BEFORE GET IN SLEEP

09.23
駒沢公園にやけに人が多いので、月曜日だけれど、実は祭日だということに気づく。ダンベル・ウォーキング2キロの後、今日は6キロ、ジョギングしてみようとスローぺースで走り始めたが、一周の終わりで、どうも右足首のあたりが本調子じゃないのに気づいてリタイア。もう一周、ダンベル・ウォーキングして終る。ジョギングの方が爽快だけれども、足痛めちゃ、もともこもないもんね。筋トレも今日はお休み日。ゆっくり行きましょう。
僕はもともと運動をやっていない。高校以後、運動部経験なし。二十代の頃にちょっと草野球やった程度。でも、運動していなかった分、こうやって毎日、汗を流すことが新鮮だったりする。意外に身体を温存してあったというか、鍛えれば何とかなる部分がまだこんなにあったんだという驚きもある。
同じようなことは音楽についても言えて、僕は二十代の初めにミュージシャンになることを諦めて、以後十五年くらい、ほとんど楽器に触らなかった。でも、あのまま続けていたら、今はどうなっていたか? 多分、三十代で音楽をやることに疲れ果てていたんじゃないかと思う。
自分で音楽をやることをやめたかわりに、僕はオープンにいろんな音楽を聞くことが出来るようになった。ジャーナリストという立場で、たくさんのスーパースターにも会ったし、世界中に出掛けて行って、音楽の生み出される現場も見てきた。ミュージシャンには出来ない種類の音楽の勉強が出来て、だから、四十代になって戻ってこれたのだ、という意識はある。同世代のミュージシャンは一仕事終えた頃あい。でも、僕はまだ駆出しもいいとこで、その分、自分を温存してあったとも言える。こっちもまだまだ鍛えれば何とかなる部分があるだろう。
洗濯機を二回しして、買い物行って、大量の郵便物整理。送らねばならない請求書、返事を書かねばならないメールも溜まっているが、なかなか片づかず。問題はいつものことだけれども、CDの置場所がない! それがいつも僕の人生の重大問題。なのに、自分でもCDを作る。作らずにはいらいれない。レーベルを始めて以来、キッチンが倉庫がわりになり、今や倉庫の奥に流し台が付いていると言った方が良い状況になってしまった。収納方法を考え直さないと、ヤバイ状況。
PHATのマキシと新川くんのアルバムの作業がひとまず終ったので、今週はフジワラダイスケ・ソロと朝日美穂レコーディングに戻って、集中した作業をしたいところ。でも、今日は自宅で比較的ゆっくり。しまった、お彼岸なのに好物のおはぎは食べ損ねました。

09.24
ジョギング4キロ。さんま焼いて食べて、溜池の東芝EMIに。ミーティングふたつ。一度、帰宅後、夜はスタジオ。CD-Rコピーなど雑務で潰れる。意外に疲れる。

09.25
ダンベル・ウォーキング2キロ、ジョギング2キロ。さらに筋トレ後の体重ですが、初の63キロ台に。30代の十年間はずっと61キロでした。もうちょっと、もうちょっと。
今日も溜池でミーティング。懸案事項が山積み。来週からはPHATのアルバム・レコーディングに突入するので、オレもダイスケも頭パンクしそうな状況か。
夕方からスタジオ作業。フジワラ・ダイスケ・ソロのミックス。録音時のミスとしか思えないノイズ、歪み、かぶりの処理に手間取っていたのだが、ラフに行こうと心に決めて、「5th Floor」「GANTZ」「SUPERSTAR」の3曲を一気に落す。プロ・トゥールズ内でほぼ作りこんであったので、アナログのチャンネルに振り分けて、あらてめてEQ、コンプ、手フェーダーなどでミックス、というか半分マスタリングに近い作業かな、ここまで来ると。あと3日あれば、アルバム完成できそう。
夜はとあるレポートを作りつつ、考えごと。ひとつ思いついた。MEMORY LABのCDは今後、DCCD(DETEST COPY CD)で発売するというのはどうか。別にコピーガードなどかけない普通のCD-DAなのだが、そういう名称を勝手に付けてしまう。で、このCDはDCCDですとステッカーが貼ってある。すると、なんだコピーできないのか、と思って、買うのをやめる人はやめるだろう。結果、不法コピーの流出も減るかも。
これなら音質や再生保証の問題もなし。売り上げの増減よりも、ともかくオレの目につくところにコピーが出回るな、という個人的感情を優先しているうちのレーベルなどはそれで十分・・・とか、あ、いや、レポートはマジに書いています。

