BEFORE GET IN SLEEP

09.16
一夜明けて、やや睡眠不足だったが、頑張ってジョギング4キロ。ヨーグルトとシリアル食べて、学芸大のスターバックスでダブルショットのラテ飲んで、祐天寺に。今日はブラウニーのマスタリング。マーブルトロンのTHE ITさんとメンバー3人と駅で待ち合わせ。
メンバーはなんとなく知っているので、挨拶もそこそこにスタジオ作業。なにしろ、今日は13曲もマスタリングせねばならない。自分のレーベルのマスタリングなんて、一日2曲なんてペースでやってたりするのに。しかし、事前にもらって、プロトゥールズに取り込んでおいたブラウニーの新作アルバムは、非常に興味深い力作。こんなアルバムのマスタリングに携われるのは、素晴らしい経験です。
今日はシステム的にはプロトゥールズとアナログを併用。アヴァロンのコンプ、EQと時にAPIのEQも使う。デジタルのEQを細かいカットに使って、アナログのEQでおおまかにブーストするというのが基本。もっとも、僕のやるマスタリングはプロ・スタジオのマスタリング・エンジニアのそれとはだいぶ趣向が違うかも。曲順に合わせて進めていくが、1曲目からいきなり波形をいじり出すので、THE ITさんも驚いてたみたい。マスタリング・エンジニアのEQはせいぜいプラスマイナス3dbくらいの範疇だが、僕はピンポイントで9dbもブーストすることがある。曲中で部分的に、パンを狭めて、モノラルに近くしてみたりとか、それはミックスじゃん!てな反則技も多い。
マスタリングの間中、レコード棚からいろんなCDを取り出して、聞き比べ。しばらく聞いちゃったりもする。でも、今日はブラウニーのメンバーの知っているCDも多かったようで、チボ・マットやヴィンセント・ギャロやらをかけていると、後ろから「この曲好き」とかいう声が聞こえてきて、そうなると、お互い安心でしょ。
アルバムの半分ほどまで来た時に、これは本当に凄いアルバムじゃないかと思えてきた。荒々しくも儚い。キッチュなんてものを越えた荒唐無稽な切なさがある。今日は僕はあくまでエンジニアなので、そんなことは口にはしないけれど、これだけのものを作り上げるのにどれほどの意志と情熱を必要とするかは分かる。こないだ、エレキベースの坂本くんにアルバム聞かせてもらった時にも思ったけれど、恐ろしいほどのエネルギーを注いで、凄いアルバム作っているインディペンデントなミュージシャンはいるんだよな。でも、受けとめるリスナーは少ない。メディアの作ったハイプなしには。
昨今のCCCDを巡る論議は(アレ? また、ここに戻っちゃった)、すぐにレコードが売れないのは何故だ?という論議に結びつき(僕の中ではぜ〜んぜん結びつかないのだが)、そこで必ず出てくるのは「お金出して買いたいだけの音楽をレコード会社が作っていないからだ」という意見だったりする。まあ、そう言いたくなる気持ちも分からなくはないけれども、でも、音楽ってそもそもレコード会社が作るものじゃないんだよね。レコード会社が作るのはハイプ。極論してしまえば。
で、当たり前のことだけれど、良い音楽を作るのは音楽家の仕事。そして、良い音楽を見つけるのは、オレが良い音楽を聞きたいのならオレの役目、アナタが良い音楽を聞きたいのならアナタの役目・・・だと僕は思う。レコード会社のせいにばっかりしちゃ駄目なのだ、ミュージシャンもリスナーも。与えてもらうって意識がどっかにあるから、そうなるわけで。
音楽メディア全体を覆っている「たかりの構造」もそう。レコード会社からの広告収入めあてにハイプの片棒担ぐだけのメディアの影響力が落ちるのは当然で、今や、最大部数、最大の影響力を誇る音楽誌が「BOUNCE」だというのも痛快っちゃ痛快。「BOUNCE」は出稿とバーターにインタヴュー記事載せたりしないからね。そういうフリーペーパーのかたわらに、バーター記事ばかりの音楽雑誌が置いてあったって、人が手に取るだろうか? 賢い人はわざわざお金出してレコード会社の広告買わないに決まっている。お金出して買いたいだけの誌面を作れない編集者やライターが食えなくなるのは当たり前の原理。レコード会社にたかれなくなった昨今ではね。
