OWNER'S LOG

02.17
夕方までバタバタ。スタジオ行って、昨日のライヴ・レコーディングの後、搬入しただけになっている機材を整理・・・仕切れないうちに夕方に。マーチンD-28を抱えた田中亜矢さんがやってくる。今日はふたりで、さかなトリビュート・アルバム用のデモ・レコーディング。本当は1月中に田中さんがひとりでデモを作って送ってくれるはずだったのだが、煮詰まってしまいました〜ということだったので、じゃあ、うちのスタジオで一緒にやってみましょう、ということに。
曲は「トッテリングウェイ」で、まず弾き語りで聞かせてもらうと、すでに素晴らしいじゃないですか。声の美しさにうっとり。僕一人のために目の前で弾き語りしてもらっていいんでしょうか!てぐらい。でも、なにかしらアレンジを加えていくことも考えて、クリックと一緒にギターだけ録音させてもらうことにする。
クリックといっても、ただのクリックではノリが硬くなりそうだったので、ローランドのCR-78(古いリズムボックス)の音をプロトゥールズに取りこんで、簡単なシークエンスを組む。最近はMIDIでやるより、プロトゥールズ上でタイミングずらしたりしながら、シークエンス作る方が得意になってしまった。
D-28にはAKG C12とSURE SM57を立てて録音。マイクプリはORAM。とりあえずワンテイク。それからヴォーカルをAKG C12Aで録って、さらにマイク・テストの意味もあって、U67でもうワンテイク。マイクプリはずっとORAM。NEVEの出番がほとんどなくなってしまうくらい、最近はORAMに惚れてしまいました。今日もU67で録った田中さんのヴォーカルの艶やかなこと。デモ・レコーディングのはずが、もう、これでOKじゃないかと思えるテイクがさらっと録れてしまった。
ヴォーカルを録った後、弾き語りにプラス・アルファのアレンジを考える。僕は前から考えていたのは、60年代のヴァーブやコロンビア・レーベルのフォーク作品のような雰囲気で田中さんの歌声を包めないかということ。ロックとはやや縁遠い、フォークとクラシックの香りがする感じが良いように思ったのだが、とはいえ、実現は簡単ではない。サンプラーでストリングス・パートなど試してみるものの、決め手には至らず。
とりあえず、田中さんと今後の方策を話し合った後、駅までお送りして、深夜にひとりでさらにアレンジを考える。2本目のギターをクラシック・ギターで弾いてみるが、これは良い感じ。ギターというより、ハープみたいな解釈。これにヴァイオリンとチェロを加えたいなと思うが、音を多くしていくと、どうも余計なことをしているように思えてもくる。歌がすでにとても良く録音れているので、このまま何もしない方が良い気も。いずれにしろ、このトリビュート盤の中でも田中さんの歌は際立って良いでしょう。

02.18〜21
疲れました。今週はミーティング多数。しかし、二日間、4食続けてタダメシ食べていたりすると、フラストレーションがつのりますな。カレー食べられないもん。
二回も秋葉原に行って、ブロックコン探索をするが見つからず。メキシコで生産されていたAEROMの40+40+40のブロック電解、どこかに残っていないでしょうか?
さらに、隠密行動。東京脱出、福岡に行ったりする。滞在時間15時間ほど。何人かの人と貴重な会話の時間。あとはラーメン食べたのみ。
しかし、先日来から重い機材運びが続き、フライヤー5000枚抱えて、渋谷の街をウロウロなどしてこともあって、ついに足腰に来てしまいました。帰りの飛行機から降りたら、腰から太股がズシリとした痛みとともに硬直。数歩、歩くのも辛くなってしまった。鎮痛剤でなんとかごまかす。
にもかかわらず、またローディー仕事もあって、金曜日は新宿JAMで朝日美穂ソロ・ライヴ。チョコレート・パフェというバンドのイヴェントに呼んでもらいました。チョコレート・パフェはたたずまいが異様に七十年代前半ぽくて、僕の世代というより、大学のサークルの2、3年上の人達がやっていたようなフォーク・ロック・バンドを思い出す。でも、演奏はゆったりとしていながら、楽器間のバランスが良く、リズムも非常にタイト。あと、ゲストのピアノ・プレイヤーが良かった。ギター・バンドの中でああいうピアノを弾くプレイヤーは日本には珍しく、キース・ゴッドショーを思い出したり。
朝日はようやく風邪も完治し、喉の調子も戻ってはきた。でも、去年の暮れのERAを100とすると、まだ80くらいかな。先日のQUEの反省もあり、PAオペレーションは僕がやる。終了後、JAMの人が朝日に「うちのハコでこんな音を聞いたことがありませんでした」と言っていたそうだ。でも、JAMって良いハコですね。というのも、場所柄や内装からは想像もつかないくらい音響機材には気が配ってあり、ハコのオペレーターも優秀。とてもやりやすかった。
前々から思っていることだが、ライヴハウスって、一番重要なはずの「音を聞かせる」ことに、イーカゲンな場所も多い。お洒落な見た目と、そこの部分のクォリティーが反比例しているように思えるハコも少なくないし。僕が音の良いライヴハウスと思えるのは、例えば、吉祥寺MAN-DALA2。あそこのPAは音太いし、オペレーターの方の音楽に向かう真摯な姿勢も伝わってきます。JAMも似た感じ。メインスピーカーはホーン付きのJBLだし、卓周りは8チャンネル分のコンプ、4系統ものリヴァーブ、ディレイが使えるようになっている。良い音聞かせたいってこだわりがPAブースに入っただけで分かる。
PAオペレーションは1曲、1曲、一緒に演奏するつもりでやる。ヴォーカルのフェーダーから絶対に指を離さない。曲ごとにディレイタイムをプログラムしなおし、曲中でもディレイやリヴァーブのバランスを変える。こういうことは曲をすべて把握している人間にしか出来ないわけで、もっと早くに自分でやるようにすべきだったなあ。PAオペレーションは常にハウリングのリスクがあり、マージンの取り方というか、聞きたい音に対する気持ちの持っていき方がレコーディングとは違う。だから、まだ攻めきれない感はあるのだけれど、1年間くらい続けてやっていったら、僕ももう少し良いPAエンジニアになるかもしれません。
しかしまあ、筋肉弱っているわ。週末は要安静か。

02.22〜23
つ〜わけで、要安静。実は原稿溜まってたりして。でも、要安静。それはそうと、僕は過去三十年以上、医者からもらう薬も飲まずに捨ててきたおかげで、鎮痛剤が効きますわ。世の中に不愉快なこと、何一つないてな気分にすらなる。いけない、いけない、一回二錠、一日三回までなんだけどさ。
ヴィデオで「ドニー・ダーコ」見ました。賛否両論ありそうだが、僕の評価はもち、サイコ〜っす。見終ってすぐに二度目に突入すると、冒頭のエコー・アンド・ザ・バニーメンの「キリング・ムーン」の歌詞が物語っていたことがす〜っと胸に入ってきて・・・80年代前半のロックを体験した人は必見。