邦題 |
ビヨンド |
原題 |
BEYOND |
製作年 |
1981年 |
製作国 |
イタリア |
制作社 |
NATIONAL CINEMATOGRAFICA |
制作 |
ファブリッツィオ・デ・アンジェリス |
監督 |
ルチオ・フルチ |
脚本 |
ルチオ・フルチ |
原作 |
オリジナル |
出演 |
カトリオーナ・マッコール |
映像情報 |
90分/カラー |
【ストーリー】 1927年、ルイジアナ州のホテル7th Gate。地獄への入り口を見つけた画家シュワイクはそれを絵にして封印しようとするが、彼を気味悪がった近所の連中に惨殺されてしまう。この冒頭のシーンはセピア調で、エイボンの予言書の朗読とともになかなか雰囲気は良い。時は流れて1981年、このホテルを遺産相続したライザはホテルを再興しようとするが、何と言ってもこのホテルは地獄の入り口、シュワイクがよみがえり、工事にかかわった者たちは次々と惨劇に見舞わた。そんな中、ライザはホテルの謎を知る盲目の女性エミリーと出会い、ホテルを手放すようにいわれる。しかしライザは「私にはこのホテルしかないの」と固執し、おまけに警察沙汰にもならないので惨劇はとどまるところを知らない。ホテルの設計図を見つけた男性も、何かに気付いたところであえなくタランチュラの餌食となり、エミリーも地獄からの使いの手にかかって悲劇的な最期をとげてしまう。やがて地獄の門が開いてしまい、ライザと医者のジョンは異変の始まったホテルを捨てて病院へ逃げ込むが、そこはよみがえった死者であふれていた。エミリーの後継者の少女ジルにも殺されかけるが、少女の頭を吹き飛ばして難を逃る。そして病院の地下に逃げ込むがそこはホテルの地下につながっており、すでに地獄となっていた。入り口も閉ざされ、二人はそのまま地獄をさまようはめになってバッドエンド。エイボンの予言書の一節、「汝は暗き海に向かいとこしえにさまよわん」まさにそのままに。 |
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【コメント】 クトゥルー神話らしさといえば、魔導師エイボンの書が物語のベースになっており、地獄の扉が開いてしまうというプロット程度にとどまっています。そしてサンゲリア以来目玉大好きのルチオ・フルチらしくショッキングなシーンが多いのですが、やはり、あいかわらず本編との脈絡はありません。酸の入った巨大なガラスビンが遺体安置室のロッカーの上に不安定に置かれているといった、惨劇を招くための不自然なシチュエーションがそれをよく表しています。しかし、無慈悲で救いようのないストーリーに一花添えていることは確かですね。また、冒頭の過去のシーンはセピア調で、エイボンの予言書の朗読とともに不気味ながらいい雰囲気を出しています。深く考えずに見れば、そこここにエイボンの書が散りばめられてなかなか楽しめる作品です。ただし、スプラッターで汚い点を除けば。 |