本気で音楽を作っているミュージシャンはレコード会社なんかなくても音楽作るし、本気で音楽を探しているリスナーは音楽雑誌なんかなくても音楽見つける。というか、そのぐらいの気概がミュージシャンにもリスナーにもなきゃ面白くないじゃない。シュガーベイブやRCサクセション(ロック・バンドになった後の)やサザン・オールスターズをなぜ僕は客が数人しかいない頃から見ていたんだろう?と考えることがあるが、レコードも出てないし、雑誌にも情報なんてほとんどなかったのに、なぜか、僕はそこにいた。いるのが当然だった。あんなバンドが演奏していたのだから。当時は知り合いじゃなかったけれど、同い年で、同じような場所をウロウロしていたのが萩原健太くんだった(早稲田高校、一緒に受験して合格してたんだよね。僕は国立めざして都立に行ったので、クラスメートになり損ねたが)。CCCDに関して、健太くんと僕ぐらいしかハッキリ物を言う音楽評論家はいないらしいが、つまりは、それも気概の問題でしょ。オレはレコード会社に飼われているんじゃない。最初に自分ありき、だという。
なんか、話が逸れまくりだが、良い音楽は情報の中から探し出すもんじゃないのだ。自分の耳で探し出すもの。でも、現実に自分の耳で確かめたものを信じる力が欠けているのが今のリスナーだと思う。情報収集能力ばかりで。CCCDだって、もう日本で1000万枚出荷されたわけでしょう。でも、音ワリ〜よって声はさして聞こえてこない。テイトーワやスカパラのファンすらもそういう声を上げないのだから、な〜んだ、この程度の音で良かったんだということにもなるだろう。アーティストのBBSに不満や抗議が殺到したら、スタッフは考えないわけにいかないよ。でも、ネット上でも情報収集するばかりで、効力のある声を上げようとする人は少ない。
そうそう、1000万枚出荷といえば、イスラエルのミッド・バー・テック社が取得するカクタス・デジタル・シールドのライセンス料は、CDの価格の0.3%だそうだ。0.3%の印税・・・3人組のバンドの一員としてデビューした時にもらえるアーティスト印税とか、アルバム10曲中1曲、曲を書いた時にもらえる作詞作曲印税とか、そのぐらいですね。その1000万枚分。で、10月からは東芝EMIの国内制作のすべてのアルバムにミッド・バー・テックが1曲、曲を提供しているのと同じ。もちろん、エーヴェックスやワーナーやポニキャからも入る。すっごいバブル。だから、技術者の方々は頑張り時です。音質を損なわない、事故の可能性の少ない、それでいて、より厳重なプロテクトを開発して、0.2%の印税でライセンスすることにすれば・・・。
いきなり、日記に戻ります。「おおむら」で蕎麦食べた後、後半戦。アブストラクトな展開、轟音な展開もあるが、筋の通ったポップ・アルバムとして構成されていく。普通、マスタリングする時は、あと0.5デシベル突っ込めるかな、とか、そんなことばかり考えているのだが、今日はすごく音楽的に楽しんで、感情的にも揺り動かされてしまった仕事だった。12時くらいまでに、なんとか13曲、マスタリング終了。が、シークエンスを作る時間はなかったので、後日ということにする。メンバーが帰った後、THE ITさんと少しお話。音楽業界の現状について、ダークに語りあう。THE ITさんはロス・ロボスの新作を輸入盤で買いなおしたそうだ。僕もアート・リンゼイの輸入盤見つけなきゃ。

09.17
