08/05　スピルバーグのフルチワールド「A.I.」を観てくる。

　すごかったね、大洪水。マグロ漁船遭難なんて話にならないし、巨大隕石大落下なんて目じゃなかったよ。何たって地球温暖化だからね。自由の女神が掲げる聖火が水面から突き出している様は、猿の惑星や幻魔大戦を彷彿とさせられるね。知らなかったよ、クライシスだったなんて！

　出産制限にも、感慨深いものがあったね。THX-1138を彷彿とさせられたよ。ははぁ、ルーカスへのオマージュかな。いやいや、子供を買う時代がくるなんてのは、赤ちゃんよ永遠にか、50年後の世界へのオマージュかも。食糧危機まであったら、ソイレント・グリーンだったのに。

　いやあ、怖かったよ、ハサミを持ってモニカに忍び寄るデイビッド。間一髪、目に刺さらなかったけど、ルチオ・フルチも真っ青だね。マーティンを羽交い締めにしてプールに引きずり込むあたりも、神懸かりだったね。知らなかったよ、ホラーだったなんて！

　フレッシュ・フェアーも怖かったね。野良ロボットや捨てロボットの惨殺、トンチキなバイクが走り回る様は、まるで未来帝国ローマ。やっぱりフルチじゃん。相変わらず月を背景に使いたがるのは、E.T.を手放せないんだろうなぁ。知らなかったよ、スプラッターだったなんて！

　歓楽街なんか、いつブレード・ランナーが出てくるのかとわくわくしちゃったよ。だってほら、レプリカントがいっぱいいるじゃん。ジゴロ・ジョーは最後まで逃げ切れるかと思ったんだけど、捕まっちゃったね。「俺は生きた」、まさにレプリカントの哀愁を漂わせていたよ。ドクター・ノオなんて、きっと謎の中国人に違いないって思ったんだけど、007が出てくるどころか、ロジャー・ラビットみたいなジジイだとは思わなかった。しかも、ロビン・ウイリアムズだし。知らなかったよ、サイバー・パンクだったなんて！

　海中に沈んだマンハッタン島、てっきり宇宙人が住んでいてデイビッドを助けにくるかと思ったよ。それで、地上に絶望して大津波を起こそうとするんだけど、デイビッドに説得されるの、アビスみたいに。それと、ブルー・フェアリー、いつ歌って踊るかと思ったら、2000年も待たなきゃならなかったんだ。ディズニーも真っ青って、何か違うか。

　そうそう、2000年後の機械生命体、実体感がなかったのはさておき、きれいだったね。デイビッドの発掘シーンなんか、もう涙が出ちゃったよ、眠くって。ナレーションが入り始めたときには、どうしてくれようかと思ったね。知らなかったよ、モンド・ドキュメンタリーだったなんて！

　というわけで、スピルバーグのピノキオは妖精の夢を見るか的なおもちゃ箱は、ロボット３原則を忘れちゃあいけないよという訓戒だったのでした。え？違うの？。

　おっと、肝心なことを忘れていたよ。全編にわたって大活躍のテディー、あれってイウォークじゃねぇかよ。でも、自分の腹を切り裂いたり縫い合わせたり、カーって威嚇するなんざぁ、怖かったよ。というわけで、やっぱチャッキーだよ。