09.25
ダンベル・ウォーキング4キロのみ。やや筋肉痛があるので、軽めに上がる。恵比寿の某レコード会社に届け物の後、朝日宅に向かい、ライヴの搬出。
滅多に行かない田町にタクシーで。三菱自動車ショールームはガラス張りの大きなスペースで、そこに特設ステージを設営中。物凄い量のナチュラル・リヴァーブのある空間なので、音が回りそうだなあ。しかし、リハの時間はたっぷりある。
案の定、スネアをカンと叩いただけで、カアアアア〜ンと鳴ってしまうので、ドラムのチューニングを締めに締めたり、モワモワするベースをラインが聞こえるようにアンプ・セッティング変えたり、いろいろする。でも、PAの人も優秀で、リアを進めるうちに、まずまずのサウンドに。ゆっくり全曲リハ出来たのは強い。バンドもギタリストのチダを加えて初めてのステージなのだが、もともとダイちゃんとチダは高校時代からのバンド仲間。ダイスケとケースケのコンビネーションもここに来て、急速に良くなり、文字通り、バンドの音になってきた。下北沢440でのライヴから2カ月しか経っていないのに、こんなにも変わるとは。ともかく、リズム・セクションの歌への寄り添い方が全然違う。やっぱり、バンドは面白いなあ。FMOの時代も初めはこんな感じでまとまっていったのを思い出した。でも、今回のバンドは平均年齢12歳は若い。
平日の田町でのフリー・ライヴに人が集まるのかと思ったが、ちゃんとお客さんはいて、温かい拍手とともにライヴも順調に進行。場所が場所ですので、環境的には目をつむらなければならないところもあったものの、朝日もバンドも気持ち良く出来たみたいで、特に岡村ちゃんからプレゼントされた新曲をやったあたりから、朝日のパフォーマンスがいつになくエネルギッシュになり、僕までちょっとビックリした。岡村ちゃんからもらったパワーか。
会場にはもりばやしさん、エマーソン北村くん、フリーボ石垣くんも。旧ギタリストである石垣くんも「今まで見た朝日ちゃんの中で一番良かった」と言っていたが、ホントかも。
ところで、さらにビックリしたのはライヴ終了後。このフリー・ライヴは三菱自動車主催。マーブルトロンのTHE ITさんが企画参加していて、声をかけてくれたのだが、会場で電通の三菱自動車担当者に会ったら、これが大学のジャズ研の後輩Jくん。実は昨日、東芝EMIでPHATのA&Rチーフの原島さんと話していたら、原島さんも大学時代、Jくんの知り合いだったことが判明し、彼の噂をしていたのだった。その本人が目の前に現れて、二十年ぶりくらいに再会。不思議なものです。来月はこのイヴェントにPHATが出演。さらに縁が出来るというのも。
終了後、僕は今日もまた溜池に向かい、三日連続のミーティング。レポート片手に例の問題についても。そうそう、今日、ワカちゃんから指摘されましたが、スカパラのBBSではCCCDに抗議する書きこみが沢山あったそうです。

