BEFORE GET IN SLEEP

10.29
週明けでどどどっと雑用に追われる。何がなにやら。夕方、スタジオに。が、NEOTEKがまた不調。困った。

10.30
昨日の続きで、バタバタ。NEOTEKの前の持ち主からメール。彼は電気回路にかなり詳しいようで、原因究明のための、詳しいアドヴァイスをもらう。SOLD AS ISで買ったものだが、責任感の強い人なので良かった。とはいえ、アメリカに送り戻すわけにもいかないので、自分でなんとかせねばならない。
今日あるはずの用事が先送りになったので、夕方、スタジオに。あれこれCDを聞きながら、いろいろ考える。遅くにsasakidelic氏が来訪。幾つか悪い誘いをかけてみる。
帰ろうとしたら、リュックがないのに気づく。どっかに忘れてきたようだ。現金やカードこそ入っていないが、貯金通帳とパスポートと保険証が入っていた。会社の社印も。めちゃめちゃ慌てて、自転車で心当たりを回るが、時間も遅いので、探すこと自体無理。
どうしよう?と思ったが、このまま家に帰っても、心落ち着かないままに違いないので、何を思ったか、この際、卓のメンテをしようと決心。夜中だというのに、裏蓋を開けて、トラブルの原因がありそうなマスター・アウトプット・セクションをチェックしてみた。
しかし、NEOTEKの卓の内部というのは凄いことになっていて、すべての基盤が直にハンダ付けされて繋がっている。普通はチャンネルごとにモジュール化されていて、ソケットで繋がっているのだが、全部の配線が直づけなのだ。圧巻なのは、バスの結線が硬いハダカのワイヤーで、すべてのチャンネルの基盤を串刺しにするように結ばれていること。それがガッチリとハンダづけされているので、各チャンネルの基盤は取り外しがきかない。音質的にはソケットを使うより有利なのだろうが、これではどうやって修理するのだろう?という構造だ。
それでもマスター・アウト・プット・セクションは一番端にあるので、串刺しされた状態でも作業はできそうではある。まずは、左右のオペアンプを入れ換えてみようと思ったが、オペアンプは基盤の中央にあるので、指がうまく入らない。これはやはりバス・ワイヤーを外さないと駄目そうだ。オペアンプ以外に疑わしいのはコンデンサーだが、見るとアウトプットの最終段のところに100μFの電解コンデンサーがペアである。先日もNEVEのマイクプリの最終段の100μFの電解コンデンサーを交換したばかり。このコンデンサーなら持ち合わせはある。
なので、試しに両チャンネルのこのコンデンサーを変えてみた。テスターが手もとになかったので、容量抜けしているという確証は何もないのだが、年代からして、そろそろ交換しても良いパーツだろう。さくさくと作業して、裏蓋を閉じる。元通りにワイアリングして、1、2チャンネルにCDを入力して聞いてみる。問題なし。心なしかハイの抜けが良くなった気も。ひょっとしてドンピシャ? まあ、必ずしも再現性のあるトラブルではないので、一週間ぐらい様子を見てみないと分からないだろうが。

10.31
リュックは無事見つかる。が、そんなこんなで今日も雑事でバタバタ。「KING OF PIMP」のサンプル盤到着。発送作業にも追われる。原稿を書き始めるが、まったく気分が落ち着かず。
夕方からスタジオに。ようやく、先日からやっている朝日の曲の新しいアレンジ、というより音像が思い浮かぶ。が、今日もまたトラブル。マックのキーボードのADBポートが接触不良で、マウスが動かなくなる。中を開けていろいろやってみるが駄目。
ちなみに、僕はいまだに初代のアップル・キーボードを使っている。このキー配列でないと絶対駄目。なので、こればっかり4台も持っている。が、1台は同じ症状で押し入れ入りしているので、スペアはあと1台。これを家から持ってこないと。
なぜか、清水靖章さんのバッハのアルバムを繰り返し聞く。聞いていたら、NEOTEKのトラブル再発。昨日、換えたコンデンサーが不良なのではなかったようだ。でも、故障箇所はかなり特定されてきた。今度、回路図見て、その部分のコンデンサーを全部、交換すればOKとの確信を得る。

