01.20 家で原稿、郵送事務など。夜遅く、FM東京へ。PHATの深夜番組出演の立ち会い。ラジオ局のDJブースで即興演奏するバンド(しかも、すでに三度目)というのも珍しいだろうな。
ところで、僕はあまり欲しいものがありません。生活レベルは今のそれで十分です。街に出ても、欲しい服も家具も電化製品も何もなくて、自分でも驚きます。唯一、湯水のように金を使っているのが楽器、機材ですが、まあ、これは仕事道具だしね。
以前のように、レコードも買いまくることはなくなってしまいました。そのことをちょっと寂しくは思うけれども、これ以上、置き場のないレコードが増えるのはバイオハザードにも等しい。人間的生活が維持できないですから。
しかし、そんな僕にもなんとか手に入れたいと願っているレコードはある。それは昔に売ってしまったレコードです。出会わないレコードはもう出会わないでもいい。でも、売ってしまったレコードの中には、ずっとずっと忘れられず、手放したことを後悔しているものがある。
若い頃はお金がなくなると、レコードや本を売らねばならなかった。新しいレコードを買うために、もう少し聞きこめば、何かが見えてきそうなレコードでも売ってしまうことがあった。そして、中には売ったが最後、何十年間も中古盤屋をめぐっても、二度とお目にかかることが出来ないレコードもあるわけです。
TONY KOSINEKのサード・アルバム「CONSIDER THE HEART」もそんな一枚で、25年くらい前に高円寺のアミナダブというレコード店に600円で売ってしまった。そして、買い戻したいと思っても、なぜか、一度も中古盤屋で見かけることがなく、今日まで来てしまった。たぶん、非常にプレス数の少ないレコードだったのでしょう。
しかし、47歳の誕生日に、ひょんなことから、それが手に入ってしまいました。こんなこともあるのだな。「アメリ」の、子供の頃の宝物を届けられたオヤジみたいな気分。歳取って良いこともある。だって、こんな経験、たくさん生きてなきゃ出来ないもん。
01.21一日、デザイン仕事。仕事といっても、もちろん、僕にデザインを依頼する人などいないので、自分のレーベルや関わるアーティストのジャケットやらフライヤーやWEBのページなどを、フォトショップやイラストレイターであ〜でもないこ〜でもないと独り言いいながら作っているだけですが。これで丸一日潰れると、疲れ果ててはいるものの、本当に仕事した気にはならず、こんなんで大丈夫なのか?オレ?という不安に襲われます。実際、一銭も稼いでないわけだしね。しかし、なんでこんなにデザイン仕事が多いんだろ? 今週はこれで潰れそう。
01.22東芝EMIでミーティング〜新宿西口でパソコン周りの買い物〜パルコでミーティング〜FM東京の番組にフジワラダイスケが生出演するのを見学。ダイスケは喋り上手いんだよな、ラジオ向き。あ、でも、ステージのMCは駄目か。
あまりに寒いので家に帰って、ひとり鍋など作り、「スパイダーマン」のDVDを見る。肩の凝らないハリウッド作品もたまには良いもの。この手の映画って、昨今はSFXに頼って、おどろどろしくなりすぎのことが多いが、サラッとバランス良く作ってあって、予想外に楽しんだ。
01.23寒い雨の日。午後、スタジオでまたまた「サウンド・デザイナー」誌の取材。やるべきスタジオ作業がたまっているのだが、今一つ、集中力がなくて、進まない。
夜は朝日がやってきて、2/14のライヴで披露する新曲作り。コードや小節数のことでモメつつも、デジパフォでデモを作っていく。彼女の曲作りは常人のそれとはかなりかけ離れていることが多く、この曲も最初は14小節で回っていたり、ポリコード的な不協があちこちにあったり。レコーディングするだけだったら、根気よく作業して、それに整合性を与えていくのも良いが、メンバー集めてライヴで演奏するとなると、もう少し、分かりやすく、ノリやすい曲にしておきたくなる。が、コードなどを整理して打ちこむと、彼女の思い描くムードとは違ってしまうようで、みるみる顔が曇ったり。