09.27
COFFEE MOMOTIEに大量の書きこみ。やっぱり、良いライヴをすれば反応がある。正直いえば、ここまで来るのは苦しかったし、こんなに短期間でここまで来れるとは思っていなかったところもある。
朝日美穂のライヴは何年もの間、鹿島達也、エマーソン北村、石井マサユキといった、細かく説明などしなくても曲を理解して、イマジネイティヴな演奏をしてくれるミュージシャン達に支えられてきた。でも、朝日の意志もあって、今年の始めから、バック・ミュージシャンに頼らないライヴを模索することになった。手始めにソロでライヴを出来るようなセットを作り、ミニ・アルバム「HOLIDAY」発表後は、ソロを基本にドラムのダイちゃんとベースのケースケを加えたピアノ・トリオでライヴをこなしてきた。30代、40代のミュージシャンに支えられてきた朝日が、いきなり最年長になり、20代のミュージシャンを率いる形。しかし、すぐにはバンドはサウンドしなかった。ダイちゃんもケースケも演奏力は素晴らしいが、歌物のバックの経験は少ないし、それでいてアブストラクトなところもある朝日の楽曲を演奏するには、リハーサルの絶対量が足らないところもあった。
それが3回のライヴを重ね、今回からギターのチダを加えた形になって、見違えるようにサウンドするようになった。バンドとしてサウンドするようになると、個々のメンバーの力量も生きてくる。BBSにもバンドを賛える声が多かった。これは僕にとっても本当に嬉しい。PHATのケースケも、元POSHのダイちゃんとチダも、MEMORY LAB周辺から育ちつつあるミュージシャンなわけだしね。そのうち、あちこちで引っ張りだこになってしまうだろうなあ。
今日は終日、小雨模様だったが、止んだ隙を突いてジョギング2キロだけ。午後はスタジオで新川くんとミーティング。マスタリングを少しだけ手直し。ライヴの計画や今後のことについて、いろいろ話す。新川くんは欲がないといえば欲がないのだが、そういう人って実は一番欲深いとも言える。さかななんかもそうだけれど。金や名誉のためには動かないわけで、自分の望むことしかしない。面白いヤツ。でも、ライヴはやることになりました。10月よりリハーサル。
夜はシアター・コクーンでアンリ・サルヴァドール。一生忘れません、このコンサートのことは。うまく言葉に出来ないけれど(そのうち朝日新聞でレヴューする予定)。楽器編成や演奏スタイルはこれからやらねばならい新川くんのバンドと同じ。そういう点でも興味深いライヴだったけれど、もう何でもいいっちゃ何でもいいというか、84歳のサルヴァドールがそこに立っているだけで、物凄いオーラ浴びました。背筋がしゃんとして、今にもタップを踊り出しそうなフットワークで、声量もたっぷり。通訳の女の子に色目使い、その度に女の子が半歩下がるのにニヤニヤしたり。「シラキュース」聞けちゃったし。会場でエゴ・ラッピンのふたりに会う。
スタジオ戻って、朝日と深夜ミーティング。レコーディング・プランを詰める。ライヴが軌道に乗ってきたのでムードも良し。凄いの作りたい。

09.28
今日も雨模様。走れないではない時間帯もあったが、低気圧に負けて、身体が動かず。なんだかんだで夕方までゴロゴロ。でも、頭の中はあれやこれやでパンパン。半分を占めるのはCCCDの件だが、書くにはあまりにデリケートな状況。いずれにしろ、PHATの新しいマキシ・シングルは12月11日発売決定。
夜遅くなってから事務作業をパンパンとやって、三軒茶屋の郵便局へ。そのまま自転車飛ばして渋谷まで行き、A-STYLEというスペースで深夜にPHONESの公開リハーサル風ライヴ。最後に急遽やることになった新曲、まだ歌詞もない状態でケンボーがピアノを弾いて歌ったのだが、これがダニー・ハザウェイみたいでめちゃカッコ良かった。
深夜の246をチャリでぶっ飛ばして帰宅。走れなかったかわりに、なんのかんので20キロくらいはサイクリングしたかも。深夜、さらに筋トレ。

09.29
久しぶりの好天。今日は8キロに挑むぞ、と駒沢公園に。ダンベル・ウォーキング4キロ、ジョギング4キロと心に決める。が、考え事しながらウォーキングしていたら、アレ、もう3周目だっけ? 6キロもウォーキングしてしまった。なので、最後の一周でジョギングにスイッチ。が、今日もまた右足首に違和感があり、リタイア。
筋トレした後、ピキヌーに行ってウハウハ。食事制限などしませんよ、僕は。快眠快食のための運動。続けることが大事なので、フラストレーション溜めないようにしないとね。
自転車でスタジオに向かうが、街は良い陽気の日曜日。オレだって買い物くらいしたいよ、てことで代官山に。ナイキのスニーカーを買う。さらに渋谷に向かい、もう一足、ナイキのスニーカーを買う。他に欲しいものないのかな? 頭の中は走ることばっかり。でも、これで当分、走らないわけにはいかないすね。
スタジオに戻り、PHATの仮題「ゴルゴ」のシングル用ミックス。先日、ラフは作ってあったのだが、やり始めたら、新しいエフェクトのアイデアがいろいろ出てきて、かなり作りかえることに。深夜までかかったが、ひょっとして会心のミックスが出来たかも。僕にしては珍しく、アンビのチャンネルを重視。バンドっぽいダンゴ感とそこから飛び出てくるダブ的要素の対比がテーマかな。
しかし、幾らミックス頑張っても、これがCCCDになってしまうんだったら、元も子もない。オレはプロデューサーやエンジニアのクレジットも辞退するだろう。責任持てないからね、エンドユーザーに対して。ベストを尽くした結果がコレですという。多くのエンジニア(特にマスタリング・エンジニア)が今はそう思っているのではないだろうか。