自分らしく本気で生きるためにプータローになる人が最近、周囲にとても多いように感じられる。それも30代になって、本当なら、そろそろ腰を落ち着けて、家庭でも築こうという頃に。頑張れ!と言うしか僕に出来ることはない。僕は多分、高学歴フリーターのハシリで、でも、あの頃は人数が少なかったら、なんとかなったようにも思う。バブル前だったということもある。
今は比べものにならないくらい困難な時代だ。僕だって一歩踏み外せば、即プータローなわけで、いや、実際のところ、去年の今頃はこのまま家賃を払い続けられるだろうか? 実家に戻らなきゃならないかもしれない(スタジオは閉鎖できないから、今住んでいるマンションを引き払うしかない)と考えていたりした。とりあえず、今年はPHATがメジャー行ったり、岡村靖幸トリビュートがヒットしてくれたりで何とかなったけれど、一寸先は闇。音楽業界にいる人のほとんどがそうかもしれないが。
まあ、そんな時には信じたことをやるしかない、という開き直りも必要で、僕がよく思うのは「そこまでやるか」という奴は残るってこと。それが他人には訳分かんないようなことでも。二十代の頃に知りあった「そこまでやるか」の連中はみんな残っているしね。
二十年くらい前、湯浅学の横浜のアパートが友人達の溜まり場だったことがあって、当時、湯浅はフットボール雑誌のレイアウトかなんかで食べていたのだが、彼のレコード棚はすでに音楽評論家として売り出していた僕のそれを圧倒するものだった。「ネコちゃん」と呼ばれていた湯浅宅に溜まっていたのはパイドパイパーハウスや大滝詠一の事務所で働いていた女の子達だったりして、僕は彼女達とのパーティーめあてに遊びに行っていたのだが、時々、湯浅が暗〜い顔した友人ふたりと革製のスーツケースからシングル盤を取り出して、メンコでもするように遊んでいるのを目撃した。それが名盤解放同盟。あんな酔狂でも「そこまでやるか」のレヴェルまで行くと、ある日、ビジネスになるんだな。
なんだか、今は趣味の良い人が多い気はする。いろんな音楽にほどほどに詳しくて。でも、訳分からないことをなんでそこまでやる?という奴をなかなか見かけなくなってしまった。頑張れ!のほかにもうひとつエールを送ることができるとしたら、「そこまでやるか」と思われるぐらいまでやれってことかな。そういう人こそが何かを築くように思う、小西くんや竹村さんなんかを見てても。僕などはまだまだ足りないね、「そこまで」度が
今日は朝に原稿ひとつ入稿。駒沢公園に出て、一周ウォーキングしたところで、雨が強くなり中止。家で筋トレのみ。午後に渋谷でひとつミーティング。家に帰って、あとは雑用で潰れる。まとまった時間が欲しい。
深夜、リョウアライ氏からメール。依頼していたPHATの「MEXICAN PUSHER」のリミックスが完成! うわあ、めっちゃ楽しみ。アナログ作りてえ〜。

09.18
午前中に頑張ってジョギング4キロ。ジョギングは同じくらいのペースの人を見つけて付いていくのが良いのだが(前にも書いたラビットね)、今日は最初の周で頑張って付いていったふたりに二周目で姿が見えなくなるくらい引き離され、オレ、そんなペース落ちたんだとガックリ。やっぱり自分のペースで走らねばいけません。
午後、東芝EMIへ。ジョージ・ハリスンのニュー・アルバム(ジェフ・リンとジョージの息子が頑張って完成させた遺作)を何曲かさわりだけ聞かせてもらったが、さわりだけでも泣きそうだった。特に最初に聞いたウクレレで歌っていた曲。
ところで、ネット上で東芝EMIと国内制作全面CCCD化の件を最初におおっぴらにしてしまったのは僕らしく、アチコチから、このページにリンクが貼られたり、一部がコピペされたりしてしまった。別に内密にとは言われていなかったし、10月以後の発売予定を見れば分かることだから問題はないのだが、ただね、そうは言っても東芝EMIは今、僕が一緒に仕事しているレコード会社。しょっちゅう足を運ぶし、現場から幹部まで、知り合いも多い。今日も社長と一緒にお昼を食べたし。