なんだかんだで深夜まで。しかし、最後にギター弾いて、プリンス〜岡村ちゃん的カッティングで、コード進行をスムーズに示すようにしてみたら、それそれそれ!ってことで、あっさり決着。しかし、僕はこういうギターのライン作るのは得意なんだけれど、きちんと弾ききれないのでフラストレーションが残る。なんでマサユキみたいに弾けないんだろ。若い頃にもっと練習しておけばなあ。
そうそう、石井マサユキといえば、なんとアムロちゃんのレコーディングに参加した模様。でもって、そのために僕のテイラーのアコギを借りていきました。ということは、僕のギターがアムロちゃんのレコーディングで使われたわけです。だからなんてことはないですが。サイン頼むの忘れた。
01.24銀座で朝日新聞試聴室選考会議。今月はユッスー・ンドゥールとトライバリスタスとボニー・プリンス・ビリーが入ればいいや、と思っていたら、その3枚を書くことに。
その後、雑用で荻窪、新宿、渋谷と回ったら疲れ果ててしまい、スタジオに行くはずが、マーケットで買い物して、家に直帰。夜はカワハギの煮物や里芋のふかしたのなど作って渋い食事。今日ぐらいは、とソファに座って、CDをたくさん聞く。ユッスーもいいが、バオバブもいいね。あと、去年出たロン・セクススミスのアルバムを聞き返したら、たまらなく良かったりして。なんかデモ・テープっぽいんだよね、コレ。ゆえに正統なSSWファンには軽視されそうなのだが、でも、9曲目の、かなりダサ目の打ち込みディスコっぽいのが好きになってしまうオレ。昨日、インタヴューを受けていた時も思ったのだけれど、正統じゃないものや素人臭いのが性に合うところがあるのだ、僕には。
ジョン・カーペンター「ゴースト・オブ・マーズ」を見る。ウワッ、低予算。つ〜か、「物体X」じゃん、コレっていうぐらいのカーペンター節炸裂。懲りない人って好きです。で、オレには何かひとつでも、このぐらいのオレ節的なところがあるのだろうか?と考えてみたり。
01.25家でデザイン仕事の続き。仕事と思うから重くなるのであって、こないだまでのように、イラストレーターの扱い方をもう少し覚えよう、的なスタンスで臨めばいいのかもしれない。
夕方、物を取りにスタジオに。が、ちょっとした機材メンテを始めたら熱中してしまい、ハンダごて握って、ケーブル作ったりなんだり、深夜まで。あれやこれやの音質チェックも。例えば、回線をこう使った場合とこう使った場合、どっちが音が良いかとか、どこでどうアナログ〜デジタルのコンバートをすると、損失が少なくマスターを作れるかとかいったことは、仕事とは別の時間に細かくチェックしていかないと分からなかったりする。しかし、コレにはまると、時間などはアッという間に過ぎ去っていき、気がついたら朝でした。ヤバ。
01.26あれやこれや、あれやこれやで、たいした仕事していないのに忙しく感じられる。おかげで、腰を落ち着けないと出来ないクリエティヴ・ワークに戻ることができない。あと少しで完成のフジワラダイスケ・ソロも、今年に入って、全然触ることができずにいるし。フラストレーションがたまるが、でも、ガマンガマン。やりたいことを一つやるためには、やりたくないことを10個引き受けないといけない。少なくとも、僕の人生はそう出来ているようだ。
夜、自由が丘のスタジオにアコースティック・ダブ・メッセンジャーズのレコーディングを覗きに行く。彼らのミックスをやったのはもう2年前の夏。イタリア盤に収録予定、ということだったが、ずっと出ていなくて、ようやく春頃リリースらしい。今、レコーディングしているのは去年の夏から作っているというフル・アルバム。ウルトラ・リヴィングの野中兄弟のプロデュース。良さそうですよ。今日がレコーディング最終日ということで、みんな疲れ果てた感じだったけれど。
深夜、ラフト・ミュージックの笹岡さんといろいろ話す。さかなのトリビュート・アルバムはMEMORY LABとRAFT MUSICの共同オペレーションで制作しているのでした。笹岡さんの話を聞いていると、お金がないと何も出来ない感じの東京に比べて、地方都市の方が人の熱意で動くことが沢山あるように感じられてならない。いろいろとやるばきことが見えてきて、希望が湧いてきたぞ。インディーにしか出来ないことをもっともっとやり散らそう。CCCDで出さなきゃならないメジャー・リリースなんて、もはや何の魅力もないと思うことしきり。