08/04 知能指数低下「猿の惑星」を観てくる。

いやはや、ギャーギャーキーキーとうるさい映画だ。展開が早いから長いとは感じなかったけど、あまり必然性を感じないシーンが多くて話しが半端になっている部分がある。コメディーじゃないんだから、スラップスティックなカットは不要だと思うぞ。しかも、カメラワークもカットワークもあわただしくて会話の内容やシチュエーションが理解しにくかったりもする。アクションのアップだけでも追いかけるのが大変なのに、対話シーンまで引きのショットがないのは近ごろの流行なのかなぁ。

 メイク、演技、演出など全てにおいて猿のリアリティーを追求しすぎてしまい、およそ知的にはみえなかったのが残念。知性は重要なポイントなのにねぇ、下品なんだよ。元将軍のゴリラはクールでよかったけどね。猿の居住区なんて、こんもりとした山だよ。まさに猿山。しかも、猿、人間を問わず、人間関係やしがらみが希薄だし、ストーリーに絡んでこないし。せっかく人間も言葉を話せる設定なのにもったいないね。野蛮猿vs野蛮人、これで恐竜でも出てくれば恐竜100万年だ。どうせなら言語を排して恐竜時代ってものいいぞ。ああ、実は恐竜が支配する星だってことにすれば恐竜の惑星だな。

 もっとも、この不自然なリアリズム、ラストシーンを劇的に見せるための演出じゃねぇかと思えるふしもある。1967年版ほどの衝撃はないけど、ラストの絵はすばらしい。レオを取り囲む警官たちと、リンカーン像かと思ったら・・・。そうそう、この孤立感が本編に足りなかったんだよ。

 特殊メイクに関しては、メスのメイクだけ人間に近いのが気にいらねーぜ、リック・ベイカーさん。ちと辛口になっちゃったけど、おもしろいのは確か。もしかしてアンチキリスト?なんて思えるところもあったり。あ、人間側のヒロインが「青い珊瑚礁」のブルック・シールズみたいでした。

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