11.01
PHATのミックス・デー。今日はダイスケ欠席。ヌマちゃんとチョースケと3人でやる。こないだダイスケと悪戦苦闘した「COMPOSIT」をヌマちゃんの提案入れてやりなおし。面白いドラム・ブレイクを作った。あと、ドラムセットの中でのハイハットの重要性を知る。ハイハットって割と刻んでいる人的なイメージで軽視しがちだが、ヌマちゃんいわく「ハイハットもフレーズの一部」。なるほど、ハイハットの聞かせ方でフィルのイメージとかが随分変わるのが分かった。
さらに、「KING OF PIMP」に続くマサトのラップ入りの新曲とエディ・ハリスのカヴァー、「フリーダム・ジャズ・ダンス」も続けてミックス。今日は仕事が速い。ミックスもごくごくストレートなミックス。ヌマちゃんもチョースケも要点だけをバシッと言うので、やりやすい。ダイスケと一緒にやっていると、途中から抽象的な、形而上的な話に入りこんでいったりするからなあ。もちろん、それも何か新しい物を生み出そうとするのには必要なことだろうが。

11.02
「樹海」のサンプル到着。これはヴィデオ・クリップのクイックタイム・ムーヴィーが入ったエンハンスドCD仕様なのだが、エンハンスドにすると工程的にオーディオCDとしてのクォリティーを犠牲にするところがある。難しいところだ。
雑用があまりに多く、くだらない事故にもふたつほど巻き込まれる。この一週間で僕が送った宅急便がひとつ、受け取った宅急便がひとつ、それぞれ大きく破損していた。前者は人に譲ったYAMAHA 02Rだが、事故車かって思うほどにベコベコ。で、昨日、僕が受け取ったコンプレッサーは前面パネルが割れて、ボロボロ。どちらも補償はされそうだが、なんだかなあ。後者は郵便局で、担当者がやってきたが、「全損事故ということで補償の手続きをしますが、お支払いできるまでに6カ月はかかります」ということ。さすがお役所! これじゃ民営化しろ!と言いたくなるよ。
でもって、その担当者、壊れたコンプの写真を撮って、僕にあれこれサインをさせて、それでいて、帰る時に何もこちらには置いていかない。「これ、問い合わせる時にはどうしたら良いんですか?」と聞いたら、じゃあ、これを、と名刺を差し出す。一般常識で考えたら、この事故報告はこのように受理しました、という書類を置いていくもんじゃないのか? 6カ月後にはアンタ、転勤になっているかもしれないんだし。が、「そういう書式は用意されていないんです」という答え。
保険がかかっていたことの証拠になる伝票も持っていこうとするので、それは困る、ということで断った。で、「受理した番号も何もなくて、問い合わせる時にはどうしたらいいんですか?」と聞いたら、「お名前を言ってくだされば」だって。6カ月も支払いにかかるというのに、事故報告を受理したという証拠も何もなく、問い合わせしても、書類は名前でしか探せないのだ。まるで、被害者が忘れてしまうのを期待しているようなやり方に思えるが。
夜中までスタジオで作業。というより、あれこれ実験。初心に返って(?)、アカイのS1100でサンプル編集。いまだ、コイツが僕には一番、サンプルをちぎったりするのにはやりやすい。あと、発想がヒップホップ的になるな。