だから、敵対する関係ではないのだ。当然のことだけれど。一緒に仕事するスタッフとは気持ち良く仕事したい。意見を異にすることも、穏やかに話しあって解決策を見出していきたい。レコーディングもプロモーションもムード作りが重要・・・という中では、CCCDをめぐる僕の発言は非常にデリケートな状況を作り出すものにはなる。
そんな折、「音楽配信メモ」なるHPに一昨日、僕の先週の日誌を抜粋してまとめたという記事が載ったのだが、悪意ではないだろうが、これが抜粋と言いつつ、僕が書いていないことまで、推測を加えて断定表現しているものだった。「高橋氏のプロデュース音源はURCの再発CDと同じようにCD-EXTRA化することで回避できるかどうか挑戦する」とか。オレはそんなこと言っていないよ。CD-EXTRAで回避なんて手を知る前に他の方法を考えて話し合っていたのだ。あと、「挑戦する」なんて、日々、一緒に仕事しているスタッフに対して向けたい言葉では絶対にない。
なので、これは「抜粋」ではないでしょう、と主宰者にメールを送ったのだが、二日間経っても返事なし。でも、さっき見に行ったら、箇条書きの「抜粋」は削除されていたので、メールは着いていたのだろう。あるいは、メールを送ってもらったのに、こちらに届いていないのか、分かりません。ただ、大きなレコード会社、あるいは業界全体の動きに対して抵抗するのはリスクを伴うということ、そのリスクを負いつつ、僕、あるいは僕のプロデュースするアーティスト、あるいはそのアーティストを取り巻くスタッフ(レコード会社社員を含む)が作品の質を守るためのストラグルの中にあるのだいうこと、その状況のデリケートさは理解してもらいたいところです。
ある意味、僕などはジャーナリストという立場もあることで守られている部分があるが、アーティストやスタッフはより大きなリスクを抱えてもいる。格好のリストラの理由になるだろうしね、会社や業界の方針に背くのは。CD-EXTRAという方法を考えついたエーヴェックス社員を賛えたい。昔、一緒に仕事した、知っている人かもしれないが。
東芝EMIの後は駒沢のスタジオで朝日美穂リハーサル。今日からバンド・メンバーがひとり増えて、ギターに元POSH〜現SUのチダが加わった。これでベースをYAMAUCHIに代えたら、まんまPOSHだな。オカムラちゃんからプレゼントされた曲もリハーサル。9/26のフリー・ライヴで初披露か。
終了後、急いで祐天寺のスタジオへ。THE ITさんと一昨日のブラウニーのマスタリングの続き。2曲目がローをブーストし過ぎで、ピアノの音色が歪み気味という指摘があり、やりなおす。前半の3曲が気合い入り過ぎだったきらいあり。3曲目などローエンドを12dbぐらいEQして、エイドリアン・シャーウッドみたいな音になっているが、これはOKでした。曲間を決めて、ついにアルバム完成! パチパチ。今年はこれでマスタリングやったアルバムが4枚かな。タイスケマツオにビーカーズに新川忠にブラウニー。

09.19
ショック! マジに寝坊した。僕は目覚まし時計というのを使ったことがなく、それは明日は9時起き、と思えば9時に起きられるからだ。海外旅行していて、あすは帰りのフライト、という日だって目覚ましもモーニングコールも使わない。起きた時にアレッ!と思うほど寝過ごすということはないのには絶対の自信があるのだ・・・と書くと、ウソウソ! オマエ遅刻魔じゃん!と言われそうだが、それとこれは別。僕はちゃんと時間には起きるのに、なぜか約束には間に合わないのだよ。
