10/08 ちからバカ「トゥ−ムレイダー」を観てくる

 レビューを書く気がしなかったんだけど、一寸酔った勢いで書いてみた。

 世界一有名らしいヒロイン、ララ・クラフト、小耳にもはさんだことはなかったから自意識過剰型の作品かなと思っていたことはさておき。多国語を解するも、知性を感じるどころか、あまりにも粗野なヒロインには嫌悪感すら感じた。

 「鍵」の入った「時計」をみつける過程が唐突なのも気になるが、隠し部屋の扉を開けるのではなく破壊したところでクラフトに知性のかけらも感じなくなった。時計の箱のすき間から光がもれていたのに、開けたら光っていなかったのも気になるぞ。ついでに、時計の中から鍵を取り出すところでもクラフトの粗暴さ爆発、貯金箱を壊すようにハンマーでたたき壊しやがんの。ああいうものはじっくりと取り出すから驚きがあるのになぁ、ありがたみも何もあったもんじゃない。

 トリガーハッピーよろしく、もうひたすらハンドガンを撃ちまくるのも、力バカを誇示していたよ。いちおうツッコミどころだから言っとくけど、はったりでもいいから大口径かと思ったら、スタビライザーででかく見えただけなのね。力バカといえば、ラストはもうそのまんまでした。今度はプレデターと肉弾戦をしてほしいぞ。

 というわけでヒロインに見切りをつけ、アクションと宝探しに的をしぼる。が、アクションがおもしろいのは冒頭の「鍵」をみつけるあたりまで。宝探しにしても、力押しばかりで謎解きも何もあったもんじゃない。そもそもこの宝探しそのものに、なんの危機感も期待感もない思うが。まあ、カンボジアの寺院で仏像を破壊するシーン、おいおい仏教国でいいのかよと思ったら、若者が一人意味ありげにニヤリとするのはよかったね。

 脚本にははなから期待しちゃいなかったけど、人間関係と目的が希薄過ぎて、みんな何をしたいのか、トライアングルをゲットする目的がなんなのか、さっぱりわからん。単純に金や名誉やコレクションのためって割り切ったほうが面白かったかもね。そういえば敵役になるあの組織はいったいどういう集まりなんでしょう。時を支配して世界を征服するには、あまりにもお粗末過ぎやしないかい。次に宝探し物をつくるときがあったら、菊地秀行氏のエイリアンシリーズを原作に迎えてほしいな。

 お宝といえば、二つに分けて地球の両極に封印されたっていってるけど、いくらなんでもかつてカンボジアが南極だったてのは初耳。大陸移動と地軸の傾きを考えても、カンボジアとアイスランドが両極にあったってのには無理がありすぎじゃないかい。かつて南極大陸がもっと北(南緯ね)にあったって話はあるけどね。もしかして、南に行くほど暖かいって、古代人をも凌駕するほどバカなことを考えていたのか。

 自然現象といえば、惑星直列ネタは今ごろないんじゃないかな。元になったゲームがそういうネタだったとしても、いま映画化するんならネタを変えるべきだぞ。ついでに、太陽系の惑星は同一平面上にはまわってないよ。

 ケチをつけだしたら他にもいっぱいあるけど、突っ込む自分が情けなくなるのでまあいいとして、クラフトの膝や肘に生傷が絶えなかったのには感心したね。半袖半ズボンで暴れると、そうなるんだよ。

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