアン・バスターズのマークにでもするつもりで続編への布石かな。映画館でシールもらっちゃったから、僕も今日からエイリアン・バスターズだね(バカ)

 そろそろネタばれもいいかな。ということでラストで大騒ぎの巨大アメーバ、単純な構造云々の下りはあるものの最近ああいう不定形モンスターは食傷気味なんで、どうせ強靭な生命力の生き物を出すんだったらクマムシなんか面白かったなぁ。(11/10追記)

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