でも、今日は起きて時計を見た瞬間にウソッ! 8時頃だろうと思ったら11時だった。10時の約束があったのに。携帯には10時半に着信アリ。でも、それもまったく聞こえていなかった。疲れていたのかなあ。約束の件は近所だったので自転車飛ばして、ペコペコ頭下げて、ことなきを得たものの、なんかもう自己嫌悪。
なので、今日は走ることもできず。1時から駒沢のスタジオで朝日美穂リハーサル二日目。ギターのチダは二日目にもかかわらず、控え目だけれど的確な、歌心にも優れたプレイで、バンドに今までにない拡がりを与えつつある。彼のギターはともかくタッチが良い。右手と左手のコンビネーションも良い。ちょっと石井マサユキに似たところもある、僕の好きなタイプのギタリストです。で、僕はそういうギタリストに、アレ弾いて、コレ弾いて、と言うのが大好き。
今日はケースケが途中で抜けることになっていたので、じゃあ、後はオレが稽古つけたる!とばかり、ギルドのアコースティック・ベース(アップライトではない、フォー・ギター型)を持っていったのだが、結局、「唇に」を一度、演奏しただけで終了。もう一回やろうよ!って言っても、オレの練習にしかならないのか。このベース、めっちゃ重いので、帰りに後悔。
朝日とピキヌー行って、カレー食べてたら、ママが気をきかして「HOLIDAY」かけてくれたのだが、こういう時って、落ち着いて食べられないよね。あ、こないだは夜中に三宿でうどん食べてたら、なぜか、有線で朝日美穂「YOUR SONG」が流れ、場のムードとまったくそぐわない選曲に、恥ずかしくなったりして。でも、ママが「私はこの曲が一番好き」と「雨上がりの午後」を挙げてくれたのはちょっと嬉しかった。僕も一番好きなので。
一度、家に帰った後、夜にスタジオに。細かい作業いろいろ。リョウ・アライさんから「MEXICAN PUSHER」のリミックスが届く。参りました。サイコ〜!を百万回連呼したいくらい。オリジナル以上にポップになって、これはラジオでかかっても、クラブでかかっても、めっちゃインパクトあるぞ。2000年代版、ハービー・ハンコック「ロッキット」みたいでもある。早くメンバーやA&Rに聞かせたい!

09.20
デートは移動が多い方が良い、と言ったのは、大学同窓(オレの方が現役入学なので1年先輩)の康夫ちゃん(田中)だが、今日は朝から深夜までめっちゃ移動が多かったぞ。
ロケーション:深沢〜銀座〜赤坂溜池〜祐天寺〜渋谷桜ヶ丘〜渋谷宇田川町〜新宿歌舞伎町。
用件:スタジオ作業〜会議〜ミーティング〜スタジオ作業〜パーティー〜ライヴ〜ライヴ。
会議とミーティングとパーティーはどこが違うのかというと、違うのよ、会議はちゃんとした食事付き、ミーティングは飲み物のみ、パーティーは酒とスナック付きでした。
今しがた帰ってきたのは新宿リキッドルームのイヴェント。DJヴァディムとシネマティック・オーケストラとジャイルス・ピーターソン。シネマティック・オーケストラは良かった。ドラマーが化け物のように上手い。後のメンバーの演奏は普通のレベルで、ややフュージョンぽくもあり、最初のうちは端正にデザインされ過ぎた音楽にも思えていたのだが、いやいや、ステージの構成が素晴らしくて、ラストに向けてぐいぐいと場を高揚させていく。最後は僕もフロアの真ん中で両手を上げて「ブラボー」と叫んでました。
二日続けて走れなかったが、これだけ移動して、オールナイトで踊ってだったので、まあ、良しとしましょう。今日は他にもいろいろいろいろあったのだが、もはや思い出す気力がありません。

09.21
ダリ〜。だるいので、ヘニンガー・ゲステルのノンアルコール・ビールを飲みながら、書いている。二十代半ばから三十代後半まで、僕は結構な酒飲みで、だるいとビールを飲んでゴマカシ、でも、それが溜まり溜まって、毎日だるい感じで、ビール飲んで初めて生き返るみたいな生活をしていた。アルコールが減ったのは、15年間、ほとんど楽器に触らなかった生活から、もう一度、音楽を作る側に回ろうと、勉強したり、練習したり、研究したり、実験したりするようになってからだ。以来、訳もなく居酒屋で過ごす時間なんてのはほぼ絶滅した(ライヴの打ち上げ以外は)。時間は幾らあっても足りなくなってしまったから。