11.03
昼はボチボチ原稿準備。発送事務など。夕方からスタジオに。
この数日、考えたことを実現すべく、生のパーカッション録り。といっても、自分で叩いたのだが。 こないだ青柳くんが忘れていったブラシがあったので、それで色んなものを叩いて、とりあえず、2、3テイク録ってみる。と同時に、打ち込みでもパーカッションのトラックを作る。で、そのふたつをコンバイン。打ち込みしたタイミング通りに、生のパーカッションの波形をデジタル・パフォーマーに貼りつけて行ってみる。ところどころ、打ち込みのサンプル音も併用して足りないフリーケンシーを補う。面白い感じになった。いろんな音色が散乱しているが、同じブースで同じマイクで録っているから、ひとつの空気感の中で響く。
夜に朝日がやってきて、トラックを確認。この線で行くことになりそう。ベースを何テイクか弾いてみる。打ち込みでムーグを鳴らしてやるか、生で弾くか迷う。これもパーカッションと同じように面白く併用できないものか。ピアノ・パートをオンオフしてダブってみたりもする。サウンド的には面白いのだが、曲想が暗くなってしまうので、残念ながら却下。コーラスでもっと面白くできないかと朝日に相談。考えてきてもらうことにして、今日は終了。

11.04
朝から原稿原稿。でも、日本に戻ってきたエンジニアの山口から電話。昼メシを食うことにする。代官山のカフェで待ち合わせ。朝日も自転車でやってきて、久しぶりに3人で遅いブランチ。そういえば、こないだタワーに行ったら、ブリトニー・スピアーズの新譜が出ていたが、ストリングスの録りなどをやっていたので、クレジットがあるそうだ。ニューヨークのスタジオで20人ものストリングスを録るなんて経験は凄いだろうなあ。
朝日は家に戻ってコーラスの作業をするというので、僕と山口でスタジオに。改装されたスタジオは山口にも好評。NOETEKの卓のEQをいろいろいじったり、モニター環境をチェックしたり。以前はあれこれ文句を言われていたけれど、僕もあれから頑張ったもんね、「最高でしょう、こんなスタジオがあったら」と言ってもらえた。ATCのモニターとマッキントッシュのアンプという山口好みのセットアップがあるプライヴェート・スタジオなんてここぐらいのものだし、一緒にミックスをやったりする機会もまた増えるだろう。
ふたりでしばらく、あれこれCD聞いたり、山口が持ってきたフェンダーのフレットレス仕様のプレシジョン・ベースをかわりばんこに弾いたりして過ごす。「なんだか中学生みたいだね、オレ達」。あの事件さえなければ、山口はもう少し、ニューヨークにいたかったそうだが、僕は彼が帰ってきたのが嬉しい。
山口が帰った後、スタジオで卓に向かって、原稿書き。が、夜は高円寺に。ひがしみえちゃんとアップルズとブラウニーのライヴ。ちょうど、みえちゃんの始まる直前に着く。満員の盛況。久しぶりにライヴを観たが、みえちゃん、もうサイコーでしょう。小道具まで使ってのMCは、さすが吉本めざしてただけあるわ。あんなキャラであんな音楽やる人、他にいない。歌ってる姿もめちゃ可愛いくてグ〜。後半、黒田くんが2曲ベースで参加。最後の曲はうちでオケを作った曲だったのだが、僕の弾いたギターがノンエフェクトでやけに大きくミックスされてて、ひとり勝手に恥ずかしくなったり。
アップルズはアンプラグド・スタイルでいつもよりリラックスした感じのライヴ。なかじ〜のスリー・フィンガーの曲、やっぱりいいな。ブラウニーは見れずにゴメンナサイ。
終了後、高円寺の中華料理屋で打ち上げ。なかじ〜&チャイチャイとみえ&コニーを中心とした二十代前半チームの中に、思えばオトーサンの年齢のオレ。でも、楽しく盛り上がる。あと、チャイチャイお勧めのこの店がめちゃめちゃ気に入ってしまった。四川と北方の料理が混じっているのだが、うちの母親が育った新彊の料理を初めて食べた。これが中国料理なのにクミンが使われた料理で超美味。また行きたい。