08/30 働かざるもの喰うべからず「千と千尋の神隠し」を観てくる。
良く言えば集大成、悪く言えば寄せ集め。宮崎駿がこれまでに関ってきた作品の断片が、あまりにもみえみえに散りばめられているので、新しい作品を見た気がしなかったというのが正直なところ。
単純なストーリーに多くのエピソードを詰め込む手法もかわっていませんね。しかし、これだけ詰め込んで破綻させないあたりもさすがです。どんな些細なシーン、遊び心のあるカットもけっして話の腰を折らず、メトロノームのようにリズムを保って話がすすむのですな。
もっとも、このあたりに落とし穴のようなものがあるわけで、ゆっくりなんだけど息つく暇もないですし、本筋を追いながらスクリーンの片隅にまで注意を向けるのはなかなか至難の業、しかもおもしろいときているからリピーターが絶えないんじゃないかな。もちろん、そんなことを狙って作ったとは思えませんが。
さて、幕が開いてからいきなり本題に入ったのには驚きました。まあ唐突に始まりあっさりと終わるあたり、賛否両論ありそうですが、「神隠し」なんだからこれでいいと思いますね。神隠しに前振りや余韻は不要です。
私の隣席では小さなお子様が見ていまして、この子がキャラクターやその仕草、シチュエーションにばかり目を奪われていました。忘れてしまった子供のころの思い出ってのは、実はストーリーなんて関係なく、一つ一つのたわいもないシチュエーションなんでしょうねぇ。
というわけで、スタジオジブリのおもちゃ箱でした。そいえば、最近おもちゃ箱ってフレーズをよく聞くような。