今日、だるいのはゆうべ朝までコースで、結構、アルコール摂取したのに加えて、その分を取り戻そうと、二日ぶりに4キロ走ったのが効いたみたいで、午後はどよ〜んとして、夜になったらビール飲みたくて仕方なくなったが、ここで飲むと、明日はもっと走るのがキツくなりそうなので、ノンアルコールなんて無粋なものでゴマカシているという訳。
そんな日だったので、やることはめっちゃ溜まっているのだが、事務作業もクリエイティヴな作業もどちらもはかどらず。はかどらない理由を探しているのだが、もうちょっと頑張れば終るぞ、という仕事があちらこちらに散らばっていて、今ひとつ、集中しないことか。専門がないからね、僕には。ムッシュかまやつの教えの通り、何か凝らなきゃ駄目なのだ。専門になった物事はルーティンでもやっていけるのだろうが、僕の場合はその時、その時の凝った物事がないと駄目。中心がなくなってしまうというか。ここのところ、今ひとつ凝っていない。機材熱も一段落で(この先に進むには途方もない金がいることもある)、サンレコの新しいのが来ても、広告の隅から隅まで舐めまわすなんてことはなくなったし。
どよ〜んとしつつ、昨日のシネマティック・オーケストラの余韻で、ライヴについてはいろいろ考える。PHATのある程度、オオバコ用のセットはどうあるべきか、とか。10/18の渋谷SOUP ではPHATのメンバー+YAMAUCHI+タイスケマツオ+僕で(仮称メモリー・ラブ・オーケストラ)ライヴをやろうと思っているのだが、そのネタや構成についても。即興性のあるものに長い時間軸での構成美を与えていく方法であるとか。
あ、最近、よく思うのは即興性は鍛えていないと鈍っていくということ。即興でやらねばならない状況に、時々は自分を追いこむのが重要で、そういう意味ではDJするとか、ライヴするとか、やっていないきゃ駄目なんだよな。60歳になっても、DJやったり、ライヴやったりしていたいぞ・・・なんて、よく考えたら、来週、観に行くアンリ・サルヴァドルは80歳越えてるんだっけ。青い発言でした。

09.22
やや寝坊。もっとも、一昨日は朝までリキッドですから、そんな翌日はダリ〜は当たり前、休むのがフツ〜、と指摘された。昼頃、駒沢公園に出て、まずはダンベル・ウォーキング・・・と、後ろからアップルズ黒田くん、ワンコ夫妻に追い抜かれる。「痩せましたね、後ろ姿が全然違う」そうだぞ! 2キロしか変わってなくても!
ウォーキング2キロの後、ジョギング4キロ。今日は良い感じ。そろそろ、もう一周プラスしてみたくなってきた。
遅い午後にスタジオに。タイスケマツオが来訪。その後はひとりで作業。PHATの純アコースティック・ジャムをミックス。PHATはレコーディングの余り時間にフリー・ジャムを録るのだが、メンバーは何をやったか、忘れてしまっている。これもそうだろうな。でも、演奏はかなり良い。PHATにしては開放感のある、明るめの曲だが、ヌマちゃんのドラムがともかく凄い。ミックスは4時間くらいで良いところに。
その後、新川くんのアルバムのマスタリングの一部やりなおし。どうも1曲だけ、しっくり来ない。今日も3度目もやりおしてしまった。終了後、さらに、PHATのリョウアライ・リミックスのラジオ・エディット・ヴァージョン作り。アライさんが作ってくれたリミックスは9分もあるので、ラジオでもかかるような5分以内ヴァージョンを編集してみることにした。なんのかんので夜中まで作業。久しぶりにスタジオ・ワークに集中した日。